仕事の成果を左右するトークスクリプトの作り方と使い方

投稿日:2020.12.16

コールセンターや電話営業では欠かせないトークスクリプト。自信を持って電話対応するためには心強い味方ですし、その完成度によって業務の結果が大きく左右されますから、おろそかにはできません。
ここでは、トークスクリプトの概要と作り方のほか、トークスクリプトを活用する際のポイントについてご紹介します。 。

トークスクリプトとは?

トークスクリプトとは、電話営業やコールセンターでの顧客との受け答えに使われる、会話のための台本です。
営業活動の一環として行われる電話営業では、「売る」ためのトーク力が不可欠です。しかし、電話の相手が皆、あなたの話に興味を持ってくれるとは限りません。ですから、相手の状況やニーズを素早く読み取り、それに合わせた会話を展開することが大切です。

また、コールセンターでは、問い合わせの内容について迅速かつ正確に回答することが欠かせませんし、要望や苦情に対しても、的確な受け答えが求められます。
しかし、電話営業もコールセンター業務も相手のいることですから、こちらの思いどおりの会話ができるわけではありません。そこで、相手の反応をいくつかのパターンに分類しておき、それぞれに最も適した対応の例を、台本として用意しておくというわけです。

トークスクリプトを使うメリット

相手に合わせる対応力や、巧みなトーク力を持つ人の中には、「トークスクリプトなんか必要ないよ」という人もいるかもしれません。
しかし、組織という観点から考えた場合、トークスクリプトによって次のようなメリットが得られます。

トークの品質を一定以上に保てる

トークスクリプトは何度も検証し、ブラッシュアップを重ねていくものです。つまり、経験を基に磨かれた、質の高いトークの見本といえます。これを、新人研修に活用したらどうでしょうか。

見知らぬ人と、それも電話で話すというのは、慣れた人でも緊張するものです。まして、電話での仕事に不慣れな新人であれば、話すべきことも話せずに終わってしまうということは、多々あるでしょう。
しかし、トークスクリプトがあれば、それをお手本として会話を続けることができます。トークスクリプトは会話の品質を一定以上に保つために、大いに役立つのです。

トークのブラッシュアップに役立つ

電話営業でもコールセンター業務でも、トークスクリプトがあると、それを基準にブラッシュアップすることができます。つまり、自分の話している内容をトークスクリプトと照らし合わせてみて、弱点や改善すべき点を見つけ出すという使い方ができるのです。

また、同じトークスクリプトを使っていても、担当者ごとにその成果は異なります。より多くの成果を上げている担当者のトークを記録しておき、トークスクリプトと突き合わせてみれば、どの部分が相手の琴線にふれたのか、どんな言い回しが有効に働いたのか、検証することができるでしょう。
つまり、トークスクリプトを用意しておくことで、メンバーのトーク力をさらに磨いていくことが可能になるのです。

自信を持って話すことができる

トークスクリプトは、通話中に起こりやすい状況を想定して作られていますから、「こんなときはこう答える」「こういう反応には、こう応じる」など、あらかじめ準備しておくことができます。
これにより、担当者自身に心の余裕が生まれ、自信を持って話すことができるようになるでしょう。

自信のある人とそうでない人とは、電話越しであってもその雰囲気が伝わります。自信がなさそうな人の話は信頼感に乏しく、「その先をもっと聞きたい」という気持ちにはなりにくいですし、電話営業ならば「この人から買って、大丈夫なのかな」と、相手は不安を感じてしまうでしょう。
しかし、トークスクリプトがあれば、こうしたデメリットを抑えることができます。

トークスクリプトの作り方

トークスクリプトの作り方には、いくつかのポイントがあります。電話営業かコールセンター業務かでトークスクリプトの作り方も多少異なりますが、ここでは電話営業でのトークスクリプトを例に、作り方をご紹介します。

1. ペルソナを設定する

トークスクリプトづくりの第一歩は、「誰に話すか」を決めることです。
そこで、ペルソナの設定が役立ちます。あなたが売り込みたい商品を必要としているのはどんな人物なのか、具体的に考えてみましょう。その人は何に興味を持ち、どんな課題やニーズを抱えているのか。それを、自分が持っている商品がどのように解決してくれるのか。できるだけ詳しく設定して、それを念頭に置くことが大切です。

2. 相手の返答を複数想定して、答え方を用意する

トークスクリプトは、「完全な台本」ではありません。相手の返答によって答え方を変える必要があります。ですから、こちらの提案や問いかけへの返答を想定しておいて、それに対する受け答えのバリエーションを、いくつか用意しておきましょう。相手のネガティブな言葉に対してうまく切り返す「カウンタートーク」も必要です。
最終的にアポイントの獲得、あるいは成約を目標に、トークスクリプトを作り上げていきます。
おおよその形が出来上がったら、会話の流れに無理がないか確認し、不自然な部分を調整しておきましょう。

3. 数値や具体例を活用する

トークの内容に、調査結果の数値や具体的な導入例などを盛り込むと、相手の関心をグッと惹きつけることができます。単に「営業実績の向上が期待できます」と言うよりも、「同業他社様では、1年で売上が23%伸びました」と言われたほうが、遥かに説得力が増すでしょう。
売上の増大、コスト削減、時間短縮など、多くの企業で課題となっている項目について、あらかじめ実績例を用意しておき、絶妙なタイミングで提示すれば、相手に「もっと聞きたい」と思わせることができるはずです。

トークスクリプト活用のポイント

トークスクリプトを作り、活用する場合には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。トークスクリプトの効果を最大限に発揮させるためにも、下記のポイントはぜひ押さえておきましょう。

一方的な押しつけにならないように注意

仕事以前のマナーとして、会話においては相手を尊重することが大切です。ですから、トークスクリプトも相手の立場に立って作成し、使うことが重要です。難しい専門用語や聞き取りにくい言葉、曖昧な言い回しは避け、わかりやすいものとなるように心掛けましょう。
一方的で押しつけがましいトークは嫌われやすいので、十分注意してください。

必ず口に出してチェックしてみる

書き上げたトークスクリプトは、実際に声に出してチェックすることが大切です。声の調子や抑揚のつけ方、会話の間の取り方などにも気をつけていれば、文字だけでは気づかなかった改善点に気づくことができます。相手役を立てて録音しておき、繰り返し確認するようにしましょう。
録音した音声は、客観的に聞くことができるため、自分の話し方の癖や問題点に気づくことができます。「相手の立場だったら、どう感じるだろう?」ということにも、思い至れるかもしれません。

常にブラッシュアップを心掛ける

トークスクリプトは、「一度作ったら、それで終了」というものではありません。何度でも繰り返し手を入れて、より洗練されたものにブラッシュアップしていくものです。
実際の業務の中で、「この言い方をしたら、ネガティブに受け取られてしまった」「この言葉を言い換えたら、反応が良くなった」「こんな想定外の反応が返ってきた」といったことは多いはず。これらは、貴重なサンプルです。試行錯誤しながら必要に応じて改善を加え、より良い内容へと仕上げていきましょう。

トークスクリプトで現場の効率化と合理化を実現した事例

最後に、効果的なスクリプトにもとづいたトークスクリプトで、成約確度の向上や業務の効率化を果たした事例をご紹介します。
これらの事例は、優れたトークスクリプトによるものだけではなく、それを支える業務のしくみや、機能的なツールなどを活用し、成果を上げています。

事例1:複数プロダクトを横断する施策で、案件創出数が2倍に

会社名:株式会社日本経済新聞社

国内外の経済情報の発信元として、あらゆる業界の企業や投資家から信頼を集めている、株式会社日本経済新聞社。同社が持つ幅広い情報をさらに活用したいという企業のニーズに応え、情報サービスユニットを設置し、複数の情報提供サービスを運営しています。
しかし、プロダクトごとに分けていた組織構成は効率的とはいえず、ナーチャリングやクロスセルがしにくい状況でした。そこで、組織体制を改変してインサイドセールスを立ち上げ、顧客アプローチの強化に乗り出しました。

同社ではまず、セールスフォース・ドットコムのMAツール「Pardot」を導入し、すでに稼働していた「Sales Cloud」と連携。複数のプロダクトを横断するセールス活動を展開していきます。
まず、自社サービスサイト内における顧客の行動履歴を集計して、他のサービスにも興味がありそうな層を抽出し、積極的な提案を行いました。また、同社が提供している「日経バリューサーチ for SFA」からターゲット層の企業リストを作成し、同時にトークスクリプトを作って、インサイドセールスによるインバウンド・アウトバウンドセールスに適用。厚みを増したナーチャリングも相まって、成約確度を高めることに成功しました。

Sales Cloud」と「Pardot」とを統合活用したことで、顧客情報を基礎とした効率的な営業活動が活性化した上、MAのシナリオの作成や調整が容易となり、PDCAは高速化。自動化による効率向上と、機会損失の削減で、創出された案件数が従来の2倍にまで増大しました。

事例2:人工知能とITツールで、飛躍的な自動化・効率化を実現

会社名:Zillow

不動産および賃貸物件情報サービスを大規模展開しているZillow社は、アメリカで最大、世界的にもトップクラスの規模を誇っています。
同社は、手軽な不動産売買を可能にするために、物件探しから契約、引越しに至るまでのすべてのプロセスを、スムーズかつ簡単に行えるサービスを作り上げました。

Zillowのシステムには、セールスフォース・ドットコムが提供する多くのテクノロジーが活用されています。たとえば、人工知能の「Einstein」は、全米の不動産業者のニーズを読み取り、いつ、どのようなアクションをとるべきか、優先順位をつけた上で提示することが可能です。これは、日常業務の自動化と合理化に、大きく貢献しています。

また、1日に何千もの問い合わせが入り、他方では全国の不動産業者にインサイドセールスを行う同社では、電話によるコミュニケーションの効率化も重要な課題です。そこで、「Sales Cloud」の一機能である「High Velocity Sales」を活用。物件に関するあらゆる情報を1つの画面に表示し、相手の疑問や不安を確実に払拭できる体制を整えることで、個人・法人に関係なく、電話営業の生産性を大幅に向上できました。
これまで、1日65~90件行うのが精一杯だった架電数を、150件以上にまで拡大することができ、顧客との関係性を深めることにも成功しています。

トークスクリプトは、あくまでもお手本

トークスクリプトは、顧客と向き合うためのガイドのようなもの。ですので、改善を重ね、完成度を高めていくことが大切です。
ただし、トークスクリプトはあくまでも、お手本にすぎません。頼りにするあまり、機械的で型どおりなトークにならないよう、くれぐれも注意してください。

 

関連記事・リソース

 

関連製品

 

Service

カスタマーサービス

リアルタイムの
カスタマーサービスを実現

Essentials

中小企業向けCRM

スモールスタートで
実現するSFA・カスタマーサービス