休眠顧客とは?意味や掘り起こしの方法、メール例文、成功事例を解説
休眠顧客とは過去に取引や問い合わせがあったものの、その後に一定期間以上やり取りのない顧客
休眠顧客の掘り起こしが重要な理由は、新規顧客を獲得するよりも少ないコストで成約へとつなげられるから
顧客を知り尽くしたリアルタイムマーケティングとは 1to1マーケティングの極意は"トップセールス"に通ず
- そもそもOMOとはどのようなものなのか理解したい
- OMOで実現するマーケティングに興味がある
- リアルタイムマーケティングとはなにか理解したい
- 顧客の動きを何かしらの方法で捉えたい
- デジタル上で購買意欲を促す方法を知りたい
休眠顧客が生まれる原因をBtoBとBtoCの場合に分けて4つずつ解説
BtoBの場合の4つの原因
BtoB(企業間で行われる取引)の場合に考えられる主な理由には、以下のようなものがあります。
- 検討期間が長く見送りになった
- 料金面の課題
- 情報収集が目的だった
- 他社への乗り換え
対企業のビジネスでは、比較や承認に時間がかかるなど、検討期間が長くなりがちです。その間に、顧客側の興味や意欲が低下したり、増加していく顧客に対して営業側のフォローが難しくなったりすることで、休眠状態に入ることがあります。料金面では、金額の大きな取引に顧客側の社内決裁が下りないことや、一定以上の値引きが出来ないことが原因となることが多いのです。情報収集目的の問い合わせも一定数あると認識しておきましょう。
BtoCの場合の4つの原因
BtoC(企業と一般消費者間で行われる取引)の場合に考えられる主な理由には、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスに不満があった
- 環境の変化により不要になった
- 商品・サービスを購入したことを忘れている
- 他のブランドへの乗り換え
対個人のビジネスでは、検討期間や金額よりも、商品・サービスそのものに対する不満があるケースが多く見られます。興味関心や生活スタイルの変化、職場異動など環境の変化によって購入した商品・サービスが不要になることも珍しくありません。また、商品・サービスを購入したことそのものを忘れているというパターンもあります。
休眠顧客掘り起こしの4ステップの方法
1)顧客情報の管理
顧客の属性や休眠理由に合ったアプローチを行うためには、顧客の情報を正確に管理することが大切です。次の作業となる休眠理由の分析に備えて、例えば次のような項目で分類しましょう。
- 過去の利用頻度
- 過去の利用金額
- 休眠期間
過去の利用頻度や利用金額は、休眠期間に入る前にどのように商品・サービスを利用していたかがわかります。利用頻度や金額が高いまたは一定だった場合、優良顧客であったことを意味しますが、何らかの環境の変化によって、休眠に入ったと考えていいでしょう。
その一方、1回だけ利用しそれ以降休眠に入っている顧客は、商品・サービスに何らかの不満があったと考えられます。利用金額が少額かつ数回で利用が止まっているようなケースについても、何かしら不満があったと見ていいでしょう。
休眠期間も重要です。取り扱う商品・サービスのタイプによりますが、休眠から1年以上経過している場合には、すでに興味を失っているか、競合他社を利用している可能性が高いといえます。
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2)休眠理由の分析
顧客情報から休眠に至った理由を分析し、顧客に合わせたアプローチ方法を検討します。たとえば、次のようなことが起こっていないか確認しましょう。
- 商品・サービスの値上げ
- 商品・サービスのリニューアル
- 商品・サービスのキャンペーン終了
商品・サービスの値上げは、顧客離れを起こすきっかけとしてよくある理由です。商品・サービスそのものに問題があったのではなく、値上げという理由から休眠に入ったと考えられます。リニューアルも顧客離れを起こしやすく、気に入っている商品・サービスではなくなってしまったことから、メリットを感じられなくなった顧客が休眠に至ったと考えるのが自然です。
このような場合、自社内で上位または下位商品・サービスが発売された時期と照らし合わせましょう。競合他社の類似商品・サービスもあわせて確認が必要です。その一方で、初回キャンペーン利用のみで休眠に入った顧客の掘り起こしは難しいですから、この段階で掘り起こし対象から外しましょう。
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3)セグメンテーション
休眠顧客をセグメントし、確度の高い休眠顧客にターゲットを絞ります。たとえば、次のような分類です。
- 休眠期間が〇ヶ月以内
- 過去の利用金額累計が〇円以上
- 過去の利用頻度が〇回以上
商品・サービスの特性に合わせて、掘り起こし対象にする休眠期間を設定しましょう。前述のとおり、休眠期間が長い場合には、顧客側の変化で興味を失っている可能性が高いからです。あまり短く設定すると、インターバル中ということになりかねません。
一定金額または一定回数以上利用実績がある顧客は、商品・サービスに魅力を感じていた顧客です。分析によって見えてきた休眠理由と考え合わせた上で仮説を立て、確度別にいくつかのセグメントに分類しておくことをおすすめします。
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4)早いタイミングでアプローチ
ターゲットを確定したら、なるべく早いタイミングでアプローチすることが大切です。主なアプローチの手段は、次の3つです。
- メール
- 電話
- ダイレクトメール(郵送)
メールは内容変更が簡単な上に配信にかかるコストも安く、セグメント毎に異なる内容を送信できます。到達率や開封率、クリック率、コンバージョン率など、細かく顧客のアクションを追うことも可能で、顧客の心情を推測しやすく、仮説の検証やPDCAサイクルを迅速に回すことができます。
電話は、架電にかかるコストが比較的高い一方で、顧客から直接、商品・サービスについて不満や意見を聞ける方法です。コミュニケーション中に適切な対応を取ったり、別商品を案内したりすることもできます。コールセンターがない場合には、テレマーケティング会社に依頼するという選択肢もありますが、電話よりメールやチャットを好む顧客もいますので、その点には注意が必要です。
どんなにデジタル化が進んでも、常に一定数、紙を好む顧客がいます。郵送の良さは、サンプル品やカタログ、引換券、クーポンなどを封書に同封または、はがきで送付できる点にあります。送付できる情報量の多さが特徴ですが、興味がなければすぐに捨てられてしまうことに加え、コストもあまり安くはありません。
商品・サービスによっては、電話やダイレクトメールのほうがアプローチしやすいというケースもあるでしょう。コストや効果測定のしやすさから、おすすめなのはメールでのアプローチです。顧客管理や休眠顧客への適切なタイミングでのアプローチは、MAツールの導入で効率的に良くできるようになります。
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- 顧客の動きを何かしらの方法で捉えたい
- デジタル上で購買意欲を促す方法を知りたい
休眠顧客掘り起こしメールの4つの例文
例文① 商品・サービスへの不満が原因の場合
商品・サービスの仕様変更やリニューアルなどが原因で休眠に至ったと考えられる場合、新商品・サービスの理解不足または不満がどこにあるかを理解しましょう。このようなケースでは、新商品・サービスの活用方法やメリットの再訴求、アンケートで意見を伺うなどにより、顧客にアプローチするのが有効です。
【例文】
- 「ご意見やご不満をお聞かせください」
- 「(商品・サービス)改善のため、お客様のご意見をお伺いしています」
- 「(利用に際して)わかりにくい点がございましたでしょうか」
休眠の理由が商品・サービスに対する理解不足であっても、提示した情報が不足していなかったかお伺いを立て、詳しい説明をします。仕様変更やリニューアルが原因の場合、商品・サービスの何が顧客の不満につながったのかを知ることがポイントです。このようなケースでは、アンケートで顧客の不満や意見を聞き出しましょう。アンケートはただ回答を求めるのではなく、商品・サービスの改善に役立てると示し、具体的にどのような改善がなされたのかも例示できると、説得力が増します。
例文② 料金への不満が原因の場合
価格改定、値上げなどが原因で休眠に至ったと考えられる場合は、価格に訴えましょう。たとえば、お得な料金プランの提示や割引クーポンなど、価格が下がることを示して興味を引くようにします。
【例文】
- 「お得な割引クーポンをご用意しました」
- 「期間限定で特別プランのお申し込みが可能です」
- 「ご愛顧いただいたお客様向に〇〇(商品・サービス名)をご案内します」
料金に不満がある場合、商品・サービスそのものには不満がなかったことを意味します。料金と商品・サービスとのバランスが良くないということですから、その点を解消するアプローチが有効です。期間限定の値引きや、以前に契約していた商品・サービスの低価格版を案内してみましょう。
例文③ 顧客の変化が原因の場合
環境や年齢の変化など、顧客の状況の変化が原因と考えられる場合には、関連する別商品・サービスの提案をしてみましょう。どのような変化があり、現在のニーズがどこにあるか仮説を立てた上でアプローチします。
【例文】
- 「新商品の無料トライアルのご案内」
- 「限定〇名様 SNSの効果的な使い方セミナー」
- 「〇代女性に新サービスプラン登場」
利用履歴のある商品・サービスに関連するものを提案する場合、無料トライアルやモニター、限定商品などを案内し、顧客が何に興味を示すか確認しましょう。ニーズそのものや予算に加えて、年齢、家族構成、健康状態なども変化します。反応がなければ内容を変え、何度か繰り返しアプローチしてみましょう。
例文④ 忘却が原因の場合
商品・サービスが忘れられたと考えられる場合には、利用を思い出してもらえるようなアプローチが必要です。顧客の購入履歴や写真の挿入といったリマインドに加えて、顧客のメリットにつながる情報を送るという方法もあります。
【例文】
- 「〇〇のご購入ありがとうございました。ご利用状況はいかがでしょうか?」
- 「活用の事例集をお送りします」
- 「ポイントの有効期限が迫っています。使い方をご確認ください」
アプローチのポイントは思い出してもらうことですので、現状伺いの挨拶で問題ありません。または、商品・サービス活用の事例集・アイデア集のようなお役立ち情報を提供し、使ってみようと思わせる方法もあります。購入に対してポイントが付与される場合、有効期限や交換できるものを提示してみましょう。
休眠顧客の掘り起こしに成功した2つの事例
リード獲得~継続のデータを可視化し、顧客へのアプローチを最適化
同社では、インサイドセールスから架電しても、すぐにアポを取れないお客様のほうが圧倒的に多く、クリックした方一人ひとりに架電するしかありませんでした。当時のシステムは、一斉メールを送信するくらいの機能しかなく、顧客に対して最適なアプローチを確認・検討することは難しかったそうです。
そこで、MAツールの導入を決断し、選ばれたのがAccount Engagementです。Salesforceとの連携の良さをはじめとして、使いやすく、詳細なシナリオを簡単に組めること、今後もツールとして進化を続けるという期待感もあったことが選択の理由です。
今まで見えなかった顧客の動きやアプローチ方法・履歴が可視化されたことで、リード獲得までのアクションや受注・失注という最終結果から、どのようなタッチポイントからどのようなタイミングで、どのようなアクションを取ると効果的なのかを分析し、アプローチの最適化ができるようになりました。
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顧客管理の自動化により、お客様にとってもストレスフリーな環境へ
同社が運営する海外インターンシップ生限定のコミュニティには約800名が所属、活発に情報交換が行われているものの、サポートは海外への送り出しまでで帰国後には至っていませんでした。この課題を克服できれば、適切なタイミングで就職支援が可能になります。原因は、手作業・手動管理による業務の煩雑さで、顧客にとってもストレスがかかる状態でした。
Salesforceや関連製品の導入により、業務効率と対応クオリティが大きく改善されたそうです。顧客データを一元化したことによる管理工数の削減や進捗管理はもちろんのこと、帰国後の学生と企業との紐づけも容易になりました。また、メールとの連携で重要な情報を「言った・言わない」の水掛け論から回避、オフラインイベントに来場した見込み客に実施したオンラインアンケートで、何らかのアクションがあった学生を追跡可能にするなど、さまざまなことを実現しています。
導入後は、常態化していた残業が削減され、メールチェックの時間は1/3まで下がりました。導入から1年間で新規リードを4300件以上獲得、商談数は2倍、平均商談日数も14日から10日へと短縮するなど、目覚ましい成果を上げています。
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休眠顧客の掘り起こしはツール活用が効率的
顧客に合わせた適切なアプローチを行うためには、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客管理ツール)を活用しましょう。
ご紹介した成功事例のように、顧客データの一元管理や進捗のリアルタイム管理が可能です。顧客に対するアクションやどのようなリアクションがあったかという履歴もデータとして蓄積されていきますので、成約の理由や失注の原因を分析することも、有効な対策を講じることもできるようになります。まずは、デモンストレーションを体験してみてください。
世界No.1CRMに組み込まれたマーケティングオートメーション
- 顧客のあらゆるデータを統合し活用する方法
- リアルタイムに、お客様一人ひとりにパーソナライズした体験を提供する方法
- マーケティングのPDCAを高速化し、意思決定を支援する分析方法
- 顧客の動きを何かしらの方法で捉えたい
- デジタル上で購買意欲を促す方法を知りたい