顧客満足度の測定、どんな指標を使えばいい?

投稿日:2021.4.16
近年、顧客満足度の重要性が、多くの企業に認識されるようになってきました。しかし、「どんな指標で顧客満足度を測るべきか?」と迷ってしまうケースも少なくないようです。顧客満足度を測定する指標には、それぞれ違った特徴があり、適性がありますので、目的に合ったものを用いることが第一です。
ここでは、顧客満足度の測定に使われる代表的な指標について解説します。

なぜ顧客満足度が重要なのか?

製品やサービスを提供し、代価を得るのがビジネスの基本です。そして、安定的に収益を上げ、拡大していくためには、新規顧客を増やすか、既存顧客にリピートしてもらうことです。新規顧客をいくら獲得できても、その顧客が満足してくれなければ、リピートしてくれることはありません。
そこで、いかに顧客を満足させるか、つまり「いかに顧客満足度を高めるか」が、重要になります。

顧客満足度とは?

自社が提供する商品やサービスに、顧客が満足するかどうか――それは、「提供された製品やサービスが、顧客の期待値を上回っているかどうか」と言い換えることもできます。期待を上回っていれば、顧客は十分に満足してくれるでしょう。しかし、それ以下であれば、顧客の満足は得られません。

とはいえ、顧客がいったい何を期待しているのか、それを見極めるのも難しいことです。レストランや旅館などで、もてなしのつもりで手厚い接客を心掛けても、人によっては「うっとうしい」と感じられてしまうこともあります。
ですから企業側としては、「顧客が満足する」とはどのような状態なのかをしっかりと定義した上で、顧客がそうした状態にあるかどうかを測ることが大切です。

顧客満足度と顧客ロイヤリティの違い

顧客満足度と似た言葉に「顧客ロイヤリティ」というものもあり、顧客満足度と混用されることも多いようです。しかし、顧客ロイヤリティとは、厳密には単なる満足ではなく、顧客が製品やサービスを提供している企業やブランドに対して抱く、愛着や信頼、忠誠心といった、「満足以上の感情」を指します。
製品やサービスにふれて「これはいいな」と満足を感じ、回を重ねるにつれて「これがいいんだ」と愛着が深まっていって、やがて「これでなくては」という状態になっていく。この変化が「顧客ロイヤリティの向上」というわけです。

市場の変化が顧客満足度の重要さを増した

「モノが売れない時代」といわれる現代、市場には多くの製品やサービスがあふれています。こうした状況では、綿密なマーケティングを行い、ニーズに応える商品を提供しなくては、企業が安定的に売上を上げることはできません。良い製品を作り、市場に投入すれば売上が見込めた時代とは異なり、消費者の要求に応えることで売上を獲得する、顧客志向の発想が必要なのです。
そのためには顧客が何を求めているのか、自社製品に満足しているのかを正確に測定する必要があり、顧客満足度の測定や向上の重要性が増してきているのです。

顧客満足度を測る指標とは?

それでは顧客満足度を測る指標には、どのような種類があるのでしょうか。ここからは、そのうちのおもなものを、いくつかご紹介しましょう。

顧客満足度指数のスタンダード「CSI」

CSI(Customer Satisfaction Index)はアメリカで生まれた顧客満足度の指標で、現在では約30か国で提供されています。40以上の業種、380以上の民間企業、連邦政府、自治体について、消費者に電話調査を行い、満足度を数値として算出されます。
CSIの調査対象は25万人以上といわれており、ある製品やサービスについて「満足している・いない」という単純な質問だけでなく、関連のある複数の質問を行い、それらの回答の平均値をスコア化することで、指標としての信頼性を高めています。

日本独自のカスタマイズ版「JCSI」

JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)は、世界の主流として使われているCSIの解析理論をベースに、日本版として再構築したものです。経済産業省をはじめ、各分野の研究者や企業が参加して開発されました。年に1度、約30の業種から選出された約400の企業について、これまでに蓄積されたデータに、12万人以上の消費者への調査結果を加えて、顧客満足度が判断・算出されます。
製品やサービスに対して消費者が抱く「購入前の期待」と「購入後の満足」という、心の動きをモデル化することで、満足・不満足の理由やその後の行動との関係を探ることができます。

モノとサービスへの愛着を測る「NPS」

NPS(Net Promoter Score)は、厳密には顧客満足度ではなく、顧客ロイヤリティを測る指標です。 ある商品やサービスに関して消費者にアンケートを行い、「これを家族や友人にすすめたいと思うかどうか」を、0点から10点までの11段階で評価してもらいます。この結果のうち、0点から6点までを批判者、7点から8点を中立者、9点から10点を推奨者に分類します。最後に、全体に対する推奨者の比率から批判者の比率を差し引いた数値がNPSです。
NPSでは、顧客ロイヤリティの高低を測ることはできますが、「なぜそう思うか」という点までは踏み込んでいません。ですから、より深い顧客理解のためには、NPS以外の指標を併用していく必要があります。

NPSについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
NPSの活用が業績アップにつながる!?NPSの効果的な活用方法

そのほかの指標

ほかにも、顧客満足度を測る指標はいくつかあります。たとえば、製品やサービスで顧客が目的を果たすことができたかを示すGCR(Goal Completion Rate:目標達成率)や、目的を達成することが容易だったかどうかを示すCES(Customer Effort Score:顧客努力指標)、一連のプロセスに満足できたかを示すCSAT(Customer Satisfaction Score:顧客満足度)などが挙げられます。
これらは前述のNPSを補完する指標としても使われ、より深く細かなマーケティングに活用されています。

顧客満足度に関連するKPI

これまでに紹介した指標を使い、顧客満足度の測定ができたとしても、それだけでは何も変わりません。顧客満足度が高くても低くても、その要因がどこにあるのかを探ることが重要です。そこで必要なのが、顧客満足度に関連すると思われるKPIをピックアップし、顧客満足度指数との相関関係をチェックし、追跡することです。
ここでは、顧客満足度に関連するKPIの一例をご紹介します。顧客満足度とKPIに明確な相関関係が認められれば、顧客満足度向上の糸口が隠れているということになります。

顧客数

顧客数はすなわち市場シェアですから、企業にとって重要な数値です。また、調査の母数となるものですから、顧客満足度にも大きな影響を与えます。
また、紹介によって得られた顧客が多ければ、それはNPSの数値に強く関連しますから、「紹介顧客数」も大きな意味を持つKPIとなります。

リピート率

自社製品を継続して利用しているということは、それだけ満足度が高いと考えられます。ですから、リピート率を高める施策は、顧客満足度を高める施策と同じ意味を持ち、ひいては顧客ロイヤリティを高めることにもつながります。

クレーム率

クレーム率は、顧客満足度に対してマイナスに作用するため、これも重要なKPIとなります。ただし、クレームの件数が「不満を感じている顧客数」と一致するとは限りません。何らかの不満を感じたとしても、クレームという行動を起こす顧客は、全体のごく一部だからです。

解約率・返品率

解約や返品を行った顧客には、製品やサービスを「これ以上使いたくない」という、重大な不満があったものと考えられます。中には、「思っていたものと違った」「必要な機能や性能ではなかった」というような、顧客側の確認不十分と思われるケースもあるはずです。
しかし、誤解を与え、顧客の期待に応えられなかったことに違いはありません。こうした場合には、「なぜそうなったのか」を十分に検証することが大切です。

顧客満足度をどのように調査するか

最後に、顧客満足度の調査方法についてご紹介しておきましょう。これは、自社の顧客を対象とするのか、市場全体の中での自社の位置を測るのかによって、大きく2つの手法に分かれます。

自社リソースによる調査

自社の顧客リストを基に、メールやアプリなどを使ってアンケート調査を行い、顧客満足度を調べる方法があります。この方法は、調査対象へのアプローチがしやすく、コストを低く抑えられるというメリットがあります。そのため、定期的・継続的に実施することができ、指標の変化を追跡しやすくなります。
ただし、他社製品・サービスの評価を得られませんから、競合との比較やシェア拡大の目的には利用できません。

外部の調査会社による調査

外部の調査会社に委託して、顧客満足度を調べる方法もあります。自社とは直接接点を持たない、潜在ターゲット層に幅広くアクセスでき、競合との比較も可能です。そのため、市場内での差別化や、シェアの拡大を図る際には有益です。
外部委託のためにコストはかかりますが、調査だけでなく分析も依頼できるため、費用対効果は高いといえるでしょう。

指標の数値だけでは、完全な評価はできない

顧客満足度を測る指標はいくつかありますが、どれを使うにしても、数値の高低だけでは全体像は読み取れません。その結果を評価・分析することで、数値の裏側を読み取ることができます。
現代のマーケティングでは、市場のニーズに応え、顧客の満足を高めることは不可欠です。幅広い調査と深い分析を行い、次の施策に活かしていきましょう。
 

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