KPIとは?KGIとの違いや、KPIの設定・管理のポイント

投稿日:2020.07.28
ビジネスの現場では常に意識される「KPI」。しかし、その数値にどのような意味があるのか、なぜそれほどまでに重要なのか、理解できているでしょうか。
ここでは、単なる数値目標ではないKPIの意味とその扱い方のほか、KGIとの違いなどについて解説しましょう。

目標の達成度合いを示すKPI

KPIとは「Key Performance Indicator」の略です。日本語では「重要業績評価指標」などと呼ばれ、目標達成に至るプロセスにおける達成度合いを示します。
たとえば、自宅から隣町のスーパーまで歩いて行く場合、単純に距離をKPIに設定します。「この交差点でちょうど半分だ」という具合です。東京から富士登山に出掛けるときはどうでしょうか。この場合、自宅から富士山頂までの距離をKPIにすると、登山道の入り口に着いたあたりで「9割方達成」となってしまいます。これは適切ではありませんから、ここでは運動量をKPIに設定するのが適当でしょう。
このように、KPIは場合に応じて適切な数値を設定することが重要で、そこを間違えてしまうと現状を正しく反映しなくなる危険をはらんでいます。

KGI・KFSとは何が違う?

KPIとよく似たものに、KGIとKFSというものがあります。名称だけでなくその役割も似ているために、混同されることも多いようです。これらはKPIとはまったくの別物ですが、それぞれとても深く関連し合うものでもあります。
 

KGI:重要目標達成指標

KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれます。
簡単にいえば、「達成するべき具体的目標」です。「売上前年比140%」や「売上30億円」など、具体的に数値化された目標値を指します。
この目標を目指して進めている日々の業務が、目標値に対してどれほど達成できているかを表す指標がKPIということになります。つまり、KGIは目指すべきゴールであり、KPIはそこまでの道のりを示すマイルストーンのような存在というわけです。

KFS:重要成功要因

KFSは「Key Factor for Success 」の略で、目標を達成するために必要な条件を示すものです。日本語では「重要成功要因」と呼ばれます。似た意味を持つものとして「CSF(Critical Success Factor)」もあります。どちらも、KGIやKPIを達成するために必要となる要素を示すので、「目標達成のための前提条件」を表すものととらえればいいでしょう。
たとえば、自社の技術力やブランド力などが挙げられますが、市場の状況によって最適な指標を絞り込むことが重要とされます。

KPIの設定で生まれるメリットは?

KPIを設定するメリットはいくつかありますが、おもなものは下記の3つです。
メリットをきちんと理解することで、日々の業務が妥当なものなのか、あるいは改善が必要なのかが見えてきますし、改善するならどこをどうすべきか…というところまで踏み込むことができます。

目標達成へのプロセスが見える

適切なKPI設定によって、到達するべき目標へのプロセスが明確になります。つまり、目的地までの道のりのどこにいるのかが見えるということです。
企業が目指すゴール、つまりKGIを達成するためには、各部門でさまざまなKPIを設定し、それぞれクリアしていく必要があります。セールス部門が大きな売上を達成しても、サポートやアフターケアが手薄で設定したKPIを達成できなければ、せっかくつかんだ顧客が離脱してしまうことにもつながるでしょう。
そうした事態を防ぐためにも、それぞれの部署で設定されたKPIをチェックし、日々の業務が計画どおりに進められているかを確認することが重要です。

起こすべきアクションが明確になる

KPIによって目標達成度が可視化されると、それに応じてどのような行動をとるべきかが明らかになります。
たとえば、商談の成約率をKPIとした場合、その数値が低いなら、商談プロセスを全体的に見直す必要があるでしょう。「自社製品のメリットを十分に理解してもらえていないのか」「顧客側のニーズをくみ取れていないのか」「プッシュやフォローが不十分なのか」など、考えるべき点は多々あります。
また、受注期間をKPIにしているのなら、期間短縮のために何ができるかが検討できます。問い合わせや見積依頼への迅速な対応、業務効率の向上など、できることは数多くあるでしょう。
適切なKPIを設定することで、「改善のために何をすべきか」というアクションが明らかになるのです。

公平な評価基準ができる

KPIを設定していないと、組織内での業務評価が感覚的になり、明確さを欠いてしまいます。「今期は数字が悪かったから、来期はもっとがんばろう」というのは、反省と励ましの言葉にはなっても、原因の検証や明確な行動指針にはなりません。これでは、現場のメンバーは「何をどこまでがんばればいいんだ?」と迷うばかりです。
しかし、適切なKPIが設定されていれば、どこを改善しどこまでの成果を上げればいいか、数値としてわかります。業務そのものを公平に評価することができるのです。
また、チーム全体、さらに個々のメンバーに対してもKPIの達成度に応じた公平な評価を下すことができるというメリットもあります。

セールス部門で使われる代表的なKPI

KPIとして使われる指標は、組織や部門によって、または目標によってもまちまちです。ここでは例として、セールス部門でよく使われるKPIについて説明しましょう。

営業機会数

営業機会数は、簡単にいえば「訪問件数」です。ただし、あくまでも成約を目指したものですので、手当たり次第の飛び込み営業とは区別すべきです。同じ飛び込み営業でも、自社製品の特性を知り、ニーズをくみ取った上で相手先を絞り込んでの営業活動であれば、この営業機会数に含めていいでしょう。営業活動における分母となる数値です。

見込み客の成約率

見込み客の成約率は、「コンバージョン率」「CVR」などとも呼ばれる数値です。先にご紹介した営業機会数に対する成約件数の割合で、この数値を高めていくことが業務効率の向上につながります。見込み客の確度が低かったり、相手のニーズを的確にくみ取れていなかったりすると、なかなか成約に至らず、見込み客の成約率が低くなってしまいます。

営業案件数

営業案件数は、個々のメンバーが担当している案件の数です。どれほどが適切かは、扱う商材の性質や営業方針によっても違うでしょう。高額商品であれば、件数を少なめにして、きめ細かな営業活動を行うほうがいいでしょうし、利幅の小さな商材ならば「とにかく数をこなす」という場合もあります。
いずれにせよ、案件数が少ない場合は新たな見込み客の確保が必要ですが、増やしすぎると業務負荷が過大となり、営業活動に支障をきたすことになります。営業案件数を長期的にチェックすることで、適正な値が見えてくるでしょう。

顧客単価

顧客単価は売上に直結する数値ですから、業務の成果を測るKPIとしては適切です。
商材のラインナップが広い場合や各種オプションが豊富にそろっているような場合には、顧客側の課題やニーズをくみ取り、それに応えて適切な提案を行うことで、顧客単価の拡大につなげることができます。

受注期間

営業開始から成約までの日数をKPIにすると、時間軸で営業業務を見直すことができます。
セールスは相手のあることですから、こちらの思いどおりに事が運ぶとは限りません。しかし、無駄な時間をかけていては相手の決断が鈍ったり、競合に奪われたりということも起こります。受注期間を短縮できればそうした危険は少なくなるでしょうし、期間あたりの売上向上にも貢献します。

KPIを設定するときのポイントは?

さまざまな指標が使えるKPIですが、設定する際にはいくつかの注意点もあります。これから紹介するポイントを踏まえておけば、設定したKPIをより効果的に活用することができるでしょう。

まずKGIを設定する

ゴール地点を設定しなければ、その道のりを測ることはできません。そこでKPIの前に、KGIを設定します。
KPIもKGIも指標として用いるものですから、定義が曖昧ではいけません。明確な数値として設定しましょう。また、現状からかけ離れた、達成可能性が極めて低い数値では、メンバーのモチベーションが下がりますから要注意です。単なる数値設定だけでなく、それを「いつまでに達成するのか」という時間軸も盛り込み、具体的かつ現実的な目標として定めましょう。
その上で、現状から目標に到達するためには何が必要かを検討し、そこに至るための業務プランを構築します。

KFSを絞り込む

目標達成のために、全方位全力投球というやり方が功を奏する場合もあるでしょうが、それでは時間と人的リソースを消耗するばかりです。そこで、目標達成のためのKFSを絞り込み、注力すべきポイントを設定します。
KFSは、組織としての戦略や方針を基に決めていきますが、業務上の課題や問題、弱点が見えているなら、その改善をKFSとするのもいいでしょう。弱みを改善すればそれは結果に表れてきますし、そこからさらに強みを伸ばすことで組織力を段階的に高めることができます。

「SMART」を意識してKPIを設定する

KFSを絞り込んだら、具体的な数値としてKPIを設定しますが、ここでは「SMART」を意識すると良いでしょう。これは、「明確性」「計量性」「達成可能性」「関連性」「適時性」を表す英単語の頭文字をつなげたもので、KPIとしての妥当性を検討する目安とされます。

<SMARTのそれぞれの意味>

・明確性(Specific):人によって解釈が変わることはないか

・計量性(Measurable):数値として測定可能か

・達成可能性(Achievable):実現可能な数値か

・関連性(Relevant):KGIや上位のKPIとの密接な関連はあるか

・適時性(Time-bound):達成期限は設定されているか

これらの条件を満たしていないと、KPIとしての機能を十分に果たすことができません。KPI設定の際には必ずチェックしましょう。

複数のKPIを設定しない

本来の機能や意味合いからいえば、KPIとして設定する数値は、目標達成に最も関連が深く、優先順位の高いものだけに絞り込むべきです。複数のKPIを設定してしまうと、どの数値を重視すればいいのかわからず混乱が起こりますし、業務効率も悪くなります。ですから、前項でご紹介したSMARTに照らし合わせて、最重要な指標を設定するようにしましょう。
ただし、営業業務では、商談のフェーズごとに重視すべき数値は異なります。この場合は営業プロセスごとに、次フェーズに進めるための最も重要な数値をKPIに設定するといいでしょう。

KPIを管理する際のポイント

KPIは「一度設定したら終わり」というものではありません。常に管理し、必要ならば手直しすることもあります。また、KPIの推移や施策による変化などを追跡するためには、適したツールを活用することも大切でしょう。最後に、KPIを管理する際の2つのポイントをご紹介します。

定期的な検証を行う

KPIは「目標がどれほど達成されているか」を示す数値であり、メンバーの行動に対する評価ともいえます。ですから、定期的な検証によって「これまで以上に達成度が高い」とわかれば、メンバーのモチベーションの維持向上にも有用でしょう。達成度が低い場合でも明確化・数値化されますから、業務のどこに問題があり、どの程度の改善を果たせばいいのかが見えてきます。つまり、感覚に頼らずに改善策を探ることができるのです。

また、KPIは「この指標がベストなのか」という、本質的な振り返りも欠かせません。市場や競合といった外的要因の変化に加え、自社の事業方針の転換などの社内環境の変化により、これまで使用してきたKPIの有効性が変わることがあります。有効性が薄れたKPIを使い続けることは、チームを間違った方向へとミスリードすることにもつながってしまいます。
その効果を最大限活かすためには、時としてKPI設定の変更も必要です。そこは、柔軟に考えておきましょう。

ツールを有効活用する

KPIを業務に活かすためには、SFAやCRMといったツールを活用すると便利です。
SFAとCRMは本来別物ですが、ツールとしての機能には共通する点も多く、両者の境界は曖昧になりつつあります。いずれも、あらゆる営業活動を記録し、データベースに蓄積するツールです。膨大な情報からさまざまな切り口でデータを抽出することができますから、営業活動がKPIをクリアしているかがリアルタイムでわかりますし、クリアできていないならどこに原因があるかといった原因追求が容易です。PDCAを正確に、かつスピーディに回していくには大きな力となります。
このようなツールは、営業業務の効率化や、情報共有によるチーム全体の能力向上という点においても有用なものですから、セールス部門の業務改革を考えるのであれば、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

適切なKPI設定と運用で、目標達成を目指そう

KPIは、どのような業種、部門でも活用できる、目標達成への道しるべです。ただし、間違った数値を設定してしまうと、有効に働いてくれません。
今回ご紹介した注意点などにも注意しながら正しく設定して、効率良く運用し、最終的な目標の達成を目指してください。

 

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