チャーンレートとは何か?その数値の意味と改善のポイント

公開日:2021.8.31
サブスクリプションモデルで重視されるチャーンレートは、解約率や退会率などと訳されます。できるだけチャーンレートは低く抑えたいところですが、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、チャーンレートの概要から算出方法、低下を抑える対策まで、チャーンレートに関する基礎知識について解説します。

サブスクリプションモデルのサービスで重要視されるチャーンレート

チャーンレートは、サブスクリプションモデルのサービスを提供している企業にとっては、極めて重要な指標です。
サブスクリプションモデルの多くは、「年会費いくら」「月額いくら」という収益で成り立っています。これは、安定的に収入を得られる反面、サービス内容が陳腐化したり、顧客が要望する改善が行われなかったりすると、退会してしまう顧客が増え、収益が下がってしまいます。
そのため、サブスクリプションモデルを採用している企業では、いかにチャーンレートを低く抑えるかということが、重要な業務課題となるのです。

2種類あるチャーンレート

チャーンレートには、「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート」の2種類があります。それぞれ数値を割り出す基準が異なり、使い分けが必要です。

  • カスタマーチャーンレート
    カスタマーチャーンレートは、顧客数をベースにした解約率です。一般的にチャーンレートといえば、こちらを指す場合が多いでしょう。
    解約はもちろん、有料会員から無料会員にダウングレードした場合も、解約とみなします。SaaSではID数の増減がありますが、これまで100個のIDを持っていた顧客が60個のIDに減らしたという場合も、40個のIDが解約されたものとして扱います。
  • レベニューチャーンレート
    レベニューチャーンレートは、収益を基準にした解約率です。「MRRチャーンレート」とも呼ばれます。
    たとえば、月額5,000円コースと1万円コースがある場合、後者1件の解約は前者2件分の解約に匹敵します。多くの価格プランを用意しているのであれば、カスタマーチャーンレートだけでなく、レベニューチャーンレートにも目を向ける必要があるでしょう。

KPIの設定が重要

チャーンレートは、それ自体が重要なKPIとして機能します。しかし、顧客の動向を推測するためにチャーンレートを用いるのであれば、それ以外にもKPIを設定しておくことが重要です。そうでないと、チャーンレートが上下する理由を明確にできず、数値の変化に一喜一憂するばかりになってしまうからです。
チャーンレートに関連の深い指標としては、下記のようなものが挙げられます。

<KPIとして設定しておきたい指標の例>

  • 一定期間での解約数
  • 契約の更新数
  • 契約者から得られた収益

新規契約や売上と同様、チャーンレートも時期による増減の波があります。年度が替わる時期や決算期、あるいは社会情勢が大きく変化した場合などには、大きな増減が起きることもあるでしょう。
そうした、一時的な変化と長期的な傾向とを照らし合わせれば、自社ビジネスの先行きをより正しく読み取ることができるようになります。

チャーンレートの算出方法

チャーンレートの算出方法は、種類によって多少異なります。カスタマーチャーンレートとレベニューチャーンレートそれぞれについて、例を挙げて説明していきましょう。

カスタマーチャーンレートの算出方法

広く使われているカスタマーチャーンレートは、一定期間での解約の割合で表します。1か月のチャーンレートを見たい場合の計算式は、下記のようになります。

<カスタマーチャーンレートの計算式>
カスタマーチャーンレート=当月の解約顧客(ID)数÷前月末時点の契約顧客(ID)数×100

一般的には、この計算式で算出したカスタマーチャーンレートを、指標として用いればいいでしょう。

レベニューチャーンレートの算出方法

続いては、サブスクリプションモデルにおいて重要な指標となる、レベニューチャーンレートの計算式を見てみましょう。

<レベニューチャーンレートの計算式>
レベニューチャーンレート=当月に解約やプラン変更に伴って失われた収益÷前月の月次収益×100

つまり、解約やプラン変更による減収が、前月の収益の何%にあたるかを算出するというわけです。
また、アップセルやクロスセルによる増収を反映した「ネットレベニューチャーンレート」というものもあります。この数値の計算式も挙げておきましょう。

<ネットレベニューチャーンレートの計算式>
ネットレベニューチャーンレート=(当月の失われた収益-当月のアップセルなどで得られた収益)÷前月の月次収益×100

チャーンレートを下げるためには?

チャーンレートは、低いほうがいいのはもちろんのことです。しかし、どれくらいの数値が妥当なのかは、扱う商材や価格、企業の成長度合い、ターゲットが個人か企業か、さらにその規模はどれほどか…という具合に、多くの要素によって変わってきます。
とはいえ、一般には1か月あたり3%以内というのが、ひとつの目安とされます。もしも、チャーンレートが3%を大きく上回るようなら、早めに対策を打つべきかもしれません。
ここからは、おもに企業向けのSaaSを提供している企業が、チャーンレートを下げるためのポイントをご紹介します。

まずは解約の原因を探る

対策の第一歩は、解約の原因を探ることです。企業が顧客の場合、離脱の原因には、下記のようなことが考えられます。

  • 使ってみたが、自社の状況にマッチしなかった
  • 競合他社の製品の中で、より性能の高いもの、あるいはコストが安いものが見つかった
  • 支払っているコスト以上の成果が上げられず、マイナス資産になってしまった
  • 維持するだけの予算を確保することが難しくなってしまった

顧客が解約する理由はさまざまで、中には対応のしようがないものもあります。しかし、こちらの対応によって、事前に解約を回避できる場合もあります。
そうした対応をとるためには、解約手続きの際にアンケートを行い、解約の理由を探っておくといいでしょう。

製品やサービスの内容を正しく伝える

顧客の状況や目的と、自社のサービスがうまく噛み合わず、「使ってみたけれど役に立たなかった」という理由で解約されることもあるかと思います。たとえば、新規契約の際の担当者と、現場での利用者が異なる場合に起こりやすいといえるでしょう。

こうした状況を避けるには、まず顧客となる相手企業を理解することです。どんな業務課題を抱えており、それに対して自社製品やサービスがどのように活用できるのか。それによってどんな利益を得られるか。
その上で、顧客に製品やサービスの内容を正しく伝え、十分にすり合わせることで、自社製品やサービスが、相手企業の目的に応えられるかどうかが明確になります。そうすれば、契約後にアンマッチに気づくという事態を避けられるはずです。

カスタマーサクセスに重点を置く

SFAやCRMのようなツールは、活用することでさまざまな利益が生まれるもの。しかし、そうなるまでには、いくつもの機能を覚えたり、効率的な使い方を習得したりといった負荷が発生します。そうした場面で、サービスの提供側がいかにサポートできるかという点は、チャーンレートに大きく影響します。

ここでも重要になるのが顧客理解です。顧客が何を目指しているのか、そのゴールを正しく認識し、その上でカスタマーサクセスを重視した対応を行う。常に状況を見守っておき、つまずきそうな場面では先回りしてサポートする。そうした手厚い対応をとれれば、チャーンレートの抑制だけでなく、顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上にもつながるでしょう。

価格体系の再検討も視野に入れる

製品やサービスを提供する際、適正な代価を設定するのは、当然のことです。理由もなくプライスダウンしてしまうのは、みずから値下げ競争に突入していくようなもので、決して良いことではありません。
しかし、競合製品と比較した場合、機能や性能、サービス面で劣る割に、価格設定が高いとなれば、顧客の離脱を止めることは難しいでしょう。

ほかのものでは代わりがきかない唯一無二の商材というのは、なかなかありません。また、SaaSの分野では、より便利で高性能なサービスが、次々と生まれています。そこで戦うためには、機能面はもちろん、サービスやサポートを見直す必要があるでしょう。もしもそれが難しいのであれば、価格体系の再設定も検討すべきかもしれません。

チャーンレート対策は、常に実施していこう

サービスからの離脱・解約は、少ないに越したことはありません。しかし、現実的にゼロにすることはほぼ不可能ですから、できるだけチャーンレートを低く抑えることが大切です。
なぜ解約が起こるのか、どうすればそれを防げるのか。検討を重ねて対策を打ち、チャーンレートの低減を図ってください。
 

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