やがて優良顧客に育つ金の卵、MQLとは?

更新日:2021.9.2
マーケティングやセールスの現場で使われている「MQL」という言葉。これは見込み顧客、つまりリードを指すものですが、もう少し具体的な意味合いを持っています。 この概念を基に営業プロセスをとらえ直してみると、マーケティングとセールスの連携を高め、業務の効率化を果たすことができます。ここではMQLの基礎知識を解説します。

MQLはマーケティングが創り出すホットリード

多くの企業では、さまざまな方法で収集した見込み顧客(リード)の情報を、日々の営業業務に活用しています。しかし、それらのリードは決して均質ではなく、自社との接触チャネルや購買意欲などに大きな違いがあります。
そこで必要となるのが、リードを分類するという発想で使われているMQLという概念です。

MQLとSQLの違い

MQLと似た言葉に、SQLという概念もあります。この2つには、どのような違いがあるのでしょうか。

MQL(Marketing Qualified Lead)は、リードの中でも、マーケティング部門によって作られたホットリードを指します。展示会や見本市で集めた名刺、セミナーへの参加者、ウェブ上での資料のダウンロードなど、マーケティング活動の結果得られた母集団のうち、ナーチャリングによって、自社製品に一定以上の興味を持つまでに至ったリードとなります。マーケティング部門は、MQLとなったリードをセールス部門に引き継ぐことになります。
MQLは、自社製品を使いたい、導入したいという意欲は多少あるものの、まだ十分ではありません。そのため、受注までには時間がかかりやすいものですが、うまくニーズを顕在化できれば、付加価値の高い提案が可能です。

MQLがマーケティング発のリードであるのに対し、SQL(Sales Qualified Lead)は、セールス部門がセールス対象となりうると判断したリードを指します。
「この製品をこれだけ使いたい」「この機能をこのように使えるか?」という問い合わせが来た場合は、すでにニーズが顕在化しており、導入・購入時期も決まっていることが多いものです。そのため、何度もやりとりする必要がなく、短期間で契約に至ることができるのが特徴です。
半面、すでに顧客側で必要な機能や仕様が明確になっていて、競合との価格競争になりえるという面もあります。

リードを介して起こる、マーケティングとセールスの衝突

先ほどご説明したとおり、MQLは、自社の製品やサービスに対する興味はあっても、購買意欲がまだ十分とはいえない状態です。そのため、スムーズに成約に結びつかず、購買意欲をさらに高めるための手間がかかります。
結果、セールス部門は「もっと確度を高めてから引き渡してくれよ」と不満を口にし、マーケティング部門は「せっかく渡したリードなんだから、クローズまでがんばってほしい」とヘソを曲げてしまいます。

こうしたセールス部門とマーケティング部門の衝突は少なくないようですが、その要因として、セールス部門とマーケティング部門双方のMQLに対する認識がずれていることが挙げられます。 セールス部門とマーケティング部門がスムーズに連携するためには、MQLに対する理解を持っておくことが重要です。

なぜMQLという概念が必要なのか?

それでは、なぜMQLという概念が必要なのでしょうか。リードをMQLにして、セールス部門に引き継ぐことで、どのようなメリットが生まれるのかということについてふれておきましょう。

セールス部門の作業負荷が軽くなる

マーケティング部門は、リードにアプローチするさまざまなチャネルを持っています。それらのチャネルを通じて育成し、MQLとしてセールス部門に引き継いだらどうでしょう。すでにある程度の購買意欲を持った顧客であれば、スムーズに商談に入ることができます。つまり、本来のコア業務に集中できるのです。

しかし、マーケティング部門からパスされたリードの中に、購買意欲がまったくないリードも混在していると、セールスはどうしても工数が少なくて済むような、わかりやすい問い合わせの案件を優先してしまいがちです。すると、マーケティング部門から引き継がれたリードの多くは後回しにされ、そのまま離脱して競合他社に流れてしまう可能性も出てくるのです。 こうした事態を防ぐためには、マーケティング部門によるMQLへの育成が大いに役立ちます。

MQLの扱いで、マーケと営業の連携が高まる

リードをMQLに育てるまでがマーケティング部門の作業範囲で、そこから先はセールス部門の領域。そうした線引きを明確にしておけば、それぞれの部署が衝突することも少なくなるはずです。作業領域を理解した上で、それぞれの業務に集中できるようになるでしょう。
なお、MQLの定義には、部門間での合意が重要です。マーケティング部門でどこまでのナーチャリングが可能か、リードがどのような状態になったらMQLとしてセールス部門に引き継ぐべきか。その境界を最初から完全に決めることは難しいでしょうから、何度か試行錯誤してみて、妥当なラインを導き出していきましょう。

参考:リードナーチャリングとは?実践的な手法とメリット・デメリットを紹介!

営業効率を高めるMQLの扱い方

ITの進化と普及によって、世の中のあらゆることがスピードアップしています。この環境の中で競合他社と戦い、企業を存続させていくためには、生産性の向上と業務の効率化が必須だということは、今さらいうまでもありません。
ナーチャリングもまた、業務効率化施策のひとつです。景気が急速な右肩上がりで伸びていたり、寡占状態で競合がいない状況だったりしたら、スピーディに売上につながる案件にだけ注目していればいいかもしれません。しかし、そうした状況にないなら、リードを将来の優良顧客へと育て、効率良く売上に結びつけていくことも必要です。

リードをMQLにするためのアプローチ

リードは最初の段階では、購買意欲がそこまで高まっていないのはもちろんのこと、自社製品の機能や性能、価格、実際の効果などに関する情報が不足している状態です。ですから、必要になる情報をこちらから相手にタイミング良く提供し、情報不足を解消するとともに、購買意欲を次第に高めていくのです。

相手との接点はさまざまです。オフィシャルサイトのブログ記事、メールマガジン、SNSでの発信のほか、相手が興味をそそられるテーマとキーパーソンを用意したセミナーや、展示会などもあるでしょう。あらゆる接点を使い、情報と知識を与えていきます。

一般的に、ナーチャリングと呼ばれるこの活動を継続することで、リードは十分な知識と情報を得られます。「この製品を使えば、我社のこの課題を解決できそうだ」というところまで購買意欲が高まったところで、営業にパスするのです。 このように、リードへのアプローチは、ナーチャリングを通じてMQLへと移行させることが、その基本となります。

MQLだと判断する、精密なスコアリング

ナーチャリングの方法は各種ありますが、問題はナーチャリングによってリードがMQLへと変化したタイミングを、どうやって計るのかという点です。その手法のひとつとして、スコアリングが使われます。
リードへのアプローチに活用されるツール、MA(マーケティングオートメーション)には、さまざまなスコアリング機能が備わっています。この機能を使って、リードの行動一つひとつに対して点数をつけていき、一定の点数に達したところでMQLに変化したと見なすこととします。

たとえば、リードがウェブサイトへの訪問やメールマガジンの開封、資料のダウンロードなどの行動を起こすと、その内容によってポイントが加算されていきます。そして、一定以上のスコアに達したら、MQLへと移行したとします。
このスコアリングをどのように設定するかは、商材や企業によって変えていくべきですから、ある程度の試行錯誤は必要でしょう。また、「資料をダウンロードした後、ウェブ訪問がなくメールも開封されない」というような場合には、マイナスポイントをつけるというやり方もあります。

離脱したMQLには、時間をおいて再アプローチする

私たちは未知のものについて知りたいと思うと、真っ先にウェブ検索を使います。花の名前、外国の都市、歴史的な出来事など、大抵の事柄はネット上で誰かが記事にしていますし、知りたいことのほとんどはそれで知ることができます。
これは、ビジネスにおいても同様です。将来の顧客であるMQLは、必要であれば自分自身で情報を取り寄せ、比較・検討することができます。ですから、MQLがみずから情報を集めて、直接問い合わせてくることは十分考えられます。

また、「今すぐ必要ではないから」と購買意欲が低かったリードが、時間とともに「そろそろ導入に動かなくては」と、腰を上げるということもあるでしょう。
MQLのまま離脱、あるいはSQLにまで至らなかったMQLであっても、時間とともに状況が変わることはあります。ここに再アプローチをかけることで、獲得したリードを最大限に活かすことができるのです。

 
 

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きめ細かなリードへのアプローチで利益を最大化する

従来の営業プロセスでは、見込み客とひとくくりにされてきたリード。しかし、リードナーチャリングの観点から見れば、リードをいかにしてMQLに引き上げるかが重要な課題です。 企業にとってMQLは金の卵。マーケティング部門とセールス部門がうまく連携しながら適切なアプローチで優良顧客へと育て、利益の最大化を図ってください。
 

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