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導入社数1,000社達成までは、この仕組みと体制で積極的に攻める営業を行います。その後は「派遣のミカタ」を業界のスタンダードにし、派遣会社にとってのインフラとして定着させていくことを目指します”

株式会社manebi 平石 鳳志 氏 取締役副社長 COO

 

「派遣のミカタ」
1,000社導入に向けて営業体制の変革が課題に

自分らしい答えとして「生きる意味・働く意味・存在意義」を発見し、自ら幸せになる人々を増やしていきたい。このような存在意義を掲げ、「学びたい人」と「教えたい人」を動画や静止画等を通じてオンラインでつなぎ、それぞれの業界のニーズにフィットしたeラーニングサービスを展開しているのが株式会社manebiだ。接客・販売やパソコン・ITスキルと言ったビジネス現場で活かせるテーマから、スポーツ、美容・健康、生活・趣味に至るまで、極めて幅広い分野をカバーしたコース(教材)を提供。その中でも同社ビジネスの主軸となっているのが、派遣会社に特化したeラーニングサービス「派遣のミカタ」である。

2015年9月に改正された労働者派遣法では「派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること」が派遣会社の許可基準に加えられ、3年間の学習カリキュラムや教育計画書を労働局に受理してもらう必要がある。「派遣のミカタ」はこれらの作成を完全サポートしており、労働局が受理するまで迅速・丁寧・誠実な顧客対応を行っている。またレッスン数も3,000を超えており、外国語に対応した教材も多数用意。これを他社比較最大1/10という、業界最安値で提供しているのだ。

「派遣労働者のキャリア形成のためにeラーニングを導入している派遣会社はまだ1,000社程度ですが、『派遣のミカタ』はそのうち約500社に採用されています(2017年12月現在)」と語るのは、取締役副社長 COOの平石 鳳志氏。現在の目標は、これを2018年7月までに導入社数1,000社にまで引き上げることだという。

この目標達成のために必要になったのが、営業体制の見直しである。以前は社員1名と複数名の学生インターンで営業活動を行っていたが、それぞれの営業担当者がリード獲得からクロージングまで1人で行っており、営業活動の全体像が把握しにくく、取りこぼしてしまう案件も少なくなかったと振り返る。また名刺管理と営業案件管理のために、2014年から名刺管理の「Sansan」を使っていたが、情報共有の徹底や全体像を把握した上でのマネジメントを行うには、機能的に十分ではなかったともいう。

「実は自分自身がどれだけの案件を持っているのかも、正確にはわからない状況でした」語るのは、当時から営業を担当している、営業部門派遣のミカタ事業部 兼 コンサルティング事業部チーフディレクターの齋藤 美紀氏だ。また達成すべき目標や、そのためのToDoも明確化できていなかったと振り返る。「Sansanに記録する情報は人によって異なっており、統一できていませんでした。学生インターンが試験期間に入ったときに引き継ぎができておらず、顧客の状況を把握しない状態でアプローチをしてしまうこともありました」。

 

Sales Cloudを採用し、
インサイド&フィールドの分業体制へと移行

しかし2017年4月に、このような状況を打開するきっかけが訪れる。平石氏が「米国では営業活動をインサイドセールスとフィールドセールスに役割分担し、企業業績を上げている」ことを知ったのである。「こういう手法で業績が上がるのかと驚いたと同時に、これを仕組み化すれば実務経験の少ない現代の若者達も動きやすくなると直感的に感じました」。

インサイドセールスを導入するには、情報基盤を見直す必要があった。前述のようにSansanのみでは情報共有を徹底することに限界があり、分業体制を支えることはできないと感じていた。ここで採用されたのがSalesCloudである。採用理由は2点あると平石氏は説明する。

第1はユーザーインターフェースが優れていたことだ。「複数のCRM製品を比較しましたが、Sales Cloudが圧倒的に使いやすく、柔軟性があると感じました。特にダッシュボードはデータの流れがわかりやすく、これなら営業活動の全体像も把握しやすくなると思いました」。

第2の理由は、セールスフォース・ドットコムが実践しているインサイドセールス&フィールドセールスの方法を、徹底的に真似しようと考えたことである。「既存のやり方を破壊して、新たな体制を確立するには、ツールを入れるだけでは十分ではありません。成果を上げている先行事例を真似て、学んでいくことで、ツールをとことん使い倒していくことが必要です」。

Sales Cloudの契約を行ったのは2017年8月。セールスフォース・ドットコムの支援のもと、インサイドセールスの業務フローを作り上げ、そこからフィールドセールスに引き渡す仕組みを確立した。さらにSales Cloudの利用マニュアルを自社独自で作成した上で、2017年10月から運用を開始するのである。

まずインサイドセールスでは、獲得したそれぞれのリードの状況を管理しながら、次にどのようなアタックを行うべきかを「新規ToDo」として入力。これにもとづき、その日に何を行うべきなのかがホーム画面に一覧で表示されるようになっている。顧客へのアタックを行った結果を活動記録として入力。顧客とのアポイントが取得できたリードについては、次に何のアクションをすべきかを明記した上で、フィールドセールスへと引き渡す。そしてフィールドセールスが顧客訪問・面談を行い、クロージングするという流れになっている。

リード状況とToDoリストにもとづいた
迷いのない顧客アタックが可能に

取材の時点では運用開始から数ヶ月しか経過していなかったが、その効果は劇的ともいえるものだ。

「以前は状況が可視化されているリードの件数が全体の2割程度でしたが、Sales Cloudに入力して整理した結果、すべてのリードを可視化できるようになりました」と齋藤氏。またダッシュボードやレポートで、リードのうちどれだけが商談化されているのかも明確にわかるため、インサイドセールスのモチベーションアップにもつながっているという。「リードの状況が明確化できれば、いま注力して追いかけるべきリードがどれなのかもわかります。また次に何をすべきかがToDoリストで明確になっているので、迷いなくリードにアタックをかけられるようになりました」。

その一方で、フィールドセールスの意識や行動も、大きく変わりつつあると指摘する。

「インサイドセールスとお客様とのやり取りを知った上で客先訪問できるため、クロージングのためにどのようにアプローチすればいいのか、訪問前に戦略的に考えることができます。また自分ひとりでクロージングまで担当していた頃は、お客様への遠慮が生まれやすかったのですが、今ではインサイドセールスが太鼓判を押した案件を引き継いでいるという意識があるため、これまで以上に自信を持って営業トークを行えるようになりました。インサイドセールスから渡されたその日にクロージングしようという気持ちも強くなっています」(齋藤氏)。

その結果、受注率も高まっていると平石氏は指摘する。

「『派遣のミカタ』の受注率は約35%であり、このうち80%はリード獲得から90日以内に受注に至っていますが、Sales Cloudを導入してからは30日以内の受注率が30%増大しています。これはインサイドセールスと役割分担を行うことで、フィールドセールスが短期間でクロージングに集中できることによる効果です」(平石氏)。

攻める営業で
「派遣のミカタ」を業界スタンダードに

2017年11月の1か月間で商談化できた案件数は、1人あたり64件。12月にはこれらが次々とクロージングされているという。2018年7月までに1,000社へ導入という目標も、これなら達成できるという手応えを感じていると、平石氏は述べる。

「導入社数1,000社達成までは、この仕組みと体制で積極的に攻める営業を行います。その後は「派遣のミカタ」を業界のスタンダードにし、派遣会社にとってのインフラとして定着させていくことを目指します。そして将来はここで収集したデータを活用し、AIによる学習支援や学習管理の自動化を実現したいと考えています」。

その一方でSales Cloudだけではなく、PardotやCommunity Cloudの活用も、今後検討したいという。また「派遣のミカタ」以外のサービスでも、Salesforceの活用を前提とした営業体制の見直しを行う可能性があると語る。

「当社の事業ドメインは人々の成長や変革を支援することであり、だからこそ充実した教材を低コストかつ簡単に利用できるよう、日々工夫を重ねています。このようなサービスを継続的に提供し続けるには顧客層の拡大が必須条件ですが、Salesforceはそのための重要な基盤になると確信しています」。

※ 本事例は2018年4月時点の情報です
 
 

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