マーケティング戦略とは?策定手順・フレームワーク・成功事例を解説

 
最終更新日:2024.5.7
マーケティング戦略とは、市場や顧客を分析しどのような価値を提供するかの方向性を決定することを指します。競合他社に負けずに自社の商品・サービスを顧客に選んでもらうためには、マーケティング戦略を策定することが大切です。今回は、マーケティング戦略の立て方や役立つフレームワークについて解説します。

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マーケティング戦略とは

「マーケティング戦略」とは、市場や顧客を分析しニーズを理解して、自社の商品やサービスのアプローチを考えることを言います。どのような顧客をターゲットとし、どのような価値を、どのように提供するかを考えていくことが主な作業です。顧客が一度自社の商品を購入したあとも、継続的に利用してもらえることを目標としています。

「マーケティング」というと商品やサービスの営業・販売のことと思われがちですが、それだけではありません。日本マーケティング協会によると「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」と定義されています。

つまり、顧客のニーズに応えるために企業が行うあらゆる活動の総称のことで、具体的には市場調査や分析、商品の企画や開発、広報活動やプロモーションまですべての活動が含まれます。

それぞれの領域には特徴に合わせた施策が必要となり、適切なタイミングで適切な施策を実行することが重要です。実行した後は効果を測定し、また次の施策を行う一連のサイクルが繰り返されます。マーケティング活動から売上に結びつけるまで、各部門と連携して常に改善・進化を遂げるポジティブなサイクルを回しましょう。

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マーケティング戦略が必要な理由

マーケティング戦略を策定することの重要な理由のひとつは、消費者の情報収集の方法が多様化しているためです。インターネットが普及する以前は、テレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告などマスメディアを利用した宣伝方法が主流でした。

しかし、インターネットが急速に普及した現在では情報があふれ、消費者自らが必要な情報を選ぶ時代です。それにより消費者の興味や関心、ニーズも細分化され複雑になっています。大勢に向けてアピールしてもニーズに合致していなければ購入までに至りません。消費者の目に留まり選んでもらうためには、消費者の動向を分析し根拠のある戦略が必要になっているのです。

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また、マーケティング戦略が必要なもうひとつの理由は、経営資源を効率的に活用するためです。戦略を立てることで、自社にあったより効果的な方法に、人材やコストを集中させられます。リソースを無駄にすることなく活用するためにもマーケティング戦略は必須です。

 
 
 
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マーケティング戦略の立て方・策定プロセス

マーケティング戦略の立て方・策定プロセスは、以下のとおりです。

  1. 環境分析
  2. 基本戦略の策定
  3. 具体的施策の決定

戦略のベースとなる環境分析からはじめ、基本戦略や具体的な施策を順序よく立案しましょう。

1)環境分析

マーケティング戦略を立案するためには、「環境分析」を最初に行います。環境分析とは消費者のニーズや市場の動向、自社の強み・弱みを分析することです。顧客の動向だけではなく、競合他社を調査し自社を理解しましょう。

市場や消費者の動向を外部環境と呼び、外部環境の分析によって、どのような層に自社の商品やサービスのニーズがあるのか、どのような層が顧客になりうるかを把握でき、ターゲットを絞りやすくなります。

一方、自社の状況を内部環境と呼び、競合他社の状況を調査するなど自社と比べることで自社の印象や立ち位置を知ることができ、強みや弱みが見えてきます。

ここで活用されるフレームワークは以下の3つが代表的です。

3C分析は市場、自社、競合他社を抜け漏れなく把握、PEST分析は世の中全体の「マクロ環境」を把握、SWOT分析は自社を取り巻く環境を多角的に分析するために使われるフレームワークです。

2)基本戦略の策定

次に、基本戦略である「ターゲティング」と「ポジショニング」を決定します。ターゲティングとは、環境分析で絞り込んだ顧客層の内、どの領域をターゲットとするか定めることです。つまり、どの市場に参入するかを決定することともいえるでしょう。たとえば、50代の男性と20代の女性では、ニーズや消費行動は全く違います。環境分析の結果から、より自社商品のニーズがあると判断される顧客層の市場に参入し、そのターゲットに合わせた戦略を考えていきます。

ポジショニングとは、ターゲットである顧客層に向けた自社商品の方向性や立ち位置を決定することです。顧客に自社商品を認知してもらうためには、競合他社と差別化し、より魅力的であることを明確に示さなくてはなりません。差別化や方向性を決定するのがポジショニングです。

ここで活用されるフレームワークに「STP分析」があります。他社との差別化ポイントを把握し、自社の強みを生かす戦略作りのフレームワークです。

3)具体的施策の決定

ここまでの分析を踏まえて、具体的な施策の決定に入ります。具体的には、商品の価格や価値が釣り合っているか、どう顧客に届けるかを考えることです。どんなによい商品やサービスを作っても最終的に顧客に届かなくては意味がありません。ターゲット層に届きやすい販路や、提供方法を探り差別化していくことが大切です。

ここで活用されるフレームワークは「4P分析・4C分析」です。価格・商品の質・販売方法・利便性を分析し、自社の強みを探せます。

マーケティング戦略立案に役立つフレームワーク

マーケティング戦略を立案する際に活用できる「フレームワーク」についてそれぞれ詳しく解説していきます。フレームワークとはビジネスにおいて、分析や意思決定など解決したい問題を、特定の順に沿って整理していく思考の枠組みのことです。

1)3C分析
2)PEST分析
3)SWOT分析
4)STP分析
5)4P分析・4C分析
6)AIDMA分析
7)PPM分析
8)VRIO
9)バリューチェーン分析
10)ファイブフォース分析

フレームワークによって分析できる事柄が異なるため、自社のマーケティング戦略における課題にマッチした手法を活用しましょう。

マーケティングの手法については、『ABM実践のための7つのステップ』や『顧客を知り尽くしたリアルタイムマーケティングとは?』で詳しく解説していますので、マーケティングの成果創出にあわせてご活用ください。

1)3C分析

 
 

3C分析とは、自社の強みと弱みを分析する際に利用されるフレームワークです。

「3C」とは、以下の3つの頭文字を取った言葉です。

  • Customer(顧客・市場)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

3C分析は自社にとっての成功要因を発見することが目的です。メリットとして、3C分析によって顧客・市場と競合他社という外部環境と自社の状況を客観的に把握し、差別化できるポイントや進むべき方向性を明らかにできます。

3つの要素を「顧客・市場」→「競合」→「自社」の順で分析することが重要です。手順としては、まず市場や顧客のニーズはどのようなものなのか動向をおさえます。顧客の購買行動をリサーチして市場の変化を読み取るのです。

そのうえで競合他社がどのように市場にアプローチしているか、顧客のニーズにどのように対応しているかを探ります。競合他社のシェアや顧客の評価などを分析し、強みや弱みを洗い出し、最後に自社の強みや弱みは何かを客観的に分析します。その強みを生かして、自社が成功するための要因を導き出していくのです。

3C分析については以下の記事もぜひ参考にしてください。

2)PEST分析

PEST分析とは、事業やその業界を取り巻く外部環境の4つの要素を分析するフレームワークです。市場分析を行う際に用いられることが多く、市場という大きな要素を分解してより詳しく調べられます。

「PEST」とは下記の4つの頭文字を取った言葉です。

  • P:Politics(政治)
  • E:Economy(経済)
  • S:Society(社会・ライフスタイル)
  • T:Technology(技術)

これらの要素は、どれも自社ではコントロールできないことですが、自社は影響を受けることになります。PEST分析は、外部環境を把握することが目的です。また、細かく外部環境を分析することで今後の動向を予測し、変化に対応した事業を行うことを目指します。

まずは情報を収集し、集めた情報を4つの要素に分類しそれぞれを細かく分析します。「政治」は事業に関係する法律や税制、規制や国の政策や動向、「経済」では景気や失業率、為替の動向など経済圏に関する状況です。「社会」は主に消費者のライフスタイルの変化を調べます。「技術」は進歩する技術が事業に与える影響を分析する項目です。これらの分析結果が自社にどのような影響があるのかを総合的に考察し、マーケティング戦略の立案に役立てていきます。

3)SWOT分析

SWOT分析とは、内部環境と外部環境の要素を洗い出し、自社を取り巻く環境を多角的に捉えて分析するフレームワークです。

自社にとっての強みや弱みを客観的に把握し、課題や成功要因を発見することを目的としています。

「SWOT」とは下記の4つの頭文字を取った言葉です。

  • S:Strength(強み)
  • W:Weakness(弱み)
  • O:Opportunity(機会)
  • T:Threat(脅威)

まず自社の「強み」「弱み」と、外部の環境変化などの「機会」、競合他社の動きなどの「脅威」を洗い出します。そして、内部の2つの要素と外部の2つの要素を組み合わせて分析するのが特徴です。

たとえば「強み」と「機会」を組み合わせ、自社の強みを生かしてどの機会を狙って市場に参入するかを考えます。同時に「弱み」と「機会」を組み合わせて自社の弱みはどのような機会に克服できるかを分析するという方法です。

SWOT分析については以下の記事もぜひ参考にしてください。

4)STP分析

 
 

STP分析とは、市場の全体像を把握し、ターゲットとなる市場を定め立ち位置を決める際に使うフレームワークです。

STP分析をすることで、顧客のニーズを整理し、競合他社との差別化ポイントを把握でき、プロモーション戦略を練る土台を作れます。

「STP」とは下記の3つの頭文字を取った言葉です。

  • S:Segmentation(市場を細分化する)
  • T:Targeting(狙う市場を決める)
  • P:Positioning(自社の立ち位置を決める)

手順としてはSTPの順番に行います。まず市場を顧客の属性、地域、行動など細かく分けて分析。次に細分化した市場から、自社の商品の強みが活かされる市場をターゲットに定め、最後に選択した市場をさらに細かく調査し、競合他社とのシェアなどを考慮し自社の立ち位置を決めます。とくに商品を新規展開などする際にSTP分析を行うと効果的です。

5)4P分析・4C分析

4P分析・4C分析はどちらも具体的な施策を決定するステップで活用されるフレームワークですが、視点が違うことがポイントです。「4P分析」は企業側の視点、「4C分析」は顧客側の視点という点に違いがあります。

4P分析のPとは以下の4つの頭文字を取った言葉です。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売促進)

4C分析のCとは以下の4つの頭文字を取った言葉です。

  • Customer Value(顧客にとっての価値)
  • Cost(コスト)
  • Convenience(顧客にとっての利便性)
  • Communication(コミュニケーション)

4P分析ではどのような製品をいくらで、どの流通経路でどのように販売促進するかを売る側から考えることが基本です。

4C分析はその商品が顧客にとってどのような価値があり、購入までのコストはどのくらいか、購入しやすい環境か、顧客に必要な情報が届いているかという買う側の立場での考え方です。

以前は4P分析が主流でしたが、4C分析へ移行してきました。現在では顧客のニーズや入手経路も多種多様になり、受け身であった顧客も積極的に情報を入手できます。そのため、顧客主体の視点が重視されてきているのです。

4P分析については以下の記事もぜひ参考にしてください。

6)AIDMA分析

AIDMA分析とは、顧客の購買行動のプロセスを可視化するフレームワークです。AIDMAは、以下の購買行動の頭文字を示しています。

  • A:Attention(注意)
  • I:Interest(興味・関心)
  • D:Desire(購買欲求)
  • M:Memory(記憶)
  • A:Action(行動・購買)

自社商品・サービスに対して、顧客がどのように行動するかをAttentionから順に分析します。

分析する際には各段階で以下のように考えることが大切です。

  • 顧客がどのような手段で商品を知るのか
  • 認知から興味・関心にどうつながっているのか
  • どのようなタイミングで購入したくなるか

ユーザーの心理状態によって、効果的なマーケティング戦略は異なります。商品を知らないユーザーに購買をアピールしてもよい反応は見込めないため、フェーズにあった施策を検討しましょう。

たとえば、CMやSNSなどで認知度が高いものの、購買につながっていないことがわかったとしましょう。この場合、興味・関心を抱かせるための施策を実施するといった、購買行動にあった戦略を立てやすくなります。

7)PPM分析

PPM分析のPPMとは「Product Portfolio Management」の略で、自社商品・サービスに着目した分析手法です。

PPM分析では、以下4つの視点で商材を分析します。

  • 花形
  • 金のなる木
  • 問題児
  • 負け犬

縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率とした座標上にあり、以下のように分類されます。

 
  市場占有率が高い 市場占有率が低い
市場成長率が高い 花形 問題児
市場成長率が低い 金のなる木 負け犬

たとえば、市場成長率と市場成長率が両方高い商品は「花形」、どちらも低い商品は「負け犬」となります。

市場での成長率と占有率を基準にしているため、自社商品が他社商品と比べたときにどのポジションにいるかを可視化できるのが特徴です。

自社商品が「問題児」であるなら、市場占有率を高めて「花形」を目指す、リスクをケアするために積極的な投資を避けて他の商材に注力する、といった戦略の検討にPPM分析は役立ちます。

8)VRIO

VRIOとは、以下4つの視点で自社商品・サービスの価値や希少性などを可視化するフレームワークです。

  • V:Value(社会的価値)
  • R:Rarity(希少性)
  • I:Inmitability(模倣困難性)
  • O:Organization(組織)

Valueは、自社商品が社会に対してどのような価値・脅威を与えるかを分析する項目です。社会課題を解決したり、経済的価値をもたらしたりする場合には、社会的な価値が高い商品としてより広めていく意義があるでしょう。

Rarityでは、自社商品の希少性を分析する視点で、他社に同様のものがないかを考えます。現在だけではなく、将来にわたって希少性を維持できるかも重要な視点です。

Inmitabilityでは、自社商品が他社に模倣される可能性があるかを分析します。技術的に可能か、コスト的に実現できるかなどを分析し、商品の独自性を明らかにしましょう。

Organizationは、商品を提供する組織体制に着目した視点です。商品の価値や魅力を提供するための組織が整っているかを分析し、体制の改善を図りましょう。

9)バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、自社商品・サービスの価値が顧客の手に届くまでの流れを分析するフレームワークです。

自社商品の工程を細分化し、それぞれの工程で生み出している価値を分析することで、自社の強みや競争優位性などを明らかにできます。

バリューチェーン分析では、工程を主活動と支援活動に分けるのがポイントです。主活動は物流や製造、出荷など商品の生産から購入にかかわる主要な活動、支援活動は主活動を支える人事や技術開発などを指します。主活動と支援活動をできるだけ詳細にリストアップし、商品の価値にかかわる工程を発見しましょう。

なお、バリューチェーン分析と混同しやすいフレームワークにサプライチェーン分析があります。サプライチェーン分析は価値ではなく、モノの流れに着目し、物流やリソースの改善を図る手法であることに注意が必要です。

10)ファイブフォース分析

 

ファイブフォース分析は、自社の競争要因を明らかにするフレームワークです。分析の対象となるのは、以下5つの「脅威」です。

  • 業界内での競争
  • 業界への新規参入者
  • 代替品の存在
  • 買い手(顧客)の交渉力
  • 売り手(サプライヤー)の交渉力

業界内での競争や新規参入者など自社を取り巻く脅威に目を向け、収益の増減につながる要因を分析します。新規参入に対して競争優位性を維持できるか、どの点を改善することで収益を確保できるかなどを考え、マーケティング戦略に落とし込むのがポイントです。

売り手と買い手の視点から業界内での利益の上げやすさを分析する方法もあります。売り手と買い手の交渉力のバランスによって収益性が上下するため、買い手の行動に影響する競合の状況や、原料や製品を供給するサプライヤーにも目を向けることが大切です。

ファイブフォース分析については以下の記事で解説しているため、活用方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

マーケティング戦略を成功させる4つのポイント

マーケティング戦略は立案するだけではなく、実行したうえで成功を目指す必要があります。戦略を成功させるためには、以下のポイントが重要です。

  • 顧客・ターゲットに合わせた施策を実施する
  • 顧客に関するデータを効果的に活用する
  • 顧客と接点が生まれた後のフォローに力を入れる
  • マーケティングツールで進捗管理や効果測定などを行う

施策の実施やデータの活用などのポイントを実践し、マーケティング戦略を成功させましょう。

また、BtoBデジタルマーケティングでは、すでに誰でも80点の成果を挙げることが可能な「勝ちパターン」が存在しています。『多くのマーケターが見逃している BtoBデジタルマーケティングの「勝ちパターン」』では、勝ちパターンの適用方法を4つのステップで解説していますので、BtoBマーケティングの成果向上にお役立てください。

ターゲットの顧客に合わせた施策を実施する

マーケティングと一口にいっても施策はさまざまであり、顧客との相性が成果に大きく影響するため、ターゲットに合わせた施策を実施することが重要です。

広告やメール、SEOなどさまざまな施策があるなかで、自社商品のターゲットがより興味をもつ手段でアプローチしましょう。たとえば、トレンドに敏感な若い層を対象とするなら、リアルタイムで情報発信が行われるSNSでのマーケティングに効果が期待できます。

顧客・ターゲットに合わせたマーケティング手法は、個人に対してアプローチするOne to Oneマーケティングや、特定の企業にアプローチするABM(アカウントベースドマーケティング)と共通点が多いです。顧客目線を大切にし、ピンポイントな施策を心がけましょう。

顧客に関するデータを効果的に活用する

顧客・ターゲットに合わせた施策を実施するためには、顧客に関するデータの有効活用が欠かせません。顧客の属性や購買行動などのデータからは、自社商品が求められている年齢層や購買頻度などさまざまな情報が手に入ります。

たとえば、20代から支持されているなら、若者の利用者が多いSNSでのアプローチはマーケティング施策として効果が期待できるでしょう。

データを活用するためには、日々の情報収集が欠かせません。購買データだけではなく、アンケートやSNSリサーチなどを検討し、多角的なリサーチを行いましょう。

顧客と接点が生まれた後のフォローに力を入れる

マーケティング戦略では、いかに顧客との接点を作るかに注力しがちですが、接点が生まれた後のフォローにも力を入れる必要があります。適切なフォローによって顧客との関係性が築かれ、商談や成約などにつながります。

顧客をフォローする方法は、カスタマーサポートやメール、チャットなどさまざまです。オウンドメディアやSNSなどでの情報発信もフォローのひとつで、顧客の疑問を解決したり、有益な情報を伝えたりすることでも、顧客満足度を高められます。

接点づくりで終わるのではなく、どのように成果につなげるかを考え、フォロー体制を構築することが重要です。

マーケティングツールで進捗管理や効果測定などを行う

マーケティング戦略の立案や実施には、マーケティングツールを活用するのがおすすめです。マーケティングツールでは、マーケティング活動の進捗管理や効果測定などを行えるため、取り組みの成果を可視化しながら、こまめな改善を図れます。

マーケティングツールは、営業支援に特化したSFAや顧客管理に強いCRM、マーケティング施策を自動化できるMAなど、種類はさまざまです。得意とする分野や機能が異なるため、マーケティングの目的にあったツールを導入しましょう。

マーケティングにかかわるツールとして、SFA・CRM・MAの違いや活用法は以下の記事で解説しているため、ツール活用に興味がある方はぜひ参考にしてください。

 
 
 
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マーケティング戦略の事例4選

Saleforceの各種ツールを活用したマーケティング戦略の事例を4社紹介します。

  • 株式会社Holmes
  • 株式会社マーケティングデザイン
  • 富士フイルム株式会社
  • 株式会社サトーホールディングス

マーケティング戦略の進め方や成果などを確認し、自社の取り組みに活用しましょう。

株式会社Holmes

契約マネジメントシステム「ホームズクラウド」を提供する株式会社Holmesでは、会社の立ち上げの際に、営業やマーケティングのノウハウがなくサービスを売り込むのに苦労していました。

顧客情報や問い合わせの管理なども属人的なやり方であったため、商談もうまく進まずにいたところ、Salesforceの「Sales Cloud」を導入しました。顧客の情報をcloudで管理し、商談の情報と連携させることで、管理者も商談の進捗を把握し的確に経営管理をできるようになっています。

商談成立後も、顧客の継続的な利用支援のため「Einstein Analytics」で顧客の行動履歴や利用状況を分析しています。あまり利用のない顧客に対して的確に働きかけ、定着化・解約防止の施策を行いました。

また、見込み顧客の行動分析では、各顧客に最適化した内容のメールマガジンを送付し、商談へつなげる工程も効率化しています。クラウドシステムの導入後2年間で、従業員数が5倍以上に伸び成長を続けています。

▶ 株式会社Holmesのマーケティング戦略事例はこちら

株式会社マーケティングデザイン

株式会社マーケティングデザインは、地域密着型の店舗やスポーツクラブ向けの販売活動を強みとする広告代理店です。「広告費以上の集客効果」をモットーとし、スポーツクラブをはじめとした全国1500店舗以上の広告に携わり、多くの実績を生み出してきました。

さらなる成長を目指すために、Saleforceの各種ツールを導入し、マーケティング戦略の活性化に取り組んでいます。Sales Cloudによるナレッジマネジメント、Pardotによるマーケティングの自動化・効率化などを進め、導入以前は年間20件程度だった顧客訪問数が10倍以上に跳ね上がりました。

Sales Cloud Einsteinの導入にも踏み切り、社内に蓄積されたビッグデータからどの見込み顧客が訪問や商談につながりやすいかを分析しています。商談につながる可能性をスコアリングし、リスト化することで、予算配分を見直してマーケティングを最適化しているのが特徴です。

▶ 株式会社マーケティングデザインのマーケティング戦略事例はこちら

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、主力商材であるデジタルカメラや、法人や医療業界に対するさまざまな製品やソリューションを展開している企業です。主力商材の需要に大きな変化があった背景から、多角化戦略のひとつとしてマーケティング改革に取り組んでいます。

同社ではフォトイメージング事業のECサイトでCommerce Cloud、次にMarketing Cloudを導入し、海外拠点のメンバーも含めてBtoCでのサービス改善を行える体制を整えています。導入したことで、ただ商品を売るだけではなく顧客の潜在的なニーズに応える最適な提案が可能になりました。

Commerce CloudとMarketing Cloudの導入効果は数字にもあらわれ、フォトイメージング市場が縮小するなかでも前年比110%を達成しています。ヘルスケア事業のECサイトへのCommerce Cloud導入、コールセンターシステムへのService Cloud導入も行い、マーケティング改革を戦略的に推進しています。

▶ 富士フイルム株式会社のマーケティング戦略事例はこちら

株式会社サトーホールディングス

株式会社サトーホールディングスは、メールマーケティングにおいて「とがった内容のコンテンツ」を配信するという戦略を立案しました。メールをあえてニッチな内容でつくりこみ、ターゲットにピンポイントな訴求を行うことで、新規案件を生み出しています。

メールの内容がニッチなだけではなく、顧客目線にこだわっているのも特徴です。顧客にとってどのようなメリットがあるかを意識し、文面を組み立てています。ポジティブな反応を得られない場合には、なぜ反応がなかったかをデータとして蓄積し、過去の課題点をマーケティングに活かしています。

メールマーケティングで配信したフォームからコンテンツをダウンロードし、インサイドセールス部門から電話をかけるプロセスを採用しました。マーケティングとともに顧客データの蓄積・アップデートに取り組み、海外展開を目指しています。

▶ 株式会社サトーホールディングスのマーケティング戦略事例はこちら

マーケティング戦略を立てて成果を実現しよう

変化の激しい現在、自社が生き残り成長していくためにはマーケティング戦略が欠かせません。マーケティング戦略は、市場や競合他社を分析し、自社の強みや弱みを知ることからはじまります。

戦略立案のためにフレームワークを用いることで、より戦略を考えやすくなるでしょう。今回紹介したフレームワークなどを参考に、自社ならではの強みを活かしたマーケティング戦略を立案し、成果を上げていきましょう。

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