3. Salesforce上に構築した仕組みのパッケージ化・提供で新たな事業展開も視野に
この他にも、お客様アンケートの結果を営業担当者毎に可視化するダッシュボードや、SGDsへの取り組み状況を可視化するダッシュボードなどが作成されています。このようなことが可能になったのは当然ながら、営業担当者がすべての情報をSalesforceに入力しているからです。営業担当者が活動内容を入力すると、リアルタイムに共有され、抜け漏れがあった場合には上司がすぐに気づくようになっています。以前はスプレッドシートで作成・提出されていた稟議書もSalesforceへと移行、2021年4月には社内スプレッドシートを全面的に廃止しています。
また同じ時期にインサイドセールスも立ち上げ、その2か月後にはメールマーケティングも始動。自社ポータルでの「問い合わせ」を自動的にSales Cloudで「リード(見込み客)」としてデータ化し、すぐにインサイドセールスが電話をかける一方で、Account Engagementでメールを自動送信する仕組みも構築しています。
2022年7月には、情報活用の新たなツールとしてTableauの利用も開始。2023年春には、Salesforceへの情報集約、情報活用、情報連携による業務効率化の仕組みがほぼ完成しています。従業員の声も「入力が面倒」から「すべての情報がSalesforceにあるから助かる」へと変化。「ここをこうすればもっと良くなる」といった、現場視点の改善提案も出てくるようになっています。
「事前に情報が共有され、関連情報も即座に見えるようになったことで、全社会議の時間は2時間削減されました」と入田氏。また毎朝行われている営業会議も、重要な指示やアドバイスはSalesforceで行われているため、細かい確認を20~30分程度行うだけでよくなったと言います。
さらに山浦氏は「顧客軸に加えて物件軸でも情報を集約しているため、月次で金融機関に報告しなければならない不動産保有状況のレポートも、簡単に作成できるようになりました」と指摘。以前はこの作業に毎週1~2時間も費やしていましたが、その時間がまるごと不要になったと言います。「売上高もこの3年間で約2倍になり、グループ会社も2社から4社に増えました。これだけの成長を遂げられたのも、Salesforceがあったからこそです」。
これらの取り組みが評価され、2023年5月には経済産業省「DX認定事業者」の認定を取得。今後はボランタリーチェーンの構築にも着手し、その中でこの仕組みやノウハウのパッケージ化・提供を行うことを視野に入れています。
「ここまでの取り組みで感じたことは、Salesforceは一度慣れてしまえば、非常に大きな効果を発揮する基盤だということです」と入田氏。Salesforceを使い始めたのはこの会社に入ってからだと言いますが、Salesforceは世界トップのCRMであり、ワクワクしながら活用を進めることができたと言います。「Salesforce World Tour Tokyo (Salesforceの自社イベント)への参加も大きな刺激になりました。これからはどの業種でもDXが不可欠になりますが、そのための強力な武器になると確信しています」。