三菱UFJモルガン・スタンレー証券

アドバイザリー型ビジネスへの転換を目指し
グローバル水準のCRMシステムに刷新
お客さまのご意向を詳細に把握するための環境を実現

Salesforceの活用とスクラッチ開発による“ハイブリッドCRM”により
最新ニーズへの対応と現行情報資産の維持を両立

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と米国モルガン・スタンレーとの戦略的提携により、2010 年5 月に発足した三菱UFJモルガン・スタンレー証券。MUFGの中核総合証券会社として、グローバル視点と高いクオリティを兼ね備えたソリューションを、お客さま一人ひとりの想い・ニーズに合わせ提供しています。

同社では証券業界におけるアドバイザリー型ビジネスへの転換を、Salesforce Financial Services Cloudの活用により推進。Salesforceと現行のCRM資産を活かしたハイブリッドな構成により、プロファイリングに必要となるお客さま情報を網羅的に管理できる仕組みを構築しました。また、FA(ファイナンシャルアドバイザー)と本部が利用する画面を単一プラットフォームで実現し、関連部署間でのシームレスな情報共有を実現しています。

1. お客さまご意向を詳細に理解・把握するためCRM基盤の刷新が一大テーマに

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の中核総合証券会社として発足以来、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社はグローバルで多角的な視点と高いクオリティを兼ね備えたソリューションをお客さま一人ひとりの想い・ニーズに合わせ提供しています。

周知の通り、昨今の金融業界を取り巻くビジネス環境は大きく変化しており、とくにお客さまの指向が「貯蓄から投資・資産形成へ」と向かう中で、お客さまニーズの変化はきわめて顕著です。「こうした流れの中で当社が取り組みを進めているのが、中長期視点でお客さまのライフプランに沿った資産運用・事業承継・資産承継などをトータルでアドバイスし、サポートする『アドバイザリービジネス』へのシフトです」と紹介するのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の高橋良輔氏です。

 
 

アドバイザリー型ビジネスでは、お客さまのご意向の理解・把握のための「プロファイリング」、資産のポートフォリオ構築と運用戦略を策定する「プランニング」、運用戦略を提案しお客さまと確認する「アクション」、そして運用評価・報告を行う「レビュー」という“PPAR”という各フェーズが重要です。これらPPARから成るウェルスマネジメントプロセスのサイクルを通じて、中長期的視点に立ってお客さまの資産運用を支援します。「中でもとりわけ重要なのが、最初の“P”、すなわちプロファイリングで、お客さまの年齢、性別、職業といった一般的な属性情報にとどまらず、家族構成や総資産、リスク許容度、ライフステージにかかわる目標や潜在的ニーズなど、広範な情報をベースにお客さまをより詳細に把握する必要があります」と高橋氏は強調します。

そして、システム的にこのプロセスを支えるのがCRMです。当然、同社ではかねてよりCRMを構築・運用していましたが、現行システムのEOS(サポート終了)を機にアドバイザリー型ビジネスに相応しい基盤を新たに構築すべくシステムの刷新を決断しました。

 

 
 

2. 海外の先進的証券会社が採用 アドバイザリー型ビジネスを推進

新CRMシステムの構築に向けて同社が掲げた要件の1つにはプロファイリングで扱うべきお客さまの詳細情報を網羅的に管理できる仕組みにすることです。そしてもう1つが、お客さまに直接相対しヒアリングやアドバイスを行うFAが利用する機能と、FAをサポートする本部組織やコールセンターなど非対面部門が利用する機能、双方を単一のプラットフォームで実現できることでした。

これらの要件を踏まえ検討の結果、国内の証券会社としては初めてCRMシステムにSalesforce Financial Services Cloud(以下、FSC)を採用しました。FSCでは、現在の資産状況や運用目標に加え、ライフイベントにまつわる情報やファミリー全体の資産状況などの情報も保持することが可能です。同社では目指すアドバイザリー型ビジネスを最適な形で実現し得るものと評価しました。

「グローバル水準のシステムである点も重要なポイントでした。Salesforceは、先進的にアドバイザリー型ビジネスを推進してきた米国モルガン・スタンレーをはじめ、各国の名だたる証券会社において導入されています。実績の面でもSalesforce特にFSCの採用はいわば必然でした」と同社の砂押英幸氏は強調します。これについて砂押氏は実際に、モルガン・スタンレーの現地視察やSaleforce.comの米国本社を訪れアドバイザリー型ビジネスにおけるFSCの活用方法を確認、納得した上で導入に踏み切りました。

その他、Salesforce LightningやCRM Analyticsを使った、グラフ表示による表意性に優れたUI/UXで活動状況や資産状況を可視化できる点、モバイルデバイスでの利用が標準でサポートされている点などもSalesforceの重要なアドバンテージだと同社では評価しています。

 
 

3. ノーコードによる俊敏な開発でホーム画面を短期間で抜本的に刷新

新たなCRMシステムの構築に乗り出した三菱UFJモルガン・スタンレー証券ですが、課題もありました。同社では古くからCRMシステムを運用し、既存システムにはFAの活動履歴やお客さまとの面談記録といった重要な情報が長年蓄積されています。また、FAだけではなく、本部側も含めたバックオフィスやコールセンターなどのユーザーもこのシステムを利用しているほか、管理されているデータは複数の周辺システムとも密接に連携しています。これらの蓄積されたデータの活用と周辺システムとの連携が課題でした。
 
 

「これら情報資産を活かしつつ、アドバイザリー型ビジネスの要請に応えるべく当社が考案したのがハイブリッドCRMです。これは、FAが利用しアドバイザリー型ビジネスなど将来的なニーズ変化に対応する部分をFSCでまかない、それとは別に現行の情報資産を維持継承するバックオフィスやコールセンターでの利用に供される部分のシステムを別途稼働させるというアプローチです」同社の小間友貴氏はハイブリッドCRMを構想した理由を語りました。なお同社では、これら2つのCRMシステムのうち、後者については「Links」という名称でAWS(Amazon Web Services)環境上で再構築しました。

2020 年9 月には、Salesforceでの構築システムが先行リリース。翌2021 年1 月にはLinks部分もあわせて「アドバイザリーポータルシステム」と命名されリリースされました。「FSCとスクラッチ開発したLinksによるハイブリッド構成がこのシステムの特徴です。ハイブリッド構成としたが、ユーザーが二つのシステムをそれぞれ利用する状況は避けたい。そのため、SalesforceのCANVASを活用してLinks側の画面をFSCの画面に組み込みました。FSCを利用しているFAなどのユーザーは作業中の画面からFSC上のタブやボタンで遷移する形でシームレスにLinksの機能を利用でき、あたかも1つシステムとして見せるといった工夫も施しています」(砂押氏)。

 
 

今回FSCの導入によって、お客さまのさまざまな情報が従来の数字のみでの表示形式に代わってグラフで表示されるようになり、たとえば総資産状況の変化なども時系列に沿った動きとしてグラフィカルに捉えられるようになりました。「これまでお客さま情報のレポートなどは、Excel等で集計し、そのデータを本支店の関係部署に配布していました。そうしたレポートなどもFSC上で統一的に管理し共有・展開できる環境を構築したことで、伝達スピードの飛躍的な向上と作業負荷の軽減を実現したことも大きな進化です」と同社の磯部幸平氏は今回のシステム構築を評価します。

さらに、Salesforceのメリットとして運用後に実感できたのが、ノーコード開発によるカスタマイズの容易さでした。「リリース直後からFSCのホーム画面には、さまざまな要望が寄せられており、これに対しノーコード開発により短期間でリニューアルを可能にしました」と小間氏は振り返ります。

今後も三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、FSCのさらなる活用を通じて、お客さまニーズの分析にもとづくサービス強化を目指し、自社のアドバイザリー型ビジネスを、より高度なものとしていく構えです。「FAがよりお客さまに寄り添った『PPAR』を実践できる様、DXの視点としてFSCのダッシュボードやレポート機能を利用したデータ分析も活用したいと考えています。」と高橋氏は語りました。将来に向けてSalesforceに対する期待はますます高まっています。


 

※ 本事例は2022年1月時点の情報です
 
 
 

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