CRMとは?機能やSFAとの違い、メリット・活用方法まで

 
2023.4.4
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と言い、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客との良好な関係を構築・促進することを指します。CRMツールの基礎知識からメリット・デメリット、活用方法までまとめました。

CRMとは?

 
CRMとは「Customer Relationship  Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれます。CRMの目的は、顧客との関係性、コミュニケーションを管理し、自社の従業員と顧客との関係を一元的に把握することです。そのためのシステムを「CRMシステム」や「CRMツール」と、かつては呼んでいましたが、現在ではシステムやツールも含めてCRMと呼ばれています。
 
 
 
 
 
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CRMが必要なサインや、なぜCRMで売上や生産性が伸びるのか、CRM戦略の立て方など基礎知識をまとめました。

CRMが生まれた背景と必要性

CRMが生まれたおもな理由は以下の2点です。

  • 顧客ニーズの変化に対応する必要性が増したため
  • 顧客満足度を高め、LTV(Life Time Value)を向上させるため

時代の流れとともに、市場のニーズは目まぐるしく変化していくようになりました。その結果、製品やサービスの陳腐化も同様に加速しました。

企業が新たな顧客をつかみ、つなぎとめておくためには、その時々の顧客ニーズ、さらに潜在的なニーズまでくみ取り対応する必要が出てきたのです。そこで顧客ニーズを分析し、対応するためのツールとしてCRMが生まれました。

CRMとMA、SFAの違いとは?

CRMと関連するツールに「MA(Marketing Automation)」と「SFA(Sales Force Automation)」があります。ここでは各ツールの違いと業務領域を説明します。

MA:効率的なマーケティングを実現する

MAはリード(見込み顧客)の管理やスコアリング、分析レポートといった機能を備えており、マーケティング活動のサポートを得意としています。具体的には、トラッキングデータと自動メール配信機能を使うことで、相手が欲しいと思っている情報をタイミングよく提供し、自社製品に対する興味関心をかきたてる「リードナーチャリング」の効率化が可能になります。

SFA:営業活動の組織化・効率化を担う

SFAは顧客情報や営業ステータスの一元管理、営業メンバーの行動管理、売上管理や予測といった機能を備えており、営業活動の効率化を得意としています。「案件化から受注」に至るまでの活動をデータとして蓄積、分析することで属人化しやすい営業業務の標準化・組織化にも有効です。

CRM:顧客との関係性にフォーカスしたツール

CRMは自社と顧客との関係性を主軸とした顧客情報の管理を目的にしています。機能面において、CRMはSFAと共通点が多いですが、商談・案件を軸とするSFAと違い、CRMは顧客とのコミュニケーションを軸に情報を管理しています。CRMのデータを活用することで、顧客満足度を高め、クロスセルやアップセルの成功率UPが見込めます。

CRMが持つさまざまな機能

CRMには顧客とのコミュニケーションを記録・共有し、お互いの関係性をより強固かつ良好に保つための機能が多数備わっています。ここではその中でも、代表的な4つの機能について紹介します。

  1. 顧客情報管理
  2. 配信機能
  3. 問い合わせ管理
  4. データ分析機能

1)顧客情報管理

顧客情報管理とは、クライアントの基本的な情報に加え、取引や商談の日時、商談内容の履歴情報などを管理する機能です。カスタマイズによって、管理したい項目の追加も可能です。保存された顧客情報は1つのIDに紐づけて管理されます。

2)配信機能

配信機能とは、おもにメールを用いて顧客へ情報発信を行う機能です。単発のメールのほか、メールマガジンやステップメールなども配信できます。また、開封率やクリック率などの検証も可能で、メールによるアプローチの精度を高められます。

3)問い合わせ管理

顧客からの問い合わせ内容を保存・蓄積する機能です。回答漏れや二重対応を防ぐだけではなく、よくある問い合わせをFAQとしてまとめておけば、リソース削減にも繋がります。

4)データ分析機能

蓄積された顧客データをもとに、様々な切り口で表やグラフを作成し、分析結果として表示することができます。具体的には、成約率の高いアプローチ方法の発見や既存顧客の購買傾向の分析などが可能です。
 
 
 
 
 
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CRMが持つメリット

CRMの活用は、営業活動にさまざまなメリットをもたらします。とくにリソースの削減や情報共有に役立つため、新たな取り組みを行いたい場合にもCRM導入は効果的です。代表的なメリットを紹介します。
 

1)顧客情報を一元管理でき、生産性が上がる

CRMに蓄積された情報は、システム上で一元管理され、システムにアクセスできればどこからでも閲覧できます。商談状況をプロセスも含めて記録・管理でき、必要に応じてデータを抽出・分析することで、営業業務の改善や効率化が可能です。

2)情報をリアルタイムで共有できる

CRMに入力された情報は、リアルタイムでメンバー全員に共有されます。つねに最新のデータソースを閲覧できるのはもちろん、顧客との商談状況を即時に把握もできます。たとえば、出先で営業担当が入力した情報を会社でマネージャーが確認したり、営業担当が出先から顧客情報を確認したりといった使い方が可能です。

3)営業業務の効率化でコア業務に専念できる

クラウドサービスとして提供されているCRMは、モバイルデバイスにも対応しているため、スマートフォンがあれば、いつ・どこでも商談状況報告や資料の確認が可能になります。商談と商談のあいだに発生しがちな隙間時間の活用にもつながり、節約できた時間で営業本来のコア業務へ専念できます。

4)属人化から脱却しチームプレイに移行できる

CRMによる顧客情報の一元管理は、社内の連携をより強固にします。これまでの成功事例や失敗談に関するデータを参照することで、社内全体でミスを減らしつつ成約率があがる可能性を高めることができます。また、担当者不在で起きたトラブルに関しても、顧客情報を確認することで、他のメンバーでもサポートを行うことができます。

5)顧客満足の向上によって、自社の利益が高まる

2019年に行われたセールスフォース・ジャパンの調査では、BtoB・BtoCの区別なく、顧客は「部署を越えた一貫したやりとり」を企業に期待しています。同時に、「自分の情報をすべての部署で共有しておいてほしい」とも感じています。 CRMを活用すれば、こうした顧客からの要望に応えることが可能になります。それによって顧客満足度が向上すれば、自社の利益となって返ってくるのです。

CRMの効果的な活用方法

 
CRMのさまざまな機能を十分に活用にするには、実現したい目標や、そのために行うべき課題の設定などが必要です。ここでは、CRMを用いた課題解決の方法や、そのためのポイントなどを紹介します。

1. 目標を定める

CRMは、元々ツールではなく、営業手法そのものを指す言葉です。ですから、CRMツールを導入する前に以下について定めている必要があります。

  1. 社内の課題から、すべてのメンバーが理解・共感できるビジョンを定める
  2. ビジョンを実現するための具体的な戦略を構築する
  3. ビジョンと戦略を日々の業務目標に落とし込む

つまり、まず大きなビジョンを定め、そこへ至るための戦略を作り、それぞれの部署に分配するという流れです。とくに2の戦略構築の精度が高いほど業務目標も具体化するだけに、力を入れて取り組みましょう。

2. 評価指標を定める

目標が定まったら、効果検証の指標を作成します。CRMは、顧客との商談内容やその履歴といった数値化できない情報についても、後から時系列に沿って検証することができます。

営業部門の代表的でかつ重要な指標(KPI)には、「見込み客の成約率」や「営業案件数」などがあります。KPIの設定・管理の精度は、CRMの活用度合いを測る精度にも大きくかかわるため、正しい知識をもって行いましょう。

3. 最新・正確なデータ入力が命

CRM最大の特徴であるデータの一元管理とリアルタイム性を活用するには、データを素早く・正確に入力する必要があります。データを得てからすぐに入力し、社内で共有することで、CRMのメリットを十分に享受できます。

早く確実なデータ入力を徹底するには、営業メンバーへ継続的に働きかけ、習慣化することが一番です。最初は負担に思うメンバーがいるかもしれませんが、メリットを実感できれば徐々に浸透していくはずです。

4. データを分析し施策に反映

十分な量のデータが蓄積されたら、データの精査や掛け合わせなどから分析を行い、施策の設定に役立てましょう。営業における商談化率や成約率、失注率などを算出するだけでも、営業プロセスのボトルネックを把握できます。

基本的な分析に慣れてきたら、顧客を購入金額別に区分して優先順位を付ける「デシル分析」や、優良顧客を分析する「LTV分析」などにも取り組んでみましょう。

CRM分析の基本と代表的な分析手法は、こちらの記事で解説しています。

5. 顧客とのコミュニケーションの見直し

CRMには多種多様の情報がデータとして蓄積されていますが、それはいわば「自社と顧客との交流の記録」です。蓄積されたデータをもとに、これまでのコミュニケーションを見直すことで顧客を囲い込み、優良顧客へと育成して、LTVの最大化に結びつけることが可能になります。

失敗しないCRMツールの選び方

 
実際にCRMを導入するにあたり、製品選びのポイントとなるのが「自社との相性」です。CRMは多機能な製品がそろっていますが、搭載機能や使い勝手は少しずつ異なります。ここでは、とくに注視したい5つのポイントを紹介します。

1)必要な機能がそろっているか

CRMは、長期使用が前提となります。そのため、導入の前に欲しい機能を明確にしておき、ニーズに応えてくれる製品を選びましょう。

とはいえ、単に多機能なCRMが最適解というわけではありません。多機能はあくまで前提条件であり、そのうえで自社の課題に寄り添ってくれる強みを持つ製品を選定しましょう。

2)使い勝手が良いか

CRMはさまざまなメンバーが利用するため、なるべくストレスなく使える製品を選びたいところです。とくに、外出先から入力する機会の多い営業担当や、データ入力をおもな業務とするメンバーにとっては業務効率を大きく左右するポイントとなるでしょう。

CRMの多くはデモ版を試用できます。コアメンバーで製品を試用してみて、具体的な使用感を確認しましょう。

世界No.1 CRMであるSalesforceは、30日間・フルパッケージでの試用が可能。大企業はもちろん、中堅・中小企業でも活用いただける、多機能なCRMシステムです。

 
 
 
 
 
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3)他ツールとの連携や拡張性は十分か

CRMは単品でも多機能ですが、MAやSFAと連携することで、さらなる活用を期待できます。たとえば、MAと連携すればCRMで得た顧客情報をMAにおけるペルソナ設定に活かせます。また、SFAと連携すれば、CRMで成約率の高い顧客を分析してSFAで営業プロセスを作成でき、相乗効果による営業プロセスの効率化に繋がります。

4)セキュリティに問題はないか

CRMでは大切な顧客の情報を一元管理しているだけに、セキュリティ対策は極めて重要です。高いセキュリティレベルを求められる官公庁や金融機関などへの納品実績の有無、不正アクセスへの対策方法などをチェックしておきましょう。

5)サポート体制は整っているか

CRMを導入した直後は、これまでの手法とのギャップから多くの疑問が発生すると考えられます。導入前の説明会や研修を行ったとしても、実際に使ってみると細かな質問はつきものです。担当者の負担も考え、導入から現場になじむまでの間をしっかりサポートしてくれるベンダーを選びましょう。

CRM導入に失敗しないために

残念ながら、CRMを導入しても現場に定着せず、その効果を発揮できない、あるいはいつの間にか誰も使わなくなってしまったという企業も見受けられます。導入に失敗しないためにはどうすればいいのかをこちらでお伝えします。

企業トップの理解と支援は不可欠

CRMの導入は、企業内における影響範囲が大きく、業務手法も大きく変わることから、現場からのネガティブな声が上がりがちです。これらの声に対応していくのがマネージャーの仕事になりますが、担当単位では解決しきれないケースも考えられます。これに対応するには、トップダウン形式でのCRM推進が効果的です。トップがキーマンとなることで、社内全体におけるCRM推進の雰囲気を醸成していきましょう。

優先順位を決め、ロードマップを作る

CRMは、導入して終わりではありません。導入はあくまでスタートで、その後のフォローや継続的な研修、達成目標の設定など、長期にわたる計画が必要です。そのためには、ロードマップの作成と優先順位の決定が効果的。ロードマップ策定にあたってはCRMの習熟度を考慮し、自社に合ったスケジュールで決めていきましょう。

CRMの活用事例

ではここで、実際にCRMを導入している企業の事例を見ていきましょう。業界も事業内容もそれぞれ異なりますが、確固とした目的を持ち、そのためにCRMを十分に活用していることが見てとれるはずです。

事例1 業務効率の向上で時間外労働を20%カット

 
会社名:日立グローバルライフソリューションズ株式会社
事業内容:家電・空調・設備機器の販売および保守サービス

国内の家電市場の停滞とデジタル化の加速。こうした状況下で、日立グローバルライフソリューションズ株式会社は、営業課題として「担当営業への業務負荷の集中」「スキルのばらつきによる実績の差」「情報共有に関わるスピード不足」の3点を洗い出しました。

その解決のために導入したのが「Salesforce」です。 導入後に同社が行ったことは、100名にも及ぶ営業担当の行動の可視化です。そこから高実績の担当者の業務行動を分析して「結果を出しやすい業務スタイル」を標準化し、部門全体のスキルの底上げを図りました。

さらに、企業向けSNSを活用して、組織の垂直方向と水平方向に及ぶコミュニケーション環境を整備し、情報共有のスピード化も実現しました。現在、同社でのツール活用率は高いレベルを維持しており、営業部門の時間外労働を20%も削減できています。

事例2 グローバルに広がる顧客のビジネスをシームレスに支える

 
会社名:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
事業内容:電気通信事業等

世界に広がるネットワークを持つエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社。その顧客もまた、グローバル化が急速に進んでいます。顧客が日本から海外へ進出したとき、切れ目のないサポートをどのように提供するかが課題となります。そこで、「Salesforce」の導入に至りました。

これまでは、各国の同社現地法人がそれぞれに活動していましたが、導入後はすべての情報をシステム上で一元管理。顧客が海外で新たな拠点を開設する際にも、現地の同社スタッフは自社と顧客とのやりとりの履歴を、すべて画面上で確認することができます。

さらに、蓄積されたビッグデータを多角的に分析することで、顧客側の潜在的なニーズをくみ取り、最適なタイミングで提案することが可能です。

顧客にとって、必要なものを必要なときに確実に提供する。この積み重ねがお互いのコミュニケーションを深め、信頼を高めることにつながっていきます。

十分な準備とケアでCRMを存分に活用しよう

新たなツールやシステムは、使い慣れるまでは少々時間がかかります。それによってワークフローも変化しますから、現場としては「やりにくさ」を感じることもあるでしょう。

その点では、CRMも他のビジネスツールと同じです。しかし、その効果を理解し、正しく運用できれば、営業業務を効率化し、大きな成果を得ることができます。

しかし、導入前の準備や導入後のケアをおろそかにしてしまうと、期待していた結果につながらず、失望してしまうことにもなりかねません。そうならないためにも、まずはしっかりと計画を立てておきましょう。

必要ならばベンダーの研修や説明会なども利用しながら、CRMを存分に活かしてください。

 
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