ユーザーとAIサービスエージェントのチャット画面と、月間25,000件の問い合わせ解決を示す見出し
LINEヤフーのロゴ

LINEヤフーに寄せられる顧客からのFAQの80%を解決するAIエージェント

Agentforceは、Yahoo! JAPANヘルプページにおいて、月間25,000件の顧客のよくある質問に対応しています。すべての回答は、信頼できるナレッジ、注文データ、ケース履歴でグラウンディングされています。

数字が語る成果

80 %
Agentforceが解決したケースの割合
25,000
問い合わせへの月間自動対応数
$ 740K
年間推定コスト削減額

1つの質問に対して、問い合わせ方法が多すぎる

LINEヤフー株式会社(以下LINEヤフー)は、コミュニケーションアプリ「LINE」や総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」で検索やコマースなどさまざまなサービスを展開する日本有数のテクノロジー企業です。同社が提供するサービスは100を超え、世界で1億700万人以上に利用されています。

LINEヤフーのカスタマーサポートチームでは700名規模の担当者がおり、顧客対応の管理が大きな課題となっていました。サービスごとに電話、メッセージ、Webフォームなど異なるサポートチャネルが存在していたため一元管理が困難でした。

また、ヘルプページ内にはチャットボットを導入していましたが、顧客の感情(センチメント)や複雑な状況を的確に理解し、柔軟に対応できるほどの高度な機能は備わっていませんでした。その結果、一次対応での解決率(FCR)の向上には結びついていませんでした。

年間330万件にのぼる問い合わせのうち、その97%が一部のサービスに集中していたことから、LINEヤフーは、拡大を続けるプラットフォームを支えるため、より高度で一貫性のあるサービス体験を提供する必要性を認識しました。

必要なときに得られる正確な回答

を基盤としたAIエージェントにより、ヤフーのサービス利用時に欠かせない「Yahoo! JAPAN ID」と「LYPプレミアム」において、必要なときに即座に回答を提供できるようになりました。Agentforceは、ユーザーに表示されたエラーコードや、複雑なナレッジを迅速に見つけられるよう支援し、より迅速かつ効率的なサポートを実現します。

従来のようにお問い合わせを送信してから数時間、場合によっては数日、担当者からの回答を待つ必要はなく、現在では、顧客は各サービスのヘルプページから直接Agentforceとのチャットを開始できます。ログインしている場合でも、ゲストとして閲覧している場合でも、誰でも質問し、必要なときにサポートを求めることが可能です。

すべてのやり取りはData 360に記録・整理されます。会話メモやお問い合わせの詳細は拡張イベントログとして蓄積され、LINEヤフーは最も一般的なサポート問い合わせを明確に把握できるようになります。この可視性により、チームはパターンの特定やお問い合わせカテゴリの追跡を行い、LINEヤフーの幅広いサービス全体にわたって顧客体験の継続的な改善を推進できます。

関連性と文脈に基づいた応答

Agentforceは、顧客がチャットを開始した瞬間から稼働し、メッセージを分析して顧客のニーズを正確に把握します。そのうえで、単に記事全体へのリンクを提示するのではなく、各質問に応じた、正確で会話形式の応答を提供します。

これを実現するために、Agentforceは、Agentforce Service上でインデックス化・整理されたナレッジ記事に加え、LINEヤフーのプライベートクラウド内にある社内データ基盤CSHUBからリアルタイムの顧客情報を取得します。CSHUBには、リアルタイムのユーザーデータ、注文履歴、決済履歴が格納されており、MuleSoftを介してAgentforceと連携しています。サービスナレッジと実際の顧客コンテキストの双方にアクセスできることで、Agentforceはほぼ即時にパーソナライズされた応答を生成することが可能になります。

LY CorporationのAIエージェントによるAgentforce、MuleSoft、Agentforce Serviceを活用したFAQ解決アーキテクチャ図

「Agentforceは、CRMやMuleSoftと連携できる本来の機能に加え、AI処理におけるセキュリティレイヤーとトレーサビリティを備えており、当社にとって最も安全で効率的な選択肢でした」と、カスタマーサービス部門ユニットリードの石原悠氏は述べています。

Agentforceで対応できないリクエストは、自動的にLINEヤフーのサービスコンソール(Agentforce Serviceにおける担当者向け業務画面)にケースとして登録され、担当者によるフォローアップ対応へ引き継がれます。このケースには、会話履歴全体、インテントの分類、その他の関連情報が含まれているため、担当者は顧客に同じ情報を繰り返し確認することなく、すぐに対応を開始できます。

一次対応での迅速な解決

2026年3月の導入以降、初期成果は好調な滑り出しを示しています。LINEヤフーは、顧客のFAQに対応するAIエージェントにより、お問い合わせの80%を一次対応の段階で自律的に解決し、担当者を介さずに対応できるようになると見込んでいます。すでに、Agentforceは月間25,000件のお問い合わせに対応しており、顧客は営業時間内の対応を待たずに、より迅速で一貫性のある回答を得られるようになっています。

同様に重要なのは、Agentforceが持つ「各サービスのヘルプページへの拡張のしやすさ」です。現在、LINEヤフーでは2つのサービスのヘルプページに導入していますが、この高い拡張性を活かし、今後1年間で10以上のヘルプページへ展開していく計画です。
これにより、サービスの拡大に合わせたカスタマーサポート体制の強化をスムーズに実現します。さらにAgentforceの機能拡張を進めることで、年間最大260万件の顧客問い合わせへの対応を見込んでいます。これにより、年間約74万ドルのコスト削減効果が期待されています。

LINEヤフーは、これをエージェンティック エンタープライズへの変革の始まりにすぎないと捉えています。今後は、部門横断でAIエージェントワークフローの活用を検討し、業務の効率化、手作業の削減、そして従業員がより付加価値の高い業務に集中できる環境の実現を目指しています。

「AIの導入スピードは想定を上回っていました」と、執行役員兼CIOの服部典弘氏は述べています。「自然言語でAIとやり取りできるため、誰でも活用することができます」

社内向けの活用例として、Slack上でAgentforceを導入することで、約27,000人の従業員が一般的なお問い合わせを自己解決できるセルフサービス環境が実現します。またサポートチームでは、電話、Web、モバイルにわたる自然言語での対話サポートを提供すべく、「Agentforce Voice」の導入評価も進めています。

LINEヤフーがSalesforceを選定した理由

Agentforce Builder

社内開発や競合ツールの利用を含む複数のAI選択肢を評価した結果、LINEヤフーは、Agentforce Builderがより高いスピードと精度を実現できると判断しました。自然言語ベースの構造化されたツールにより、開発工数を大幅にかけることなくAIエージェントの設定が可能であり、さらに組み込みのガバナンス機能によって、エンタープライズレベルの管理要件を満たすとともに、日本のプライバシー法にも準拠しています。

Salesforce Trust Layer

「決め手となったのはSalesforce Trust Layerでした。これは、データの非保持やデータマスキングといった高度なセキュリティおよびガバナンス機能を備えています」と、執行役員兼CIOの服部典弘氏は述べています。「これらの機能を社内で開発していた場合、非常に多くのコストと時間がかかっていたはずです」Trust Layerは、顧客データおよび業務データを保護し、またAIによって生成された応答やアクションを追跡する監査証跡も提供します。

柔軟なAIエージェントプラットフォーム

「これまでのチャットボットはシナリオベースで、1つの質問に対して1つの回答しかできませんでした」と、石原悠氏は述べています。「Agentforceの魅力は、その柔軟性にあります」この柔軟性により、LINEヤフーはYahoo! JAPANで提供するサービスのうち10以上で利用していた複数のサードパーティ製ボットを統合し、一貫したサポート体験を提供できるようになります。

Salesforce Professional Service

Salesforce Professional Serviceは、初期段階からLINEヤフーと連携し、Agentforceソリューションの設計および構築を支援しました。チームはオンサイトでの要件整理を実施するとともに、Agentforceが月間30万件以上のお問い合わせに対応可能であることを示す概念実証(PoC)を構築しました。また、LINEヤフーのブランドに沿ったカスタムトピック、アクション、およびUIの開発も行いました。

Salesforce Signature Success Plan

Salesforce Signature Success Planは、LINEヤフーのAIエージェントをベータ版から本番環境へ移行するのを支援しました。チームは、問題のトラブルシューティングや設定変更のガイダンスを行うとともに、オンサイトでの本番稼働開始(Go-Live)を支援し、システムが円滑に稼働するようサポートしました。

LY Corporationのロゴ

会社概要

LINEヤフーは、メッセージングアプリ「LINE」やインターネットポータル「Yahoo! JAPAN」で検索やEコマースなどさまざまなサービスを提供し、世界で1億700万人以上のユーザーにサービスを展開する日本のテクノロジー企業です。