Salesforceの資格は
「取ったら終わり」
ではなく「始まり」

サークレイス株式会社(旧社名:株式会社パソナテキーラ)
カスタマーサクセス事業部
シニアコンサルタント
勝又 慶子  
 
 
 


インタビュー対象資格

 

 

認定 Sales Cloudコンサルタント

 

 
 



その他保持資格



 

 

認定アドミニストレーター
認定 Platformアプリケーションビルダー
認定 Pardotスペシャリスト

 

 

今どのようなお仕事をされていらっしゃいますか?

私はカスタマサクセスコンサルタントとしてお客様先に常駐しているのですが、改めて自分の仕事を俯瞰してみると「なんでも屋」という感じですね(笑)

お客様が利用している製品はSales Cloudなのですが、ユーザーサポート、マニュアル作成やSalesforce勉強会の講師、データ加工のほか、レポート・ダッシュボードを使っての事業部戦略の可視化、エクセルやメールを使っていた既存の業務をSalesforceに移行したり、今まではできなかった業務を実現するために、新しい機能や製品の調査・検証をしたり。もちろん、私一人でできることには限りがありますので、お客様先の社員の方に協力・サポートいただき、それぞれの得意分野を生かして、手分けして取り組んでいます。

最近ではEinstein Analyticsを使った分析を始めたり、アジア地域向けに新しい組織を立ち上げるなど、新しいことに積極的にチャレンジするお客様ですので、大変ですがやりがいを持って取り組んでいます。

仕事で挫折、苦しい時期を乗り越えた経験を教えていただけますか?

 

正直なところをお話しすると、挫折も苦しい時期も全く乗り越えられていません(笑)

今のお客様は私の2社目の常駐先なのですが、ユーザー数は1000人を超えているにも関わらず、設定変更をするなどの実質的なSalesforceのシステム管理者は自分だけです。初めてのシングルサインオンの設定や、複雑なメール通知機能を実装する時にはプレッシャーに押しつぶされそうになったり、作成した自動化機能にミスがあって売上データの連携が失敗したこともあります。ただ、頼れるのは自分だけなので、そうしたときも自分が焦っても仕方がない。あきらめてそのときにやるべきことをやりながら、粛々と仕事をこなすことにしています。以前大きなトラブルに巻きこまれたときに、「自分がシステムを止めてしまうわけにはいかない」と腹をくくって冷静に対処したことが、指揮命令者の方との今の信頼関係につながっているかもしれません。年度始まりには月に数十件ものレポート作成依頼があり、気が付いたら夢の中でも仕事していた、なんていうこともありました。ですので、「乗り越えた」というよりは「何とかやり過ごした」という表現が近いと思っています。

ただ、緊張しすぎたり考えすぎたりすると返ってうまくいかなかったりするので、アロマを入れたお風呂に浸かったり、休日は好きな映画を見に行ったり、煮詰まったら一人旅に出て自然と触れ合うなど、リフレッシュする手段と時間をできるだけ多く持ち、ONとOFFの切り替えをしっかりできるように心がけています。

なぜ資格を取得しようと思いましたか?

1社目に常駐して、もっと課題解決力や提案力が必要だと感じたから。お客様の課題をいかに効果的に解決するかという点においては、単に製品の機能を知っているだけでは成しえないことだと強く感じていました。次のお客様先に行く前に、自分の中の引き出しをできるだけ増やしておきたいと考えました。

また、たまたまタイミングが合ったということもあります。ちょうど1社目の仕事を終えて、本社に帰社しており、精神的にも時間的にも余裕がある時期でした。なので、資格を取るなら今だ!と思ったのです。

もともと私は資格取得そのものには興味がないのですが、資格取得のための勉強をすることは、お客様の信頼感を獲得できるという意味合いはあると思っています。だから、その資格がお客様の業務を行う上で必要であれば取得するというスタンスです。

 

この仕事をする前は営業事務の仕事をしていましたが、このままだと自分の価値がなくなるのではないかという不安もあり、より高いスキルが必要だと考えていた時に出会ったのがSalesforce。ちょうどExcelとかAccessなどを業務で利用してデータを追求することがおもしろくなってきた時期だったので、興味深く学ぶことができました。

資格取得にかかる時間はどれくらいでしたか?

「Sales Cloud 管理アドバンス」のトレーニングを受けたのが8月の半ば過ぎ、試験を受けたのが10月末で、その間、夏休みを取得してどうしても行きたかったインドのヨガリトリートに行きましたので、期間はおよそ2か月弱といったところでしょうか。

時間的には恐らく、40~50時間程度かと思いますが、私は追い込まれないとやらないタイプ。飽きっぽい性格で、期間が長くなるとモチベーションが保てなくなってしまうので、こういった試験関係はだいたい短期集中で臨みます。その代わり、短い時間の集中力には自信があります。

どのように資格の勉強時間を確保しましたか?

先ほどの質問でも述べましたが、短期集中型ですので時間を確保することはそれほど難しくはなかったです。仕事も残業がない時期でしたので、帰宅後に過去の問題などをまとめておき、通勤の電車内で問題を解く、理解が足りない部分はまた帰ってから検証する、これの繰り返しで少しずつ理解を深めていきました。

これは私の傾向だと思いますが、文章を読むだけよりも、実際に検証することでとても理解が深まるんです。ですので、読んだり書いたりして覚えるよりは、検証の時間を多く取ったように記憶しています。本当に自分の仕事に生かしていきたいと思ったら、暗記ではなくしっかりと理解をすることが大切だと思います。

社内に資格取得を応援してくれるプログラムはありましたか?

弊社では、一定の基準はありますが、Salesforceの公式トレーニングの費用、受験費用などを会社が負担してくれる制度があります。

また、Salesforceのパートナー企業ということもあり、先輩に資格取得者が多いというのも魅力です。試験問題の傾向や不安に思うことなどを気軽に質問や相談できる環境はとても恵まれていると思います。

Sales Cloudコンサルタント資格はどのような特徴がありますか?

単純な機能の○×問題ではなく、コストをかけずに要望を実現する方法は何かといった問題や、運用の流れに沿って複数の機能の組み合わせを答える問題、また、企業戦略を立てるために必要なデータやその可視化の方法についての問題が多かったように思います。

資格を取得して良かったことはなんですか?

お客様の運用の仕方も様々ですし、Salesforceの機能も数えきれないほどある中で、一つの方法に固執せず、複数の方法の中からメリット・デメリットを比較しながら、その時に最も適切な方法を選択していくためのベースが身についたのではないかと思っています。

資格試験の勉強を行なったことで、Trailheadを使って独学で学ぶよりも「何ができるのか、どう使うことが正しいのか」を理解できるようにはなったと思います。何かすごい能力が身についたというわけではありませんが、お客様の課題を解決するにあたって、常に「ベストプラクティスは何か?」を意識する癖が身についたのは確かです。

まだまだ魔法のように良いアイディアが浮かんでくるような領域にはたどり着けていませんが、まずはこういった考え方が身についたことは大きな収穫でした。

Sales Cloudコンサルタント資格を取得して、キャリアがどのように変わりましたか?

この資格取得がすべての要因というわけではないですが、一番変わったことは仕事に対する意識とキャリアの幅が広がったこと。資格を取得し、お客様先で仕事を続ける中で、「もっとコンサルタントとしての能力を向上したい」と自然と思うようになりました。また、ちょうどこの時期、社内で「パソナテキーラ ユニバーシティ」と呼ばれる高度IT人材の育成研修の募集がありましたが、資格を取得していたことで、「応募しても大丈夫かな」という自信も芽生えました。

今後こうなっていきたい、という明確なゴールはまだ決めていませんが、コンサルタントとして一流を目指すもよし、トレーナーになるのもよし、アーキテクトの勉強をするもよし、という気持ちになってきました。資格を取得したことで、キャリアを考える余裕が生まれてきたと言えると思います。

今からSales Cloudコンサルタント資格を受験する方へアドバイスをお願いします!

アドミニストレーター資格を取得していて、日常から課題解決のベストプラクティスを考えている方でしたら、取得はそれほど難しくないと思います。Salesforceはやはり基礎が大事。基礎を着実に積み上げ、Salesforce独特の用語や概念をきちんと理解することがその後のスキルの習得につながってきます。また単に知識を覚えるのではなく、検証を行うことでスキルとしてきちんと身につく気がします。

どの資格にも言えることだと思いますが、特にSalesforceの資格は「取ったら終わり」ではなく「始まり」だということ。勉強する時には、単に「この課題だからこの機能を使う」で終わらせるのではなく、なぜそれがベストと考えるのか?課題を解決するためには、他にどんな方法があるか?を腹落ちして、自分の言葉で説明できるようにしておくことをお勧めします。

また、そもそも実務で役立てるには、機能だけでなく、ビジネスや組織体などその会社についてきちんと理解することも大事です。

 

私はキャリアチェンジしてSalesforceの世界に飛び込みましたが、現在はその決断を行なってよかったと思っています。アップグレードも頻繁だし、新しい知識を学び続ける必要があるのは大変ですが、必要に応じて資格取得のための勉強を続けていくことで提案できることも増え、自分の成長を実感することができています。

 

認定資格について

セールスフォース・ドットコムの認定資格は、Salesforce製品を使用する各担当者の役割に必要なスキルを保持していることを証明するグローバル共通資格です。

資格保持者は、各分野に於いて即戦力であることを証明できます。

 

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