第三者機関評価のリーダー製品群を調査しSalesforceを選定
そのための基盤として採用されたのが、Salesforce Field Serviceでした。梅田氏と、梅田氏のもとで工事管理システム担当を務める渡辺氏は、その選定プロセスを次のように説明します。
「まずは第三者機関の評価をもとにリーダー製品群を調査し、その上で有力なソリューションを3つ選びました。それらを比較した結果、業務自動化やコミュニケーション円滑化につながる各種機能、アーキテクチャを含むシステム全体の作り、柔軟性や可用性の高さ、新機能が着実に追加されていることなどを評価し、Salesforceの採用を決めました」。
2020年7月にはRFPをまとめ、導入・構築パートナーの選定に着手。フィールドサービス領域での実績やJ:COMのビジネスプロセスの深い理解を前提に工事業務システム刷新の提案を受けた上で、最終的にSCSKを採用しています。その理由について梅田氏は、「優れた提案内容に加え、Salesforceに関する豊富な経験があり、これまでもJ:COMの基幹システム運用で実績があったことを評価しました」と説明します。
開発が始まったのは2021年5月。約1年の開発期間を経て、2022年4月からテストを開始、同年11月には現場への導入がスタートします。まずは湘南神奈川地域、次に関西地域、さらに関東・九州を含めた全国へと、3段階に分けて新システムを展開。ユーザー数は、工事管理者が約500名、現場で作業するSEは約4200名に上ります。SEにはタブレット端末が配布され、その利用方法のトレーニングも導入1ヶ月前から、拠点ごとに実施されています。
Salesforceを活用した新工事管理システムによって、工事管理業務は以下のように変化しています。
まず工事計画段階では、工事計画担当者が計画入力、工事協力会社が作業員シフト登録を、ポータル画面で実施。これらの情報を、SEを手配するディスパッチセンターが画面上で確認し、加入計画に基づくSEの稼働シフトを調整します。工事件数の変動に伴いより効率的に作業予約を受け付ける為に、工事可能件数を自動的に調整する機能も実装しています。
次にSE手配(ルーティング)の段階では、システムが作業員の割当を自動的に最適化した上で、ディスパッチセンターが必要に応じて手動で修正。その結果は協力会社の画面で確認でき、必要であれば協力会社内での割当調整も可能です。
工事当日には、地図アプリと連携した移動ルート・時間の算出が自動的に行われ、SEはそれにもとづいてお客さま宅への訪問と工事作業を実施、工事内容の詳細もタブレット端末で確認できます。現場で問題が発生した場合には、ケース機能を通じて協力会社の管理者やディスパッチセンターに相談することも可能。さらに作業後の報告書も、タブレットからモバイルプリンターに連動し作成・出力されます。
これら一連の業務に関するデータは、すべてSalesforce内に蓄積。データ分析業務の効率化・高度化も実現されています。その結果を活用することで、工事業務のさらなる効率化・生産性向上も容易になっています。