3. Chatterで活動状況をリアルタイムに把握
西松建設がSalesforceの導入を決めたのは2019年。PoC(概念実証)を経て2023年から順次展開し、現在はすべての建築営業担当者(100名)が活用しています。展開から半年も経っていませんが、「営業活動を記録する」という習慣は定着しつつあります。その背景には「簡単に営業活動を報告する」ための細部にわたったUIへのこだわりがあります。
その1つが、プルダウンメニューから選択入力できるようにして入力の手間を極力減らしたことです。商談フェーズはもちろんのこと、取引先からヒアリングしたニーズもニーズ種別や種別・詳細、さらにお客様と西松建設の関係状況のすべてが選択式になっています。井上氏は「顧客訪問後の移動時間にスマートフォンから操作でき、慣れれば1〜2分で入力が完了します」と、その効果を語ります。
運用しながら本番環境を柔軟に改修できることもSalesforceの強みだと成田氏は評価します。「2週間ごとに要望をとりまとめて改修しています。もちろん大きな改修はパートナー経由で対応してもらっていますが、スクラッチのシステムとは異なり対応が早いのはSaaSならではです。また、社内にもSalesforceに詳しい人材がいますので、簡単な改修は自社内ですぐに対応できます」(成田氏)。
さらに、井上氏が営業統括のトップとしてこだわったのがSalesforceに標準搭載されているビジネスチャットツール「Chatter」による情報共有でした。Salesforce上に行動記録を入力すると同時に、Chatterで上長に報告が届く仕組みを構築しました。上長がどこにいようと必要があれば、上長から連絡が入る状況を作り上げました。もちろん、営業活動で、特に伝えたい情報などはChatterのコメント欄で自由に入力できます。これはレポートにも反映されます。
同社では、日報・週報を自動レポートとして提供。朝7時には前日の日報が、毎週月曜日には週報がメール送信される仕組みを整えました。もちろんニーズの内容によっては、関連するほかの事業本部にもメールが送信されます。顧客のニーズなどを踏まえた営業データを共有することで、事業部内のマッチングの可能性を高めるとともに、事業部の垣根を超えた組織間のコラボレーションができる仕組みです。
「 Chatterで伝えられる情報だけでもかなりの量になるため、情報の整理をつけやすいように上長には、日報・週報として連携されることで、営業の振り返りが効率的にできるようになりました」と説明します。
さらに、個別案件と営業行動を紐付けしておけば、取引先に対して過去に「誰が」「誰と接点を持ち」「どのようなやり取りをしたのか」がすぐに把握できます。「活動履歴を取引先訪問前に確認しておけば、営業活動の重複や引継ぎミスによる取引機会の損失といった事態を回避し、キーパーソンに対する的確なアプローチと効率的な営業活動ができます」(井上氏)。