企業の基幹システムとなるSFAとは?
メリットと導入のポイントを解説

投稿日:2019.8.20 更新日:2020.08.05
ここ数年で導入する企業も増え、ビジネスの現場に定着しつつあるSFA。しかし、うまく運用できていない企業や、「導入したいけど、どうしたらいいのかわからない」という企業も多いようです。
まずは基本に立ち帰り、SFAとは何か、どのように活用すればいいのかを考えてみましょう。ここでは、SFAの機能やSFAを導入することのメリットのほか、実際にSFAの導入を検討する場合に知っておきたい注意点、ポイントを解説します。

SFAとは?

SFAとは「Sales Force Automation」の頭文字を取った略語で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれています。営業部門のメンバーの行動や、商談の進捗状況とその結果を情報として蓄積・管理し、効率的に売上へと結び付けるためのしくみであり、ツールです。
元々は、OA(オフィスオートメーション)に代わるものとしてアメリカで提唱され、開発されました。日本では2000年代の通信インフラの整備とともに普及が進み、その市場は年々拡大傾向にあります。つまり、「SFAが必要だ」と考える企業が、次第に増えているというわけです。

なぜSFAが必要なのか

企業が、SFAを必要とする理由はいくつかあります。

まずひとつが効率化です。
顧客情報を一元管理し、リアルタイムで更新できれば、常に最新の顧客情報を基にアクションを起こすことができます。外回りの営業担当者が、顧客の最新情報を、訪問直前にチェックしておけば、それをベースに先方との商談を進めることができます。何らかの問い合わせが入っていたら、その回答をあらかじめ用意することができますし、トラブルやアクシデントが起こって他部門が対応中という場合なら、とりあえず状況を把握した上で、客先で現状報告をすることもできるでしょう。

また、「営業業務のマネジメントを強化したい」ということもあるかと思います。営業部門のマネージャーは多忙ですが、個々のメンバーの行動と進捗をリアルタイムで知ることができれば、全体をひと目で見渡せますし、必要な場合には的確なアドバイスやサポートを行うこともできます。

SFAが営業業務を「しくみ化」する

このように、SFAを必要とする理由はいくつか挙げられますが、大きなくくりでいえば、「営業をしくみ化する」という一言に尽きます。

営業業務のノウハウは、属人性が強いものです。そのため、平均的なプレイヤーとスタープレイヤーのあいだには、大きな能力差、実績差が生まれます。しかし、スタープレイヤーの“獲れる営業”スタイルをしくみ化し、チームメンバーと協力すれば、限られた時間やコスト、人的リソースの中で、最善の成果に結び付けることができます。

また、営業のプロセスをリアルタイムで可視化しておき、営業だけでなく他部門との連携を図れば、在庫管理や人事、資金調達など、企業内のあらゆる場所で活用でき、より効果的な施策を打つことができるようになります。 従来の営業業務をしくみ化し、企業のさまざまな業務を効率化していく。これが、SFAが持つ可能性であり、企業の基幹システムとして機能する理由なのです。

SFAとMA、CRMの違いとは?

SFAと同じく、企業の営業部門で使われるツールにMAとCRMがあります。これらは、機能の面では重複するところもあるのですが、それぞれ異なる目的で使われるものです。 ここでは、これらのツールの違いについて解説します。

MA:効率的なマーケティングを実現する

MAは「Marketing Automation」の略語で、その名のとおりマーケティング領域で活躍するツールです。 マーケティングのおもな役割は、ターゲット層から顧客になってくれそうな見込み客を育成して、商談へと進めていくリードナーチャリングです。そうした業務をサポートするのがMAの役割です。 「オートメーション」という名称から、マーケティングを自動化するツールと誤解されることが多いのですが、MAが自動化できるのは、指定したタイミングでのメッセージの発信までです。「どのタイミングでどの対象にどのようなメッセージを届けるか」というプランニング部分は、人の思考が必要で、マーケターの腕の見せ所でもあります。

CRM:顧客との関係を良好に保つためのツール

継続的なビジネスでは、顧客といかに良好な関係を維持するかが重要です。それがなければアップセルどころか、取引の継続すらままなりません。そこで重視されるのがCRMです。CRMは、「Customer Relationship Management」の略で、そのために使われるツールもCRMと呼ばれています。 CRMはおもに顧客との関係性を重視するため、商談や問い合わせ履歴、購入履歴などのコミュニケーションをデータ化して管理します。そして、必要に応じてデータを分析することで、顧客自身も気づいていないニーズを読み取り、最適な形での提案につなげます。その結果として、顧客満足度やエンゲージメントを向上させ、LTV(顧客生涯価値)の向上も図れます。 ツールとしてのCRMは、機能の面でSFAと重複する部分が多いため、近年ではその境界は曖昧になりつつあります。

SFA:営業業務を組織化し、効率化を進める

SFAは、顧客や商談など、営業業務全般に関する情報を管理・共有ができるほか、さまざまな形でデータを抽出・分析して、営業活動に活かすことが可能です。 正確な数値をリアルタイムで、チーム全員で共有できますから、商談が停滞しているメンバーに的確なアドバイスを送ることができますし、これまで以上に正確な売上予測を立てることもできます。何より、これまで各メンバーが管理していた情報を共有の場に公開することで、営業業務が抱えていた属人性を排除できるのがSFAの大きな役割です。これにより、営業という仕事を個人プレイからチームプレイへ移行させることができるのです。

SFAが持つ重要な機能

現在、市場にはさまざまなSFAが登場しており、それぞれ機能や特性に違いがあります。
これらは、SFAの根幹ともいえるものですが、元々は営業支援のためのツールとして作られたものですから、基本的な機能は次のとおり、ほぼ共通しています。

個々の商談を時系列とともに管理する「案件管理機能」

営業担当者が抱えている案件がどのような状況にあるのか、商談上の停滞や障害はないか、成約確度はどの程度か。これら、個々の案件に関わる情報を管理するのが、SFAの案件管理機能です。

営業業務は、見込み顧客の発掘から成約に至るまでに、いくつもの段階を踏んでいきます。そして、それぞれの段階で、どれほどの商談が進行しているかを管理し、個々の案件に合わせたアクションを起こしていくことが、堅実に売上を確保するための手段となります。
進捗に停滞はないか、ニーズに合致した提案ができているか、先方のキーパーソンを押さえているか。不足があれば補い、不具合が見えれば改善し、商談を成約へとつなげていく。商談プロセスという時系列に沿った適切なアクションが、SFAの案件管理機能で可能となります。

無駄のない営業活動を実現する「活動管理機能」

営業担当者にとって、限られた時間を有効に使って、顧客とのコミュニケーションをとることは、必須ともいえるスキルです。しかし、効率良く動いているつもりでも、意外なところにもれや重複、活動のむらがあったりするものです。

案件によって訪問の頻度が大きく違ったり、あるいは訪問できないまま放置してしまったりと、提案のタイミングが遅れてしまったために、有望な見込み顧客を競合他社に奪われてしまう…ということも起こりえます。
こうした活動の弱点を見つけることができるのが、SFAの活動管理です。メンバーの活動を記録するだけなら、一般のグループウェアでも可能ですが、SFAの場合は顧客情報や案件情報に結び付いています。そのため、営業担当者の行動がどれだけ成約に貢献したか、さらに売上に結び付いているかをより正確に評価することができ、無駄なく効率的な営業活動へとブラッシュアップすることができるのです。

戦略的な営業が実践できる「顧客管理機能」

一般的に、自社の顧客のそれぞれの売上を検証していくと、少数の顧客が売上の多くを占めていることに気付きます。パレートの法則に従えば、「全体の20%の顧客が全売上の80%を占めている」というわけです。この20%の顧客に共通する特徴、たとえば企業規模や業種、会社の形態などを検証すれば、「自社製品を選んでくれる会社」の特徴が見えてきます。

となれば、そうした特徴を持つ会社をピックアップし、さらなる営業をかけていくというアクションが可能となり、売上の最大化を強力に進めることができるのです。
こうした戦略的な営業活動は、これまで各メンバーやマネージャー個人の勘や見込みに頼る部分が大きいものでした。しかし、SFAの顧客管理機能を活用すれば、現実のデータにもとづいて戦略を立て、行動することが可能になります。

SFAが持つメリット

SFAで常に最新の情報を共有し、さまざまな機能を活用することで、数々のメリットが生まれます。それによって業務効率は高まり、営業スタイルは大きく変化するでしょう。ここからは、SFAのメリットをご紹介します。

情報共有で属人性を排し、営業の組織化が図れる

従来の営業業務は属人性が強く、顧客の情報も営業ノウハウも個々のメンバーが抱えていました。そのために起こる大きな問題は、顧客対応まで属人化してしまうことです。
顧客からの問い合わせや顧客トラブルの際、担当者が不在では、その場で的確な対応をとることができません。また、担当者が交替する場合に申し送りが十分でないと、「今度の担当者はいまひとつだな」などと顧客に感じさせてしまいます。こうしたことの積み重なりが、顧客満足度の低下につながるのです。
しかし、SFAで顧客情報を常に共有しておけば、担当者が不在でも安定した顧客対応ができますし、過去の記録を参照して、個々の顧客に適した対応をとることもできます。それまで個人プレイに頼っていた営業業務を、組織化することが可能となるのです。

営業活動のひとつひとつを可視化できる

情報共有による営業の組織化が実現すると、「誰がどの案件でどんな動きをしているか」が可視化されます。そのため、難しい局面に陥った際には、マネージャーがすばやく状況を察知し、メンバーへアドバイスを送ったり、他のメンバーをサポートにつけたりということが可能になります。
また、SFAによっては、モバイルデバイスを使って外出先から情報をチェックし、書き込むことができますから、マネージャーへの報告や日報の作成のために帰社する必要がなくなり、効率がアップします。

精度の高い売上予測を立てられる

SFAには、顧客と案件に関するあらゆる情報が蓄積されています。現在、どんな商談が何件進行中なのか、それぞれの成約確度や見積額はどうか、成約予定はいつ頃になるか、これらの正確な情報をベースにすることで、今まで以上に精度の高い売上予測を立てることができます。これは、マネージャーにとって大きなメリットでしょう。
属人性の強い環境では、個々の商談の成約確度や進捗状況は、担当者の主観に頼る部分が大きいもの。しかし、共通の基準を設定して客観的な判定を下せるようにすれば、個人の勘や思い込みを排除でき、売上予測のぶれを小さく抑えることができます。

行動のタイミングを逃さない

取引先への提案や見積書を提出した後、いつフォローを入れるか。これは、個々のメンバーによってタイミングの測り方が異なるところです。しかし、過去の事例を分析し、個々のアクションに最適なタイミングを割り出しておけば、それに沿った行動ができます。
たとえば、「提案の2日後の午前中に電話を入れるのが最も確度が高い」となれば、提案2日後の午前中に行動を促すアラートを出すようにセットしておくのです。
日々の活動予定を完璧にこなすのは、簡単ではありません。ついうっかり忘れてしまうということもあるでしょう。SFAを活用すれば、そうしたうっかりを減らし、最適なタイミングで行動することができます。

ノウハウの共有で、パフォーマンスの底上げと人材育成に貢献

SFAによって属人性を排除すると、情報だけでなくノウハウも共有することができます。つまり、できるメンバーのやり方を分析し標準化することで、個々のメンバーの実力差を埋めることができます。これは、部門全体のパフォーマンスの底上げに役立つだけでなく、新たに営業部門に配属された人に対する教育の面でも大きなメリットです。
たとえば、新人をOJTで育成する場合、教える側の良い部分だけでなく、望ましくない習慣まで刷り込まれてしまうことがあります。しかし、SFAを活用してナレッジを標準化しておけば、新人に対してもできるメンバーのノウハウを伝授することができ、優秀な人材育成に大きく貢献してくれるのです。

ニーズにフィットした提案で顧客満足度を向上できる

SFAを活用すると、顧客のニーズをより正確かつ詳細に分析することができます。これを経営に取り入れれば、顧客の要求にフィットした製品を開発したり、在庫や流通を最適化したりすることも可能です。成約後のアフターフォローにも活かすことができるでしょう。
経営陣が先頭に立ち、各部署を効果的に連携させれば、こうした成果を得ることができます。それは、「顧客第一の経営の実現」にほかなりません。そして、顧客第一主義による成果が実績として現場に浸透すれば、すべての部署の従業員の意識を顧客に向けさせることにもつながり、顧客満足度の向上に貢献できるのです。

SFAのデメリットは、こうして回避する

多くの物事にはメリットもデメリットもあります。SFAも例外ではなく、デメリットといえる面が存在します。ここでは、SFAのデメリットを回避するポイントを解説します。

新たに発生するコストを、どうとらえるか?

SFAの多くはクラウドサービスとして提供されているため、ID数に応じた月額課金が発生します。そのコスト自体は、営業効率の向上と売上増大のために必要なものです。しかし、いきなり大量導入してしまったり、導入後の定着がうまくいかなかったりすると、SFAを十分に活用できず、コストに見合う成果が得られないという状況に陥ってしまいます。
そうしたことにならないよう、SFAの導入にあたってはプロジェクトチームを組むなどして環境を整えておくといいでしょう。また、少人数から始め、活用できるようになったら少しずつ規模を広げていくというのもひとつの方法です。

入力作業の負荷を軽くできないか?

SFAは情報量が多いほどその力を発揮してくれます。だからといって入力項目を増やしすぎると、入力作業が重くなり、作業効率が落ちてしまいます。この「入力作業が面倒」というのは、導入にあたって現場でよく聞かれる声です。
案件やコミュニケーション履歴について、どこまでの情報を入力項目として設定するか。これは、導入の初期段階で、十分に検討しておくべきでしょう。「最初は少なめに設定して、必要なら増やせばいい」という考え方もありますが、このやり方を繰り返すとデータの整合性がとれず、分析が不正確になるおそれもあります。
また、必要な情報の範囲は、企業によって差があります。この点についてはベンダーのアドバイスやユーザーコミュニティの意見が参考になるはずです。入力作業が重くならず、十分な成果を得られるラインを見極めるようにしましょう。

SFAをどう活用するか?

SFAのメリットとデメリットを知れば、その活用法も自ずと見えてきます。SFAの活用のポイントをいくつかご説明します。

計画性とともに売上を作っていく

営業プロセスをひとつひとつ可視化する「パイプライン管理」を行い、SFAで分析すると、リードの商談化率や成約率、それまでにかかる時間や手間などが見えてきます。そうすれば、営業部門が持つリソースを、どこにどれほど投下すべきかがわかります。
このように、分析結果をベースにすると、売上目標から逆算して「いつ、どのくらいの進捗が必要か」を明確にでき、そこに照準を合わせた営業活動を展開できます。つまり、計画的に売上を作っていくことが可能になるのです。

データを基に、明確な目標値を設定できる

SFAを活用してデータ分析を行えば、営業部門の強みや弱みが見えてきます。見込み客を商談化するまではスムーズなのに、成約率が低い。その原因がどこにあるのか、データを分析することで解き明かすことができますし、そうなれば何を指針にして営業プロセスのどこを改善すればいいかもはっきりします。
このような分析と改善を定期的に行うことで、長期的に成果を上げていくことができますし、それは営業部門全体のパフォーマンスアップにつながっていきます。

外出先から使いこなす

SFAの多くはクラウドサービスとして提供されているため、モバイルデバイスがあれば外出先からでも操作が可能です。これは、外回りが多い担当者にとっては、とても使い勝手が良いものでしょう。 顧客訪問の前に最新の情報をチェックする。訪問を終えたら、その内容を書き込んでおく。マネージャーへ急ぎの報告や相談があれば、SFAと連携したチャットツールなどでやりとりをする。こうした内容は、すべてSFAに記録として蓄積しておくことができ、後からの検索も簡単です。移動時間に日報を作成したり、提案書や資料の作成を他のメンバーに依頼したりということも簡単にできます。 情報の確認と入力、書類の作成、メンバー間でのコミュニケーション。日々の営業活動のほぼすべてを、社内はもちろん外出先からも行えることで、業務効率が飛躍的にアップするのです。

基幹システムとしても活用できる

SFAは営業支援ツールではありますが、マネージャーの立場から見れば、営業部門の基幹システムとしても活用することができます。
そもそもSFAには、顧客と案件に関するあらゆる情報が集積されています。ここにCRMを組み合わせ、顧客とのコミュニケーション履歴を統合すれば、ファーストコンタクトから商談、販売に至るまでのプロセスを俯瞰することができます。そして、各プロセスでのデータを分析することで、「なぜ売れたのか」「なぜ失注したか」を解き明かし、それを営業活動に反映させることもできます。 さらに、会計システムや生産管理システムと連携すれば、社内の基幹システムとして活用することも可能になります。ただし、こうした活用法を想定するなら、それを踏まえた製品の選定が必要です。

SFAの導入と運用に伴う注意点

前項で紹介したことを踏まえれば、SFAは営業部門だけでなく、全社的な基幹システムとして通用するものだということがおわかりいただけるでしょう。しかし、実際に導入するとなると、意外なところでつまずくことも少なくありません。
続いては、SFAを導入し、運用する際の注意点について考えてみましょう。

「使って当然」という環境を作る

SFAを導入したのはいいけれど、現場になかなか定着しない…というのは、よくある悩みです。SFAは活用してこそ真価を発揮するものですから、日常的に使うようにしなくてはなりません。

ではどうするか?…その方法はいくつかありますが、ひとつは上長のプッシュです。経営陣から指示を出したり、SFAベースでのワークフローに移行したりすれば、否応なくSFAを使うように誘導できるでしょう。その意味では、現場のマネージャーはもちろん、経営トップが積極的に導入に関わることが重要です。また、SFAを積極的に使いこなすメンバーに何らかのインセンティブを与えるという方法も考えられます。

しかし、本質的に必要なのは、SFAの活用にどのようなメリットがあるのか、それによってチームメンバーにどのような利益が生まれるのか、さらには顧客にどのような価値を提供できるのかということを、現場にしっかり理解させることでしょう。そうすれば、「これだけメリットが多いSFAなのだから、使うのは当然だ」という状況が自然と生まれます。

スモールスタートを切るのも良い方法

SFAの導入による変化は、営業現場でのワークフローだけにとどまりません。個人プレーからチームプレーへの移行、顧客第一主義という発想への転換など、企業に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。それだけに、全社的に一気に移行するというのは、なかなか難しいことです。 そんなときは、6〜7名程度のチーム単位でスモールスタートを切り、その効果を見るというやり方も有効です。

新たにSFAを導入するとなると、運用や活用について予測できない障害が発生することもあるでしょう。定着するまでに、困難に直面することもあるかもしれません。ですから、まずは最小単位での導入として、様子を見るのです。これなら、障害や不具合が発生しても、全社的な問題に至ることはありません。その上で導入範囲を広げていけば、社内全体にスムーズに普及させることができるはずです。

SFAを選ぶときのポイント

SFAは現在、さまざまな製品が市場に登場しています。基本的な機能は共通していますが、細かな点になるとかなりの違いがあり、使い勝手も異なります。
SFA選定の際には、次のようなポイントに注意しておくといいでしょう。

クラウドサービスであること

SFAには、その提供形態によってオンプレミス(自社構築)、パッケージ、クラウドといった種類があります。さまざまな事情を考慮すると、クラウドが最も使い勝手がいいでしょう。 クラウドだと、初期の導入コストが安く、スモールスタートを切るのに適していますし、サーバーメンテナンスの必要がありません。社内PCのリプレースも、影響なく行えます。何より、外出の多い営業担当者にとっては、外出先で操作できるのは最大の利点です。また、使ってみて気に入らない場合は、契約解除すればそれ以上のコストは不要です。

使い勝手が良いこと

SFAは多忙な中で毎日使うツールですから、使い勝手の良さはとても重要です。使い勝手の悪いインターフェースでは、使うこと自体がストレスになってしまいます。
ですから、選定段階でいくつかの製品に絞り込んだら、デモ版を使ってみることです。導入予定のチームで使ってみて、操作性や画面の見やすさ、アクセスの容易さなどを評価・検討して、使いやすい製品を選ぶことが大切です。

必要十分な機能と拡張性があること

どんなSFAでも、基本的な機能は実装しています。どの製品を選んでも、導入直後から「機能が足りない」ということはないでしょう。しかし、「他の部門のシステムと連携したい」「将来的には社内の基幹システムとして活用したい」というような予定があるのなら、対応する機能や拡張性を持っているかどうか、チェックしておく必要があります。
導入前の製品選定の段階で、そこまでの見通しを立てることはできないかもしれません。しかし、将来的に事業が拡大した場合、SFAを主軸のシステムとして使い続けることも考えられます。それを思えば、ある程度の拡張性があったほうが無難です。

カスタマイズが簡単であること

SFAはどのような企業にもフィットするよう、機能の面である程度の幅を持たせた仕様になっています。しかし、企業によっては特殊なビジネスモデルを採用しているケースがありますから、目的や用途に応じてカスタマイズが必要になることもあるでしょう。
SFAそのものがプラットフォームとして機能し、その上で必要な機能を組み合わせて使える。こうした自由度の高さがあれば、どのような状況にも対応できるはずです。

万全のサポートが用意されていること

SFAは、企業の基幹システムにもなりえるものです。ですから、万が一の際にも万全のサポートを受けられる体制が、ベンダー側に求められます。
また、導入時や運用が定着するまでは、大小さまざまな問題やトラブルが起こりやすいものです。そんなときに的確なアドバイスやフォローを受けることができれば、安心して使い続けることができます。
SFAは「導入して終わり」というものではありません。むしろ、その後の定着と運用が大事です。それを考えれば、サポート体制がしっかりしているベンダーを選ぶことが、後悔しないポイントだといえます。

ユーザーコミュニティが活発であること

製品によっては、SFAのユーザーがコミュニティを形成し、自主的なセミナーの開催や意見交換などを活発に行っているケースがあります。こうしたコミュニティでは、ユーザー目線のコメントを多く見ることができるため、ベンダーのサポートとはまた違った心強さがあり、貴重なナレッジや運用のヒントを得られます。
また、ユーザーコミュニティが活発だということは、それだけ多くの導入事例や成功事例があり、さらに「もっと使いこなそう」というアクティブなユーザーが多いということでもあります。これは、製品の信頼性を測る上でも、大いに参考にできる部分です。

セキュリティが万全であること

SFAには、顧客情報が集積されるので、万全のセキュリティは必須です。ですから、製品の選定においては、そのSFAがどれほどのセキュリティ対策をとっているか、確認が欠かせません。 たとえば、金融機関や政府系機関など、最高レベルのセキュリティを要求される組織への導入実績を見れば、そのレベルを推し量ることができます。

常に進化し続けていること

市場は、常に動き続けています。しかも、SFAをはじめとするデジタルツールの世界は、日々新たなテクノロジーが誕生し、高速で進化し続けている分野です。そうした中にあって、最新の技術や概念、ユーザーからの意見をくみ取り、適切な形でブラッシュアップを重ねていくことは、ベンダーにとって必要な姿勢といえます。
そうした努力をいとわないベンダーの製品であれば、安心して使い続けることができるはずです。

SFAの活用事例

ではここで、実際にSFAを導入した企業の事例を見ていきましょう。SFAを活用することで社内の課題をどのように解決したのか、業種や業態が違っても参考にできる部分があるかと思います。

事例1 古い体質を抜け出し、抜本的な営業改革を推進

 
会社名:株式会社荏原製作所
事業内容:インフラ、産業用装置・設備の設計・製造
1912年創業の株式会社荏原製作所。しかし、その長い歴史ゆえに、営業部門には古い体質も残っていました。やがて、「拠点の数だけ営業スタイルがある」という状態になってしまい、抜本的な業務改革の一環として「Salesforce」の導入に至ります。
最初に行ったのは業務の可視化。すると、営業担当者が1日1時間程度しか、営業活動に時間を割けていないという驚きの事実が明らかになりました。そこで、書類作成などのノンコア業務を全国で数か所に集約し、担当者がコア業務に専念できる環境を整備。拠点ごとにバラバラだった営業業務を分析し、高スキルの営業スタイルとして標準化しました。
また、過去のメンテナンス履歴を分析し、必要なタイミングで必要なサービスを提案できる体制も構築。現在では理想の体制を目指し、営業に関する多くのプロセスの標準化にあたっています。

事例2 積極的にツールを活用、集客数3倍以上、商談数は4倍以上に!

 
会社名:株式会社atsumel
事業内容:クラウドインテグレーション、クラウドコンサルティング
株式会社atsumelは、不動産・建設業を手掛ける企業グループの、マーケティング部門を分離独立させた企業です。同社がまず行ったのは、それまでグループ各社で紙やExcelで管理されていた情報を「Sales Cloud」に統合することでした。これにより、業務に関わるあらゆる情報をリアルタイムで、しかも正確に把握できるようになり、スピーディーな経営判断を可能にしました。 さらに、広告をウェブ中心に切り替えて、インサイドセールス部門を設立。シナリオを練り上げ、「Sales Cloud」と「Pardot」で効果的なコンテンツ配信を続けたところ、月間1,560万円だった広告費を、3年後には800万円にまで圧縮。それでいて、ウェブ経由の集客数は3.3倍、商談数は4.4倍にも達しました。 ツールの特性を知り積極的に活用することで、多方面での最適化・効率化を実現した好例といえます。

事例3 業務の効率化・高速化で、収益構造を変革

 
会社名:Mipox株式会社
事業内容:精密研磨フィルムの開発・製造
電子部品用の研磨材市場では、世界トップのシェアを誇るMipox株式会社。しかし、2005年の売上高110億円、営業利益13億円をピークに低迷を続け、2009年には売上高30億円・営業利益マイナス13億円にまで落ち込んでしまいます。その原因は、高いシェアと知名度から来る「受け身の営業」。顧客とのコンタクトが少ない上、社内での情報共有体制も貧弱なままでした。
そこで「Salesforce」を導入。まず、すべてのデータを「Salesforce」上に統合するとともに、時間ばかりかかる会議や週報・月報を撤廃しました。これで、営業業務が一気に効率化し、顧客とのコンタクト回数も増加。商談数・成約数ともに大きな伸びを見せました。
また、情報共有化を加速するため、社内コミュニケーションをメールからSNSへ移行。その結果、稟議決裁の平均日数が0.4日という、驚異的なスピードを実現。収益構造を改革し、13億円の赤字から5億円の黒字へと回復を果たしています。

事例4 在宅中でも、出社時と同じ「抜け漏れゼロ」の業務を実現

 
会社名:税理士法人耕夢 塩尻公認会計士事務所
事業内容:会計・税務サービス全般
一般的に士業は属人性が強く、業務の標準化や効率化が難しいとされています。しかし、職員の能力差や経験差を放置していては、サービスの品質にばらつきが出ますし、職員の退職によるノウハウの逸失は大きな経営課題です。そこで、税理士法人耕夢 塩尻公認会計士事務所では、「Sales Cloud」の導入に踏み切りました。
導入によって起こった変化は、まず業務の進捗・工数管理が容易になったこと。自動生成されるチェックリストに沿って作業するだけで、漏れなく業務を完了できます。もうひとつの成果は、事業全体が可視化されることで、マネージャーが職員へ必要なアドバイスを与えたり、業務量を調整したりすることが可能になったことです。
この変化が、職員の柔軟な働き方の実現にも役立っています。家庭や子育てと仕事の両立は、女性職員にとって難しいことですが、「Sales Cloud」によって在宅でも出社時と同クオリティの業務が可能に。効率化だけでなく、働き方の改革まで実現できました。

全社がSFAを理解し活用すれば、大きな効果を得られる

SFAは、導入するだけで売上が上がる「魔法のツール」ではありません。環境を整えてスムーズに導入し、その機能を活かした運用ができれば、営業部門だけでなく、企業全体に大きなプラスをもたらします。しかし、そのためには、経営陣から現場のメンバーに至るまで、SFAとは何か、それによって何が変わり、どのような利益が生まれるのかを十分に理解することが必要です。
その上で、自社の環境にフィットした形でSFAを使いこなせば、単なる売上向上よりも大きな効果を、SFAによって得られることでしょう。
 

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