Leading Through Change  - いま、私たちができること。- 

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が続く中で、私たちは友人や家族、同僚とのつきあい方を変えざるを得なくなりました。ビジネスも例外ではありません。人の行動が変われば、行動と結び付いたデータも変わります。そのため、現行のモデルが異常な結果を生成してしまう恐れもあるのです。

いまのビジネスに共通する課題は、予測不可能なことをいかに予測するか?です。

この記事では、この不確かな状況の中でも、AI(人工知能)予測を活用しながら、顧客を確実にサポートするために知っておくべきことを説明いたします。

 

AI予測の精度が下がる可能性

この数週間で、生活にどれだけ多くの変化が生じたかを考えてみてください。数千、数万どころか、数十億の人たちが同じようにライフスタイルを変えました。このことが、AIを使った顧客の行動予測に頼るビジネスにどのような影響を与えるでしょうか。

まず、それまで信頼性の高かったモデルでも、急に正確な予測ができなくなることが考えられます。

  • 予測モデルは、予想外の人材配置のニーズに対応できません。

  • 販売リードスコアリングモデルは、休校の増加がお客様の会議に与える影響を知りません。

  • チャーンモデルは、ソーシャルディスタンスや急激な大量失業を変数として織り込みません。

AIは過去のデータを踏まえて、正確な予測を導き出します。しかし、このパンデミック(世界的大流行)は予測を狂わせてしまうかもしれません。モデルは変化に適応して学習しますが、今起きているの激動の変化を十分な速さで学習することは困難です。

この変化の渦中で、何ができるでしょうか?この記事では、まさに今日明日というタイミングで顧客にベストなサポートを提供するためのヒントを紹介します。

 

AIを使って顧客に思いやりを示すための6つのヒント

最適なカスタマーエクスペリエンスをサポートする正確なデータと予測を維持するために、今こそAI戦略をしっかり見直すときです。有意義なカスタマーエクスペリエンスこそが、長期にわたる信頼関係の基盤になります。(どちらも英語の記事ですが以下の2つもぜひ、参考にしてみてください。参考記事1 , 参考記事2 )ここで、具体的なヒントをご紹介します。

 

1. データとダッシュボードを吟味する

主要なビジネスKPIを表示するためのダッシュボードをよく確認してみてください。何か変化はないでしょうか?問題解決までに要する時間が普段より長くなっていたりしないですか?

データを時単位、日単位、週単位でスライスしてみます。新型コロナウイルスに関連があるレコードがあれば、それでスライスするのも良いでしょう。そうすることで、通常の(一般に季節性の)パターンを、最近の顧客行動の変化から切り離すことができます。

ただし、注意が必要です。どこかの日や週に以前と違うデータが現れても、そう見えるだけの紛らわしい情報かもしれません。新しい行動を観察するときは、1回限りの現象なのか、新しい正常値なのかをよく吟味しましょう。たとえば、トイレットペーパーのまとめ買いは新しい傾向とは言い切れませんが、免疫力を高めるビタミン剤が売れ続けるのは新しい傾向の可能性があります。

 

2. AIモデルを検査する

このパンデミックがビジネスに与えた影響をデータから知るためのいい方法があります。データからさまざまなセグメントを切り出し、そこから構築したAIモデルを比較するのです。

前年のデータでモデルを構築し、今年のデータ、または十分な量があれば今月のデータと比較してみましょう。2つのモデルに違いはないでしょうか?一番重要な属性は何ですか?データの変化について、何か気づくことはないでしょうか?

 

3. モニタリングを重ねる

時間が経つにつれて予測がどう変わるかに注目しておいてください。たとえば、無料体験から有料サービスへ移行した場合のコンバージョン率を予測する場合、今の環境下でも顧客は同じ行動を見せているでしょうか?予測値と実測値を比較するレポートを作成し、再び時間でスライスしてください。この数週間で、数値に変化はあったでしょうか?こうした比較によって、新型コロナウイルスを要因とする変化が可視化され、顧客に最善のサポートを提供する方法が見えてくるはずです。

 

4. 新たなインサイトに過剰に反応しない

AIを活用するすべてのビジネス領域に注意を払ってください。あらゆることが不確かな状況であるため、逸脱行為を見張る不正行為検知アルゴリズムが正しく動作しないかもしれません。不正行為に見えたものが新しい正常値であることや、以前の状態にまた戻ることも考えられます。

まだ確実なことはわからないので、しばらく様子を見る必要があります。

状況がどう転じるかに応じて、新しい正常値への対応を考えます。そのデータを将来のモデルトレーニング用として保存するのか、別の目的に利用するのかを検討します。予測のモニタリングは継続的に実施し、適応を続けていく必要があるでしょう。

 

5. ビジネスプロセスを更新する

予測よりも大事なものが、予測にもとづいて実行されるビジネスプロセスです。要するに、たとえ未来を完璧に予測できたとしても、それがビジネスの成果に結び付かなければ意味がないのです。

この激動の状況を踏まえて、自動化されたワークフローを調整する必要があるかもしれません。たとえば、顧客の支払い遅延の確率を予測するモデルを使って、支払いが遅れそうな顧客にリマインダーのメールを送信するフローを構築しているとします。このメッセージの内容を見直し、共感と思いやりを込めた表現に書き換える必要があります。間違っても、顧客のストレスを増やし、反発を招くような不愉快なメッセージを送ってはなりません。
 

6. チームとともに乗り越え、思いやりを持ってリードする

今回の問題を解決するには、大勢の人の力が必要です。

ぜひビジネスの専門家やSalesforceシステム管理者と一緒に、モデルを検討してください。アナリストを交えてデータをスライスし、インサイトについて話し合いましょう。プロダクトチームから営業チームまで広く多面的な見解を求め、正しい方向を目指して共同で作業します。

私たちの日々の暮らしにおいて、AIは無限の可能性を持ち、ビジネスに大きなチャンスをもたらします。ただそこで忘れがちなのは、一つひとつのデータポイントは1人の人間だということです。この難しい局面にある中、これまで以上に、私たちの誰もがこの経験を共有しているという単純な事実を忘れないようにしましょう。顧客にどのような印象を持ってもらいたいかを考えれば、進むべき道はおのずと見えてきます。

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