社内コミュニケーションの手段と、活性化のコツ

 
2023.5.29

社内コミュニケーションの改善と向上は、企業に多くの利益をもたらします。社員同士のスムーズで活発な交流によって得られるメリットは多く、社内業務の効率アップから顧客満足度の向上、企業ブランドの価値向上にまでつながっていきます。

では、社内コミュニケーションのために何をどうすればいいか、具体的な例を挙げながら考えてみましょう。

社内コミュニケーション向上の目的とは?

社内コミュニケーションの向上は、多くの企業で重要課題とされています。しかし、単に相互交流を高めることに注力する前に、まずその目的を明確にしておくことが大切です。

社内コミュニケーションが円滑になると、現場はもちろん、社内全体、さらには社外にまでその好影響が広がっていきます。そこには多くの具体的なメリットがあり、その一つひとつがコミュニケーション向上の成果といえます。

しかし、社内コミュニケーション向上の最も大きな目的は、社員全員が同じ目的と理念を共有し、それぞれが目指す方向を一点にしぼれるということです。

「コンマ1秒でも速く走る」ことを目的としたレーシングカーのように、社員全員が確実な連携のもとに同じ目的を共有できれば、組織に一体感が生まれます。その結果、すべての業務が目的達成のための手段として機能していくのです。

「縦・横・全体」の3つの視点で考える

一口に社内コミュニケーションといっても、その交わり方には「縦・横・全体」というパターンがあります。社内コミュニケーションの向上を図るには、この3つの視点それぞれから考えることが肝要です。

縦のコミュニケーション

縦のコミュニケーションとは、経営陣と現場の社員、部署内の上司と部下など、上下のコミュニケーションを指します。

縦のコミュニケーションが活発になると、トップから現場まで、企業理念やビジョンが共有され、組織としての一体感が高まります。また、現場で重大なトラブルやエラーが起こった際にも、その情報が速やかに経営陣に送られてくれば、会社としてどう対応すべきか、迅速な判断を下すことができます。

横のコミュニケーション

横のコミュニケーションは、部署内での同僚同士、さらに各部署間、事業部間でのコミュニケーションを指します。同期入社同士でのコミュニケーションは、同時期にぶつかりやすい問題の解決や助けにもなり、個人の成長を促すこともできるでしょう。

また、各部署の連携がスムーズになれば、日常業務の円滑化も図れます。

全体のコミュニケーション

縦と横のコミュニケーションが活性化すれば、全社的な意識の共有化につながり、組織としてのポテンシャルをより引き出す作用を生み出します

モデリングされた社内コミュニケーションの重要性

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は、「組織の成功循環」というモデルを提唱しています。この中で教授は、「関係・思考・行動・結果」という4つの要素の質を高め、それぞれが好循環する「グッドサイクル」を生み出すことが、組織を成功へと導いていくと説いています。

しかし、この4つの要素のうち、「関係」だけは、自分1人で完成させることができません。つまり、このステップでは、相手との関係性を高めることが肝要であり、そのためには十分かつ良好なコミュニケーションが不可欠なのです。

このように、社内コミュニケーションの重要性・必要性は、理論の上でも明らかにされているのです。

社内コミュニケーションで得られるメリット

社内コミュニケーションが活性化すると、具体的にどのようなメリットが生じるのでしょうか。

これには、社内的なメリットと社外的なメリット、2つの側面があります。それぞれ、例を挙げて見ていきましょう。

社内的なメリット

社内的なメリットは、日常業務を回していく上でのメリットです。現場の動きやすさやスピード感の向上、意思の疎通の改善など、現場にいるメンバーが実感できる改善・向上です。

  • 生産性の向上

チーム内のメンバー同士であれ、他部署との関係であれ、コミュニケーションが活発になると、それぞれの作業分担がきちんと認識され、業務が円滑に回るようになります。また、他部署との連携が必要なプロジェクトでも適切な情報共有や確認が行われ、結果として組織の生産性向上に役立ちます。

  • 社員満足度の向上

縦にも横にも風通しがいい組織は居心地が良く、のびのびと仕事に打ち込めるもの。そうした環境は社員にとっても満足のいくものでしょう。特に、上司に対しても自由にものが言える雰囲気があれば、自分の仕事はみずからコントロールするという意識が高まり、責任感とモチベーションのアップにもつながります。

  • 定着率の向上

慢性的な人手不足が続いている昨今では、社員の定着率向上は人事上の重要課題ですが、退職理由で最も多いのは「社内の人間関係での悩み・不満」だといわれます。しかし、日頃から十分なコミュニケーションをとっていれば、仲間や部下の悩みに早期に気付き、ケアすることもできます。結果として、社員の定着率を向上する効果が期待できます。

社外に対するメリット

コミュニケーションの改善は、日々の業務を回しやすくなる、効率性が高まるといった実務的な面だけでなく、対外的なメリットも生み出してくれます。

  • 顧客満足度の向上

社内コミュニケーションが活発になることで、情報共有の活性化につなげることができます。これによって、社内の各部署あるいは特定の誰かの手元に止まっていたさまざまな情報や知見を、組織全体で有効活用することができ、顧客に対するアプローチや提供できる価値に大きな幅が生まれることになります。
つまり、社内コミュニケーションの向上によって、顧客に今まで以上の満足を提供することができるのです。

  • 企業ブランドの向上

企業ブランドは、一朝一夕で改善できるものではありません。しかし、ここでご紹介した、社内コミュニケーションによる効果が出ることで、企業としての価値は確実に高まっていきます。今まで以上に多くの人があなたの会社で働きたいと考え、あなたの会社と取引きしたいと思うようになるでしょう。 社内コミュニケーションの改善は、それによって企業のブランドイメージをさらに高めることにもつながるのです。

社内コミュニケーションを高める方法は?

多くのメリットを持つ社内コミュニケーションの向上。では実際に、どのような方法をとればいいのでしょうか。

これには、下記のように多くの選択肢があり、企業の組織構成や社員の年齢層、性質などによっても変わってきます。

社内報

社内報にはいろいろなスタイルがあり、最近ではウェブ社内報を作成・発行できるクラウドサービスも登場しています。文章と画像を同時に扱うことができ、工夫次第で魅力的なコンテンツが作れます。クリエイティブ系の部署を持つ企業では、商業誌並みのクオリティの誌面づくりで読者にアピールするなど、企業ごとにさまざまなアプローチが行われています。

こうして、魅力あふれる社内報が作れれば、それをベースに社員間の会話や交流を自然に促すことができるでしょう。

レクリエーション

スポーツやゲーム大会、社員旅行などの社内レクリエーションを社員間交流のきっかけとして採り入れている企業はかなり多いようです。こうしたイベントによって、縦横両方向のコミュニケーションが活性化されることに加え、若手の人材育成の場としてレクリエーションを活用している企業もあります。

社内部活動を奨励している企業も多く、業務中には見られない社員1人ひとりの個性や特性を発揮させ、コミュニケーションのきっかけとしているケースも多々あります。

ミーティング

再設計したプロセスに従って業務を行うと、メンバー全員がどのように動いているのかがBPMシステム上で、しかもリアルタイムで確認できます。これによって、新たな課題が見えてきたり、業務改善のアイデアがひらめいたりするかもしれません。あるいは、作業負荷が特定のメンバーに集中していることがわかったりもするでしょう。ここは、PDCAの「Do」と「Check」にあたります。

各種ツールで交流を促進する

特別なイベントを催すのではなく、コミュニケーション機能に優れたツールを日常業務の中で活用することも、社員交流を促進するいい方法です。

一例を挙げると、Salesforceが提供するコミュニケーションツール「Chatter(チャター)」は、グループ内でのチャットやメッセージのやりとりのほか、ディスカッションやアンケートができ、動画やファイルを共有することができます。さらに、ディスカッションされた話題についての最新コンテンツを自動的に収集し表示するなど、社内コミュニケーションを加速する多くの機能を備えています。

こうしたツールを有効活用することも、社員間交流を促す大きな力となるはずです。

コミュニケーションがうまくいかない…そんなときは?

社内コミュニケーションをもっと活発にしたいが、なかなか思うようにいかない…。そんなときに役立つ方法について、最後に少しふれておきましょう。

ミーティングトップが積極的に関与する

社内コミュニケーションが活性化しない原因のひとつに、「何の役に立つのかわからない」という、現場の空気が根強いことが挙げられます。これを払拭するには、経営トップと各部署のリーダーなど、決裁権を持つメンバーが積極的に関与していくことが有効です。

コミュニケーションの活性化にどのようなメリットがあり、それによって組織がどのように変わるのか、それを現場に対して繰り返し説いていくことが大切です。

業務課題の解決が容易になる、日々の業務が効率化できるなど、社員個人が得られる利益を示すことも有効に作用するはずです。

無理のない活動を長く続ける

コミュニケーションの活性化にはいろいろな方法がありますが、これは人間の体でいうところの「体質改善」のようなものです。万能薬的な方法も、即効性のある手法もありません。

ですから、自社の規模や状況を踏まえた上で、無理のない活動を長く続けることが肝要です。早く結果を出そうと焦ったところで、逆効果にもなりかねません。何らかの施策を打ち、その効果を見定めて、必要ならば別の一手を打っていくなど、長い目で見ていくことが大切です。

コミュニケーションが企業を伸ばす下地になる

同僚や上司にいらぬ遠慮をすることなく、自由に発言でき交流できる組織からは、思いもしなかったアイデアがわき出るものです。一見して、馬鹿らしい思い付きに見えるものでも、そのアイデアの真意や背景に思いをめぐらすことができれば、市場に変革をもたらすコンテンツとしてブラッシュアップすることもできるでしょう。

そんなことを実現できるのも、社内コミュニケーションによる社員間の深い相互理解があればこそです。つまり、社員間交流の活性化は、業務を円滑に動かすだけでなく、企業を今以上に伸ばしていくための下地づくりにも大きく貢献してくれるのです。

 

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