カスタマーサービスこそ顧客をつなぎ止める重要なセクション

投稿日:2020.09.18
カスタマーサービスというと、単なる「問い合わせ窓口」ととらえる人も多いかもしれません。しかし、実際には顧客と直接、しかも密接にコミュニケーションをする部署であり、マーケティングや営業と同等の可能性を秘めたセクションといえるのです。 ここでは、カスタマーサービスの現状の課題や、カスタマーサービスのさらなる活用法について解説します。

顧客に対してサポートを行うカスタマーサービス

カスタマーサービスは、自社の顧客あるいは見込み顧客に対して、購入前、購入時、購入後にさまざまな情報提供やサポートを行うことがおもな業務です。BtoCの商品・サービスでは、消費者と直接ふれ合うことになりますから、消費者に対する「企業の顔」ともいえる重要なセクションです。

カスタマーサービスのパフォーマンスが不十分ならば、顧客はその企業に不満を感じるでしょう。また、対応が紋切り型で、消費者側の意をくんでいなければ、やはり顧客の心は離れてしまいます。そのため、常に高いクオリティの顧客対応とともにブラッシュアップを重ねて、より洗練されたサービスを提供するよう求められます。これは、カスタマーサービスが常に抱えている、業務上の課題といえます。

幅広い業務が求められるカスタマーサービス

カスタマーサービスは、企業によって「お客様相談口」「お問い合わせ窓口」などの名称が与えられているように、顧客対応が中心です。しかし、顧客からの問い合わせやクレーム、意見などを受けつけるだけがカスタマーサービスの業務ではありません。

顧客の声は企業にとって、製品やサービスを改善・改良していくための重要なヒントとなります。「製品のここが使いづらい」「ここがこうなると、もっと便利だ」「こういう機能は搭載できないのか?」といった声をすくい上げ、企画開発やマーケティング、営業部門などと共有することは、カスタマーサービスの重要な業務のひとつです。

ヘルプデスクやコールセンターとの違いは?

カスタマーサービスは、ヘルプデスクやコールセンターと同一視されることが多いようです。確かに、企業によって呼び方が違いますし、業務範囲も重なり合うところが多々あります。そのため、混同されることもしばしばです。
実際のところ、それぞれの違いは、明確に区別されているわけではありません。しかし、一般的な見方として、次のような違いがあるといえるでしょう。

<混同されがちな各部署の業務範囲>

・ヘルプデスク:製品の不具合について、社内外への技術的なサポートを行う

・コールセンター:顧客も含め、社外からの問い合わせ対応のほか、電話での営業活動も行う

・カスタマーサービス:顧客に対して、問い合わせやクレームなどを受けて解決を図る

近年では、電話だけでなくチャットやSNSでの問い合わせにも対応するカスタマーサービスとして、「コンタクトセンター」を設置する企業も増えています。

カスタマーサービスの本来の役割

カスタマーサービスの役割は、直接的には顧客からの問い合わせに対応し、トラブルや疑問の解決を図ることです。しかし、その業務を何のために行うのかといえば、顧客満足度の向上のためということができます。これこそが、カスタマーサービスの本来の役割です。

カスタマーサービスがリピートを生む

カスタマーサービスががんばったところで、顧客満足度がそれほど上がるものなのか――こうした疑念を持つ人も多いかもしれません。しかし、顧客の立場で考えてみれば、すぐに理解できるはずです。

たとえば、「買って間もない家電がうまく動かないとき」「ネットで注文した商品を、別の物に差し替えてほしいとき」「メールや問い合わせフォームではうまく伝えられそうもなく、電話で相談したいとき」。
このようなときに、電話一本でこちらの疑問や質問に的確に答えてくれ、短時間で問題を解決でき、さらに必要な手続きがすべてその場で済めば、こんなに楽なことはありません。電話を切るときには、「おかげで助かった、ありがとう」と、つい口に出るのではないでしょうか。

こうした対応をされれば、人はその企業に好感を持ちます。それが、リピートにつながる可能性は高いでしょうし、たとえつながらなくても、企業イメージの向上に大いに役立ちます。
優れたカスタマーサービスには、こうした力があるのです。

製品・サービスの品質向上には必須の存在

企業が新製品の開発や改良を行う場合、必ず参考にされるのが市場の動向です。幅広い層への市場調査でニーズの傾向を読み取り、自社製品のターゲット層にアンケートなどを行って顧客の要望や要求をくみ取っていきます。
さらに、顧客はどのような製品を求めているのか、既存の製品のどこを改良すれば、より魅力的なものになるか。それを検討する段階では、「お客様の声」が大きな役割を果たします。
そして、自社の中でお客様の声が集積されているのが、カスタマーサービスです。

カスタマーサービスに寄せられる苦情や要望、問い合わせなどを分析すれば、顧客が何に困っているのか、あるいはどうしてほしいと思っているのかが見えてきます。それらを踏まえた開発・改良を行うことで、今以上に市場に受け入れられる製品やサービスを作り出すことができるのです。

他部署との連携が不可欠

カスタマーサービスが、顧客からの問い合わせや質問に迅速に答えるためには、顧客自身の情報にすばやくアクセスする必要があります。また、在庫や出荷に関する問い合わせなら、同様に商品管理部門との連携が必要でしょう。このように、顧客とやりとりをする段階で、各部署との連携が不可欠です。

さらに、前項でご説明した「お客様の声」のように、顧客からの声を関連部署と共有することも重要です。プリントアウトしてまとめて渡すという形をとっている企業は今も多いと思われますが、デジタル化できれば、より便利でしょう。

これら、他部署との連携をスムーズに行うためには、適切なツールを導入するのが最も確実です。たとえば、営業部門で使われるCRMと、カスタマーサービスで使われるCTIをリンクできれば、リアルタイムでの情報共有が可能になります。

カスタマーサービスは、企業の成長に関与する

企業が安定的な売上を確保し続けるためには、2つの方法があります。ひとつは、新規顧客を常に開拓し続け、売上を上げていくこと。もうひとつは、既存の顧客をリピーターに育て上げ、自社商品を何度も購入してもらうことで、LTV(顧客生涯価値)を高めるという方法です。

もちろん、どちらかに極端に偏りすぎるのは良くありません。しかし、リピーターの維持と比べると、新規顧客の獲得には6、7倍のコストがかかるといわれています。であれば、リピーターを育てることが企業の安定成長につながっていくはずです。
リピーターを育てる方法はさまざまで、営業、マーケティング、それぞれに打つべき施策はあります。そして、カスタマーサービスも、リピーターの育成に大きく関わっています。

近年広がっている「顧客満足度重視」の傾向

顧客に対していかに満足感を与え、自社のファンになってもらうか。それは近年、多くの企業にとって重要な課題となっています。価値観の多様化が進んだ現在では「高品質の製品やサービスを適正価格で」というだけでは、消費者はなかなか手を出してくれません。そのため、企業側ではさまざまな施策を打ち出していますが、その中のひとつが顧客満足度を重視し、それを高めることで自社のブランド力の向上につなげようというものです。

そのため、各企業ではあらゆる接点で、顧客とのつながりを強固にし、十分な満足感を得てもらうことに注力しています。その重要な接点のひとつとして、カスタマーサービスが位置づけられています。
優秀なカスタマーサービスは優秀な営業と同様、リピーターの育成に貢献してくれます。洗練された質の高い対応は、顧客に大きな満足感を与えることができるからです。

カスタマーサービスの活用事例

カスタマーサービスにおいて、顧客とのつながりを強め、満足度を向上させるためには、何が必要でしょうか。ひとつは、顧客中心の意識を持つこと、もうひとつは必要なツールを活用することです。
カスタマーサービスにコンタクトをする顧客は、自分が抱えている課題や疑問が「すぐに、その場で解決すること」を望んでいるはずです。その要望に高いレベルで応えるためには、相応の体制が必要になるのはいうまでもありません。
ここでは、「Salesforce」によってカスタマーサービスを進化させた例をご紹介しましょう。

事例1 Salesforceを導入し、作業負荷と待ち時間を大幅に削減

 
会社名:三井住友カード株式会社
事業内容:クレジットカード事業

国内のクレジットカード業界を牽引する、三井住友カード株式会社。会員数は2,400万人を超え、年間の取扱高は11兆3,600億円という規模を誇ります(2016年3月現在)。しかし、業界内での競争を考えれば、新規顧客の獲得と既存顧客のつなぎ止めは必須。そこで、顧客ロイヤリティの向上を課題にすえ、その一環としてカスタマーサービスの業務改善を打ち出しました。さまざまなチャネルを通じた顧客からの問い合わせに、よりスムーズにかつ短時間で対応することで、顧客満足度を高めるというものです。

同社では、進化型カスタマーサービスとなる「コンタクトセンター」の新たなシステムとして、Salesforceの導入を決定しました。この選定の背景には、すでに同社の別部署でSalesforceを活用し、「5年間での累計コストを平均約半分にまで圧縮」といった実績を得ていたこと、ROI(投資利益率)が大きく、短期間での導入が可能と見られたことなどがありました。

コンタクトセンターの改善は段階的に進められ、2016年に第1弾のリニューアルが完了。顧客からの入電とほぼ同時に、参照するべきマニュアルを画面上に表示できるようになり、オペレーターの作業負荷を大幅に軽減するとともに、顧客の「待ち時間」の削減に大きく寄与しています。
また、金融機関ならではの高度なセキュリティを規定した、FISC(金融情報システムセンター)のガイドラインに準拠していることも、大きな安心感をもって迎えられています。

事例2 顧客とのつながりをより強め、顧客満足度の向上につなげる

 
会社名:株式会社日立ハイテク
事業内容:半導体統合ソリューションの提供

株式会社日立ハイテクが提供する製品群は、長期にわたって利用し続ける物が大半です。そのため、購入までのプロセスはもちろん、アフターセールスの重要性が高く、カスタマーサービスからの一報を受けてからの対応スピードを速める必要がありました。しかし、それまでの情報管理は部署ごとで完結しており、対応プロセスもまちまち。そこで、顧客情報とその関連情報を一元管理できる統一プラットフォームを導入し、情報伝達をスムーズにして顧客満足度の向上を図ることとしました。

これまでの環境からの転換を図るにあたり、まず社内に部門横断プロジェクトを設置。これまで、製品中心だったマインドを顧客中心へとシフトし、そのために必要なプラットフォームとして、「Salesforce Service Cloud」を選択。「顧客360度ビュー」と呼ばれるしくみを構築しました。約半年かけて作り上げたこのシステムは、2019年春から稼働しています。

また、同社では顧客との接点である会員制サイトも強化。Salesforce Community Cloudのほか、「Salesforce Pardot」を導入して大規模なリニューアルを行い、登録済みの顧客に対しては個々の興味に合わせてパーソナライズされたコンテンツを提供。未登録の潜在的顧客に対しては、それぞれ興味のある事項を引き出し、それに応じた提案を営業担当が行うという連携を実現しています。

カスタマーサービスは、顧客満足度向上の最前線!

カスタマーサービスはこれまで、単に苦情や問い合わせの受け皿として認識されてきました。しかし、これからは、顧客との重要な接点のひとつとして、有効に活用することが大切です。
まずは、カスタマーセンターに対する認識をあらため、有用なツールを活用して、顧客満足度の向上を図りましょう。そして、リピーターを増やすとともに、自社のブランド力向上を目指してください。

 

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