「CTA」取得は通過点
目標は、2つ先まで決めるのが
マイルール

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
マネジャー
宮本 隆人
 
 
 


インタビュー対象資格


 

 

認定テクニカルアーキテクト(CTA)

 

 
 
 

 

認定アドミニストレーター
認定上級アドミニストレーター
認定 Sales Cloud コンサルタント
認定 Service Cloud コンサルタント
認定 Experience Cloud コンサルタント
認定 Field Service コンサルタント
認定 Platform アプリケーションビルダー
認定 JavaScript デベロッパー I
認定 Platform デベロッパー
認定上級 Platform デベロッパー
認定 Development Lifecycle and Deployment アーキテクト
認定 Integration アーキテクト
認定 Identity and Access Management アーキテクト
認定 Data アーキテクト
認定 Sharing and Visibility アーキテクト
認定 Heroku アーキテクト
認定アプリケーションアーキテクト
認定システムアーキテクト

 

 

今どのようなお仕事をされていますか?

アクセンチュアでマネジャーをしています。複数の大規模Salesforce導入プロジェクトに従事しており、アーキテクトという立場でお客様との議論を推進したり、設計書などのドキュメントやソースコードのレビュー、チームメンバーのコーチングをしたりしています。
また、新卒や第二新卒、経験者採用で入社された方に対して、Salesforceのオンボーディングトレーニングを企画、運営しています。Trailheadや資格の推進、合格者のトラッキングなども年間目標を立てて進めています。ここ5年くらいは、Salesforceの導入プロジェクトと人材育成、この2軸でやっています。

これまでどのような仕事を担当されていましたか?

 
Salesforceを始めたのは、社会人3年目くらいの頃です。1年目の頃からいろいろなパッケージ製品のアドオン開発をするエンジニアをしていましたが、CRMビジネスに興味を持ち始めたことをきっかけにSalesforceに出会いました。Salesforceエンジニアとしていくつかのプロジェクトを経験した後、社会人4年目の頃からは1つのプロジェクトにアサインされて仕事をするよりも、Center of Exellenceの活動がメインとなり、自分とマネジャーの2人体制で複数プロジェクトを支援していく形を取るようになりました。エンジニアの経験もあり、色々と調べるのが好きで知識もあったし、新しい技術を応用することも得意でした。なので、複数プロジェクトを同時に担当するのが天職だと感じたことを覚えています。
いろいろな業界、業種で、Salesforceとそれに関係するSAP等の外部システム、DevOpsやAIなどの最新テクロノロジーにも触れながらマルチワークするのが楽しいと感じ、7年目くらいまでずっとそんな感じで進んできました。
Javaのデザインパターンが好きでApexに応用したり、Jenkinsや自作ツール等をSalesforce開発に適用したりすることにのめり込むなどSalesforceエンジニアとしてのスキルを追求していましたが、自分のこだわりやLessons Learnedを社内外に普及させるために何をすればよいかを考え抜いていた社会人8年目の頃にアーキテクトという働き方に出会い、興味を持つようになりました。アーキテクトという立場で3年ほど業務を担当し、今11年目というところです。

CTAを目指した理由をお聞かせください。

2018年Trailhead Academy主催で開催された、資格者1万人突破記念イベント「Trailhead Academy Day」がきっかけです。CTAのパネルトークを聴いて、それまで名前だけ知っていたCTAを自分ごととして捉え始めることになりました。Salesforce認定資格の「最高峰」という言葉にも惹かれましたね。
その時登壇されていた方が後日アクセンチュアに転職されて、自分からコンタクトを取りました。当時、アクセンチュアグローバルではすでにCTA取得者がいてサポートプログラムが整っていました。それをその方が入社後に日本へ導入してくださり、私はCTA受験に向けたサポートを受けることができました。今では日本でもサポート体制が充実していますが、やっぱり1人でCTA受験に挑むのは相当難しいですね!

CTA取得までにかかった時間を教えてください。

2年かけて前提資格を取り、2年かけてレビューボード対策をやったので、4年くらいはかかっていますね。前提資格はもっと早く取る方もいらっしゃいますが、私の場合は、ほとんど特別な勉強はせず、実務でほぼ知識を習得して、あとはTrailmixで補強したくらいで、2ヶ月に1つ資格を取得するようなペースでした。また、CTA取得に必須ではないのですが、レビューボードで出題されることもあるので、Experience Cloudコンサルタントも取得しています。やっぱりレビューボードのシナリオ見ると必要に思えましたね。Heroku Architecture デザイナーも実は3回落ちて4回目でやっと受かったのですが、こちらも必須ではなくても押さえておきたいと思ってがんばりました。

どのように勉強しましたか?

私が運営しているSalesforce Architect GroupのMeetupの準備がとても役立ちました。人に教える、という目的意識を持って勉強できたのが一つの成功体験といえます。ひたすらシナリオを読んで試験対策するのも一つだとは思うのですが、Meetupでこういう発表をする、クイズを作る、スライドを作るという活動をすることで、より詳しく調べるし、着実に理解を深めることができたと思いますので、CTA対策にはとても良かったです。Meetupの運営をやっていたのは、最強に良かったと思います。

長い時間をかけてやっとCTAを取得されましたが、今どのように感じますか?

今のところは、達成感、安堵感、開放感を感じています。燃え尽きたと感じたることはないですね。ここからがスタートだと思っています。これまでの人生でもそうなのですが、2つ先のゴールまで決めて進めるのが私のやり方なので、まず燃え尽きるというのはありません。CTA合格を1番の目標にしていると燃え尽きることもあるかもしれませんが、CTAをとってこれをやる!って決めていたことがあったので「やっとスタートできるな」という気持ちです。必ず2つ先くらいまでは目標を決めるのが、モチベーションをコントロールするうえで大事なことかもしれませんね。

とても順調にキャリアを積んでいらっしゃるように見えます。メンターとかロールモデルがいらっしゃるのでしょうか?

具体的な人物はいないですね。基本的に自分の頭でキャリアを描きながらやってきたのだと思います。就活のタイミングで読んだビジネス書などに影響されることはあったかもしれませんが。
そのため、私自身は遅咲きだと思っています。社会人5年目でマネジャーになる方もアクセンチュアには多くいらっしゃいますが、私はちょっとずつ昇進していってマネジャーになったのが10年目なので、人の倍はかかったなという印象です。
2つ先までゴールを決める、というのも私の体験から来ています。1番目の目標って大体ダメ、というのを高校生や大学生の時に経験をしています。大学受験では浪人しても第1志望に合格できませんでしたし、大学生の頃は数学者を目指していたのですが夢破れましたし、就活の時もアクセンチュアのコンサルを目指していたのですが、エンジニアとしてアクセンチュアのグループ会社にお世話になることになりました (後にアクセンチュアに統合)。そういったいつも2番目の目標が叶うという経験から1番目の目標はだいたい叶わないと自覚しているので、それを逆手にとり、そのさらに上の目標を立てることで最終的には当初の目標を達成できるように組み立てています。

CTA合格後、何か良いことはありましたか? また、他の方にもおすすめできる資格だと思いますか?

会社の上司や同僚、部下たちから労いの言葉をたくさんもらいました。あと、TwitterやLinkedInのフォロワーがとても増えて、世界中から「いいね!」とかコメントとか、これまでにない数をもらいました。CTAの影響力にびっくりしています。

CTAを目指すことを他の方にもおすすめするかどうかといえば、条件付きでおすすめですね。CTAを目標にして欲しくなくて、合格した後どうしたいのかを考えて欲しいです。大規模プロジェクトでアーキテクトとして活躍したい人はCTAを持っておくことで発言力やコミュニケーション力などで生かせるものがあると思います。ただ、CTAを持っている、持っていないに関わらず、そもそもアーキテクトとして仕事ができないといけないので、あくまでも武器として使いたい人に目指して欲しい資格ですね。例えば、何十年もアーキテクトをやっている人だとCTAを持っていなくてもすでに信頼感があると思うので充分ですけど、まだ10年ぐらいのキャリアの場合、経歴だけで勝負するのだとまだ難しいと考えるので、CTAを持っていることが差別化につながると思います。

試験までの最後の1週間はどのように過ごしていましたか?

試験直前期の業務調整を会社にしてもらえたのですが、それがとても助かりました。勉強の時間はもちろん、心のゆとりを作るのがすごく大事でした。「忙しい、忙しい」で受験を迎えるよりも、受験に向けて心を落ち着けることができたのは大きいです。あとは、模擬レビューボードをしていただいた際のフィードバックのメモを隙間時間に見返したり、フロー図の描き方をおさらいしたり、ヘルプで詳しく調べたり、少し実機で動かしてみたり。自分の苦手なところを短時間で見返すには、殴り書きですがポイントを記載したノートを作っていたのが役に立ちました。
また、直前期にCTA対策の洋書(Becoming a Salesforce Certified Technical Architect)を読み、英語だったんですけどこれまでの受験対策知識が体系化されました。

今後のキャリアについてお聞かせください。

現職でやっているキャリアをさらに極めていきたいと思っています。CTAを持っているアーキテクトになったので、SME (専門家) として第三者的に俯瞰して見れるような立場で参加できるプロジェクトを増やしたいと思ってます。また、若手のアーキテクトを育成していくことに力を入れたい。社内にCTAを増やすことも進めたいですね。そして、CTAの影響力を武器にして社内外で発言したり、ネットワーク力を活かしてマーケットでのプレゼンスも上げていきたいです。
さらには、CTAを目指す社外の方のメンターになってアーキテクトコミュニティをもっと盛り上げていき、それが回り回って自分たちにも還元される未来を楽しみたいと思っています。

最後にCTAを目指す方にアドバイスをお願いします。

 
CTAを目指す目的をはっきりさせることですね。何となく目指すのではなく、なんでCTAになりたいのかをきちんと言葉にして、それをモチベーションにしてがんばって欲しいです。目的がないと、​ただの受験テクニックだけが身についたり、途中で挫折したりするなど良い結果を得られないと思うので。
目標を定めたあとは、自分から動いて知識を吸収し、それを積極的にアウトプットしていくことでスキルを磨いてほしいです。我々が定期的にやっているMeetupに参加して自分から発言したり、発言しなくても人の発表を聞いて自分の問題意識に置き換えて質問をしたりとか、自分のソリューションに適用して修正したりしていくことで、スキルを身につけていくことが大事です。
人に意見を聞いて修正していくのがアーキテクトの特徴だと思います。決まった答えがあるわけではないので、まず自分の答えを作って、それを相手に話して意見を聞いて、修正してより良い答えに変えていく、というスタイルができないとアーキテクトとしては難しいと思います。先に答えを聞いてしまう人はまだまだだと思うので、間違えを恐れずに自分で作って修正していく。アーキテクトとして現場にいるとそれを日常的にやれるので、試験勉強だけでなく仕事でアーキテクトとして活動できるようにキャリアを調整していけると良いのではないかと思います。
 

認定資格について

セールスフォース・ドットコムの認定資格は、Salesforce製品を使用する各担当者の役割に必要なスキルを保持していることを証明するグローバル共通資格です。

資格保持者は、各分野に於いて即戦力であることを証明できます。

 

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