こうした取り組みを推進しているDX本部では、徹底したデジタル化を推進するためにITリテラシーを向上させる教育を工夫して実施しています。たとえば、Mipoxに入社する社員向けの教育コンテンツを制作しているDX本部 IT2課の中山朋美氏は、情報共有がオープン過ぎることに抵抗を感じる人がいるということを前提にコンテンツを作成し、サポートしています。
「私自身2年前に新卒で入社した当初は、情報がオープンなことに“怖さ”を感じるほどでした。通常は自分のすぐ上の上長にエスカレーションする手順を踏んでいくものですが、Mipoxでは一足飛びに社長とコミュニケーションが取れたり、全く知らない社員の方からもメンションが来たりします。そんなオープンな環境だからこそ仕事が進めやすいのですが、入社されたばかりの方は戸惑うことが多いのも確かです。オープンなコミュニケーションや情報共有にもルールがあることをわかりやすく伝え、Salesforceの活用を身につけられるようにサポートしています」
入社15年になるDX本部 IT1課の和田慎司氏は、2か月前までは反射材の製造保全を担当していました。「現場では当たり前のことが、傍からみると非効率なことが多々あります。どういったデータが集まってきているかを現場にいるからこそ分かるのですが、使いこなせていないことも見えています。だからこそ、このDX本部での自分の役割はデータ基盤を作ることではなく、現場とデータ基盤をつなぐ役割だと思っています」と語ります。現在は、総合的品質管理(TQM)をSalesforce上で実践する構想も温めています。
また、DX本部 IT3課の森谷和哉氏は、2022年に航空機製造企業から転職しDX本部に配属になりました。現在は現場で得られたデータを可視化してアウトプットにつなげるミッションに就いていますが、今後、Manufacturing Cloudが稼働してくると、シームレスな情報共有のために足りなかったピースが埋まってくると感じています。
「生産管理とSalesforceの途中にExcelなどが入って情報が寸断されてしまうと、ミスも起きやすくなります。受注から製造、出荷までをSalesforce上で一貫したプロセスとして管理できれば、現場は大きく効率化するはずです。現場を知っているからこそ、効果的な使い方を提案できます」
社長の渡邉氏はDX本部の役割は大きく、その人材に工場や業務経験者を登用していることも重要な点だと以下のように説明します。
「DXを進める上では、ITを熟知しているかどうかよりも、業務を理解していなければ成功しません。今では学びのハードルは下がっているため、現場を知る人がITを後から学ぶことも十分可能です。世間で言われるように『IT人材がいない』ということはないと思います。テクノロジーはどんどん新しくなります。Salesforceでも生成AIなどの新しい技術についてスピード感をもって取り込んでもらい、意識せずに使えることを期待します」
「変わることを忘れない『100年ベンチャー』」を標榜するMipoxでは、Salesforceをプラットフォームに、次の100年のビジネスを切り開く道を見据えています。