エンゲージメントとは?企業と従業員の関係を強化することの重要性

投稿日:2021.11.26
従業員エンゲージメントを高めると、企業は強さを発揮する――こうしたことが、近年いわれるようになりました。
そもそも、エンゲージメントとはどういったもので、向上させることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、エンゲージメントの基礎知識を解説します。

エンゲージメントとは企業と従業員との関係性を表すもの

近年、ビジネス用語としてエンゲージメント(engagement)という言葉がよく聞かれるようになりました。ですがこの言葉には、対象によっていくつかの使われ方があります。
元々の英語としての意味では、「約束、誓約、言質」などを表しますが、これは「果たすべき責任を伴う」という、重みのあるニュアンスを持ちます。結婚の約束をエンゲージメントと表現するのは、まさにそうした意味によるものでしょう。そこから、「深い関与、関係性」という意味でも使われています。

この記事では、「従業員エンゲージメント」ともいわれる、企業と従業員との関係性を表すものについて解説します。「従業員が自社に対して感じる信頼や、貢献したいと思う心情」を指しているエンゲージメントは、職場の環境や仕事に対する満足度と密接にリンクし、生産性の高低にも大きな影響を与えます。

企業と顧客を対象とした顧客エンゲージメントというものもある

先程、エンゲージメントという言葉は対象によって意味が変わるとご説明しましたが、「顧客エンゲージメント」と呼ばれる、企業と顧客を対象とした使われ方もあります。
この場合のエンゲージメントとは、顧客がブランドに価値を見いだし、信頼と愛着を抱いて、積極的に「欲しい、使いたい」と望む心情を指した言葉です。競合他社との差別化を図り、売上を確保するためには、この顧客エンゲージメントをいかに高めるかが企業の重要課題となります。

従業員満足度との違いは?

従業員が自社に対して抱く感情というと、「従業員満足度」というものがあります。エンゲージメントは、この従業員満足度とは違うのでしょうか?同じような使い方をされることもあるのですが、両者には明確な違いがあります。
従業員満足度は、就労環境や人事評価、業務内容、待遇など、自社の環境に対して従業員がどれほど満足しているかを示す指標です。つまり、会社が用意し、提供したものに対する従業員の一方的な評価です。
しかし、エンゲージメントは一方通行ではなく、お互いに対する信頼と愛着を指します。会社と従業員の双方が関与し合い、結びつきを強めていくことで生まれるものがエンゲージメントです。

企業になぜ、エンゲージメントが必要なのか?

企業が従業員から信頼され、愛されるというエンゲージメントが、なぜそれほどに必要なのでしょうか?そこには、これからご紹介するいくつかの要因が挙げられます。

人から選ばれる企業である必要性が強まったため

これまでのビジネスは、製造業を中心とした第二次産業がその中軸を占めてきました。しかし、インターネットが普及した現在、ビジネスの主役は第三次産業であるサービス業へと移行しています。サービス業は製造業とは異なり、大規模な設備投資や施設の拡充を必要としません。優秀な人材がいれば、さまざまなサービスを提供し、利益を上げることが可能です。反対に、人がいなければどうにもならない――それが、第三次産業の特性ともいえます。

そこで、労働力の確保が企業の重要課題となりました。市場での成功をつかむためには、顧客から選ばれる企業になる必要があり、そのためには人から選ばれ、多くの人材を集められる企業でなくてはならなくなったのです。
企業が就労環境などを整備し、エンゲージメントを重視する背景には、こうした産業構造の変化が理由にあるのです。

従業員にリテンションをかけるため

サービス業中心の産業構造への移行は、就労形態にも大きな変化をもたらしました。年功序列や終身雇用はすでに過去のものになりつつあり、従業員はひとりひとりが自分自身のキャリアパスを描いて、数年ごとに転職していく。それが、当たり前のことになってきたのです。

こうした状況で、企業が優秀な人材を雇用し続けるためには、従業員にリテンションをかけていく、つまり人材を定着させる必要があります。そのために、エンゲージメントが重視されているのです。
また、コロナ禍をきっかけとして普及したリモートワークは、業務効率は高いものの、スタッフ間でのコミュニケーションが希薄化する可能性があり、当然ながら離職のリスクが増大します。こうした意味でも、エンゲージメントの向上が必要性を増してきています。

エンゲージメントの向上によるメリットは?

エンゲージメントが向上すると、企業にはいくつものメリットが生まれます。続いては、エンゲージメントが向上することによるメリットについて解説していきましょう。

業務効率と生産性の向上

業務効率や生産性は、業務プロセスのほか、個人のモチベーションによっても上下します。モチベーションの高い状態とは、企業と従業員のビジョンが一致し、同じ方向を向いていることを認識することでも生まれます。そうした環境の中で成果を生み出すことで、個々の従業員の組織に対する愛着はさらに強まり、仕事や課題に前向きに取り組む姿勢が強化されるというわけです。
個人のモチベーションは個人だけに由来するのではなく、会社とのエンゲージによっても生まれて、強化され、それが業務効率や生産性に表れてきます。

課題解決の促進

従業員のエンゲージメントが高まると、個々人の積極性や従業員同士の協調性も高まります。これは、同じ意識を持つ者同士の連帯感といえるかもしれません。その仲間意識がお互いに頼り、助け合う空気を作り、課題に対してチームワークで向かっていく姿勢を生み出します。
1人では「とても無理だ」と投げ出したくなる難題でも、チームでならば、解決を目指してぶつかっていける。こうした意識が部門全体、さらには会社全体の能力を向上させる原動力となります。

退職率の低下

将来的なキャリアのため、あるいはプライベートの事情のために、退職者が出るのはしかたのないこと。ですが、そうした理由とは別に、コミュニケーションの不足や組織内での孤立、あるいは偏った考えにとらわれてしまい、退職を選んでしまうケースも少なくないはずです。
しかし、強固なエンゲージメントがあれば、そうした事態の多くを避けられるかもしれません。本人が思い悩んでいるなら、同僚や上司がひざを交えて話し合うこともできるでしょう。
今、退職しなくても、現職でできること、学べることはまだ数多くある。それを知ることは、本人にとっても有意義なことであるはずです。

顧客満足度の向上

エンゲージメントの向上によって得られる、従業員ひとりひとりの熱意や積極性は、個々の業務に反映されます。その結果、顧客との関係性も向上し、顧客満足度の向上を果たすこともできるでしょう。
従業員のエンゲージメントは、そのまま顧客とのエンゲージメントにもつながっていくのです。

エンゲージメントを測定する方法

業務効率や生産性にも関係するエンゲージメント。その向上を図る前に、まずは現在のエンゲージメントの高低を測定することが大切です。では、どのようにエンゲージメントを測れば良いのでしょうか。
ここからは、エンゲージメントの測定方法をいくつかご紹介します。

定期的なアンケート調査を行う

従業員への意識調査アンケートは、定期的に行われるのが一般的です。設問作成から自社で行うという企業もあるでしょうし、外部の調査会社に依頼する場合もあるでしょう。あまり質問が多いと実施する側も受ける側も負担が大きくなりますから、質問項目はかなり絞られ、少なくて2〜3問、多くても10問前後という場合が多いようです。
実施頻度は月1回から半年に1回程度で、回数を重ねながらエンゲージメント向上のための施策を打っていき、その変化を追っていきます。ただし、頻度については企業によってばらつきがあり、設問を少なくしてグループウェアで実施する形をとり、毎日のように行うというところもあるようです。
どのような形で行うにしろ、個人を特定できない形で実施することと、回答結果によって人事評価に関わることは一切ないことなど、本音を語れる環境を整えておくことは不可欠です。

調査結果を分析し、対策を立てる

アンケートを実施したら結果を分析し、その良し悪しに応じて対応策を講じていきます。
分析にあたっては、いくつかの指標があります。例を挙げれば、仕事に対する熱意や意欲を測る指標、どのような点にエンゲージメントを感じているかを明確にする指標、さらに総合的なエンゲージメントのレベルを測る指標などです。
これらの指標に沿って結果を分析するのですが、ここまでの作業を社内で行える企業は、あまり多くはないでしょう。ですから、専門の調査会社に依頼し、設問から実施、分析、さらに対応策の提案までを委託したほうが効率的かもしれません。

エンゲージメントを高めるためには?

それでは実際に、エンゲージメントを高めるためにはどうすればいいでしょうか。ここからは、エンゲージメントを高めるための方法をいくつかご紹介します。

従業員の価値観に応える

人はそれぞれに顔形が違うように、考え方も価値観も異なります。仕事に対して企業に対して、さらに自分の現在や将来に対してどのような価値を見いだし、ビジョンを持っているかは、まさに十人十色です。
そうした個人の価値観を知り、その価値観を業務に重ね合わせることができれば、日々の仕事が従業員個人の価値の実現そのものになります。
会社が向いている方向と、従業員個人が向いている方向を合わせる。これは、エンゲージメントを高めるための、重要な一歩となるでしょう。

管理職にマネジメント教育を施す

部下の気持ちを引き立たせ、存分に能力を発揮できる環境を整えるのは、上司の役割です。であれば、現場のエンゲージメントを高めるためには、まず管理職にマネジメント教育を施す必要があります。
一流のスポーツプレーヤーの誰もが、一流の指導者になれるわけではありません。反対に、選手としてはあまり活躍できなくても、指導者として多くの名選手を育て上げる人もいます。それと同じく、管理職に就くのなら、マネジメントの知識や技術が不可欠であるはずです。現場のメンバーの価値観や特性を理解し、向上心を高めるためには、そのための知識や技術が必要になります。

コミュニケーションを促進させる

社内の風通しの良さ、円滑なコミュニケーションは、エンゲージメントを高める重要な要素です。仲間同士でのコミュニケーションはチームワークの促進につながりますし、上司と部下とのコミュニケーションは、個々が抱える問題や疑問の解決に役立ちます。つまり、縦横の両方向にわたる交流が大切ということになります。
風通しの良い組織は、自由な発言ができ、透明性が高いものです。そして、そうした環境でこそ、強固なエンゲージメントを実現できるのです。

エンゲージメントの強化が成果を生む

エンゲージメントの向上は、組織の結束を強化し、個人の業務への積極性を高めるなど、多くのメリットを生み出します。
一般的に日本企業はエンゲージメントが高くないといわれますが、改善の余地はもちろんあります。従業員のモチベーションを引き出し、気持ち良く働いてもらうためにも、エンゲージメントの向上に踏み出してみてはいかがでしょうか。
 

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