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Slackの新プラットフォームが仕事の自動化とAIを加速させる理由

※本記事は、米国で公開された How the New Slack Platform Will Turbocharge Automation and AI at Workの抄訳です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


編集部注:Slack GPTはSlack AIになりました。Slack AIの最新情報はこちら


2014年の一般提供開始以来、Slackはその名称が示す「すべての会話と知識の検索可能なログ(Searchable Log of All Conversation and Knowledge)」から、仕事の進め方を根本的に変える生産性プラットフォームへと着実に進化してきました。

Salesforceは今月(2023年5月)、技術経験やコーディングの習熟度に関係なく、Slackであらゆるものを簡単に自動化・統合できる次世代プラットフォームをリリースしました。コード不要のワークフローやカスタムインテグレーションの作成から、生成AIの組み込みまで、新プラットフォームにより、Slackのデータ利用はよりシンプルに、より自動化され、よりインテリジェントになりました。

Slackの製品・プラットフォーム担当SVPであるスティーブ・ウッド(Steve Wood)は、Salesforceにおいてもスタートアップの創業者としても、このようなローコードプラットフォームを構築してきた経験があります。彼の説明によれば、自動化と生成AIを顧客の手に直接届けることは、人々の働き方だけでなく、将来的に機械と人々がどのように相互作用するかを変革する、Slackにおける大きな前進となります。

ウッドは、新しいSlackプラットフォームの舞台裏、Slack GPTが自動化をどのように促進するかについてのインサイト、そして技術が進化し続ける中で彼のチームが注目する点について、次のように語ります。

Q:新しくリリースされたSlackのプラットフォームと、その独自性、柔軟性について教えてください。

Slackのプラットフォームは常にエンゲージメントを重視してきました。技術的な専門知識に関係なく、すべてのユーザーがSlackで仕事を自動化できるようにするにはどうすればよいのか、という点です。

先月(2023年4月)、開発者向けに一般公開された新バージョンのプラットフォームは、カスタマイズリミックスや再利用が可能で、Slackに出入りするあらゆるものに接続できる、関数、トリガー、ワークフローなどの「ビルディングブロック」に基づいたモジュラーアーキテクチャを採用しています。たとえば、開発者はSalesforceプラットフォームと連携するオーダーメイドのソリューションを構築することができ、ユーザーがより効果的にコラボレーションし、仕事の流れの中で直接、セールス、サービス、マーケティング、コマースにわたるワークフローを自動化することができます。

この新しいプラットフォームとSlack GPTのリリースにより、開発者は各ステップにおいて簡単なプロンプトを含む、AIアクションを組み込んだワークフローをコーディングできるようになったため、誰でも簡単にAIを活用した自動化を導入できるようになります。この機能は、Slackのコーディング不要の自動化ツール、Workflow Builder を通じて、今夏にリリースされる予定です。

これらすべてにより、開発者であろうとなかろうと、仕事で行うあらゆる作業がより簡単かつ効率的に行えるようになります。

これらすべてにより、開発者であろうとなかろうと、仕事で行うあらゆる作業がより簡単かつ効率的に行えるようになります。

Q: 開発者やエンドユーザーにとって、ローコードによる自動化とはどのようなものですか。

新しいテクノロジーが登場すると、開発者や専門家が真っ先にそれを使います。ローコードにより、ますます多くの人々がアプリやAIを通じて、ツールを利用できるようになり、誰もが恩恵を受けられるようになります。

私たちは、Slackプラットフォームを非常に簡単に見つけて、使用できるようにしたいと考えています。そして、勇気のある方が、ローコード革命に参加できるようにしています。ビルディングブロックをリミックスしたり再利用したりしてワークフローを形成し、独自の変更を加え、改良したものを公開することができます。つまり、Slackをカスタマイズすることで、あらゆる作業を強化できるのです。

Q:生成AIによって、それはどのように変化、進化するのでしょうか。

私は、データとAIや自動化が組み合わさることで、私たちの働き方が一変すると心から信じています。

彼らがChatGPTの対話型インターフェイスを作ったとき、「すごい、これで誰もがこの高度なAIを新しい方法で操作できるようになった」という驚きが拡がり、爆発的な利用が見られました。それは、Slackでも見られました。Slackが対話型インターフェイスになったことで、顧客はよりスマートに仕事をし、より速く学習し、より良いコミュニケーションをとれるようになりました。。

ローコードにより、自動化が簡素化され、人間と機械の両方が再利用できるビルディングブロックが作成されます。これを、SlackやSalesforceに保存されている信頼できる企業データ上の生成AIと組み合わせれば、テクノロジーとの関わり方を完全に再構築できる可能性があります。今から5年後、私たちはこう振り返るかもしれません。「昔、コンピューターを使って手入力で仕事をしていたのを覚えているかい?あれはちょっとクレイジーだったね」。これは、iPhoneが初めて発売されたときのことを思い出させる出来事です。誰もが画期的なものだと分かっていたのに、その可能性が最大限に発揮されたのは数年後のことでした。

Q: Slack GPTについて教えてください。

Slack GPTがSlackのユーザーエクスペリエンスに生成AIをネイティブに組み込むことで、会話やハドルの要約、メッセージの編集などが行えるようになります。

それがなぜ強力なのか、その理由を説明しましょう。「 数週間Slackから離れるのは、休暇から戻ってきたときにクレジットカードの明細書を見るようなものだ」という冗談を聞いたことがあるのですが、たしかに数週間Slackから離れると、「ああ、追いつかなければならないことがたくさんある」と圧倒されるような感覚に襲われるかもしれません。しかし、Slack GPTを使えば、不在中に届いたメッセージをすべて要約して、より早く状況を把握することができます。

SlackのユーザーインターフェイスにネイティブAIが組み込まれているため、クリックするだけですべてが可能になります。

Q: Slack GPTの活用方法として、他にどのようなものがありますか?

Slack用のEinstein GPTアプリにより、SlackはCustomer 360の会話インターフェイスとなり、リアルタイムの顧客データからEinstein GPTを活用したインサイトがSlackに反映され、すべてのチームで顧客理解が深まります。

そして、私が最も楽しみにしているのは、Slack GPTは、OpenAIのChatGPTAnthropicのClaudeのようなパートナーが構築したアプリであろうと、カスタムインテグレーションであろうと、選択したLLMを統合して自動化することができるということです。また、自動化されたプロセスに生成AIを即座に組み込むこともできます。たとえば、AIを活用したワークフローを構築し、Sales Cloudから新しいリードが来たときに、ChatGPTがCRMデータを使用して、パーソナライズされた見込み客宛てのメールを作成し、それを文書としてチャンネルに共有することができます。これで、リードをフォローアップするための大きなスタートを切ることができます。

EinsteinGPT、Data Cloud、Customer 360、そして今回のSlack GPTを組み合わせた、Salesforceのこれらすべてのイノベーションについて考えると、SlackとSalesforceを強化するために力が結集し、信じられないほどの連携が生まれています。これは、顧客の働き方を変える素晴らしい機会を生み出します。

Einstein GPT、Data Cloud、Customer 360、そして今回のSlack GPTを組み合わせた、Salesforceのこれらすべてのイノベーションについて考えると、SlackとSalesforceを強化するために力が結集し、信じられないほどの連携が生まれています。


Q: AIは時間の経過とともにより良く、より賢くなります。AIを活用した自動化にSlack GPTがどのように利用されているか、またどのように最適化されていくかについて、注視していく予定でしょうか。

私たちが最も楽しみにしているのは、Slack GPTが世に出たとき、人々がどのような使い方をするかということです。私たち開発者が考えている使い方と、人々が実際に新しいテクノロジーをどのように使うかは、常に大きく異なります。私たちは常にそのような状況を見ていますが、予期せぬ利用方法や振る舞いを見るのが楽しい部分でもあります。

Slack GPTの主な焦点は、生成AIをSlackにネイティブ統合し、LLMテクノロジーを適切に表示させるという取り組みです。LLMテクノロジーは、Slackのノーコードおよびローコード機能を利用するプラットフォームユーザーを強化し、顧客体験を向上させるためにあります。

私たちはまだ独自のLLMテクノロジーを構築しているわけではなく、テクノロジーを活用し、それを製品自体に組み込んでいます。これは、私たちが目にしたデータや行動から学び、その過程で製品をさらに改善していくためのアプローチです。

Q: これほど自由度の高いテクノロジーとプラットフォームを活用して、企業や顧客がSlackをより効果的に使うための最大のチャンスは何だと思いますか。開発者としての視点も踏まえて教えてください。

私がパンデミックの最中にSlackに加わったとき、前任者が私をいくつかのチャンネルに追加してくれました。何か決断に迷ったときは、チャンネル内を検索したり、スクロールしたりすればよかったのです。そこには、参照できる蓄積された知見があったので、私は誰かにメールを転送してもらう必要がありませんでした。 

そのような過去の会話に含まれる情報や知識は、未来に情報を提供し、組織が実際にどのように運営されているかを示す集合的な記録として、大きな関心を寄せられるべきです。しかしそれ以上に、人々がツールやワークフローをどのように使っているかを示す追加データを組織が活用することで、それらを改善することができます。そして、AIテクノロジーをSlack内の豊富なデータセットに適用することは、非常に大きなチャンスとなります。

Q: SlackとSalesforce Customer 360はどのように連携しますか。

重要なのは、情報の関連性と、可能であれば1カ所に簡単にアクセスできることです。Slackは仕事が行われる場所であり、商談が成立したり、新しいリードが作成されたり、新しいケースが申請されたりといった、変化に非常に適しています。

このようなシナリオにおけるデータはSalesforceの中にありますが、イベントが進行したり変更されたりするにあたり、Slackに連携する必要が出てきます。そして、生成AIを組み合わせることで、このイベントを通してガイドしてくれるアシスタントを手に入れることができます。これによって、透明性が大幅に向上することが期待されます。最終的には、リアルタイムで意思決定を下す際に、十分に情報を得ていると感じられるよう、可能な限り整合性のとれた透明性の高い方法で、最も効果的に行動することが重要です。

最終的には、リアルタイムで意思決定を下す際に、充分に情報を得ていると感じ、可能な限り整合性のとれた透明性の高い方法で、最も効果的に行動することが重要です。

Q: 半年前、このテクノロジーはほとんどの人に知られていませんでしたが、今では私たち全員の働き方に不可欠なものになりつつあります。これは将来にとってどのような意味を持つと思いますか?

特に私たちのような開発者にとっては、本当に興味深い時代であり場所といえます。なぜなら、そのテクノロジーの創造者でさえ、それがどのように機能するのか、どのように操作すべきなのかを完全に理解していないからです。ソフトウェア業界では珍しいことです。私たちは、ベストプラクティスや行動に基づいてコントロールし、情報に基づいた意思決定を下すことを好みますが、期待される振る舞いが実際にはわからないというのは初めてのことです。

そのため、私たちは顧客に提供する情報が100%正確であり、一貫性があり、正確で安全なプロセスや自動化を推進しているという安定性と保証を必要としています。

未来は、Salesforceで最も重要な価値観でもある信頼の構築に重点を置いた、倫理的で責任ある開発にかかっています。Salesforceには素晴らしいテクノロジーがあり、信じられないようなことができるように思えますが、顧客にも信頼できると感じてもらうにはどうすればよいでしょう。私たちはそれについて真剣に考え、積極的に取り組んでいるところです。

詳細情報

  • Slackの次世代プラットフォームについてはこちら、Slack GPTについてはこちら(英語)。
  • Salesforceとアクセンチュアが顧客向けの生成AIでどのように協業しているかはこちら(英語)。
  • Salesforceが信頼できる生成AIをどのように構築しているかはこちら
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