SWOT分析とは?分析の手順と注意点を解説

投稿日:2020.7.17
SWOT(スウォット)分析は、内部環境と外部環境それぞれに由来する要素を洗い出し、現状を分析していく手法です。古典的な方法ではありますが、自社の可能性や見逃していた強みに気づかせてくれる手法ともいえます。
ここでは、SWOT分析の内容や手順のほか、分析にあたっての注意点について解説します。

現状を知るためのSWOT分析

マーケティング戦略を検討する際には、まず自社や自社の製品・サービスの強みと弱みを知り、さらに市場の状況や競合の動きなどを知る必要があります。SWOT分析とは、こうした現状を知るために用いられる分析手法です。

名称になっている「SWOT」とは、自社内外の各要素を表しています。

SWOT分析の各要素

<SWOTの各要素>

S:強み(Strength)/自社や自社製品・サービスに好影響を与える内部環境の要素

W:弱み(Weakness)/自社や自社製品・サービスに悪影響を及ぼす内部環境の要素

O:機会(Opportunity)/自社や自社製品・サービスに好影響を与える外部環境の要素

T:脅威(Threat)/自社や自社製品・サービスに悪影響を及ぼす外部環境の要素

みずからが抱える「内部環境」と、市場の状況や競合他社の存在といった「外部環境」の要素をプラス面とマイナス面に分け、それぞれ分析を行います。そして、弱みを改善して強みを活かし、外部環境にもフィットしたマーケティング戦略の立案へとつなげていきます。

SWOT分析の手順

では、SWOT分析は、どのような手順で進めていけばいいのでしょうか?SWOT分析の3つのプロセスについて、解説していきます。

1. 目的と目標の設定

どんな分析を行う場合でも重要なのは、最初に分析の目的と目標を設定しておくことです。そうでないと、何のために分析を行うのかがぼやけてしまいますし、マーケティング施策に落とし込む場合も、「どの程度の成果が出れば成功とするのか」が曖昧になってしまいます。
たとえば、「新たなビジネス機会を探り、売上向上の可能性を広げる」を目的として、具体的な数値設定を「売上を前年同期比で150%に引き上げる」などとすれば、最終的な戦略に落とし込みやすくなるでしょう。

2. マトリクスを作り、現状を知る

内部環境と外部環境、それぞれのプラスとマイナスを表すマトリクスに、あてはまる要素を洗い出し、入れ込んでいきます。

まずは内部環境の要素の例をご紹介します。おもに、下記のようなものが挙げられます。

  • 消費者の認知、ブランド
  • 品質と価格
  • 立地
  • 技術力やサービスのレベル

たとえば、飲食店の売上向上について分析する場合、内部環境のプラスとマイナスの要素、つまり「強み」と「弱み」には次のような要素が挙げられます。

<強みの例>

  • 通り沿いの店舗で立地が良い
  • 高品質の食材を吟味して使っている
  • スタッフが多く接客が手厚い

<弱みの例>

  • 料金が高い
  • 調理に時間がかかる

強みと弱みは主観的な評価ではなく、数値化できれば、より正確な分析が可能になります。

続いて、外部環境の要素の例は下記のとおりです。

  • 業界全体の市場規模と成長性
  • 流行や話題性
  • 周辺の環境
  • 競合他社の状況
  • 経済状況、景気動向
  • 政治的な要因、法律や制度の改変

同じく、飲食店の売上向上について分析する場合の「機会」と「脅威」の具体例は下記のとおりです。

<機会の例>

  • エリア内に飲食店が多くない
  • 同じメニューを扱う競合店舗がない
  • オフィスビルが増え、昼間人口が増えている

<脅威の例>

  • テイクアウト需要が増えている
  • 外食需要が縮小しつつある
  • 高単価が望める夜間の需要が減りつつある

3. クロスSWOT分析を行う

マトリクスを埋めることができたら、次にそれぞれの要素を掛け合わせる「クロスSWOT分析」を行い、戦略立案の糸口にします。

<クロスSWOT分析>

強み×機会:機会をとらえて強みを最大に活かす方法は?

強み×脅威:脅威を回避するためにとれる、強みを活かした方法は?

弱み×機会:弱みによって機会を逃さないためにとれる方策は?

弱み×脅威:弱みと脅威によって受ける最悪の事態を回避するには?

「弱み×脅威」は常に目の前にある危機ですが、強みを活かしてその危機を回避し、機会を逃さずに売上につなげ、さらに強みを最大限に活かす方法を立てる。
この一連の策を戦略としてプランニングし、施策として落とし込めば完了です。

ただし、SWOT分析はある事象に対して、見方によっては強みにも弱みにもなりうる場合があります。また、脅威だと思われたものが、実は大きな機会になるというケースもあります。
たとえば、「高品質素材を使っているため料金が高い」「テイクアウト需要が増えている」という中でも「高品質をウリにした高級弁当を開発する」といったアクションも生まれます。ですから、複数の可能性を考慮した上で、分析を進めることが大切です。

また「脅威」を分析する方法として、「ファイブフォース分析」を使ったり、自社の強みと弱みを洗い出すために「VRIO分析」を用いたりと、複数の手法を活用することでさらに精密な分析が可能となるでしょう。

SWOT分析を行う上での注意点

SWOT分析はシンプルな方法であるだけに、間違った結論を導き出してしまう可能性もはらんでいます。しかし、いくつかのポイントに注意しておけば、そうした誤りを防ぐことができるでしょう。
最後に、SWOT分析を行う際の注意点をご紹介します。

目的・目標は必ず決めておく

繰り返しになりますが、分析を行う際には、まず目的と目標を明確にしておきましょう。SWOT分析に限らず、マーケティングにおける分析は課題や問題を洗い出し、戦略や施策に落とし込むために行うものです。しかし、当初の目的・目標が曖昧なままでは、分析することが目的化しかねません。
「何のためにこの分析を行うのか」「目指すべき目標はどこか」をはっきりさせ、メンバー間で共通認識を持っておきましょう。

「機会」と「強み」を混同しない

SWOT分析でやってしまいやすいのが、「機会」と「強み」を混同してしまうことです。機会はあくまでも市場の傾向や消費者の動向などの外部環境であって、自社がコントロールできるものではありません。一方の強みは、自社の主体的な特性です。たとえば、自社の製品やサービスが現在の市場トレンドに合致しているとしても、それは市場がそうした傾向を持っているためであり、自社の強みとイコールではないのです。
ここを勘違いしたまま戦略に落とし込んでしまうと、トレンドの変化についていけず、足元をすくわれることにもなりかねません。「市場の状況はこう」「自社の場合はこう」という具合に、分けて考えるようにしましょう。

万能の分析法ではないことを理解しておく

マーケティングの分野では数多くの分析法が使われていますが、どんな場合にも正確な分析ができる、万能の分析法はありません。
SWOT分析の場合、先に挙げたように「内部環境によっては、強みと弱みとのどちらにも分類しにくい」という弱点があります。それを理解した上で活用することが大切です。

SWOT分析で新たなビジネスチャンスを発見しよう

SWOT分析は、社内・社外のプラスマイナスの各要素を客観的に把握することができ、現状の理解を深めることができるというメリットを備えています。また、うまく使えば弱みを強みに転換する戦略へ落とし込むこともできるでしょう。
SWOT分析を存分に活用して自社の可能性を広げ、新たなビジネスチャンスを手にしてください。

 

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