AHT(平均処理時間)とは?改善方法と活用の仕方

投稿日:2020.12.15

コールセンター業務でのKPI(重要業績評価指標)としてよく使われる「AHT(平均処理時間)」。これは、顧客対応の所要時間を示す数値です。
しかし、AHTの数値を向上させることばかりに注力すると、顧客満足度を下げてしまう場合もあるので注意が必要です。ここでは、AHTの概要と改善方法のほか、活用の仕方について解説します。

コールセンターの作業効率を示す指標に使われるAHT

AHTとは「Average Handling Time」の略で、日本語では「平均処理時間」などと訳されます。AHTは、おもにコールセンターでの作業効率を示す指標として使われています。
まずは、AHTとはどのようなものなのかを解説していきましょう。

AHTの算出方法

コールセンター業務におけるAHTは、「通話時間」と「保留時間」「後処理時間」の合計の平均値です。それぞれの意味について、簡単にご説明します。

・通話時間
通話時間は、利用者がかけてきた電話がオペレーターにつながってから、やりとりが行われ、電話が終わるまでの時間です。おもに、オペレーターのスキルによって時間の長短が左右されますが、利用者の質問内容や態度などによっても、通話時間は変化します。

・保留時間
オペレーターがその場で回答できない場合や、現状の確認が必要な場合などに、利用者に一時的に待ってもらって、その間に担当部署に内線で確認することがあります。これが保留時間です。
一般的には、通話時間に含める場合も多いようです。

・後処理時間
後処理時間とは、電話を切った後にオペレーターが行う作業にかかった時間です。具体的には、問い合わせ内容やその処理について記録したり、利用者からの要望やクレームを担当部署に送付したりする時間などです。他のオペレーターへの申し送りや連絡なども、後処理時間にカウントされます。

AHTは顧客満足度と深く関わっている

AHTは、コールセンターの業務効率を測るKPIのひとつとして、よく利用されます。しかし、AHTは同時に、顧客満足度のバロメーターとしても活用できます。
コールセンターに電話をかけてくる利用者は、自分が抱えている疑問や不明点が完全に解決することを望んでいます。したがって、短時間で解決すれば、より満足度が大きくなるはずです。そのため、AHTが短いと、顧客満足度も高くなると一般的には考えられます。
反対に、何度も保留されて待たされたり、あちこちの部署をたらい回しにされたりしてAHTが長くなると、顧客満足度は下がってしまいかねません。
つまり、AHTの長さは、顧客満足度を左右する大きな要因になるというわけです。

AHTは短いほど良いとは限らない

前項と矛盾するようですが、AHTは「短いほど良い」というわけではありません。
一般論としては短いほうが良いのですが、AHTを無理に短縮しようとすると、それによる弊害が起こることもあるのです。

<無理にAHTを短縮した際に起こる弊害>
・電話対応が、聞き取りにくいほどの早口になったり、慌ただしい態度になったりする
・利用者に対する踏み込んだ対応をとらなくなる
・必要な確認を怠り、間違った案内をしてしまう
・通話後の記録や他部署への連絡業務がおろそかになる

上記はいずれも、AHTを短縮しようとしたために、かえって通話品質を落としてしまったケースです。
AHTは、コールセンター業務における重要な指標ではありますが、そればかりを追求すると、このような弊害が起こることにもなりかねません。くれぐれも注意が必要です。

AHTを改善する3つの方法

では、品質を落とすことなくAHTを改善するためには、どのような方法があるのでしょうか。具体的な方法をご紹介しましょう。

オペレーターのスキルアップを図る

利用者の質問内容を正確に読み取る、それに対して的確かつわかりやすく回答する。オペレーターのスキルアップによって、AHTは大きく改善できます。しかし、それを実現するには、部署全体として改善にあたることが必要でしょう。
具体的には、通話の録音を分析することです。話が噛み合っていなかったり、一度の説明で相手が理解できなかったりという部分があれば、そこが改善のポイントとなります。
オペレーター間のスキルの格差が大きい場合には、AHTが短いオペレーターの対応をサンプルとして、ほかのオペレーターの参考にするのもいいでしょう。

CTIの選定で効率化を狙う

オペレーターが使う電話とコンピューターを統合させるCTI。このシステムの機能や使い勝手の良し悪しも、AHTに大きく影響します。
CTIに、通話中にも必要な情報に瞬時にアクセスできる機能や速さがあれば、利用者を待たせることなくスムーズな対応ができます。また、社内の各部署とのコミュニケーション機能が充実していれば、後処理時間の短縮に役立つでしょう。さらに、製品によっては、CRMなどの他のツールと連携し、顧客から着電した時点で必要な情報を画面に表示するといった機能を持つCTIもあります。
こうした高機能ツールを持ったCTIを活用することも、AHTの短縮には極めて有効です。
セールスフォース・ドットコムが提供する「Service Cloud」には、CTI連携機能が備わっています。

業務フローを見直してみる

コールセンター業務のワークフローを見直してみるという方法も考えられます。
たとえば、オペレーターが利用者との通話を終えたら、その内容の記録や必要な連絡業務は、後処理専門のスタッフが行うという分業体制をとるのです。
こうすることで、オペレーターは本来のコア業務である利用者との対応に専念できますから、通話品質が高まります。業種業態によっては、このようなワークフローのほうが効率化しやすい場合があり、AHTの有効な改善方法になりえます。

AHTをどのように管理し、活用するか

AHTは、短縮できればそれに越したことはありません。しかし、先程ご紹介した弊害が起こる危険もありますから、適切に管理することが重要です。
それではAHTの管理にあたって、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

適正値を設定し、モニタリングする

卓球のラリーのような忙しい会話は、疲れるばかりです。そこには、適当な「間」も必要です。コールセンターでの受け答えもそれは同じ。ですから、AHTは短縮化を考えつつも、顧客満足度の維持を考慮して、適正値を設定しておきます。
とりあえず暫定値を決めておき、状況を見ながら調整していってもいいでしょう。

また、処理時間は、常に決まった担当者がモニタリングするのが理想です。問い合わせの電話は、何かのきっかけで急に増えることが多いものです。そんなとき、オペレーターに的確な指示を出せる体制を整えておけば、より多くの入電に対応することができます。

課題を見つけ、原因を特定する

AHTを改善するには、どこに課題や原因があるのかを特定することが重要です。そうでないと、オペレーターを急がせるばかりになってしまい、作業負荷の増大や品質の低下を招いてしまいます。
通話時間が長いのか、後処理に時間を取られているのか。そして、その原因はどこにあるのか。データ上の数値だけではつかめないものもありますから、現場のやりとりをモニタリングしたり、オペレーターに聞き取りをしたりして原因を特定し、解決策を検討しましょう。

無駄な時間を減らすことを考える

無駄な時間は、意外なところに潜んでいます。たとえば、質問に対して説明をして、相手が一度で理解できないと、さらにわかりやすく説明することになります。この場合、最初の説明が無駄な時間になってしまいますから、始めから誰にでも誤解なく理解できる説明の仕方を検討する必要があります。
オペレーターの声のトーンや話し方の癖によっては、相手が聞き取りにくいこともありますから、これも矯正したほうがいいでしょう。
後処理の所要時間も、ツールやシステムの使い勝手によっては、無駄な時間を削減する効果を発揮できます。さまざまな面での効率化・時間短縮を検討しましょう。

時間だけでなく、質の向上も検討する

AHTの短縮は、コールセンターの重要な課題です。しかし、AHTの短縮によって通話品質が低下することは、あってはなりません。現状の品質を維持しながら時間短縮が可能かどうか、常に心にとどめておくようにしましょう。
より少ない言葉、短い対応で利用者の要望に応えられれば、時間短縮とともに質の向上も果たすことができます。

AHTの改善は、顧客満足度を忘れずに

AHTは、時間を表す指標であるだけに、つい短縮することばかりに意識が向きがちです。もちろん、AHTは作業効率を測る指標ではありますが、そこには顧客満足度という、決しておろそかにできない課題も隠れています。
顧客満足度を高く保ちつつ、時間短縮を図る。そうした基本姿勢を忘れず、ATHの改善を図ってください。
 

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