第4章:働き方
顧客を中心に据えたチームの連携
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顧客を中心としたデジタルファーストの世界では、従業員の誰もがサービスを提供することになります。
その際、顧客に最高のサービスを提供するために、いかにして組織の強みを最大限に引き出すかが課題となります。組織の大半は、厳格な縦割り構造の中で事業を運営しており、煩雑な事務手続きが多いためにコラボレーションに支障が生じています。これは、例えるなら連携の悪い4 x 100メートルリレーのチームのような状態です。1人1人は優れた短距離選手なのに、バトン渡しがうまくいっていないのです。
顧客を中心に据えたチームの連携を構築するには、まずは従業員の能力をより高める必要があります。そのためには、コラボレーションや情報共有のための適切なツールが必要です。今の時代は、従業員が新たなデジタルツールを次々と導入し、顧客対応能力を高めていく時代です。しかし、必要なのはツールだけではありません。顧客対応を行う従業員は、以前よりも共感性を高め、より良い質問をし、より良い聞き手や語り手になるためのトレーニングを必要としています。
継続的な学習をしているうちに、こうしたニーズの全体像から、考慮すべき不備が明らかになってきます。完全なデジタル社会に移行すると、このギャップがあらわになり、そして深刻になります。Salesforceが実施した『Global Stakeholder Series: Future of Work, Now(世界のステークホルダーシリーズ:仕事の未来と現状)』(英語)調査では、全世界の20,000人以上の回答者のうち3分の2が、自分には必要なスキルがないと感じており、無料のテクニカルトレーニングの受講を希望していることがわかりました。
さらに、パンデミックにより、もう1つ未解決の問題が明らかになっています。多くの労働者は、深刻なストレスを抱えており、健康に不安を感じています。実際に、79%の回答者は、職場の安全性をより優先すべきだと考えています。
実行すべき主なアクション
- 全員が顧客中心のビジョンを正しいと思えるようにする
- 機能や部門の枠を越えて協力し、明確なビジョンと戦略を共同で定義します。
- 組織の全員がビジョンを互いに伝え合い、行動を喚起し、大まかな戦略に沿ってプロジェクトに取り組めるようにします。
- 従業員が能力を最大限に発揮できるようにする
- 従業員体験に公平に投資することで、どこにいてもチームの枠を越えたコラボレーションを可能にし、その結果、顧客体験を向上させることができます。
- ビジネス目標に貢献する個人の行動に対してインセンティブを適用します。
- 異なる専門知識を備えたグループが協力し、顧客の問題を解決できるようにします。
- チームが顧客の利益を最優先して行動できるようにする
- ブランドの価値と企業文化を定義し、すべての従業員が改善策を提案し、会社をより良い方向に導けるよう支援します。
- チームが顧客の利益を最優先して行動できるように権限を与えます。パートナーとともに、一貫性のある顧客体験を推進し、顧客と従業員に対する価値を高めます。