急遽リモートワークを取り入れる企業が増える中、リモートワークでも働きやすい環境を作るために、企業のリーダーたちは何をすべきなのでしょうか。その解決のヒントとして、米国で発表された当社の取り組みに関する記事をご紹介します。著者のサラ・フランクリン(Sarah Franklin)は、米国セールスフォース・ドットコムのプラットフォーム担当エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)兼ジェネラルマネージャー(GM)です。 

 

Leading Through Change  - いま、私たちができること。- 

「働く」という言葉は、これまで多くの人々にとって、常にオフィスという物理的なスペースを意味していました。しかし今、あらゆる企業、コミュニティ、学校、組織が、仕事を自宅でできるようにするための調整に追われています。

今回の大規模かつ急激な変化によって、ある興味深い課題が浮かび上がってきました。それは、従業員があちこちに散らばっている状況で、誰もがどこからでも円滑に仕事ができるようにするためにはどうしたらよいのか、という課題です。私が会話した経営層(CEO、CIO、CMO、CTO、CRO、CPO)は一人残らず、今自分は何をするべきなのかと自問自答しています。

この問題に特効薬はなく、単純な答えもありませんが、今回はSalesforceの取り組み方を共有したいと思います。

  • 従業員の安全を確保し、仕事に集中できるように支援する

  • 新たなプロセスを自動化し、新しいポリシーを策定する

  • イノベーションを継続し、デジタル時代の働き方を促進する新たな方法を模索する

仕事の進め方を再考するだけでなく、あらゆる人がどこからでも連携して仕事ができるツールや実践するための新たな方法を模索するきっかけになれば幸いです。

 

オープンで透明性の高いコミュニケーションチャネルを作る

Salesforceでは、Chatterという社内ソーシャルネットワーキングツールを使用してニュースや情報を共有しています。現在のような状況では、Chatterの役割はさらに重要になります。経営層やセキュリティチームが最新情報を共有する単一のハブとなるからです。従業員もChatterを通して質問し、公開された回答を確認できます。

私たちは、5万人以上いる従業員全員に関係がある重要な情報をAll Salesforceというグループで共有していますが、それとは別に質問窓口としてCoronavirus Updates(新型コロナウイルスに関する最新情報)というグループを立ち上げました。また、地域ごとの情報を共有するため、各オフィス専用のChatterグループもあります。Chatterで質問を共有する際は、情報がサイロ化しないように配慮しています。

私たちのコミュニケーションチャネルはChatterだけではありません。ログインページにデジタルサイネージを設置し、重要な発表を共有しています。また、Quipドキュメントで最新のガイドラインとリソースを毎日更新し、ここを単一の情報源としています。さらに経営陣は状況を毎日メールで送信し、Chatterで挙がった重要度の高い質問を共有しています。誰もが最新情報を求める現在のような状況では、こうした透明度の高いコミュニケーションが不可欠なのです。

 

プロセスをデジタル化して「どこにいても働ける」環境を構築する

当社の記録や文書が紙ベースだったとしたら、リモートワークへの移行ははるかに困難だったでしょう。私たちはテクノロジー企業なので、そもそも紙ベースのプロセスはそれほど多くありません。しかしそんな私たちでも、以前はスプレッドシートでデータを追ったり、メールで送ったりしていたため、プロセスの大部分を自社プラットフォーム上に構築したアプリへと移行し、デジタル化をさらに進めてきました。たとえば、出張承認、マーケティングコンテンツ、組織図などをデジタル化するアプリを構築しています。さらに、スプレッドシートの最新版をメールで送るのではなく、全員が必要な情報にアクセスできる体制を整えました。このようにプロセスを常にデジタル化し、Salesforce上に構築してきたため、リモートワークへの移行はかなりスムーズでした。

 

コラボレーションを円滑化するツールを使用する

私は、リモートワークによってコラボレーションが困難になることに早くから気付いていました。私たちがウォータークーラーを囲んで日常的に行っていた「井戸端会議」は、仕事に役立つ有益なインサイトを見つけるうえで重要だったりするものです。公式のミーティングや非公式の「バーチャルコーヒータイム」にビデオハングアウトを利用する以外に、ドキュメントの共同作業ができるソーシャルツールもあると重宝します。ソーシャルタグとチャットをドキュメントに組み込めるQuipを使うと、全員がどこからでも共同作業を迅速に進めることができます。

たとえばこんなことがありました。ある従業員が、客先を訪問できない状況で、物理的なホワイトボードを使わずにホワイトボードセッションをするにはどうしたらよいのだろうと考えたのです。そこで彼女は、Quipドキュメントにアドバイスを書き込んでほしいと同僚たちに頼みました。数時間のうちに、多数のメンバーがQuipドキュメントに自分の意見を追加しました。こうしてSalesforceの全従業員は、ツールが吟味される様子を目撃し、バーチャルミーティングでの効果的な使い方を習得したのです。現在、Quipはどなたでも無料で入手できます。ぜひ、仮想コラボレーションの促進にお役立てください。

さらに、Trailheadを使用すれば、リモートコラボレーションのヒントや、この困難な時期に集中力を維持する方法も共有できます。こちらのTrailmixをご覧ください。集中力を保ち、有意義な在宅勤務を実現するヒントなど、Salesforceのチームも参考にしている有益な情報です。

 

情報をすばやく簡単に検索できるようにする

この数週間で、私たちは出張回数を減らし、在宅勤務に関する新たなポリシーを導入し、従業員に個人的な旅行計画を見直すように要請しました。その結果、IT、HR、施設の各チームに多くの質問が寄せられました。こうした場合、従業員が必要な情報を容易に検索できるようにすること、そして、さらなるサポートが必要な人にヘルプチケットを容易に発行できることが重要です。

Conciergeは、私たちのセルフサービスヘルプデスクツールです。検索インターフェースでナレッジベース記事に導き、従業員の役職や勤務地にもとづいて適切な情報を提示します。従業員は自分のリクエストの処理状況を完全に把握でき、ライブチャットを介してテクニカルサポートとやり取りできます。質問の答えがスムーズに得られるようになれば、ヘルプの検索に時間がかからなくなり、従業員は速やかに安心を得られます。

 

在宅で仕事することが不可能な職務の従業員に配慮する

皆様の会社と同様、私たちも、従業員全員が在宅でできる仕事をしているわけではありません。そのため、オフィスの閉鎖中も、在宅で仕事することができない従業員に給与を支払い続けています。また、多くの学校が閉鎖されているため、自宅で仕事ができる従業員に対してもサポートが必要です。これについては、地域のパートナーと連携するとともに、子どもの世話が必要な従業員の仕事を減らすなどの柔軟な対応をマネージャーに求めています。こうした対策は、すべての企業が実践できるものではないかもしれませんが、Salesforceの経営陣はこうした対策に取り組み、Ohana(オハナ:家族を意味するハワイ語で、当社に関わってくださるすべての人たちを指しています)と私たちの社会を可能な限りあらゆる方法でサポートしています(英語)。

従業員の生産性を維持し、仕事に集中できるようにツールやリソースを整備することは、どんな時も重要なことです。従業員がやるべきことに専念できるよう障壁を取り除くことは、リーダーの責任としてますます重要になっています。今回ご紹介したアイデアが、この困難な時期を乗り切るヒントとして、皆様の組織に少しでもお役に立てば幸いです。

ご興味がある方はぜひ、こちらのオンラインコンテンツもご利用ください(英語)。従業員やお客様、コミュニティを守るための私たちの活動についてもご紹介しています。

 

本連載「Leading Through Change - いま、私たちができること。 -」 では、ビジネス・リーダーがこの難しい状況を乗り越えるために役立つ、ソート・リーダーシップ、ヒント、リソースをお届けしています。ぜひ、下記の記事もチェックしてみてください。

 

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