OODAとは?PDCAとの違いや活用方法、メリット・デメリットを解説

投稿日:2021.12.1
近年、注目されているフレームワークに「OODA」というものがあります。PDCAに代わるものといわれることもありますが、いったいどのようなものなのでしょうか。
ここでは、OODAの特性やメリット・デメリットのほか、PDCAとの違いなどについて解説します。

OODAとは意思決定と実行の一連の流れを4つのプロセスで表したもの

OODAとは、一般的には「ウーダ」と呼ばれ、よく知られたPDCAサイクルと比較して語られることも多いため、「ウーダループ」と呼ばれることもあります。
OODAはPDCAと同じく、意思決定と実行の一連の流れを4つのプロセスで表したものなのですが、その特性はPDCAとはかなり異なります。スピード感あふれるプロセスから「状況の変化に対して、柔軟に対応できる」とされ、市場や消費者のニーズの移り変わりが激しい近年、注目を集めているフレームワークのひとつです。

OODAの4つのプロセス

OODAは4つのプロセスに分かれており、それを一回りすることで意思決定と行動がなされます。その後、再び元の位置からループを繰り返します。この点ではPDCAとまったく同じなのですが、4つのプロセスの内容がPDCAとは異なります。

<PDCAの4つのプロセス>

  • Plan:計画
  • Do:実行
  • Check:評価
  • Action:改善

<OODAの4つのプロセス>

  • Observe:観察
  • Orient:判断
  • Decide:決定
  • Act:実行

OODAの4つのプロセスは、下記のとおりです。

  • 観察
    まずは、現状を観察し、情報を収集します。収集したデータを基に、「◯◯だから、△△と思われる」というような、推測や判断は行いません。あくまでも「今、何が起きているのか」「どのような状況にあるのか」という客観的な情報を、そのまま収集します。
  • 判断
    収集した情報を基に、判断を下すプロセスです。これまでの傾向や過去の経験則などから判断します。
  • 決定
    観察と判断を基に、具体的な行動を決定します。
  • 実行
    決定したことを実行します。実行を終えたら再び「観察」に戻り、OODAループを繰り返します。
    OODAでは、この一連のループを高速で繰り返すことが重要とされています。

OODAは空軍パイロットから生まれた

OODAを考案したのは、アメリカ空軍の戦闘機パイロット、ジョン・ボイドです。彼は、朝鮮戦争に参加したのち、教官として後進の指導にあたりました。その操縦技術は卓越しており、戦闘訓練では絶対的に不利な状況から開始しても、40秒以内にその状況を逆転できたことから、「40 Second Boyd」と呼ばれました。
秒単位で変化していく状況の中で、「生存し、敵を撃破する」というシンプルな目標の達成を目指す世界においては、正確な現状把握と、それにもとづく瞬時の判断の積み重ねこそが必要だったのでしょう。
ボイドが提唱したOODAは、その後ビジネスやスポーツの世界に応用され、多くの注目を集めるようになったのです。

OODAは、PDCAとどう違うのか?

これまでの説明でもおわかりのように、OODAはPDCAと似た「1つのサイクルを繰り返し、行動し続けるモデル」です。しかしながら、その内容には次のようにかなりの違いがあります。

目指すべき結果を想定していない

PDCAでは、初期段階の時点で「目指すべき結果」が明確です。その実現のために「計画」から始め、そのプランに沿って動かしていくフレームワークです。
しかし、OODAでは、目指すべき結果を最初から想定していません。常に現状の把握から始まり、目の前で起こっていることに対して処理していくという流れになっています。

評価のプロセスがない

OODAには、実行した結果を評価し、検証するというプロセスがありません。これは前項の、「目指すべき結果を想定していない」ということと関係しています。
PDCAの場合、結果を想定して計画・実行しますから、実際の結果が想定どおりだったか評価し、検討するプロセスが必須です。そして、求める結果が得られるよう、計画や実践方法を改善することも必要になります。
しかし、OODAはそもそも、結果を想定していません。そのため、評価も検証も、改善のための振り返りも必要ないというわけです。

フレームワークとしての役割が違う

PDCAとOODA、それぞれのプロセスの違いは、そのまま役割の違いと言い換えることができます。
PDCAは、既存の業務フローに対して何らかの手を加え、改善された結果を求めるものです。そのため、「どうすれば改善を果たせるか」という仮説を立てて計画するところから始まり、実行ののちに「目指す方向に進んでいるか」を評価・検証するプロセスが必要になります。

しかし、OODAはあくまでも、「今、どう動くのが最善か」という意思決定を優先するものです。そのため、現状の観察から始まり、刻々と変化する状況に対して、常に最善手を打っていくことを目的としています。
つまり、PDCAは業務改善のためのフレームワーク、OODAは意思決定のためのフレームワークというわけです。優劣を語れるものではなく、役割がそもそも違います。

OODAが活用できる場面は?

OODAは、誕生の経緯とその特性から、変化の激しい環境や、先の見通しを立てにくい状況において、強みを発揮してくれます。ここからは、OODAが活用できる場面をいくつかご紹介していきましょう。

変化と競争が激しい業界や局面

IT、IoTの発達と普及は、世の中に急速な変化をもたらしています。次々と新しいサービスが登場し、それが一般に認知されてくると多くの競合が現れ、激しいシェア争いが起こります。このような状況でも頭ひとつ抜け出し、業界の中で勝ち残るためには、資本力もさることながら、勝機を逃さないスピードが重要です。
古来、戦いや勝負事では、スピードが重視されてきました。たとえ不完全なものであっても、次々と攻め手を繰り出すことで相手を圧倒し、形勢を逆転して有利な位置を占めることは十分に可能です。実際にOODAの提唱者であるジョン・ボイドも、実戦の中で何度となく、そうした経験を積み重ねてきたはずです。
混戦、激戦の中でこそ、本領を発揮する。それがOODAの特性だといえます。

起業や新規事業の立ち上げ時

起業や新規事業の立ち上げなど、先の想定を立てにくい状況でも、OODAは役立ちます。特に起業の場合、しっかり準備していたとしても、資金力や競争力という点で、競合他社に立ち向かうのは簡単ではありません。どれほど高速化しても、PDCAサイクルでは迅速さを欠き、チャンスを逃してしまうことにもなりかねないのです。
しかし、OODAループなら、スピーディに行うことができます。実績やブランドで劣る分、市場のニーズにすばやく反応する速度があれば、既存企業に対抗していくことは十分にできるはずです。

OODAのメリット

ここで改めて、OODAのメリットについてまとめておきます。PDCAと比較されることの多いOODAではありますが、それ自体が独特のメリットを備えた、有用なフレームワークなのだということは、知っておいたほうがいいでしょう。

状況に対して即応できる

OODAは、常にすばやい意思決定を促します。その決定がベストなのかベターなのかは、問題とはしません。たとえていえば、3日間のリサーチと検討で得られるベストチョイスよりも、1時間ではじき出されるベターな選択を良しとします。このような特性のため、変化が激しい状況では大いに強みを発揮します。
良くも悪くも、予期しない状況の変化が起こった際、即応できるのがOODAの大きなメリットだといえます。

個人の裁量を大きくできる

計画や行動に対する評価や改善を考慮しないOODAは、個人行動あるいは少人数での行動に向いています。つまり、個人の裁量を大きくし、上からの指示を待たずに現場の状況に合わせて判断・行動するスタイルにフィットするのです。
こうしたOODAの性質は、迅速な意思決定が可能という特徴とともに、少数精鋭体制のベンチャーやスタートアップにはぴったりです。また、個人の裁量が大きくなることで、ひとりひとりが責任感とともに行動するようになり、自律性の向上、ひいては生産性の向上も期待できます。

実戦の中で試行錯誤ができる

個人の裁量を大きくとれるため、OODAでは現場の状況に合わせた、臨機応変な対応が可能です。その繰り返しの中で試行錯誤を繰り返せば、個々のスタッフに、変化に対応する能力が身についていくでしょう。
現場の状況を観察し、正確な情報を収集し、そこからどのように判断するか。経験を重ねるごとに「実戦感覚」が身についてくるはずです。そうなれば、些細な情報から市場のニーズをくみ取ったり、トラブルのリスクを察知して事前に回避したりといった行動がとれるようになることも期待できます。

OODAのデメリット

多くのメリットを持つOODAですが、活用する場合には覚えておきたいデメリットもいくつかあります。どんなに優れたフレームワークでも、使い方や使いどころを間違えてしまっては、本来の機能を発揮できません。

中長期的改善や定型作業の改善には向かない

OODAは迅速な意思決定を生み出すための手法であるため、時間をかけた中長期的な改善や、すでにワークフローが出来上がっている定型作業の改善には向きません。
PDCAが万能ではないように、OODAもまた、どんな場合にも威力を発揮してくれるものではありません。状況に応じた最適な手法を選ぶようにしてください。

失敗するリスクも大きい

OODAは、計画や評価というプロセスを持たず、十分に策を練るということもしません。そのため、判断が必ずしもベストにはならないばかりか、失敗するリスクも高くなります。
しかし、失敗するリスクよりもスピードを重視するのがOODAです。どうしても安全策をとりたいのであれば、OODAではなくPDCAを使用するべきでしょう。

OODAを武器に、激動の状況を乗り切ろう

市場も競合も、スピーディに変化していく現代。すでに「PDCAを高速で回す」ことは、限界に近いのかもしれません。OODAは、スピーディな決断と実行を促すことが大きな特徴です。場面を選び、PDCAと併用することで、安全確実、しかもスピーディな対応を実現できるでしょう。
ただ、いずれの方法を選んだとしても、「最新の正確な情報」が必要です。特にOODAの場合、まさに戦闘機のコックピットのように、あらゆる情報を瞬時に把握できる環境が不可欠です。そのためには、CRMのようなツールは必須といえます。現場の急な変化に対応し、強い組織と柔軟な現場を実現する方法についてeBook「これからの現場に、OODAループ」で詳しく解説しています。eBookをチェックし、激動の状況を乗り切ってください。
 

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