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組織がAIの未来に備える際に役立つ、AIを活用したMuleSoftのコンポーザビリティとは?

※本記事は2024年6月25日に米国で公開されたHow MuleSoft’s AI-Powered Composability Will Help Organizations Prepare for an AI Futureの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


大半のビジネスリーダーは、今後あらゆる企業アプリケーションに予測AIや生成AIが搭載されるようになるだろうと考えています。しかし、AIをフル活用するためには、現在使用しているアプリケーションやワークフローとAIを深いレベルで連携する必要があります。AIのメリットは、AIエージェントを通じてインテリジェントなインサイト、コンテンツ、自動化を生成できる点にあります。これらは自然なワークフローの中で実現する必要があります。サイロ化された個別のプロセスとして実行するとメリットが薄れてしまいます。 

MuleSoftの連携、自動化、API管理ソリューションスイートは、企業が現在および将来にわたって組織でAIをフル活用するための戦略を構築する際に効果を発揮します。AIを活用したMuleSoftのコンポーザビリティソリューションには、AIを中心とした手法に加えて、開発者やビジネスチームが構成要素を使用してアプリケーションやワークフローにAIを連携させるのに役立つツールが搭載されています。  

MuleSoftが提唱するAIを活用したコンポーザビリティのアプローチを採用すれば、以下を実現できます。

  • 将来に備えた基盤構築:あらゆるシステムやLLMを接続し、AIを活用した顧客体験を創造します。
  • インテリジェントなツールで効率化:開発チームとビジネスチームはAIを活用した連携ソリューションと自動化ソリューションで生産性の向上を加速することができます。 
  • AIを活用した体験の安全性を確保:信頼できるAIアーキテクチャとアプリケーションの、ガバナンスとアクセス制御を企業に提供します。 
  • AIエージェントのアクションを強化:データにもとづいて応答し、自然言語プロンプトを使用して外部システムでアクションを実行します。

上記の動画(英語)では、Salesforceのオートメーションおよびインテグレーション担当EVP兼GMのパラム・カーロン(Param Kahlon)が、現在および将来にわたってAI活用の最適化を目指す組織にとって、AIを活用したコンポーザビリティがいかに重要であるかを解説しています。

Q. AIを活用したコンポーザビリティは、企業のAIトランスフォーメーションにどのように役立ちますか?

コンポーザビリティとは、一つひとつの構成要素を使用して、テクノロジースタック内で複雑なシステムやアプリケーションを構築する手法です。​​柔軟性に富んだアプローチなので、新しい標準やテクノロジーを迅速に導入する際に有効です。MuleSoftのプラットフォームは、ユーザーがコンポーザブルアーキテクチャを構築できるように設計されており、テクノロジーや規格の進化に合わせて拡張して利用できるように、連携、自動化、API管理のための多様な機能を搭載しています。

AIを活用したMuleSoftのコンポーザビリティは、新しいAI時代の基盤を構築する組織に役立つソリューションです。AIを中心とした手法と、開発チームやビジネスチームがビルディングブロックを介してAI搭載アプリケーションを構築する際に役立つツールを組み合わせています。そのため、組織は必要な資産を組み合わせてカスタマイズし、現在および将来のアプリケーションに求められるさまざまなAI要件を容易に満たし、安全で適応性の高い基盤を構築することができます。 

AIを活用したMuleSoftのコンポーザビリティは、新しいAI時代の基盤を構築する組織に役立つソリューションです。

Salesforce オートメーションおよびインテグレーション担当EVP兼GM パラム・カーロン(Param Kahlon

Q. MuleSoftでは、AIを活用したエクスペリエンスの構築をどのようにサポートしていますか?

MuleSoftでは、連携およびAPI管理用のAnypoint Platformのほかロボティックプロセス・オートメーション(RPA)Intelligent Document Processing(IDP)、ComposerSalesforce Flowなど、さまざまな製品ポートフォリオを用意しています。これらの製品が連携することにより基盤が構築され、AI対応アプリの作成、LLM APIの管理とセキュリティ確保、AIエージェントによるサードパーティデータの処理が可能になります。いずれもAIエンタープライズを構築する際に欠かすことのできないステップです。また、Salesforce EinsteinにはツールにAIが組み込まれており、開発チームとビジネスチームは迅速に連携と自動化を進めることができます。 

Q. AIを活用したコンポーザビリティというコンセプトを顧客が活用するにはどうすれば良いでしょうか?

MuleSoftには、さまざまな業種のお客様がいらっしゃいます。ここではある自動車メーカーを例にとって説明します。この企業は、最近、消費者への直接販売も手がけるようになりました。 

このビジネスモデルの大転換を進める中で、この企業は、AIが新しい顧客に提供する体験を差別化する機会になると考えました。顧客は、運転席のダッシュボード、モバイルアプリ、ウェブアプリケーションに、AIを活用したエクスペリエンスを求めています。また、自動車にインテリジェントな機能も期待しています。 

このメーカーは、運転手の行動やエンジンの状態などのテレメトリーデータを収集するために、API主導の方法でシステムを連携することができます。この基盤が整備された後に登場するのが、AIを活用したコンポーザビリティです。API、連携、AIによる自動化フローなど、再利用可能なビルディングブロックを使用した構築、自社アーキテクチャへのLLM組み込みを継続的に行うことが可能です。これにより、顧客に対して先を見越したメンテナンス通知などのインテリジェントなアクションを取ることができるようになります。

さらに、MuleSoft製品を導入すれば、組織においてAIを活用したプロセスの自動化とシステム間の接続を加速し、従業員の生産性向上と高まる顧客の期待への対応を図ることができます。

Q. 組織にとってセキュリティは最重要課題です。LLMをアプリケーションに組み込む際、どのような点を考慮すべきですか? 

顧客の懸念は、誰が自分のデータを見ることができるのか、データへのアクセスが組織全体でどのように監視・管理されているのか、という点にあります。さらに、顧客はデータが企業から流出するのを非常に恐れています。自分のデータは保護されているのか?暗号化されているのか?マスクされているのか、などさまざまな不安を抱えています。 

MuleSoftは、LLM APIには他のAPIのようにセキュリティとガバナンスが必要だと考えています。MuleSoftのお客様の中には、APIゲートウェイ(Anypoint Flex GatewayおよびMule Gateway)をLLMゲートウェイとして使用し、APIのセキュリティ確保と管理用にカスタムメイドのポリシーを適用している企業があります。ゲートウェイは、個人を特定できる情報(PII)の暗号化やマスキングなど、LLM APIが呼び出すデータの管理に役立ちます。

APIゲートウェイが備わっている金融機関を例に取ると、データがサードパーティのLLMと共有される前に、機密性の高い顧客情報かどうかをチェックするカスタムポリシーを設定することで、信頼できる境界内にデータを留まらせることができます。

また、MuleSoftにはガバナンスルールセットが組み込まれており、自動化された適合性チェックを行うことで、業界固有のコンプライアンスや企業コンプライアンスを実現できます。銀行の場合は、標準の手続きとしてLLM APIの管理を追加することにより、生成AI機能を利用しようとするユーザーに対し適切な認証プロセスを設けることが可能です。MuleSoftでは、LLM APIガバナンスからAIリクエストのトレースまで、APIおよび連携のライフサイクル全体を対象としたモニタリング機能も提供しています。たとえば、新しいAnypoint API Insights機能を利用すると、開発者は自社の適合性要件を満たしていないLMM APIに対してアクションを取り、アプリケーション作成用の信頼できるAI基盤を構築することができます。 

Q. MuleSoftは自社のツールでAIをどのように活用していますか?

MuleSoftでは、組織内の誰もが自然言語で話しながらコミュニケーションを取り、プロンプトを使ってコード、連携、フローを作成できるようにしたいと考えています。 

また、MuleSoftはSalesforce傘下であることを活かし、Einsteinを製品に組み込んでいます。Einstein for Anypoint Code Builder(8月に英語での一般公開、日本語正式サポートは2025年予定)は自然言語プロンプトを使用しているので、開発者は迅速に連携を構築できます。また、Einstein for Flow(7月にベータ版を公開、日本語サポートは未定)を使うと、Salesforce管理者がビジネスプロセスを自動化することが可能です。また、最近リリースした(日本語サポートは未定)Intelligent Document Processing(IDP)では、ユーザーがEinstein for IDP(試験版)を使用して運転免許証や請求書などの文書からデータを抽出することができます。プロンプトは、Einstein Trust Layerを通過するため、あなたのデータは確実にLLMに届きます。

上記のソリューションを導入することで、すべての人が生産性を向上させ、価値のある仕事に集中することができます。  

Q. 現在のAIアシスタントが持っている可能性を最大限に引き出すには、どうすれば良いでしょうか?

AIアシスタントの可能性を引き出すには、単なる検索の実行や質問への回答以上のことをさせる必要があります。会話によるプロンプトを通じて従業員記録や休暇申請の更新、注文の作成、顧客の請求書の更新などの作業を完遂する能力が求められます。AIを適切に実装すれば、現在人間が行っている日常的な反復作業をAIに任せることができるはずです。

AIアシスタントの可能性を引き出すには、単なる検索の実行や質問への回答以上のことをさせる必要があります。会話によるプロンプトを通じて従業員記録や休暇申請の更新、注文の作成、顧客の請求書の更新などの作業を完遂する能力が求められます。

Salesforce オートメーションおよびインテグレーション担当EVP兼GM パラム・カーロン(Param Kahlon

MuleSoftでは、Salesforceの予測・生成AIアシスタントであるEinstein Copilotというテクノロジーの中でこれらの機能を実現しています。Copilotでは、MuleSoft Anypoint Platform(近日リリース予定)とSalesforce Flowによって構築したAPIや連携機能を使用して、機能を拡張し、サードパーティのシステムからデータを活用することができます。その結果、Copilotは実用的なワークフローを作成し、豊富なデータにもとづいて回答することが可能です。 

AIエージェントが可能な作業の例としては、バックオフィスシステム内で注文を作成して顧客にクレジットを付与することや、製品の配送前に在庫を調達するようサプライヤーに通知することが挙げられます。しかも、エンドツーエンドでビジネスプロセスを自動化するためのAPIが用意されているため、これらの作業を対話形式で実行させることができます。 

各企業がAIエンタープライズ(チームの能力を拡大する形で業務をサポートし、自律的に実行するAI技術を導入することで業務全体の変革に成功した企業)を目指しているこの時代において、AIを活用したコンポーザビリティは、現在および将来にAIで成功を収めるために欠かせないアプローチなのです。 

詳細情報

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