未来工業株式会社

チャネル・拠点をつなぐ、横断的な顧客対応。「日本一、幸せな会社」の追求をクラウドが支える”

 

独自の社風に根ざす強みを、顧客対応と
情報管理のプラットフォームで最大化

担当者の主体性に任せる営業活動に、
データ分析の視点を併用

電気・給排水・ガス関連の設備資材を製造販売する未来工業株式会社は、施工性を考え抜いた高付加価値型の製品戦略で、設立された1965 年以来の黒字経営を続ける企業。近年では土木資材や農業資材にも事業領域を広げる。
岐阜県にある本社をはじめ、全国7 支店・27 営業所・6 工場を擁する同社は「日本一、幸せな会社」を目指す独自の社風でも名高い。長期勤続を前提とした年功序列の報酬体系を堅持するほか、主体性を尊重するため「報・連・相」を強制せず必要最低限にし、「原則残業ゼロを目指す働き方」「年間休日は平均136 日以上」という環境で、時間内に仕事を終える創意工夫が奨励されている。
そうした中、同社の営業部門は2018年11月から、営業部のミドル層の提案をもとに、Salesforceの営業支援システムであるSales Cloudと、データ分析プラットフォームのEinstein Analyticsを利用している。社員本人の判断に多くを委ねる企業文化と、実績を可視化・共有するツールとのマッチングについて、営業部 営業企画課 課長の高木 保之氏は次のように説明する。
「担当者がもっともよく理解している個別の事案で指示を仰ぐのは必ずしも効果的でないとの考えから、私たちは主体的な判断を重視しています。ただ一方では、本人の努力を、より効果的な成長に振り向けていくため、データにもとづく客観的な分析を経験豊富な中堅社員を交えて行うことも必要です。そのため当社では、個別の営業活動は本人の判断に任せたまま、行動の変化と営業活動全般の改善に向けたデータ集約のツールとしてSales CloudとEinstein Analyticsを活用しています」
 

各地の拠点からナレッジを集約
社内共有してFAQも公開

商社の仲介機能に多くを支えられてきた設備資材の流通では近年、施主が直接ホームセンターで調達して施工するなど、購買プロセスの多様化が進んでいる。これにともないニーズが高まっていたのが、メーカー自身による確かな情報の提供と、対応窓口の充実だった。
同社は2019 年、問い合わせ対応で得られる情報を一元管理するSalesforceのService CloudとKnowledgeも導入。各地の営業所で過去に回答した1 万5,000 件の履歴を7,000 件に集約し、全件参照できるようにした。さらに、FAQ(よくある質問)にあたる3,000 件は製品開発部門や品質保証部門による監修のもとで編集し、Webサイトに公開。追加質問をメールフォームで受け付ける導線も整えた。
加えて、Sales CloudとService Cloudを、マーケティングオートメーションツールのPardotとも連携させている。この結果、ランディングページなどで得た顧客情報をもとにした製品情報のメール配信や、カタログ請求者に対する営業担当者からのコンタクトなど、チャネル横断的な施策をきめ細かく実行できる仕組みがそろった。
これらの体制構築で、製品に関する顧客からの問い合わせ件数は3.4 倍、管理する顧客の数は7.1 倍に増加。過去最高を更新した2019 年度の売上にも多大な貢献を果たした。
Pardotの構築を担当した総合企画部 情報システム課の小牧 陸氏は「Salesforceに登録された膨大な顧客情報から、地域や職種などでの絞り込みが容易に行えるため、ターゲットに特化した情報が届けられます」と評価。「顧客の営業日に合わせた情報配信も可能となり、休日が多い当社の活動をカバーできる点にもメリットを感じています」と話す。
ナレッジを整備した営業部 営業管理課の渡邉 真美氏は「FAQ作成で深めた知識とKnowledgeの検索結果から、いただいた問い合わせに即答し、お客さまから『よく知っているね』と褒められた社員もいます」と明かす。

コロナ禍でも在宅の電話対応が可能
「仮想コールセンター」に

営業活動と社員の生活に関し、そろって「地域密着」を掲げる未来工業は、集中型のコールセンターを置かず、顧客からの電話には最寄りの営業所の業務担当者が応じる。外出や休暇などで担当者が不在の際は、近隣の拠点に転送する運用を続けてきた。
顧客情報や過去の取引・対応の履歴を共有できるService Cloudで、転送先においても迅速な対応が可能となったのを機に、同社は電話応対のシステムを強化。Salesforceの顧客情報に連動したコールセンター機能を小規模から構築できるクラウドCTIのAmazon Connectを2019 年末に導入し、横浜・さいたまの両営業所で、相互に問い合わせ対応の分担を始めた。
この結果、場所を選ばないクラウドベースでのコールセンター業務を確立。ほどなく、新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言が出されたのを受け、両営業所など都市部をカバーする全国12 拠点では、担当者が在宅勤務に切り替えて電話対応を維持した。営業部 営業管理課の野村 篤子氏は「想定外の事態だっただけに『電話がつながって本当に助かる』との声を多くいただきました」と振り返る。
IT運用責任者である総合企画部 情報システム課課長の橋本 正就氏は「連携する豊富なソリューションを含め、Salesforceが備える有用な機能は数えきれません。それだけに、活用を深めるには自社の戦略と社風にもっとも適した組み合わせを見いだすことが大切です」と説く。
事業成長とともに「幸せな会社」のあくなき追求を続ける同社。次なるステップを、営業部 営業管理課 課長の大橋 聖子氏は、こう描く。
「お客さまに寄り添う想像力とクラウドがあれば、休暇時や非常時の助け合いを、全国にくまなく広げることもできます。新型コロナウイルス感染拡大の中でも、クラウドでつながる各地の顧客対応担当者が一体となって応対業務を行う『仮想コールセンター』の実現を目指していくつもりです」

 

※ 本事例は2020年7月時点の情報です
 
 

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