顧客情報とは?一元化の重要性と管理に役立つ5つのツールを紹介
顧客情報とは、顧客に関するあらゆる情報のことです。顧客情報を管理しておくと、さまざまメリットを得られます。本記事では、顧客情報の一元化の重要性と管理に役立つツールを紹介します。
顧客情報とは、顧客に関するあらゆる情報のことです。顧客情報を管理しておくと、さまざまメリットを得られます。本記事では、顧客情報の一元化の重要性と管理に役立つツールを紹介します。
顧客情報とは、名前や属性、行動履歴など企業が保持する顧客に関する情報です。顧客情報を分析すると、顧客のニーズにマッチしたマーケティング施策や営業活動を展開できます。
ただし、部門ごとに別々のシステムを活用していると顧客情報が分散され、情報が欠けた状態でニーズを分析することになるため、顧客に寄り添ったアプローチが難しくなります。顧客ニーズに沿った施策を展開したい場合、社内の顧客情報を一元管理し、部門をまたいで統合的に活用できる環境を構築したいところです。
本記事では、顧客情報の管理項目例と一元化の重要性を解説します。顧客情報の集約・統合のためには、統一された情報基盤システムの導入が必要です。顧客情報の管理に活用できるシステム・ツールも紹介しているので、社内で顧客情報が分散されてしまっている企業さまは、ぜひご一読ください。
CRM (顧客管理システム) は自社にも必要なのか?CRM導入の正しい進め方が分からない... そんな疑問・不安を抱えている皆様に経営改革の新たな一手としてのCRM活用をご紹介いたします。
顧客情報とは、顧客に関連するあらゆる情報を指します。氏名や住所のような基本情報に加えて、購入や問い合わせなどの行動履歴も顧客情報のひとつです。
顧客情報には明確な定義がなく、企業によって管理する項目は異なります。たとえば、BtoB向けの商品を取り扱う企業では、以下のような項目を管理しているのが特徴です。
一般の顧客を対象にするBtoC企業であれば、以下のような情報を管理しています。
自社で収集すべき情報が何かを慎重に検討し、必要な顧客情報を明確にしたうえで管理することが重要です。
一般的に管理すべき顧客情報の項目は、ビジネスモデルや企業の種別によって異なるため、以下の2つに分けて管理項目例を紹介します。
顧客情報の管理を見直す際は、自社の商品やサービスに合っているか、必要な情報を収集できているかなどを確認してみましょう。
企業向けの商品・サービスを提供するBtoB企業の場合、顧客情報の主な管理項目例は以下のとおりです。
| 主な管理項目 | 詳細項目 | 管理するメリット |
|---|---|---|
| 企業情報 | ・企業名 ・企業の所在地 ・業種 ・代表者名 ・資本金 ・設立年 ・社員数 ・ホームページのURL ・SNSのアカウント |
長期的な関係構築に役立つ |
| 問い合わせ履歴 | ・問い合わせ日時 ・問い合わせ内容 ・対応状況 ・対応履歴 |
顧客満足度を向上させる施策に活用できる |
| 商談履歴 | ・商談日時 ・担当者 ・取引先の担当者 ・商談内容 ・受注確度 |
適切なフォローアップに役立つ |
| コミュニケーション履歴 | ・メルマガの配信履歴 ・メルマガの開封履歴 ・その他方法でのコミュニケーション履歴 |
効果的なマーケティング戦略・施策の立案に活用できる |
| 購入履歴 | ・商品名(契約内容) ・単価 ・個数 ・購入金額 ・購入日(契約日) ・納入日 |
ニーズに合わせた提案に役立つ |
一般顧客向けの商品・サービスを提供するBtoC企業の場合、顧客情報の主な管理項目例は以下のとおりです。
| 主な管理項目 | 詳細項目 | 管理するメリット |
|---|---|---|
| 個人情報 | ・氏名 ・生年月日 ・居住地(住所) ・性別 ・職業 ・家族構成 ・連絡先 ・SNSアカウント ・趣味 ・顧客ランク |
顧客分析に役立つ |
| 問い合わせ履歴 | ・問い合わせ日時 ・問い合わせ内容 ・対応状況 ・対応履歴 |
顧客満足度を向上させる施策に活用できる |
| コミュニケーション履歴 | ・メルマガの配信履歴 ・メルマガの開封履歴 ・その他方法でのコミュニケーション履歴 |
効果的なマーケティング戦略・施策の立案に活用できる |
| 購入履歴 | ・商品名(契約内容) ・単価 ・個数 ・購入金額 ・購入日(契約日) ・納入日 |
ニーズに合わせた提案に役立つ |
BtoC企業では顧客数が膨大になりやすいため、顧客情報管理システム(CRM)を活用すると効率的に顧客情報を管理できます。
営業やマーケティングなど部門ごとに顧客情報を管理しているケースもありますが、顧客分析を行う際に、欠損した情報を用いると効果的な戦略・施策の立案につながりません。
顧客分析の精度を向上させ、適切な戦略・施策を立案するためには、企業内のすべての顧客情報を一元化する必要があります。
ここでは、顧客情報の一元化の重要性について理解を深めていただくために、一元化のメリットを5つ解説します。
顧客情報の管理体制を見直し、企業の成長につながる戦略・施策の立案に活用しましょう。
顧客管理の重要性は、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
統合された顧客情報を活用した顧客分析で顧客ニーズを正しく把握できると、各部門は顧客に寄り添ったアプローチを選択できるようになります。
たとえば、マーケティング部門が獲得・育成した見込み客に対し、営業部門が適切なタイミングで営業をかけられるようになると、受注率を向上させられます。ただし、情報の統合だけでなく部門同士の連携が不可欠です。
顧客情報の一元化と部門の連携が実現できれば、効率的に目標を達成できるでしょう。
目標達成までのプロセスでは、課題発見が迅速化され、改善までのPDCAを回すスピードの向上も期待できます。
社会や市場の変化スピードが速い昨今、企業として成長し続けるためには、顧客情報の一元化によって、顧客分析と商品・サービスの改善をスピーディーに繰り返すことが重要です。
顧客情報を一元管理すると、個々の案件から精度の高い売上予測をはじき出せるため、データに基づく正しい意思決定を行えるようになります。
また、顧客情報を基にした顧客分析で、カスタマージャーニーの作成や経営戦略の策定も可能です。
顧客情報をはじめとするデータに基づく意思決定は、正確性を高めるだけでなく、迅速化にも寄与します。顧客情報の一元管理は、データドリブン経営においても重要です。
データドリブン経営に興味がある方は、以下のガイドもご覧ください。
顧客情報を一元管理することで、情報の質や検索性が向上し、営業活動やマーケティング活動を効率化できます。
たとえば、営業部門では担当者ごとに顧客情報を管理しているケースがあり、属人化しやすい傾向があります。部門内・社内で顧客情報が分散していると、情報が欠けていたり検索に時間がかかったりと業務効率が下がるわけです。
顧客情報を一元管理できると、こうした課題を解消し、業務効率を向上させられます。
なお、より業務を効率化させるためには、顧客情報を集約・管理できるCRMの活用がおすすめです。CRMで、業務の効率化・生産性の向上を図りたい方は、以下のガイドを参考にしてください。
CRMやSFAなどを活用して顧客情報を一元管理すると、部門内・社内の情報共有を迅速化できます。
また、リアルタイムで最新情報を確認できるため、課題の発見や改善までのプロセスも従来よりスピード感をもって進められるはずです。
最新の顧客情報が常に共有された状態だと、担当者が不在のときも、応対品質を保ったまま対応できます。業務が属人化しやすい営業部門ではとくに、担当者にかかる負担の軽減にもつながるでしょう。
顧客情報を一元管理する手順は、以下のとおりです。
顧客情報の一元管理を実現するためには、ツールの導入だけではなく、情報の整理や社内体制の構築までを段階的に進めることが重要です。
まずは、社内に散在している顧客情報の棚卸しです。
営業部門の商談履歴、マーケティング部門の見込み客データ、サポート部門の問い合わせ履歴など、各部門が保有する情報をすべてリストアップしましょう。
エクセルや名刺、メール、紙の資料など、保存形式を問わず漏れなく洗い出すことが重要です。
どの部門にどのようなデータがあるかを可視化することで、統合に向けた全体像を把握できます。棚卸し結果は、次のステップで管理項目を選定するときの基礎情報になるので、時間をかけて整理しましょう。
次は、棚卸しした情報を統一フォーマットに整理するステップです。
全角・半角の違いやスペースの有無など、部門ごとにバラバラな表記ルールを統一します。
同一顧客の重複データは名寄せして正確な情報に整理し、管理項目は業務に必要なものだけに絞り込むことで、入力・管理の負担を抑えることが可能です。
あわせて、欠損値の補完や誤字の修正といったデータクレンジングを行い、データ品質を高めておくと、次のステップへの移行がスムーズになります。
データの整理が完了したら、CRMやSFAなどの統一プラットフォームへ顧客情報を移行します。
既存の基幹システムやMAツールとデータ連携させることで、部門間でリアルタイムに情報を同期でき、誰でも最新の顧客情報にアクセスできる環境を構築することが可能です。
ツールの選定にあたっては、自社の規模や業務フローに合った製品を選び、既存システムとの連携可否も事前に確認しておきましょう。
ツールを導入したら、継続的に活用できる運用体制を整えましょう。
顧客情報の入力・更新ルールを全社で統一し、運用ガイドラインとして明文化することが大切です。
営業・マーケティング・サポートなど各部門が同じ顧客データを参照できるよう、役割に応じたアクセス権限の設定も忘れずに行ないます。
定期的なデータ品質のチェックと改善の仕組みを作っておくと、一元管理の効果を長期的に維持できます。
顧客情報を一元管理するためには、統一された情報基盤となるシステムやツールの導入が効果的です。
以下に、顧客情報の管理に役立つ5つのツールの特徴をまとめました。
| ツール | 主な用途 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| CRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム) | 顧客情報の蓄積・管理 | ・顧客・見込み客の情報を一元管理できる ・インサイドセールスやマーケティングにも活用できる ・さまざまなシステムと連携し情報を統一IDで管理できる |
SFAやMAと連携しないとマーケティング・営業活動の効率化には限界がある |
| SFA(Sales Force Automation:営業支援システム) | 営業活動の記録・可視化 | ・顧客の基本情報から商談履歴まで管理できる ・営業活動の進捗を可視化し効率化できる ・営業部門が主体の中小企業では基幹システムとしても活用できる |
マーケティング機能は限定的でMAとの連携が必要になる場合がある |
| MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション) | 見込み客の獲得・育成 | ・見込み客の基本情報や行動履歴を管理できる ・顧客のスコアリングや分類が可能 ・メールマガジンの一斉配信などマーケティング活動を自動化できる |
営業活動の管理には不向きでCRMやSFAとの連携が必要 |
| 名刺管理ツール | 名刺情報の管理・活用 | ・社員が交換した名刺情報を一括管理できる ・名刺情報に案件情報を紐づけて管理できる |
CRM・SFA・MAと比べると機能がシンプルで顧客情報管理に特化している |
| エクセル・Googleスプレッドシート | 顧客リストの作成・管理 | ・手軽に導入でき小規模な顧客情報の管理に向いている ・専用ツールなしで今すぐ始められる |
・膨大なデータの管理や高度な分析には不向き ・業務拡大に伴いCRMなどへの移行を検討する必要がある |
AIの進化により、顧客データの分析や営業活動の自動化が飛躍的に進んでいる今、ツール選びの基準も変わりつつあります。
そこで、ここからはAI時代に適した顧客情報管理ツールの条件を紹介します。
なお、以下の記事ではAIを搭載したCRMについて詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
従来型のツールでも予測・分析はできますが、扱えるデータ量に限界があります。
AIを搭載したツールであれば、膨大な顧客データをリアルタイムで処理しながら、全社の売上予測だけでなく、個人・チーム・購買プロセスごとの詳細な数値予測まで実現できます。
大量のデータを処理できるからこそ、顧客スコアリングによる成約確度の自動判別や、既存顧客の共通パターンから新規ターゲットを提案するといった機能も高精度で動作します。
蓄積される顧客情報が増えるほど精度が上がるため、長期的に活用価値が高まる点もAIならではの特徴です。
分析結果を出すだけでなく、そこから先のアクションまで自動化できるかどうかも重要な選定基準です。
顧客データをもとにしたメールの作成・配信や、商談記録の文字起こし・営業日報の自動生成まで対応していると、これまで事務作業に費やしていた時間を顧客対応や商談に充てられます。
担当者のやり方に依存しがちな営業活動を仕組みとして回せるかどうかは、ツール導入後の定着にも影響を与えるでしょう。
「個人情報をAIに読み込ませて大丈夫か」という懸念から、社内でのAI活用がなかなか進まない企業は少なくありません。
個人情報を自動でマスキングしたうえで分析を実行できるツールであれば、セキュリティへの不安を理由にAI活用が止まる状況を防げます。
ツールを選ぶ際は、こうしたセキュリティへの配慮がどこまでなされているかを確認しておきましょう。
生成AIを活用するツールを選ぶ際は、企業データの取り扱いポリシーを必ず確認しましょう。
顧客データをサードパーティのAIモデルに保存しない設計かどうかは、情報漏えいリスクの観点から見落とせません。
このとき、外部保存の可否を企業側で設定・切り替えられる仕組みがあるかどうかも確認しておきましょう。
データの所有権と管理権限が常に自社側にあるかどうかが、現場が安心してAIを活用できる環境かどうかの判断基準になります。
General Mills社は、小売店経由での販売が中心であるため、消費者と直接関係を構築しにくい状況が課題でした。購入データやレシピ閲覧履歴といった顧客情報は蓄積されていたものの、データが各プラットフォームに分散しており、消費者一人ひとりに最適化されたアプローチができていなかったのです。
そこで同社は、Data 360(旧:Data Cloud)で購入データ・レシピ閲覧履歴・ロイヤルティプログラムのデータを統合。SalesforceのAIが食の好みや家族構成、地理情報をもとに分析し、その結果をもとにAgentforce Marketing(旧:Marketing Cloud)で個別に最適化されたレシピや製品レコメンデーションを最適なタイミングで自動配信する仕組みを構築しました。
この取り組みにより、消費者エンゲージメントは3倍に増加しました。既知サイトユーザーは前年比170%増加し、「今すぐ購入」のクリック率は40%向上、ペイドメディアでは何百万ドルものコスト削減を実現できたのです。
各部門で個別に顧客情報を管理していると、欠けた情報をもとにした分析やアプローチになるため、戦略・施策の効果を最大化できません。分散している顧客情報を一元化し、完全な状態で管理することで、顧客分析の精度向上と最適なアプローチの選択を実現できます。
また、顧客情報は蓄積するだけではなく、AIで分析・活用してこそ価値が高まります。ツールを選ぶ際は、一元管理の機能だけでなく、AIによる予測・分析やアプローチの自動化、セキュリティへの対応まで備えているかどうかも確認しておきましょう。
Salesforceでは、AIを搭載した『Agentforce Sales(旧:Sales Cloud)』や『Agentforce Service(旧:Service Cloud)』、マーケティング活動をサポートする『product.aentforce Marketing』、社内に散在している顧客情報の一元化に役立つ『Data 360』など、さまざまなツールを提供しています。
お客さまの課題をおうかがいしたうえで、解決に役立つツール・システムをご案内いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
「CRM」とは顧客や見込み顧客との関係ややりとり、すべてを1か所で管理するテクノロジーです。CRMが必要な企業の特徴や理由、CRM戦略の立て方から適切なCRMの見極め方までご紹介します。