BtoBマーケティングとは?手法や成功事例、BtoCマーケティングとの違いを解説

 
最終更新日:2024.5.16
BtoBマーケティングのBtoB(B2B)とは「Business to Business」の略で、企業対企業の取引のことを指します。BtoBマーケティングの基本からBtoCマーケティングとの違い、具体的な戦略、成功事例までご紹介します。
 
 
 
4つのステップで勝率8割!
BtoBデジタルマーケティングの
『勝ちパターン』
 
デジタルマーケティングにはすでに、様々な『勝ちパターン』が存在することがわかっています。まずはこのパターンを知り、その知識を生かした施策を立案することが、顧客アプローチを成功させる近道なのです。

BtoBマーケティングとは、展示会などで得たリード(見込み顧客)企業に対するアプローチや、Webサイトを活用した企業向けの情報発信

BtoBマーケティングの基本的な活動は、展示会などで得たリード(見込み顧客)企業に対するアプローチや、Webサイトを活用した企業向けの情報発信などです。

BtoBマーケティングのポイントは、営業活動の結果が相手企業の課題解決や目的達成などに寄与することです。最終的な目的は自社の売上ですが、その過程においては、相手企業への理解を深め、課題・目的を共有し、継続的なコミュニケーションをとることが重要です。

BtoBマーケティングは、相手企業へ長期的に寄り添うことが前提となります。お取引を通じて相手企業の一部を担う責任や、将来のビジョンを共有する能動性を持ち、信頼関係を構築することも、BtoBマーケティングの一部なのです。

 
 
 
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デジタルマーケティングにはすでに、様々な『勝ちパターン』が存在することがわかっています。まずはこのパターンを知り、その知識を生かした施策を立案することが、顧客アプローチを成功させる近道なのです。

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングとの違い

BtoCマーケティングのBtoC(B2C)とは「Business to Consumer」の略語で、企業と一般消費者との取引を指します。たとえば、小売店におけるキャンペーンや、個人向けのメールマーケティングなどが該当します。

BtoBとBtoCの特徴を比較すると、下の表のようになります。

 
  BtoB
BtoC
対象 企業 個人
顧客数 少ない 多い
単価 高額 少額
目的 体験・所有・課題解決 課題解決
意思決定者 複数人 1人
検討期間 長期間 短期間

BtoBとBtoCにおける特に分かりやすい違いは、1案件ごとの単価です。契約単価に応じて、提案活動にかかるコストやリソースも高くなる傾向にあります。

企業における契約目的は、企業が抱える課題解決に絞られています。サービスや製品の提案はそのためのプレゼンテーションであり、いかに企業内の意思決定者に対して有用性を示せるかがカギとなります。

また、企業活動において重要な役割を担う事案であるほど、意思決定者の人数が増える傾向にあり、検討期間も長くなる傾向にあります。

BtoBマーケティングの必要性

BtoB企業の購買検討プロセスは、実は顧客が営業担当に会う前に終わっていることが多々あります。営業担当が対面で提案をし、情報提供を行うのは過去の話で、現在は企業が自主的に情報収集を行い、営業担当との対面はその確認作業になっているのです。
仕事上の製品・サービスの情報源(2022年)(%、複数回答)

事実、65.1%もの企業が、製品・サービスを検討する際に企業のWebサイトを参考にするという調査結果も出ています。このアンケートでは、Webサイトに次いでカタログ・パンフレットや営業員・技術員の説明なども高い割合で選択されています。

つまり、この65.1%もの企業に対してアプローチするにあたり、BtoBマーケティングは水面下で行われている選定作業へ食い込むためにも重要なプロセスであり、有用な情報をアピールする貴重な機会でもあるのです。

知らず知らずのうちに契約機会を失わないためにも、BtoBビジネスと向き合い、BtoCと同じようにパーソナライズされたマーケティング施策を実施する必要があります。

BtoBマーケティングの5ステップの流れ

BtoBマーケティングの流れは、以下の5ステップから構成されています。

  1. リードジェネレーション(顧客創出)
  2. リードナーチャリング(顧客育成)
  3. リードクオリフィケーション(顧客選別)
  4. 商談・受注
  5. 顧客維持

BtoBマーケティングは検討期間が長いこともあり、顧客とのコミュニケーション設計が重要です。そのために重要なのが1~3のステップで、4の商談・受注は、契約意思を確認する役割が大きいです。

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

1)リードジェネレーション(顧客創出)

最初に行うのは、新たなリード(見込み顧客)を作り出す「リードジェネレーション(顧客創出)」です。

以下は、代表的なリードジェネレーションの例です。

  • SNSマーケティング
  • メール配信
  • インターネット広告
  • SEO(検索エンジン最適化)
  • 営業メール
  • 展示会
  • セミナー、ウェビナー

SNSマーケティングやメール配信など能動的な施策もあれば、インターネット広告やSEOなど受動的な施策もあります。それぞれ適したコンテンツや訴求方法が異なるので、獲得したいリードの層に合わせて手法を選びましょう。

いずれにしても、それぞれの手段で獲得したいリード(見込み顧客)の情報であるペルソナを事前に設定することが重要です。その中で自社の強み、弱みに応じた適切なコンテンツを用いて複合的な施策を実施しましょう。

2)リードナーチャリング(顧客育成)

リードナーチャリングとは、獲得したリードに対してアプローチを行い、顧客へと育成していくことです。繰り返し接点を持つなかで、リードの興味を引いたり、信頼を獲得したりしながら成約へとつなげます。

代表的な手法には以下があります。

  • メールマガジン・ステップメール
  • オウンドメディア(自社サイト/ブログ)
  • ホワイトペーパー
  • SNS
  • セミナー、ウェビナー

リードナーチャリングには、顧客と繰り返し接点を得られる手法が用いられます。定期的に顧客に情報を発信するメールマガジンやブログでの情報発信、近年では企業のSNSアカウントを通じた情報発信などが効果的です。

あくまで顧客へと育成することが目的であるため、リードがどのような情報を求めているのかという分析を基に実行することが重要と言えるでしょう。また、手法によって適したコンテンツが異なるため、顧客の興味や信頼を得るためのカスタマイズが必要です。

3)リードクオリフィケーション(顧客選別)

リードクオリフィケーションとは、ナーチャリングしたリードから、顧客となる可能性の高いリードであるホットリードを選別することです。

たとえば、手法の1つとしてあげられるのが「スコアリング」です。リードが起こした行動ごとにスコアを付与し、スコアが高いリードをホットリードとして選定します。スコアリングはリードクオリフィケーションの代表的な手法なので、詳しく覚えておくとよいでしょう。下記の記事で詳しく解説しています。

4)商談・受注

ホットリードの選定が完了したら、具体的な商談に移ります。ここで商談をもちかけるのは、事前にリードナーチャリングの段階を踏んでいるリード企業です。自社製品やサービスに関する知識や興味などを、すでにある程度持っている前提で商談を進めましょう。

5)顧客維持

BtoBマーケティングは、受注して終わりではありません。初回の受注は相手企業との付き合いの始まりであり、ここから関係をどう進展させていくかが課題となります。たとえば、優良顧客化によってLTVを高めたり、クロスセルやアップセルに展開させていったりといった道筋が考えられます。
 
 
 
4つのステップで勝率8割!
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『勝ちパターン』
 
デジタルマーケティングにはすでに、様々な『勝ちパターン』が存在することがわかっています。まずはこのパターンを知り、その知識を生かした施策を立案することが、顧客アプローチを成功させる近道なのです。

BtoBマーケティングで注目されている4つの戦略・手法

BtoBマーケティングで注目されている手法には、以下のようなものがあります。

  • コンテンツマーケティング
  • アカウントベースドマーケティング(ABM)
  • インサイドセールス
  • カスタマーサクセス

これらの手法は、顧客への効率的なアプローチや信頼構築などに役立ちます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、顧客に価値のあるコンテンツを提供することで、顧客の興味を引いたり、信頼を得たりする手法です。代表的な施策には以下があります。

  • Webコンテンツ
  • ホワイトペーパー
  • メールマガジン・ステップメール

コンテンツマーケティングは、用意したコンテンツと配信手法を組み合わせて実施します。コンテンツは配信方法やプラットフォームごとにカスタマイズする必要がありますが、一度用意すれば、顧客の属性や配信タイミングごとに使い回すこともできます。

また、営業活動を部分的に自動化するMA(マーケティングオートメーション)と組み合わせれば、顧客の行動や興味に応じて最適なコンテンツを自動的に配信もできます。

アカウントベースドマーケティング(ABM)

アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、営業対象を特定の企業(アカウント)に設定してアプローチしていく手法です。

対象企業内において担当者を切り口として拡散していく手法で、広くリードを集めて拡散から収束へと向かう「デマンド・ジェネレーション」と比較してよく取り上げられます。

ABMのメリットは、対象企業に切り込めれば、そこからアップセルやクロスセルなどを用いて、企業内で販路を拡大できることです。社内需要が多い企業と契約できれば、安定した案件獲得にもつなげられます。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、電話やメールなどで営業活動を行う内勤型マーケティングのことです。

インサイドセールスでは、営業担当者は顧客の問い合わせに対して、電話やEメールなどで対応し、顧客が求める情報を提供した上で、商品やサービスを販売することになります。

BtoBマーケティングはコミュニケーションにかかる期間が長いので、時間やリソースの効率化に有効な手法です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、日本語で「顧客の成功」という意味で、顧客が商品やサービスを使用し、満足し、長期的に契約を続けるために必要な支援を提供することで、部署としてはサポート部門を指します。

チームとして、顧客が商品やサービスを適切に使用し、最大限の利益を得るために必要なサポートやトレーニングを提供していく中で、顧客が抱える隠れたニーズを発見し、営業チームと連携して積極的に働きかけることで、アップセルやクロスセルに繋げることが可能となります。

カスタマーサクセスは顧客との長期的な付き合いを前提としたBtoBマーケティングにおいて外せない考え方です。特にSaaSやサブスクリプション型ビジネスのように、継続的なサービスではより重要度が高くなります。

単純なサポート部門ではなく、既存顧客に対しての更なる売上の可能性を発掘する利益創出部門として近年注目を集めています。

 
 
 
4つのステップで勝率8割!
BtoBデジタルマーケティングの
『勝ちパターン』
 
デジタルマーケティングにはすでに、様々な『勝ちパターン』が存在することがわかっています。まずはこのパターンを知り、その知識を生かした施策を立案することが、顧客アプローチを成功させる近道なのです。

BtoBマーケティングの2つの成功事例

ここからは、実際にBtoBマーケティングに取り組み、成功へ導いた事例を2つ紹介します。

見込み顧客、問い合わせからの訪問件数がともに10倍以上に増加

 
会社名:株式会社マーケティングデザイン
業種:IT・サービス
事業内容:アプリ開発/販売・SFA/CRM/MAなどのシステム導入支援・ローカルエリアプロモーションなど

スポーツクラブ向けの販促活動を得意とする、広告代理店の「株式会社マーケティングデザイン」。同社ではBtoBマーケティングを効率化するための仕組み作りに取り組み、見込み顧客の数・問い合わせからの訪問件数をともに10倍以上へ成長させました。

具体的な実施内容は、MAツールAccount Engagement(旧Pardot)による見込み顧客ごとにカスタマイズしたメールの配信やリードの動向のリアルタイム把握などです。リードの獲得から育成までをMAツールが補助し、タイミングを見計らって訪問を行いました。

コミュニケーションコストが高いリード獲得から育成をツールによって自動化したことで、リソースを本当に必要な部分に集中できるようになった良い事例です。

富山の製造業が売上3倍を成し遂げたB2Bマーケティングとは

 
会社名:株式会社トヨックス
業種:製造業
事業内容:耐圧樹脂ホース・継ぎ手の開発・製造・販売

耐圧樹脂ホースや継ぎ手を取り扱っている株式会社トヨックスでは、顧客情報を統合するシステム導入をきっかけに、MAを活用したBtoBマーケティングに取り組み始めました。

同社には、顧客データベースの散在という課題があり、解決のために顧客情報を一元管理できるSalesforceのSales Cloudを導入した背景がありました。顧客情報の一元管理に成功した時点で、配送物発送時の作業時間を3分の1に短縮するという成功を得ます。

その後、データベース化された顧客情報をもとに、顧客のベネフィットに着目した取り組みを開始。要望や問い合わせをデータベースに集約・分析することでベネフィットの抽出が可能に。さらに、MAツール・Account Engagement(旧Pardot)により情報発信の仕組みも構築することで、顧客との関係構築に成功。ベネフィットに狙いを定めた商品群の年間売上3倍、新規開発商品の数4倍という、大きな成果につながりました。

BtoBマーケティングは1件当たりに必要な時間やリソースが大きいだけに、受注確度の高い営業活動の仕組みが必要です。

そのためにも、施策のパーソナライズやABMの導入などが必要となってきますが、マンパワーで対応できる範囲には限界があり、成長がどこかで頭打ちになる可能性も考えねばなりません。

そのような課題に対峙したら、MAツールの導入も検討してみましょう。成功事例にもあったように、人間がリソースを割くべき分野を明確にし、顧客との対話に力を注ぐことで、顧客とのより良い関係構築を実現できるのではないでしょうか。

 
 
 
2分で解説
素早い成約へと導くMAツール
 
リード発掘、ナーチャリングで興味喚起、営業チームとの連携、これらの一連のプロセスを自動化。素早い成約へと導くMAツールを2分で解説。
 
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『マーケティング最新事情』レポート(第8版)
 
 

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