精度の高い売上予測をどのように立てればいい?

投稿日:2020.07.31
売上予測は、セールス部門にとってはもちろん、経営上も重要な指標ですが、正確に算出するのは難しいものです。売上予測の精度を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、売上予測の基本的な概念や売上予測の立て方のほか、精度が高い予測を立てるためのポイントを解説します。

売上予測とは?

セールスの現場において、売上予測はとても重要な指標です。さらに、この数値を基に企業全体の予算を作り、各部門に配分していくのですから、経営上も重要な意味を持つものです。ですから、当初予測と実際の売上とのあいだに大きな開きがあると、大問題になってしまいます。
にもかかわらず、売上予測というと「前年同期がこれくらいだったから、今年はこれくらいか」などと、勘に頼った数値設定が行われているケースも多いようです。これでは、正確な売上予測とはいえません。

売上予測は売上目標とは違う

よく間違われるところですが、売上予測と売上目標はまったくの別物です。
売上目標はあくまでも「目標値」であって、目指すべき到達点です。たとえば、「来年度の人材確保のためにこれくらいの予算が必要だ」「生産ラインの拡張のために、来期はこれくらいの利益を上げなくては」といった経営上の構想や計画から導き出される数値です。この目標を達成できないと、企業は当初の行動計画を見直さなくてはなりません。

一方の売上予測は、多種多様なデータを精密に分析し、客観的に算出するものです。あくまでも科学的な予測ですから、希望的観測が入り込む余地はありません。反対に、そうした「思惑」が入り込んでしまうと不正確な予測になり、経営判断を誤らせることにもなりかねませんから要注意です。

売上予測の算出に必要な情報

売上予測を算出する際には、どのようなデータが必要となるのでしょうか。扱う製品やサービスの特性によって多少の違いはありますが、おおよそ次の情報は必要になるでしょう。

  • リード状態からの成約率(CVR)
  • 商談期間
  • 月ごと、四半期ごとなど、一定期間での売上実績
  • 商品別の売上実績
  • 現在の案件化数
  • 平均成長率

商材が1回売り切りの製品ではなく、サブスクリプションモデルのように継続的に提供し続けるサービスであれば、これ以外にも「契約期間」「更新率」「解約率」といった情報も必要でしょう。
情報が多いほど予測の精度は高まりますが、あまり重要でない情報まで入れ込んでしまうと混乱が起こります。自社の売上予測において重要な指標となるものは何かを、定めるところから始めるといいでしょう。

データの精度が予測の精度を決める

売上予測に使用するデータは、正確さが大切です。「A社の発注は来月頃で、金額はだいたいこれくらいだろう」などという、肌感覚に頼った情報は正確なデータとはいえません。また、「ざっと400万円」というような大ざっぱな数字もいけません。見積書や契約書を参照した正確な数字を使わないと、予測の精度が下がってしまいます。
そして、最新のデータであることも重要です。刻々と動いていくビジネスの現場では、商談ひとつとっても状況は日々変化しています。まだ時間がかかると思っていた商談が急に進展したり、ほぼ確実と思われた契約が先方の事情で先延ばしになったりするなど、このような変化をリアルタイムに近い速さで反映することができれば、売上予測の精度をグッと高めることができます。

営業パイプラインで売上予測を立てる方法

売上予測の立て方にはいくつかの方法があり、企業によって、あるいは扱う製品やサービスの特性によって、適した方法が異なります。一般的には、過去の実績を基に算出する方法がオーソドックスです。
前年同月の実績を単純比較する方法は最もシンプルですし、ここに自社の成長率や市場の拡大率などを掛け合わせれば、より精密な予測ができるでしょう。
ただし、過去実績との比較では、実績のない新規事業の予測には使えませんし、市場の状況が大きく変化している場合には対応できません。そのような場合は、さらに精密な予測ができる方法として、営業パイプラインを使う方法があります。

営業パイプラインから予測値を割り出す

セールス活動の一連のプロセスをひとつひとつ可視化する営業パイプライン。これは、各プロセスでの実績を数値化し、それぞれのプロセスの通過率や次の段階に進むまでにかかった時間などから、売上予測を算出する方法です。
たとえば、獲得した見込み客と商談を重ね、最終的な成約に至るまでには「初回訪問→ヒアリング→提案→見積もり→受注」というようなプロセスを踏むことになります。場合によっては、見込み客獲得の前段階として、テレアポやメール送信をプロセスに含めてもいいですが、プロセスは数字で表記できる要素であることがポイントです。
そして、それぞれのプロセスの通過率や所要期間を実績から算出しておきます。この数値を、その時々の訪問数や提案数に掛け合わせていけば、最終的に何件の成約を得られるかが割り出せます。

営業パイプラインから予測値を割り出す 

売上予測の不備が引き起こす悪影響

セールス部門だけで考えると、売上予測よりも売上目標のほうが重要に思えるかもしれません。そのため、「今月の数字が悪くても、その分を来月に稼げばいい」と考える担当者も少なくないようです。
確かに、営業実績だけ見れば帳尻は合うでしょう。しかし、こうした姿勢で売上予測をないがしろにしていると、思わぬところに悪影響が波及していきます。その例をいくつかご紹介します。

売上予測のずれでコストが発生する

いつ、いくらの売上が期待できるのか。この売上予測は、製造業はもちろん、システムやソフトウェアの開発など、「何かを作ること」を手掛けている企業にとって、非常に重要な要素です。
これらの業界では、いつどれほどの発注が来るかを見越した上で、生産・開発計画を立て、成約と同時に作業にかかれるよう準備します。そのため、発注の時期が延期になったら、さらには失注してしまったらどうでしょうか。せっかく準備した原材料や資材は当面使うあてのない在庫になりますし、待機させた人材は「仕事がない」状態になってしまいます。
これはコスト上、大きな無駄ですし、金融機関からの借り入れも考慮すれば、その損失はさらに膨らんでしまいます。

受注の前倒しなどの無理が生じる

売上予測があいまいなために無理な目標設定をしてしまうと、「再来月に予定している受注分を、なんとか来月中に前倒しできないか?」といった方法で、実績の数字を合わせようという考えが浮かびます。しかし、受発注の契約は相手のあることですし、顧客側でもコスト配分を考えた上で発注時期を決めているはずです。こちらの都合で時期をずらすことなど、できるものではありません。百歩譲ってそれが可能だったとしても、相手に悪印象を与えることになりますし、見方を変えれば「借り」を作ることにもなってしまいます。
こうした、無理をせざるをえない状況に陥ることがおかしなことであり、その根源には不正確な売上予測や無理な目標設定があることを認識しておくべきでしょう。

チーム内での情報の不透明化

前項で紹介した「受注の前倒し」が常態化していると、「受注が決まっているなら、もう少し早く受注できないか?」などという、自分の上司などからの催促を避けるために、担当者が受注情報をギリギリまで社内で共有しないということが起こります。たとえば、顧客から数か月先の受注の話をもらっているが、その情報をマネージャーやチームに報告しないというケースです。
「受注延期や失注よりはましな状況では」と思われるかもしれませんが、このような行為そのものが売上予測の精度を下げる一因になります。曖昧な予測が業務上の無理を生み、それが常態化するためにさらに売上予測の精度が下がってしまうという悪循環です。チーム内の士気や信頼関係の面でも、決して良いことではありません。

売上予測の精度を高めるには?

売上予測の精度を高めるには、正確で新鮮な数字を集めることが第一です。そして、それ以外にも注意しておきたい点がいくつかあります。ここからは、売上予測の精度を高めるためのポイントを解説します。

メンバーがコスト意識を持つ

曖昧な売上予測は、それがどんなものでもコスト増となって表れる。それを、セールス部門のメンバー全員が、十分に認識しておくことです。場合によっては、社内研修による教育も必要でしょう。実際の例をいくつか並べるだけで、どれほどリスクが大きいことかが理解できるはずです。
また、営業担当者がしっかりしたコスト感覚を持つことで、安易な値引きを防ぐという効果も狙えます。商談の中では値引き交渉は避けることはできませんが、半ば習慣化した値引きは意味がないばかりか、ほかの顧客と不公平であるという問題も引き起こします。

数か月先までの売上予測を立てる

数か月先までの売上予測を立てることも大切です。こうすれば「いつ頃、売上の減少が起こりそうか?」「そのために、今からできる対策は何か?」と、常に先を見越した行動をとることができるからです。
また、こうした情報は、チーム内で共有しておくことが肝心です。誰かが情報を抱え込んでしまうと予測が不正確になりますし、予測値や目標値を常に意識しておけば、それに合わせた行動がとれます。

適したツールを活用する

リアルタイムの情報を共有するなら、それに適したツールを使いましょう。SFA(営業支援システム)は、その筆頭といえます。
SFAに営業業務に関する情報を漏れなく蓄積しておけば、さまざまな形でデータを抽出・分析し、日々の業務に活かすことができます。
また、AIによる案件管理業務の自動化が可能な製品も登場しています。たとえば「Sales Cloud Einstein」では、商談に関する多くの要素をスコアリングすることで、精度の高い売上予測を算定したり、進捗が思わしくない商談については対応のヒントを提案したりと、マネージャーの負荷を大きく軽減することが可能です。さらに、10日ごとにスコアリングを更新して精度を改善するなど、先進的かつ力強い機能を実現しています。

正確な売上予測を導き出すことが円滑な経営を後押しする

セールス部門は利益を生み出す最前線であり、そこで使われる売上予測は経営に関わる重要な数値です。あくまで予測ではありますが、実績との乖離があまりに大きいと、経営上でも大きな問題になります。
その数値を達成する重要さだけでなく、精度を高めるには何ができるかということも、改めて考えてみるといいでしょう。
 

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