狙った層に確実にアプローチするセグメンテーションの基礎知識

投稿日:2020.7.17

市場の母集団から、狙った属性を持つ小グループを抽出するセグメンテーションは、マーケティングの基本である手法です。このプロセスを経ることで、さまざまな施策の効果をさらに高めることができます。
ここでは、セグメンテーションの意味や、活用の方法について解説します。

セグメンテーションとは?

セグメンテーションとは「セグメント化」ともいわれており、市場のニーズや消費者・顧客の属性に応じて細分化し、グループ分けしていくことです。
セグメンテーションは、マーケティングの分野では基本とされます。十分なセグメンテーションがなければ、どんな施策も本来の効果を発揮してくれませんし、満足のいく結果も得られません。

「男」「女」と性別で区切るのも、「10代」「20代」「30代」と年代で分類するのも、かなり大ざっぱではありますがセグメンテーションです。実際に行う際は、もっと細かく、既婚・未婚、家族構成、居住地、職業、年収、趣味、生活習慣、ライフスタイルなど、実に多種多様な切り口の中から必要な要素を選び、マーケット全体の母集団を分類・細分化していきます。

また、細分化されたグループは同じ属性を持つ小集団となり、これは「断片」「分割されたもの」などの意味を持つ「セグメント」と呼ばれます。
つまり、マーケティングでいうセグメンテーションとは、共通する価値観やニーズを持ち、それゆえに購買行動も似ているであろう購買集団であるセグメントを、抽出する作業というわけです。

なぜセグメンテーションが重要なのか?

それでは、なぜ現在のマーケティングにおいて、セグメンテーションが重要視されているのでしょうか。
過去のマーケティングでは「マスマーケティング」が主流でした。テレビやラジオ、新聞、雑誌に大々的で画一的な広告を打ち、大量に生産して大量に販売する。消費者は誰もが同じ商品を買い、消費するというスタイルでした。

しかし、人の価値観が多様化していくと、画一的なマーケティングが通用しなくなります。そのため、細分化したニーズに的確に応えていくことが企業側に求められるようになってきたわけです。
ニーズが細分化した時代には、たとえば単なる「男性用洗顔料」ではニーズをつかめません。敏感肌の人もいれば、そうでない人もいます。爽快感を求める人も、刺激の低い優しい使用感を求める人もいます。これらのニーズに的確に応えていくことで、マーケティング効果を最大化することができます。そのために、セグメンテーションの重要性がますます高まっているのです。

セグメンテーションで用いる変数

では、セグメンテーションを行う際に、どのような要素で母集団の切り分けを行うべきなのでしょうか?これは目的によってさまざまですが、大きく分けると次の4つに分類できます。

<セグメンテーションで用いる変数>

  • 地理的変数
  • 人口動態変数
  • 心理的変数
  • 行動変数

これらの変数によって母集団からセグメントを抽出していくのです。それぞれについて簡単に説明しましょう。

地理的変数

地理的変数とは、地理的な違いによる分類です。都道府県別というよりも、人口密度や交通機関の発達度、気候風土の特徴などの要素です。これらの違いによって人の行動に違いが起こり、それがニーズや購買行動にもつながっていきます。
土地柄による文化や嗜好性の違いという点では、「関東と関西でカップ麺の味つけを変える」というのが典型的な例でしょう。

人口動態変数

人口動態変数は、個人の置かれている状況による分類です。年齢、性別、職業、年収といった個人に由来するものに加えて、未婚・既婚や家族構成なども含まれます。さらに細かい部分では、「子育ては終わっているか」「就職活動をしているか」などの要素も挙げられます。
また、国勢調査や住民基本台帳といった公的な情報と、人口動態変数でセグメント化したデータを紐付けることも可能です。

心理的変数

心理的変数とは、価値観や趣味嗜好など、感性にもとづく要素による分類です。ニーズの多様化によって、この変数の重要性は増しているといえます。本来が定性的な要素であるため、数値化することが難しいのですが、たとえば、ライフスタイル分析手法のひとつである「VALS」の活用などによって、精度の向上が図られています。

行動変数

行動変数とは、購入する時期や頻度のほか、注文後のキャンセルや返品なども含めた、実際の購買行動に関連する要素による分類です。この変数はデジタル化の発展によって、かなりの部分を計量できるようになりました。そのため、デジタル領域のマーケティングではSFAとMAの連携によって、データにもとづいた精密なセグメンテーションが可能になっています。

セグメンテーションをどう使うのか

セグメンテーションにおいては、注意するべきポイントがいくつかあります。その上でプランニングを行えば、マーケティング施策の効果をさらに高めることができるでしょう。

不要な細分化を避ける「4R」

セグメンテーションは、どこまでも細分化することができます。しかし、やりすぎるとターゲティングが煩雑になり、現実的ではありません。そのため、常に「セグメンテーションの4R」を意識しておく必要があります。

  • 優先順位(Rank)

    経営戦略を基に、各セグメントの重要度を設定します。

  • 規模の有効性(Realistic)

    各セグメントに十分な利益が期待できる規模があるかを検討します。

  • 到達可能性(Reach)

    各セグメントにリーチできる製品やサービスを提供できるかを検討します。

  • 測定可能性(Response)

    各セグメントの購買力や反応が、測定・分析可能かを検討します。

マーケティングに欠かせないSTP分析

セグメンテーションの活用例として、「STP分析」という方法もあります。STP分析とは、セグメント化(Segmentation)された小集団のうちのどこをターゲットとし(Targeting)、競合製品の中で自社製品のポジションを明確にして(Positioning)、製品づくりやプロモーションに活かしていく分析手法です。それぞれのプロセスの頭文字を取って、STP分析と呼んでいます。
人の価値観もニーズも多様化している現在、狙った層を間違いなくつかむためには有用な方法です。

セグメンテーションを活かすデジタルマーケティング

膨大なデータをセグメンテーションによって絞り込んだターゲットには、各セグメントにピンポイントでアプローチする各種のデジタルマーケティングが有効です。その手法には、下記のようなものがあります。

  • リスティング広告

    検索エンジンで、ユーザーが検索したキーワードに関連する広告を、検索画面に表示するリスティング広告。細分化されたセグメントが検索しそうなキーワードに対してリスティング広告を打てば、コンバージョンの向上が期待できます。
    また、アクセスデータを検証すれば、情報収集をしているのか購入直前にいるのかなど、ユーザーの置かれた状況をセグメント化することもでき、各プロセスでの最適なアプローチが可能になります。

  • リターゲティング広告

    自社サイトへの来訪者の行動を追跡し、購買につながる可能性が高いセグメントに対して、バナーなどの広告を表示させるリターゲティング広告を打つことで、広告効率を大きく高めることが可能になります。デジタル領域での購買行動は、最初の行動がそのまま購買に直結するとは限りませんので、消費者を誘導し、背中を押すためのアクションとして有効です。

  • コンテンツマーケティング

    自社製品やサービスにさほど強い興味を持たない層の中にも、潜在的なリードは眠っています。セグメンテーションによって「今は無関心ではあるが、ニーズや購買行動を期待できるセグメント」を抽出し、その層が興味を持つコンテンツを作り、プロモーションを行うことで、これまでリーチできていなかったリードを発掘し、アプローチすることができます。

  • メールマーケティング

    広く行われているメールマーケティング。従来は画一化されたメールを一斉配信していましたが、その内容にセグメンテーションを反映することで、開封率やコンバージョン率が大きく改善します。
    MAと組み合わせ、練り上げたカスタマージャーニーに沿ってきめ細かなメール配信を行えば、メールマーケティングの効果を最大化することができるでしょう。

セグメンテーションは基礎であり、効果を左右する大きな要素

セグメンテーションはマーケティングの基礎であり、最初のステップでもあります。特に、顧客ニーズに加えてその行動も多様化している現在では、各セグメントにいかに効果的にアプローチするかが、結果を大きく左右します。
自社が狙うべきターゲットはどこかを正確に分析し、効果的な戦略によって収益につなげてください。

 

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