1947年の創業以来、商業印刷で実績を積み重ねてきた株式会社ユニバーサルポスト。「人にココロに想いをつたえる。」をスローガンに、現在は単なるモノづくりを超えた「1to1パーソナライズ」事業を展開しています。大量印刷の時代から個の価値観を重視する時代への変化を捉え、コトバとデザインの力で顧客のマーケティングを支援。広島を拠点に、感性とデータを融合させた新たな価値創造に挑戦し続けています。
安価なツールの失敗を経て気づいた、「本物」の必要性
デジタル化の波で印刷市場が縮小する中、同社は強烈な危機感を抱いていました。従来の「言われたモノを作る」受注生産型モデルでは、未来はありません。しかし、現場の営業担当者は納品や校正などの「ノンコア業務」に忙殺され、顧客のビジョンを描く提案活動(コア業務)に時間を割けずにいました。
実は、Salesforce導入以前に、あえて安価なSFAツールを導入し、失敗するという経験を組織にさせています。「機能が足りない」「入力が面倒」という現場の不満を顕在化させ、「安いツールでは意識も業績も変わらない」という痛烈な教訓を得るための戦略でした。真の変革には、世界最高峰のプラットフォームが必要である。経営陣と現場の覚悟が決まった瞬間でした。
経理部員がトップセールス? 常識破りのコンタクトセンター設立
営業のコア業務時間を確保するため、顧客の2割を占めるEランク顧客の対応をコンタクトセンターへ移管しました。驚くべきは、その担い手が「経理・総務・生産管理」のスタッフであること。Service Cloud Voiceで電話とSalesforceを統合し、Agentforce for Servcie(AI)による会話の自動文字起こしや要約を活用することで、営業経験のないスタッフでもスムーズな対応が可能になりました。経理担当者特有の「数字への執着」と「丁寧な対応」が相乗効果を生み、顧客満足度を維持しながら、既存営業が提案に集中できる環境を劇的に改善しました。
AIが育て、データが評価する。健全な競争を生む「新しい行動」
「何をすれば評価されるか」を明確にするため、Salesforce上で「新しい行動ポイント」を定義。ダッシュボードで個人のポイントを可視化し、相対評価で賞与に反映させることで、組織内に健全なライバル関係を醸成しました。また、多忙なマネージャーに代わり、 Agentforceセールスコーチングがロープレ相手となる育成環境を構築。さらにSignatureサポートを活用し、イネーブルメント(育成)戦略自体をSalesforceと共に策定しています。新人から経営陣まで関係者全てがSalesforceのダッシュボードを見つめ、Slackでスタンプを送る。データが共通言語となり、組織の風土が一変しました。
Salesforceは単なるツールではなく『家族』です。営業担当の方だけでなく、カスタマーサクセスや専門部隊の皆さんが、親戚のように一丸となって私たちの成長を支えてくれる。この一体感と安心感こそが、他にはない価値だと思います。
前田 尚子 氏ブランドマネージャー, 株式会社ユニバーサルポスト
機能の多さではなく、「思想の一貫性」が信頼の証
選定の決め手は、機能の羅列や価格の安さではなく「思想の一貫性」でした。顧客の要望を無秩序に取り入れ機能が迷走する他社ツールとは異なり、Salesforceは「カスタマーサクセス」という揺るがない軸を持っています。また、Salesforce自身が自社製品を使って成長しているという「実績に基づくノウハウ」も信頼の証。未来思考の製品ロードマップと、導入企業を成功に導く強力なサポート体制は、単なるITベンダーの枠を超えた、共に歩むパートナーとしての存在感を示しています。