株式会社SmartHR

Herokuは経営側から見ても優れたツールだと感じました。私たちのようなベンチャーにとって最も大切なのは時間です。時間を買えると考えれば、極めて合理的な投資になります”

株式会社SmartHR COO  倉橋 隆文 氏
 

巨大化したサービスを切り出し、
疎結合のマイクロサービス化を目指す

 SmartHRは、煩雑な労務手続きや労務管理をシンプルかつ簡単、便利にするクラウド人事労務ソフトを提供する企業だ。入社に伴う社会保険・労働手続きのプロセスをペーパーレス化するクラウド型ソフトウェアとして2015年11月に誕生して以来、いまでは2万5,000 社以上のユーザーを抱える。会社としても、2017年4 月に社名をサービスと同一とし、一本化したブランドでビジネスをさらに伸ばそうとしている。

 同社 COO 倉橋 隆文氏は、「初期リリースの段階では、社長と副社長、さらにもう1 人のエンジニアがすべての機能を開発・実装し、デザイナーがユーザーインタフェースを整えていました」と話す。

 AWSを採用したため、以来AWSユーザーに一般的で、広く使われているマネージドサービスを使い続けてきた。しかし、いまではエンジニアだけで25 人。多様なバックグラウンドを持ち、各自が得意分野を持つ。しかし、機能の拡充と共に、さまざまな問題が顕在化してきた。

 開発グループ エンジニア 藤井 哲平氏は、「SmartHRは大きくなりすぎてしまったため、マイクロサービス化によって柔軟性を高め、新規機能開発を加速する方針が決まりました」と話す。

 

Herokuの採用で、時間を買う

 マイクロサービスの開発にあたっては、アプリケーションが安定して運用され続けるものを初期段階から規定しておく必要がある。インフラの企画から設計、設定、実装まで、それまで使ってきたマネージドサービスでは2~3週間の期間が必要と見積もられた。

 その解決策として、Herokuを推薦したのがセキュリティグループ エンジニア 佐藤 力氏だった。「Herokuを使えば、インフラ構築において最低限のことが担保されます。1つのイメージをそのまま展開できますから、検証や本番など、複数の環境を構築するために何度もビルドを繰り返す必要もなくなります」。

 同社は、マイクロサービス化における可搬性、スケールのしやすさ、およびインフラ管理工数の抑制など、さまざまな側面からHerokuを評価し、その結果、課題解決に最適なツールであると結論付けた。倉橋氏は、「基本的に現場が良いと言うものは採用しますが、Herokuは経営側から見ても理にかなったツールだと感じました。私たちのようなベンチャーにとって最も大切なのは時間です。時間を買えると考えれば、合理的な投資になります」と話す。

 採用後、初回のプロジェクトにおいて、Herokuは期待通りの成果をもたらした。佐藤氏はチームメンバーに知識とノウハウをシェアし、プロジェクトにかかわったメンバー間で􏘩Herokuの作法􏘪を共有することができた。以来、SmartHRにおけるすべての新規アプリケーションは、Herokuがインフラになっている。

 運用フェーズに入っても、dynoの監視およびアラート機能が備わっていることや、サーバの能力を設定ひとつで増減が可能なため、カスタマーサクセス部門による大量処理発生の事前予告があった際にも、より少ない工数で安定した運用を実現した。

セキュリティ面で大きな安心感

 SmartHRは2019 年、Heroku Private Spacesを契約した。これにより、クラウドを通して利用するサーバが物理的に置かれる場所を指定し、そのリソースを自社だけが使えるようになった。リージョンを東京に移し、同社のすべてのインフラを物理的に同一なデータセンター内で稼働させた結果、平均レスポンスタイムは0.3 秒改善。大量の従業員情報を取得して表示させるページもあり、長く使っているユーザーはそれらの画面を開くとき、明らかな高速化を実感できる。

 セキュリティ面で、Herokuの良さを実感した出来事もあった。プラットフォームに脆弱性が発見されたとき、Herokuのセキュリティチームが緊急対応し、全世界のすべてのHerokuユーザーの環境に対して強制的にパッチを当てた事案だ。

 「ユーザーの環境を触ることになるため、難しい判断だったことが想像できます。ITベンダーの中には、事案を把握していても、ユーザーの拒否反応が起こる可能性を前に躊躇してしまい、警告メールを送る程度に止めるところもあるかもしれません。しかし、緊急事態には迅速な対応が求められます。この対応で、Herokuのセキュリティチームをより信頼できるようになりました」(佐藤氏)

 Herokuの活用を深めると共に、米国のチームとミーティングを持つ機会もあった。その場では、主にセキュリティについて議論したという。SmartHRは、家族や給与の情報など、センシティブな個人情報を扱っている。外部からの攻撃だけでなく、内部からの漏洩も監視する必要があり、万一インシデントが発生しても追跡できる仕組みなどについて有意義な情報交換をできた。

 今後同社は、Herokuをインフラとする複数のアプリケーションを開発することで、さらなる機能拡充を図っていく。優れたエンジニアがアプリケーション開発に注力できる環境は、整った。

 藤井氏は、「Herokuは、私たちにとって正しいアプリ開発の姿に導いてくれるギブスのような存在で、使えば使うほどファンになります。社内では、Herokuが最低限のルールになりました。そして、Herokuという開発のルールが決まってからは、”Heroku向けに作れば、良いアプリになる”ことを実感しています」と話している。

 
 

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