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CRMはシナリオを活用して、最大の成果を狙おう
CRMは、顧客との良好な関係を築き、維持するためのものです。シナリオを活用することで、その効果をさらに高め、成果につなげることが可能です。
ここでは、CRMにおけるシナリオの役割や作り方のほか、必要となる分析法について解説します。

CRMのシナリオ設計とは?
たとえば、MA(マーケティングオートメーション)には、顧客ひとりひとりの状況や行動に合わせて、メールを自動送信する機能があります。ウェブサイトで商品を購入すると送られてくるサンキューメールや、誕生月に届くバースデーメールなどは、この機能を使って送信されていますが、これらのメールでは、その内容や送信のタイミングが、すべてシナリオで設定されています。
CRMにおいても、考え方は同じです。蓄積された顧客の属性情報や行動履歴を分析し、どのような顧客にどんなアプローチをかけていくかを決めておく。それが、CRMにおけるシナリオ設計です。
CRMにおけるシナリオの4つのプロセス

1. 製品・サービスへの理解を促進する
ですから、自社の製品・サービスにどのような特徴があり、競合と比較して何が優れているのか顧客に理解してもらうことが、販売促進につながります。
2. 製品・サービスを使うメリットを訴求する
このプロセスで、顧客が得られるメリットと、それを最大化するための方法や使い方を、しっかり訴求していきます。
3. 製品・サービスの継続使用を促進する
このプロセスでは、購買単価や購買頻度などによって、顧客をグループ分けしておくのがポイントです。購買頻度は低いけれども単価が高い顧客と、単価は低いけれども頻繁に購入してくれる顧客。それぞれに適したアプローチを行い、継続使用を促します。
4. 自社ブランドへのエンゲージメントを高める
CRMのシナリオ作成で意識しておくべきポイント

セグメント:対象は誰か
リピーターの育成を図りたいなら、新規に購入してくれた顧客が対象になります。LTV(顧客生涯価値)の増大を狙うなら、すでにリピーターとなっている顧客、あるいは過去に購入履歴のある休眠顧客がターゲットとなるでしょう。特定の商品をプッシュしたいのなら、その商品の特徴に合わせ、性別や年代、居住地域など、顧客の属性から対象となるグループを抽出することになります。
蓄積したデータを丁寧に分析し、最適なセグメントを決めるよう心掛けてください。
タイミング:いつアプローチするか
このアプローチのタイミングと頻度は、CRMでは重要な要素です。ほんの少しタイミングがずれると顧客が離れてしまったり、反応してくれなくなったりしますし、頻度が高すぎるとわずらわしく感じられ、登録を解除されやすくなります。試行錯誤を繰り返しながら、最適なタイミングと頻度を摸索してください。
メッセージ:何を伝えるのか
新規の顧客に対しては、自社の製品やサービスを幅広く紹介して理解を深めてもらい、リピーターには関連商品や新しいモデルを案内する。このように、顧客の属性と行動、心理状態にフィットした、最適なメッセージを送ることが大切です。
アプローチ方法:どのチャネルを使うか
メッセージをタイミング良く、確実に顧客に届けるためには、アプローチの方法、つまり、どのチャネルを使うかという点も見逃せません。メールでのやりとりやウェブサイトを使ったものが一般的ですが、アプリやSNS、さらに電話やダイレクトメールという方法もあります。
どのチャネルが適しているかは、ターゲットの年齢層や生活スタイル、好みによって違います。メッセージの内容によっても変わってくるでしょう。タイムセールのお知らせや臨時休業の告知などは、SNSやアプリを経由したほうがいいでしょうし、新製品の紹介など、多くの情報を伝えたいときには、メールやダイレクトメールの郵送が適しているかもしれません。
セグメントとメッセージの内容に合わせてチャネルを選ぶことで、より効果的なアプローチができます。
シナリオ設計には、明確な根拠が必要

顧客行動の把握が何よりも重要に
こうした情報を顧客視点で紐解き、把握することは、シナリオ設計において必要なことです。その上で、顧客の置かれた状況や心理状態を想像しながら分析し、「誰に、いつ、どんなメッセージを送るか」というシナリオに、落とし込んでいくのです。
シナリオ設計に使えるRFM分析
シナリオ設計の根拠となる行動履歴は、顧客データを分析することで紐解くことができます。データの分析法には多くの種類がありますが、ここでは、顧客の購買行動に関連が深く、シナリオ設計に活用できる「RFM分析」を紹介します。これは、最新購買日(Recency)、購買頻度(Frequency)、累計購買金額(Monetary)という3つの要素を軸にして個々の顧客をスコアリングし、グループ分けする手法です。
- 最新購買日(Recency)
最新購買日は、最後に自社の製品・サービスを購入した日付です。購入から間もないタイミングは、顧客からの反応を得やすい時期です。ですから、購入後の数日間のうちに、「使い心地はいかがですか?」というようなフォローを送ったり、関連商品をプッシュしたりすると、高い反応率が期待できます。 - 購買頻度(Frequency)
購買頻度は、これまでに製品・サービスを何回購入したかを示す数値です。この数値が小さい場合は、まだ製品・サービスへの理解が浅いかもしれません。ですので、次回の購入を促すためのアプローチが必要です。
反対に、購買頻度が高いリピーターは、優良顧客といえます。「お得意様セール」などの特典を用意したり、購入履歴のない製品をおすすめしたりと、リピーターならではのメリットや、新たな発見を得られる提案が適しています。 - 累計購買金額(Monetary)
累計購買金額は、顧客のこれまでの購入額の総額、つまりLTVと同義です。この数値が高い顧客は優良顧客といえますから、特別感のあるサービスを用意したいところです。また、メールの文章にも注意し、現在の状態を維持するコミュニケーションを心掛けましょう。
数値が低い顧客に対しては、無理に引き上げようとせず、「あと3,000円の購入で◯◯をプレゼント」という具合に、小さなゴールを設定していくと効果的です。
CRMのシナリオを活用して、LTVの最大化を目指そう
CRMでのシナリオを積極的に活用して、顧客満足度とともに売上の向上、LTVの最大化を図ってください。
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