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ROIの実現に向けて:AIでコストセンターを収益エンジンへと変革するブランドの取り組み

How Brands Turn Cost Centers into Revenue Engines with AI

※本記事は2026年10月1日に米国で公開されたGetting to ROI: How Brands Turn Cost Centers into Revenue Engines with AIの翻訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


  • AT&T、Southwest、Canada Gooseなどの企業が、AIエージェントの導入から得た教訓を紹介します。
  • 共通するテーマは、AIを活用してコストセンターをバリューセンターへと変革すること、エージェント型システムに信頼性を組み込むこと、そして顧客ニーズとともに進化し続けることの重要性です。

さまざまな業界のSalesforceのお客様が先日、AIエージェントの導入について語り、うまくいったこと、驚いたこと、そしてこれからAI活用に取り組む企業へのアドバイスを共有しました。

そこには明らかな傾向が見てとれました。実際に成果を上げているお客様は、単に導入するだけではありませんでした。ユーザーの声に耳を傾け、成功の定義を明確にし、その成功を持続させるためのガードレールを構築していたのです。ここでは、繰り返し語られた3つの教訓をご紹介します。

AIは、ビジネスにおける「人」の価値を引き出す

Salesforceのお客様に共通するテーマは、時間のかかるタスクをエージェントに任せることで、人が人ならではの価値をより多く提供できるようになるという点です。AIエージェントが定型業務を担うことで、人は人にしかできない仕事に取り組めるようになります。

Canada Goose(カナダグース)では、ジャケットがいつ届くのか、セーターを別のサイズに交換するにはどうすればよいのか、といった顧客からの問い合わせ対応に、もはやスタッフが一日を費やすことはなくなりました。現在は「Agentforce」がこうした対応を担い、定型的なメッセージでの問い合わせの89%、電話での問い合わせの15%を自律的に解決しています。その分、同社の「Style Experts」は、パーソナライゼーションやパーソナルショッピング、顧客とのつながりを生む瞬間づくりに注力しています。

同社Head of Global Customer Experience and Revenueのデニス・リウト(Dennis Liut)氏は次のように述べています。「私たちは、AIが人を排除するのではなく、むしろ人の価値を高めるものにしたいと考えていました。そして今では、かつてコールセンターだった部門が、数百万ドル規模の収益を生み出すExperience Centerになっています」

Canon(キヤノン)もまた、人の対応を必要としない問い合わせをエージェントに任せることで、サービス部門をコストセンターからバリューセンターへと転換しつつあります。VP of Service Information Management and Technologyのビル・デュヴァル(Bill Duval)氏は次のように述べています。「このデータを活用し、顧客の声を生かす機会はあらゆるところにあります。顧客の手間を減らしながら、その情報を収集して製品開発に生かせることは、私たちにとって非常に大きな価値があります」

AT&Tの戦略の中心にあるのは、AIを人によるやり取りの代替ではなく、その質を高めるために活用することです。その一例が「agent briefing」です。これはAT&Tの店舗向けアプリで取得したチェックイン情報をもとに、顧客の主要な情報を収集・整理するもので、店舗のスタッフは顧客と接する前に、相手が誰で、どのような用件なのかを把握できます。これを機能させるには、ブリーフィングが正確で適切なコンテキストを提供できるよう、データ品質とガバナンスに事前に投資する必要があります。また、会話のどの場面でAIが関与し、どの場面で引くのかを慎重に見極めることも求められます。

VP of Consumer and Business Solutionsのジョン・ミラー(John Miller)氏によると、目指しているのはプロアクティブな顧客サービスです。顧客が尋ねる前にニーズを予測し、対応する担当者がそれに応えられるよう支援することです。

Dreamforce 2026に登壇したCanada Goose Head of Global Customer Experience and Revenueのリウト氏

顧客が本当に求めているものを見極め、問い続ける

複数のお客様が、社内の思い込みに基づいて導入を過度に作り込むことに注意を促しました。

Fisher & Paykel(フィッシャー&ペイケル)のChief Digital Officer、ルディ・クーリー(Rudi Khoury)氏は次のように述べています。「始めた当初は、顧客が何を求めているかについて多くの仮説を持っています。しかし実際に取り組むことで、顧客が本当に必要としているものがすぐにわかります」この言葉は、改善を重ねる準備をしながら、まず飛び込んでみることの意義を強く示しています。また、クーリー氏は次のようにも述べています。「とにかく始めて、エンドユーザーから直接学ぶことです」

Southwest Airlines(サウスウエスト航空)も同じ考え方をロードマップに取り入れ、実際のチャットデータを活用して次の導入領域を決めています。優先順位を左右するのは社内の推測ではなく、実際の顧客からの質問です。

同社Manager of Customer 360のメーガン・ラウバー(Megan Rauber)氏は次のように述べています。「チャットでのやり取りから得られる多くのデータを活用し、お客様がこの体験の中でどのようなサービスを求めているのかを把握して、取り組みを進めています。新しい機能を導入し続ける中で、CSAT(Customer Satisfaction:顧客満足度)スコアは週を追うごとに向上し続けています」

ここから得られる教訓は、導入は一度きりの決定ではなく、顧客との継続的な対話であるということです。

Dreamforce 2026に登壇したSouthwest Airlines Manager of Customer 360のラウバー氏

必要な制御と信頼(ガバナンス)を組み込む

規制の厳しい多くの業界では、スピードや効率よりも信頼が重視されます。最も持続的な成功を収めているお客様は、導入の当初から信頼(ガバナンス)を組み込んでいます。

AT&Tは、エージェントをいつでもオン・オフできる仕組みを整え、独自の知的財産(IP)に関わるあらゆる処理に対してトラストレイヤーと自社のLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を導入しました。

Dreamforce 2026に登壇した「Sammons Financial Group」AVP of Capability Planning and Deliveryのアンドリュー・ウォーリング(Andrew Walling)氏

Sammons Financial Group(サモンズ・ファイナンシャル・グループ)も、同様に規律あるアプローチを取りました。同社は本番稼働前に200を超えるガードレールとテストを実施し、モデルが実際の会話から学習しないよう意図的に設定することで、コンプライアンスが重視される環境においてドリフト(モデルの挙動の変化)を事実上排除しました。安全性を確保するためにフェイルセーフを導入したことについて、AVP of Capability Planning and Deliveryのアンドリュー・ウォーリング(Andrew Walling)氏は次のように述べています。「当社にはキルスイッチがあります。すべての通話を常に聞き取り、通話内容とCRM上の値を照合するスーパーバイザーエージェントです」

Takeda(武田薬品)の米国法人は、製薬業界の規制の範囲内に慎重にとどまりながら、営業担当者の時間を奪っている事務作業の自動化を進めています。このバランスを保つには、進化し続けるテクノロジーに常に追従する必要があります。Head of Commercial Innovation and External Experienceのサマー・アンサリ(Samer Ansari)氏は次のように述べています。「AIは非常に速いスピードで進化しています。それについていかなければなりません」

これは、信頼(ガバナンス)が大きな目標を妨げるものではないことをあらためて示しています。信頼(ガバナンス)こそが、大きな目標を持続可能なものにするのです。

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