CRMの導入・定着に失敗する、これだけの理由

投稿日:2020.5.19

CRMの導入にあたっては、事前の準備とともに導入後の運用が大切です。ここを軽視してしまうと、「導入はしたけれど、たいして使われないまま放置されている」ということにもなりかねません。

ここでは、CRMの導入・定着に失敗しないよう、失敗が起きてしまう原因と、どうすれば失敗を避けることができるのかについて解説します。

CRMの導入時にありがちな失敗例

「せっかくCRMを導入したのに、あまり使われていない」「機能をうまく活かせていない」といった現象に、悩まされているマネージャーは意外と多いのではないでしょうか。

CRMは決して安価なツールではありませんし、毎日の業務の中で使いこなし、蓄積された情報を活用してこそ真価を発揮します。ですから、「うまく使われていないな」と感じたら、その原因を突きとめ、改善しなくてはなりません。

まずは、考えられる失敗の原因をいくつかご紹介します。

導入前の準備が十分でない

時として、「CRMを入れること」が目的になってしまっているケースが見られます。このような場合は、大抵失敗してしまいます。

CRMの導入にあたっては、「導入の目的を明確にする」「どんな機能が必要かを洗い出し、製品を選定する」「導入の規模やスケジュールを検討し、体制を整える」など、事前の準備がとても大切。ここで手を抜いてしまうと、後になって現場が混乱したり、CRMの機能を活かせなかったりしてしまいます。

あまり深刻に考え込むことはありませんが、何の準備もなく使い始めても良い結果は得られません。まずは情報を集めて検討し、デモ版を試用してみるなど、必要充分な時間をかけて準備しておきましょう。

導入を推進するリーダーがいない

CRMを導入し、その活用を定着させるまでのあいだには、さまざまな作業が必要です。セールス部門だけでなく、マーケティングやサポートセンターとの連携も必要ですし、問題が起きたときにどう対処するか、体制づくりも必要でしょう。そのためには、CRMの導入を推進するリーダー役が欠かせません。また、推進するチームには、現場の声をフィードバックするユーザー側のメンバーも入れる必要があります。

会社の方針としてCRMを導入するにしても、使用状況をチェックしたり問題の解決を図ったりする管理者が現場にいないと困ったことになります。個々の自主性に任せてしまっては、効率的なワークフローが構築できませんし、蓄積されるデータも統合性のないものになってしまいます。これではまさに、宝の持ち腐れになってしまいます。

 
 
 
 
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導入後、現場にCRMが定着しない理由

さて、CRMの導入まではうまくいったものの、その後の運用でつまずいてしまう…というケースも多く見られます。この場合も導入時と同様、さまざまな要因が考えられますから、状況に応じた改善策を打っていくことが大切です。

「何の役に立つのか」がわからない

会社の方針だというから使っているけど、CRMっていったい何の役に立つの?――現場のメンバーから、このような声が漏れることがあります。これは、導入前の「目的を明確にする」「推進リーダーを立てる」という準備が不十分だったために、現場が導入の意味を理解できずに起こることです。

 

こうした空気が現場に広がると、なかなか活用が進みません。対策としては、まずCRM導入の意味を社内研修などで周知することです。メンバー間でのリアルタイムの情報共有や、外出先からデータの入力・確認ができるので業務の効率化が図れ、本来の業務に集中できるなど、メンバー個人にどのようなメリットがあるかを訴えてみるのもいいでしょう。

また、ダッシュボードといったCRM導入後の成績を可視化できるしくみを作り、定期的に公開し、その成果を実感してもらうのもひとつの方法です。

入力作業の負荷が大きい

「せっかくCRMを使うのだから、できるだけたくさんの情報を入れておこう」と考える人は多いものです。確かに、情報量は多いほうが後で役に立ちますが、そのために入力作業が過大になってしまっては、日々の業務に支障をきたします。ですから、CRMへの入力項目については、スタート前に十分検討して絞り込んでおくべきでしょう。

CRMは一度情報を入力しておけば、その情報をさまざまな形で出力できます。見積書や請求書、さらには出荷伝票なども、個別に作る必要がありません。得意先を訪問して商談結果を書き込んでおけば、それがそのまま営業日報にもなります。

また、名刺管理アプリなどをCRMと連携させることにより、顧客データを簡単に取り込むこともできます。

CRMを導入すると、いらぬ入力作業が増える…という誤解はまだ根強いようですが、それは反対です。うまく使えば業務全体の入力作業を、大きく削減することができるのです。

既存のワークフローになじまない

CRMを導入すると、多少なりともそれまでのワークフローを変更する必要が出てきます。これに対して現場からは、「ツールの使い方を覚えるのが面倒」「慣れていないから、かえって時間がかかる」「うまく使えないからわずらわしい」など、さまざまな抵抗が起こるものです。

しかし、これらのデメリットよりも、CRMを使うことで得られるメリットのほうが大きいということをひとりひとりに理解してもらえば、こうした声は自然と減っていきます。

また、CRMを使わないと業務が進まないというワークフローを設定してしまうのも、ひとつの方法です。状況に応じて対処してください。

データの活用がなされていない

データの活用がなされていない理由の中には、「活用の仕方がわからない」というケースが多いのではないでしょうか。しかし、この状況を放置していては、無駄な入力作業が続くだけになってしまいます。

ですからまず、業務上の課題をピックアップし、どんな分析を加えればいいかを考えてみましょう。たとえば、成約率を高めたいなら、営業プロセスの各段階を数値化し分析すれば、どこにボトルネックがあるかがわかります。また、成績の良いメンバーの行動パターンを分析しチームに適用することで、チーム全体の営業力を底上げすることもできます。

それとは別に、どのような課題についてどのような分析をするかという点も、社内共通のルールを決めておいたほうがいいでしょう。分析で使われる指標には多くの種類があり、目的によって使い分けが必要です。分析結果の統一性を図るためにも、どのような指標を追っていくかを決めておくべきでしょう。

部門間での情報共有ができていない

情報共有がうまくできていないことは、各部門間での連携の問題でもあります。

CRMは単なる顧客台帳ではなく、顧客との関係を良好に保つためのツールです。その特性を活かすには、顧客と直接関係を持つ各部門が、しっかり連携することが必要です。

たとえば、顧客から何らかのクレームがサポートセンターに入った場合。その情報がセールス部門と共有されていないと、フォローアップが後手に回ってしまいます。最悪の場合、担当営業がクレームの内容を知らないまま顧客訪問してしまうことにもなりかねません。こんなことになれば、顧客からは「あの会社はどうなってるんだ」と呆れられ、信用を落としてしまうでしょう。

こうしたことのないよう、関連部門同士で常に最新の情報を共有しておき、必要なら注意を促すアラートを出すなどのしくみを用意しておきましょう。

相談や問い合わせ窓口がない

それまでなじみのなかったCRMを導入すると、あちこちでさまざまな問題や疑問、悩みが生まれます。そんなとき、相談窓口がないと「誰に聞けばいいのかわからない」ということになり、問題が放置されたままになってしまいます。ですから、相談窓口は必ず設け、担当者を選任しておきましょう。

もちろん、担当者とはいえ専門家ではないのですから、CRMとその運用のすべてを知っている必要はありません。できる範囲での知識に加え、回答が難しい場合には「何を参照すればいいか」「どこに問い合わせればいいか」を知っておけばいいのです。

日常的な操作や運用については、それぞれマニュアルを作成しておけばいいですし、そこに記載のない問題であれば、内容を整理した上でベンダーのサポートデスクやユーザーコミュニティに問い合わせてみましょう。

失敗の回避と早期の改善でCRMの定着を図ろう

新たなシステムやツールを導入すると、現場には大小の混乱が起こるものです。それを完全に防ぐことは難しいでしょう。しかし重要なのは、失敗や問題の発生を事前に避け、あるいは早期に解決・改善することです。

CRMの活用が現場に定着すれば、業務効率は見違えるほど変わります。そのためにも、ここで挙げたポイントに注意して、スムーズなCRMの導入と定着を図ってください。

 

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