変わりつつあるフィールドサービスとは?その課題と効率化のポイント

投稿日:2021.9.2
現場に出向いて修理や点検を行うフィールドサービス。近年では従来の業務の枠を超え、さらに効率化を追求する動きが加速しています。
ここでは、フィールドサービスが抱えている課題と、効率化の方法についてご紹介していきます。

現場に出向いて修理・点検・配送業務を行うフィールドサービス

SaaSの普及やテレワークの実施など、高速な通信網が発達した現在では、どこでもサービスを提供でき、また受けられる環境が整っています。しかし、やはり人が現場に出向かなければ、どうしても完了できない作業や業務というものもあります。そうした業務を担うのがフィールドサービスです。

一般的にフィールドサービスというと、水道工事やガス工事、電気設備などの点検が挙げられます。さらに、荷物の配送もフィールドサービスの一種です。つまり、大きなくくりでいえば、フィールドサービスとは、現場に出向いて修理・点検・配送業務を行う業務ということができます。

フィールドサービスが重要である理由

私たちが生活していく上で、フィールドサービスは重要な役割を果たしています。なぜなら、顧客は製品に対して、品質とともに長期にわたって十分な機能と性能を維持することを期待しているからです。
テレビや冷蔵庫などの家電製品や自動車、住居など、すべての物にはある程度の耐用期間があります。そして、その性能を維持するためには、日常的な点検整備、消耗部品の交換などが必要です。もし、手入れを一切せずにいたら、物の寿命は縮まるばかりでしょう。
そうしたことのないように用意されているのが、フィールドサービスです。つまり、フィールドサービスは、製品そのものの価値を維持し続けるという、大切な役割を担っているのです。

変化しつつあるフィールドサービスの役割

従来のフィールドサービスは、「修理」「点検」「配送」という、基本的な枠組みの中に収まったものでした。しかしその役割は、近年になって変わりつつあります。

変化のひとつは、企業側で「フィールドサービスは顧客接点のひとつ」という意識が高まってきたことです。競合他社に先んじて顧客をつかむためには、あらゆる機会をとらえてマーケティング活動を行いたいところ。フィールドサービス業務は、そのための有力なタッチポイントになるというわけです。

もうひとつの変化は、フィールドサービスをアフターケアの一環としてではなく、今後も十分以上の機能を提供するためのサービスとしてとらえる企業が増えてきたということです。 これらの変化を実現するには、効率的かつ高品質なフィールドサービスが求められ、それをどのように実現するかが問題となります。

フィールドサービスが抱える課題

フィールドサービスは、どのような課題を抱えることが多いのでしょうか。続いては、フィールドサービスの課題をいくつか挙げて解説していきます。

持ち込む資料や資機材が多い

フィールドサービスは、荷物が多くなりがちです。定期メンテナンスでも故障の修理でも、現状確認によって予想外の不具合が見つかることもあります。そうした事態に備えるためには、多くの補修部品や技術資料、設計書などを現場に持ち込むことになります。これは、大きな負荷になりますし、いくつもの資料を参照しながら作業するのは、効率性という点でも好ましくありません。

一度の訪問で問題を解決しにくい

故障やトラブルの修理に向かう場合、顧客から症状を聞き取り、その時点で原因をある程度絞り込んでから、必要な道具や材料を用意して現場に向かうことになります。しかし、いくら準備を整えても、想定とは違う原因による故障であることは少なくありません。
こうしたことが起こるのは、フィールドサービス担当者の経験やスキルによるところも大きいのですが、顧客から十分なヒアリングができないという点も考えられます。
いずれにせよ、このような場合には、初回の訪問が診断だけで終わってしまい、修理のために再度の訪問が必要になるため、極めて非効率といえるでしょう。

依頼に対して、迅速な対応をとりにくい

顧客からフィールドサービスの依頼を受けるのは、コールセンターや営業部門が窓口になることが多いかと思います。しかし、これらの部署では、フィールドサービスの個々の作業員のスキルや適性、スケジュールを、リアルタイムで把握することがなかなかできないものです。そのため、依頼に対して、迅速な対応をとりにくいという問題があります。
トラブルの内容によっては、時間とともに障害が拡大していく場合もあります。それを考えると、フィールドサービスが即応体制を備えているかどうかは、顧客にとっても重要な問題といえます。

対応記録が属人的になりやすい

フィールドサービスの作業内容は、通常、作業日報という形で記録に残しておきますが、この記録のしかたが標準化されていないケースがあります。しかし、記録は正確性と客観性が求められるものですから、こうした属人性は排除されなくてはなりません。
作業記録が属人的になると、適切な分析がしにくく、製品の改善などへのフィードバックが難しくなります。

フィールドサービスを効率化するには?

それでは、前述した課題を解決し、フィールドサービスを効率化するためには、どのような対策をとればいいのでしょうか。フィールドサービスの効率化のポイントを、いくつかご紹介していきましょう。

マネジメントの概念を導入する

まずは、フィールドサービスにマネジメントの概念を導入することです。
現場で起こっている案件と、それに対する人員配置、スケジュール、各案件の進捗状況など、すべて適切に管理する必要があります。また、こうした管理の状況は、フィールドサービス部門内だけしか見られないようであれば、十分ではありません。コールセンター、さらに営業部門など、関係部署との共有が必要です。

修理や補修の情報が営業部門に共有されれば、顧客側で何が起こっているか、営業担当者が把握できますし、場合によっては「そろそろ新たな製品を提案してみようか」という動きにもつながります。コールセンターと共有すれば、顧客の求めに対して、必要な人員をすぐにアサインすることもできます。サービスを入り口にしたアップセルも見込めますし、効率的で迅速な対応が可能になるのです。

資料や資機材の削減、統一を図る

フィールドサービスが活動する際に大きな負荷となっている、大量の資料や資機材。こうした「持ち込み品」をいかに少なくするかは、現場作業を効率化する上で重要なポイントです。

必要な補修材などはしかたないとしても、各種資料はデジタル化しておけば、持ち込む必要はなくなります。また、近年ではPCやプリンター、ハンディターミナルなど、多くのデバイスを持ち込むケースもあるようですが、これらは大きな作業負荷になります。実作業からその後の報告業務まで、スマートフォンやタブレット一台で完結できる体制を目指せば、負荷の大きな軽減が実現するでしょう。

ツールを活用する

フィールドサービスを効率化する最大の手段として、フィールドサービスに特化したツールを導入し、活用するという方法があります。
こうしたツールは市場にいくつも登場していますが、その多くは現場作業で発生する記録・報告業務を処理できるだけでなく、情報をリアルタイムに共有することが可能です。
コールセンターシステムやSFA、CRMとの連携が可能なものであれば、コールセンターや営業部門との連携も確実です。

たとえば、顧客からの依頼をコールセンターで受け、その場でスケジュールを確認。そのまま適切な人員を確保して顧客に伝え、リアルタイムで営業とサービス部門に情報共有を行う。現場では、モバイル端末から必要な情報にアクセスでき、フィールドサービスマネージャーは現場の状況をリアルタイムで把握して、必要な指示を出すことができます。
こうしたツールをうまく活用することで、フィールドサービスの業務品質をさらに高めることが可能になるわけです。

まだまだ進化の余地があるフィールドサービス

現場に出なければ始まらないのがフィールドサービス。そのため、事務系の仕事とは対照的に、リモートワークがなじまず、効率化の波に取り残されている感があります。
しかし、やり方次第では、作業効率を高めることは不可能ではありません。さらなる進化を目指し、フィールドサービスの業務を見直してみましょう。
 

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