1. サービス・顧客の多様化で、システム刷新による情報一元化が急務に
レジル株式会社(東京都千代田区)は、2004年に国内で初めて「マンション一括受電サービス」を事業化した、業界のリーディングカンパニーです。一括受電とは、マンションなどの集合住宅1棟分の電気を電力会社から一括購入することで単価を抑え、割安な電気を各世帯に提供するというもの。同社は現在、このサービスにおいてマンション約2,200棟、17万5,000世帯に電力を供給しており、国内市場で高いシェアを占めています。あわせて、EV・PHEV充電設備の導入・運用サポートやそれを利用したBCP対策など、マンションの価値向上を支援するサービスも提供しています。
また同社は、マンション事業で蓄積したノウハウを活用し、事業を複数立ち上げています。そのひとつが法人・個人向けの電力小売事業です。再生可能エネルギー100%の電気の供給やオフサイトPPAの導入支援サービスなどを、マンション事業と並ぶビジネスのもう1本の柱へと育て上げました。さらに、マンション事業と電力小売事業で培った電気保安管理・電気工事・バックオフィスの知見やシステム、サービスなどを他社へ提供し、業務プロセス改善のコンサルティングも実施する、新たなビジネスを開始しています。
そうした積極的な事業展開によって、同社は1994年の設立以来、業績を伸ばし続けてきました。ただ、社内的には、サービスや顧客の多様化に対応するため、改善を要する部分も見えてきたといいます。そう話すのは、代表取締役社長の丹治保積氏です。
「弊社はマンション事業からスタートしたので、当初のお客様はマンションの管理組合の方に限られていましたが、事業拡大にともない、法人・個人のお客様が急激に増えていきました。この先も企業として成長していくためには、多様かつ膨大な数のお客様をしっかりと管理し、さまざまな商材を提案できるようなシステムが必要だ、と考えるようになりました」(丹治氏)
実際、現場では、システムに起因する問題がしばしば起きていました。情報システム本部 プロダクト開発グループ ジェネラルマネージャーの村上暢氏はいいます。
「営業部では、あるCRM/SFAツールを使ってお客様や商談の情報を管理していましたが、ライセンスを付与されているのは営業メンバーのみで、他部門ではそれぞれ別のツールを利用していました。また、Excelや紙も社内に氾濫している状態でした。そのため、社員・部門間の情報共有がうまくいかない。お客様の電話番号が正しく更新されず、前の入居者様の番号に電話をかけてしまうなど、お客様にご迷惑をおかけするケースまで発生していました」(村上氏)