LTV(ライフタイムバリュー)とは?計算方法、向上させる方法を解説

 
2024.1.24
売上を拡大する上で、新規顧客の開拓は必須の要素ですが、容易ではありません。そこで注目されているのが、既存顧客との関係性を良好に保つことによって安定的に収益を生み出す手法です。
ここでは、既存顧客から得られる収益の指標であるLTVについて、重視すべき理由や算出方法、向上させる方法などを詳しく解説します。

LTVは取引を始めてから終わるまでの利益の総額

売上を拡大する上で、新規顧客の開拓は必須の要素ですが、容易ではありません。そこで注目されているのが、既存顧客との関係性を良好に保つことによって安定的に収益を生み出す手法です。

ここでは、既存顧客から得られる収益の指標であるLTVについて、重視すべき理由や算出方法、向上させる方法などを詳しく解説します。

LTVが重視される5つの理由

企業の安定的な経営のためには、LTVを向上させることが重要になります。
ではなぜ、LTVが重要視されるようになったのでしょうか。その理由は大きく4つあります。ひとつずつ見ていきましょう。

<LTVが重視される5つの理由>

  • 新規顧客開拓の大きなコスト負担
  • 成熟した市場の難しさ
  • 新規顧客開拓の浸透
  • 国内市場の縮小
  • One to OneマーケティングへのシフトとCRMやMAの普及

新規顧客開拓の大きなコスト負担

LTVが重要視されるようになった理由のひとつは、新規顧客開拓はコストの負担が大きいということです。情報発信のチャネルが多様化し、情報の流通も高速化する中で、顧客はインターネットで迅速に情報を収集して活用します。新規顧客に自社製品・自社サービスを強く訴求するために情報発信を強化すれば、コストも増加していくでしょう。

一般的に新規顧客への営業コストは、既存顧客への販売コストの5~6倍に上るといわれています。そのため、既存顧客との関係性強化に注力し、顧客あたりの利益をより多く確保するほうが、効率的に収益を上げることができるのです。

成熟した市場の難しさ

LTVが重要視されるようになった理由には、成熟した市場での新規顧客開拓の難しさも挙げられます。成熟した市場における新規顧客開拓は難度が高く、注力しすぎると収益性の悪化に直結します。成熟した市場では、新規顧客開拓に労力をかけ続けるよりも、一度獲得した既存顧客との関係を深めて継続購入やアップセル・クロスセルにつなげるほうが、利益を上げる可能性が高まるといえるでしょう。

新規顧客開拓の浸透

サブスクリプションモデルの浸透も、LTVが重要視されるようになった理由のひとつです。物質的な豊かさよりも、体験そのものの価値を重視する人が増え、ビジネスモデルは「所有」から「利用」へとシフトしてきています。これに伴って、定額制で製品やサービスを一定期間利用できるサブスクリプションモデルが台頭しています。サブスクリプションモデルは、顧客がいかに長く契約を継続してくれるかによって収益が大きく変わるビジネスモデルです。サブスクリプションサービスを提供している企業にとって、LTVの向上がビジネスの成功のカギを握っているといっても過言ではありません。
 
 

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国内市場の縮小

国内市場の縮小も、LTVが重視される理由となっています。国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によれば、日本の総人口は2045年には1億642万人、2065年には8,808万人と、2015年と比較して約30%減少するといわれています。全体の需要が減れば、市場は限られた利益や顧客の奪い合いになり、より新規顧客の獲得が困難になることは明らかです。価格競争が激化すれば、収益性も低下する可能性が高まります。こうした先々の見通しから、早めに既存顧客から得られる収益の拡大へと軸足を移す企業が増えているのです。

■日本の人口推移予測

※国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」から作成

One to OneマーケティングへのシフトとCRMやMAの普及

LTVが重視される理由には、One to OneマーケティングへのシフトとCRMやMAの普及も挙げられます。インターネットの普及とともに、マーケティングは従来の不特定多数に向けた活動から顧客の嗜好やニーズに合わせたOne to Oneマーケティングへとシフトしています。顧客ロイヤリティを高め、自社ブランドの価値向上と収益の拡大を目指す顧客管理ツール「CRM」、顧客開拓のためのマーケティング活動を可視化・自動化できる「MA」といったマーケティングツールの進化もOne to Oneマーケティングの発展を促進しました。

One to Oneマーケティングを実践するには、顧客が感じる商品の魅力を把握し、最適なタイミングで最適なアプローチをかけなくてはなりません。顧客ロイヤリティを重視して施策を講じるために、LTVが重要な指標に位置づけられるようになったのです。

LTVの算出方法

LTVは、扱う商材の性質によって算出方法が異なります。一般的には、すべての顧客の平均値を基にLTVを割り出す下記の計算式が使われます。

<LTVの計算式>

LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間

また、新規顧客の獲得や既存顧客の維持に必要なコストを考慮して、下記の計算式を用いる場合もあります。

<コストを考慮したLTVの計算式>
LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間-(新規顧客1人あたりの獲得コスト+既存顧客1人あたりの維持コスト)

計算の結果、LTVがマイナスになってしまうとビジネスは成り立ちません。マイナスになるような場合はLTVに関わる要素を見直し、改善を図る必要があります。

LTVを向上させる4つの方法

LTVがマイナスのとき、またプラスの状態からさらに向上させたいときは、どのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、有効な方法を4つ紹介します。

<LTVを向上させる4つの方法>

  • パーミッションを獲得する
  • 購買単価を上げる
  • 顧客獲得・維持コストを下げる
  • 離脱率を下げる

■LTVを向上させる4つの方法

パーミッションを獲得する

LTVを向上させる方法として、パーミッションの獲得が挙げられます。自社のファンとなってくれた顧客は、自社製品やサービスだけでなく、ブランドや企業そのものにも信頼と愛着を寄せてくれます。欠点や不具合を見つけても、単純なクレームではなく、改善要望として肯定的に企業に知らせてくれるかもしれません。

リピートやアップセル、クロスセルで売上に貢献することはもちろん、口コミや紹介で新規顧客の獲得を助けてくれる場合もあるでしょう。これは、顧客が取引関係にある自社を承認し、許容することを示す「パーミッション」を獲得できた状態です。顧客との良好な関係を保ち、一度得られたパーミッションを維持することができれば、LTVを最大化できるようになります。

購買単価を上げる

購買単価の向上もLTVを向上させる方法です。1回あたりの購入額が向上すれば、必然的に最終的なLTVも向上します。購買単価の向上の手法にはアップセルとクロスセルが一般的です。アップセルは使用中の製品やサービスをワンランク上のものにしたり、契約を拡大してもらったりすることで単価を高めます。クロスセルはオプション追加や関連商品の販売で単価を上げる手法です。ユーザーニーズに合ったものを無理なく提案しましょう。

顧客獲得・維持コストを下げる

販売にかかるコストを抑え、利益幅を大きくすることでLTVを向上させる方法もあります。セールスの現場では、業務の効率化によるコスト削減が代表的です。CRMやMAなどのツールを活用して、営業リソースの有効利用やマーケティング部門との連携を進めれば、より小さなコストと時間で大きな利益を得られるようになります。

離脱率を下げる

サブスクリプション型サービスでは、顧客の離脱率を下げることがLTVの向上に直結します。データ上に表れる、離脱する顧客に共通する条件や兆候を見逃さないようにしてください。顧客が離脱する原因を分析し、改善することが重要です。

LTVを最大化させるCRMやMAとは?

オンラインの時代にLTVを高めるには、データにもとづいて顧客に合った提案を行うOne to Oneマーケティングが有効です。CRMやMAといったツールを活用して、LTV最大化を目指しましょう。

顧客に関する情報を管理・分析するCRM

CRMは、顧客との関係を良好に保つため、必要な情報を管理・分析するツールです。CRMには自社と顧客とのコミュニケーションがすべて記録され、データ分析やメール配信、購入管理、問い合わせ管理などを行うことができます。

CRMを導入すれば、社内に散財している顧客情報を一元管理し、有効な戦略の立案やボトルネックの改善を進めることができるでしょう。また、顧客の状態が可視化されるため、購買意欲が最大限まで高まったタイミングを逃さずにアプローチすることもできます。顧客はニーズに合った情報が得られることで、満足度が上がり、継続的に購入してくれる可能性が高まります。

マーケティング施策を自動化するMA

MAはマーケティング施策を自動化するためのツールです。見込み顧客の行動をトラッキングし、パーソナライズされた情報とマーケティング活動の効果を一元管理できるのがMAです。顧客の属性のほか、商談履歴や購買履歴といったデータにもとづくコミュニケーションで顧客ロイヤリティを高め、クロスセルやアップセルの提案につなげます。

MAではこうした作業を自動化できるため、担当者の業務負担が軽減します。また、これまで手作業で担当していた業務をMAに任せれば、人件費の低減や、よりコアな業務への人員配置なども実現できるでしょう。

CRMやMAの注意点

CRMやMAを導入しOne to Oneマーケティングを進める際の注意点は、送信するメッセージの内容に応じたメディア選定です。特にメディアごとの特性を把握しましょう。メールやウェブマガジンは多くの情報を届けるのには適していますが、コンテンツ作成に手間と時間がかかります。SNSは手軽に読めてフォローが解除されにくい反面、ユーザーにフィットする内容を盛り込まないと飽きられてしまいます。データを基に仮説を立てて実行し、顧客の反応を見ながら改善を加えることが大切です。

LTV向上は適切なツールで効率的にを目指そう

時代の変化に伴うビジネスモデルの変化や、ITの進展によるOne to Oneマーケティングへのシフトで、LTVの最大化が注目されています。手作業でのLTVの最大化には限界があるため、CRMやMAなどといったツールを導入して効率的かつ効果的にLTVの向上を図るのがおすすめです。

Salesforceではマーケティングの効率化やLTVの最大化に貢献するソリューションを提供しています。施策の自動化による工数削減や、AIの分析による費用対効果の向上などが可能なMarketing Cloudや、商談管理や売上予測に貢献するSales Cloudを、ぜひご検討ください。

 
 

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