問い合わせ管理とは?必要な3つの理由と成功させるポイントを解説

 
最終更新日:2024.5.29

コールセンターに寄せられる顧客からの問い合わせは、蓄積して管理しておくことで、よりスピーディできめ細やかな顧客対応に貢献してくれます。ひいては、顧客満足度の向上にもつながります。それでは、どのように問い合わせ管理をし、活用すればいいのでしょうか。

ここでは、顧客満足度の向上を目的とした、問い合わせ管理の基礎知識を解説します。

 
 
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問い合わせ管理とは、企業にとって顧客からの貴重なアクション

日々、コールセンターに寄せられる顧客からの問い合わせ。それは、企業にとって顧客からの貴重なアクションです。そのアクションに的確に応え、満足のいく結果を提供できれば、顧客は自社に好感を持ち、今後も利用してくれるでしょう。しかし、問い合わせへの対応に漏れや遅れ、不備があったら、自社のイメージを落とすことになってしまいます。
そのために欠かせないのが、コールセンターにおける問い合わせ管理です。

問い合わせ管理が必要な3つの理由

顧客からの問い合わせを、漏れなく記録・管理して適切に対応する。それが、問い合わせ管理の基本です。その大きな目的は顧客満足度の向上にありますが、さらに具体的に考えていくと、なぜ問い合わせ管理が必要なのか、いくつかの理由が見えてきます。

<問い合わせ管理が必要な3つの理由>

  • 対応漏れや二重対応を防ぐため
  • 現状をチーム内で共有するため
  • 担当者不在時の対応のため

対応漏れや二重対応を防ぐため

リアルタイムのやりとりである電話の場合、顧客の問い合わせはその場で解決を図るのが基本です。しかし、時には詳しく調査して、折り返し電話を入れるというケースもあります。この、顧客への折り返しを忘れてしまったら、どうなるでしょうか。
また、メールでの問い合わせに対して、すでに対応済みであるにもかかわらず、重複して回答メールを送信してしまったら、顧客はどのように感じるでしょうか。
いずれの場合も、顧客に良い印象を持たれることはないはずです。こうしたことを避けるためには、問い合わせ管理が必須なのです。

現状をチーム内で共有するため

顧客からの問い合わせに対して、すでに処理済みなのか対応中なのか。個々の問い合わせのステータスや内容がオペレーター間で共有されていないと、やはり対応漏れや二重対応が起こってしまいます。
ですから、すべてのチャネルから入ってきた問い合わせを部内で共有し、全員が確認できる環境を作っておく必要があるのです。

担当者不在時の対応のため

コールセンターのオペレーターは、シフト制をとることが多いものです。そのため、社内確認中などの理由で保留中の問い合わせについては、交替の際に確実に引き継ぎをしなくてはなりません。
こうした場合にも、万全の管理体制ができていれば、決められた場所にあるファイルを確認するだけで、問い合わせ内容や現在のステータスを確認することができます。また、担当者が休憩などで不在の際にも、ほかのスタッフが適切に処理することが可能です。
 
 
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問い合わせ管理を成功させる5つのポイント

問い合わせ管理の方法は様々です。標準化されたフォーマットに内容を記入していくアナログな方法もあれば、ビジネスソフトを流用する方法、高機能な管理ツールを使う方法など、企業によって異なるでしょう。
しかし、どのような方法をとるにせよ、押さえておくべきポイントがいくつかあります。それをクリアした上で、自社に適した方法で管理するといいでしょう。

<問い合わせ管理を成功させる5つのポイント>

  • 顧客名ごと管理する
  • 対応を時系列で一覧する
  • 顧客を待たせない仕組みを用意する
  • 適切なツールを活用する
  • 運用ルールを決めておく

顧客名ごと管理する

ある顧客について、過去にどのような問い合わせが入ったか。こうした顧客ごとの管理は、問い合わせ管理の基本です。
顧客からの問い合わせは、内容によっては一度で完結するとは限らず、複数回にわたることもあります。そんな時、これまでのやりとりを確認することができれば、よりスムーズな対応が可能となるでしょう。
また、過去にどのような問い合わせが多かったのか、その傾向を知ることで、顧客が何を求めているのかを推察することもできるはずです。こうした情報は、今後のより細やかな顧客フォローを可能にします。

対応を時系列で一覧する

時系列で問い合わせ履歴を管理できることも、重要なポイントです。短期間のうちに複数回のやりとりを繰り返している場合には、質問と回答の順序が混乱してしまうと、どのような経緯をたどったのか、正しく追跡することができなくなってしまいます。
特に、「最初はメールで問い合わせが入ったが、その後は電話でのやりとりを続けた」というような場合、電話とメールの対応履歴が別々に管理されていると、履歴を追いかけるだけでかなりの手間と時間がかかり、トラブルが起こりやすくなります。
電話、メール、チャットツール、問い合わせフォームなど、顧客との問い合わせチャネルを複数用意しているのであれば、それらを統合して一元管理できる環境を作っておく必要があるでしょう。

顧客を待たせない仕組みを用意する

多くの人は、待つことが苦手です。特に、コールセンターに連絡する顧客は、直面している疑問やトラブルをすみやかに解決するために電話やメールを入れてきます。オペレーターが過去の履歴をチェックしたり、解決策を調べたりするあいだであっても、できるだけ待ちたくはありません。そして、待ち時間が長くなれば、それが顧客のストレスとなってしまいます。

ですから、できるだけ顧客を待たせないよう、仕組みを作っておくことが重要です。たとえば、フォームからの問い合わせやメールが届くと、確認メールが自動送信されるというシステムは、今ではほとんどの企業で使われています。
このような形にしておけば、顧客のアクションに対して反応しつつ、「ちゃんとメールは届いているな」と、顧客を安心させることが可能です。
また、最近ではウェブサイトを訪問した人からの短文の問い合わせに、自動的に応答するチャットボットを導入する企業が増えてきています。顧客を待たせることなく、すぐに質問に答えることもできるというわけです。

適切なツールを活用する

これまでご紹介したポイントを押さえつつ、適切なツールを選ぶことが、問い合わせ管理の重要なポイントになります。どのようなツールが良いか、それはコールセンターの規模や業務体制などによって違ってきますが、自社にマッチしたもの、同時に「問い合わせ管理」という目的に合致したものを選ぶことが大切です。
そうでないと、十分な効果を発揮できず、本来の目的を果たせないということにもなりかねません。

  • スプレッドシート
    スプレッドシートとは、Excelに代表されるような数値データの集計・分析を行う、表計算ソフトのことです。問い合わせごとに、日時、顧客名、担当者名、対応状況のほか、問い合わせの種類とその内容というように、あらかじめ記録する項目を決めておき、フォーマット化したシートに書き込んでいきます。スプレッドシートは誰でも使えますから導入のハードルが低く、しかもコストがほとんどかかりません。
    しかし、「顧客名や時系列でのデータの検索・抽出が難しい」「データが増えてくると処理しきれないケースもある」「Excelの場合はデータ共有に難があり、複数人での利用に向かない」というデメリットがあります。
  • CRM
    CRMは、使い始める前に記録する項目を決め、フォーマットを作るところまではスプレッドシートと同様です。しかし、CRMは蓄積した情報の検索・抽出機能に優れ、顧客名や時系列で情報を並べ替えることが簡単にできます。複数人での共有にも強く、入力したデータはリアルタイムで反映されますから、「どれが最新データなのか?」などと、混乱することはありません。
    元々、CRMは顧客情報を管理するためのシステムであり、その機能の一部として「問い合わせ履歴」のフィールドを設定するというのが本来の使い方です。そのため、コールセンターへの問い合わせだけでなく、購買履歴や商談の進捗など、顧客に関するあらゆる情報を蓄積し、活用することができます。

運用ルールを決めておく

問い合わせ管理を実践する場合、ツールの選定とともに、運用ルールも決めておくことが大切です。「入力のタイミングはいつか」「メールやチャットでの問い合わせは誰が担当するか」「何度かのやりとりを繰り返す中で、顧客からの回答がない場合にどう対応するか」など、まずは想定できる範囲内で決めておき、必要に応じて追加修正していけばいいでしょう。
いずれにせよ、顧客目線での対応を心掛けることが大切です。

自社に合った問い合わせ管理を行い、顧客満足度を追求しよう

顧客からの問い合わせをきちんと記録し、適切な対応を行っているかどうかをチェックする問い合わせ管理。
そのやり方は、企業や取り扱う製品・サービスによって異なります。自社に合った管理システムを構築して、きちんと問い合わせ管理を行うことが大切です。そうすることで、自然と顧客満足度の向上も目指すこともできるでしょう。
 
 
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