過去最高の売上:世界全体で1兆2,900億ドル(前年比7%増)
AI/AIエージェントの貢献:全売上の20%(2,620億ドル)を創出
検索の傾向変化:AI検索経由の購買確率はSNSの9倍に
※本記事は2026年1月8日に米国で公開されたHoliday Season Rakes in Record $1.29T for Retailers, Salesforce Data Showsならびに1月10日に公開されたAgentic Commerce Needs Shared Context. Today, Agentforce 360 Delivers It.を日本向けに編集・抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
株式会社セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:小出 伸一、以下、Salesforce)は本日、2025年のホリデーショッピングに関する調査結果(11月1日〜12月31日)を発表しました。これによると、オンライン売上は世界全体で過去最高となる1兆2,900億ドル、米国では2,940億ドルに達し、AIやAIエージェントの強い影響が見られました。平均販売価格が上昇する中、前年同期比の売上成長率は世界全体で7%、米国で4%を記録し、ホリデーショッピング期間の開始から終了まで、消費者の購買意欲が堅調に推移したことが示されました。
特に、12月最後の2週間では、世界全体で前年同期比12%(米国では9%)の売上増を記録し、シーズン前半の成長率を上回る伸びを見せました。また、AIやAIエージェントはホリデー期間の小売を大きく後押しし、パーソナライズされたレコメンデーションや、より深い顧客エンゲージメントを通じて、小売売上全体の20%を占め、2,620億ドルの収益創出に貢献しました。
今年は、AIを活用した検索の本格的な拡大に向けた、一つの転換点となりました。ChatGPTやPerplexityといったサードパーティのAI検索チャネルからのトラフィックは、世界全体および米国のいずれにおいても、前年と比べてシェアが2倍に拡大しました。これらのチャネルは依然として成長段階にありますが、購買意欲の高い消費者を着実に呼び込んでいます。実際、AI活用型検索チャネルを通じて小売企業のウェブサイトを訪れた消費者は、ソーシャルメディア経由の場合と比べて、購入に至る確率が9倍高いことが明らかになりました。
これらの結果から、AIやAIエージェントがすでに小売体験の中に深く根付いていることが分かります。一方で、マーケティング、コマース、サービスの各分野でAIエージェントの活用が広がるにつれ、この流れの広がりを妨げかねない新たな課題も見え始めています。
課題:分断されたコンテキストが生む、エージェント型コマースの限界
現在、多くの企業ではAIエージェントを機能ごとに個別に導入しています。それぞれのAIエージェントは、属するシステム内のデータやAPI、ワークフローに基づいて最適化されており、マーケティングのAIエージェントはキャンペーンを、コマースのAIエージェントは商品カタログを、カスタマーサービスのAIエージェントは問い合わせ対応を担っています。
その結果、企業全体としてはコンテキストが存在しているにもかかわらず、単一のAIエージェントがそれらを横断的に把握・推論できない構造になってしまうことがあります。その帰結として生じるのが、よく見られるカスタマーエクスペリエンスの分断です。
たとえば、顧客が「金曜日までに配送」とうたうキャンペーンをクリックしたとします。ところが、ストアフロントのAIエージェントが過去に返品したサイズの商品を勧め、配送予定日はいつの間にか月曜日にずれ込みます。さらに、顧客からのフォローアップの問い合わせには、直前のやり取りを踏まえない定型的な回答が返ってくる―といった具合です。
個々の仕組みが「壊れている」わけではありません。各AIエージェントはそれぞれの役割を果たしていますが、互いに切り離された状態で機能しているのです。これが、エージェント型コマースにおける「コンテキストの問題」であり、企業はその代償として、顧客からの信頼、収益、そしてロイヤルティを失っています。
自社でのDIY型コンテキスト統合がうまく機能しない理由
多くの企業はこの問題を認識し、自力で解決しようと試みます。キャンペーンデータ、行動シグナル、閲覧履歴、在庫情報、注文履歴、サポート対応のコンテキストなどを、APIや各種システム連携を通じてつなぎ合わせ、AIエージェントのための独自の「コンテキストレイヤー」を構築しようとするのです。
一見すると合理的な統合プロジェクトに見えますが、次第に状況は大きく変わっていきます。APIは増え続け、データパイプラインは徐々に乖離し、レイテンシーが発生します。権限管理は徹底されず、新たなAIエージェントを追加するたびに、管理すべき新しい連携が増えていきます。
その結果、AIエージェント間で共有されるコンテキストレイヤーの構築に、数カ月、場合によっては数年を費やしたにもかかわらず、出来上がるものは「変化に弱く、脆い」「維持・運用コストが高い」「ガバナンスが極めて難しい」といった状態になりがちです。これが、自社で行う多くのDIY型AIエージェントアーキテクチャがうまくいかない理由です。データを「つなぐ」ことはできても、インテリジェンスを真に「統合」することはできないのです。
解決策:Agentforce 360と統合コンテキストエンジンによって実現するコマース
Salesforceは、このような課題を解決するために「Agentforce 360」を開発しました。Agentforce 360は、営業、コマース、マーケティング、サービスにまたがる、エンタープライズグレードの統合コンテキストエンジンを提供し、顧客企業が自ら構築や運用を行う必要はありません。
脆弱な連携によってAIエージェント同士をつなぎ合わせるのではなく、企業は単一の共有インテリジェンスレイヤー上にAIエージェントを展開します。そこでは、コンテキストが一貫して理解・解釈され、アクションに反映されます。
この共有インテリジェンスは、コマースおよびマーケティング領域における新たなAgentforceの機能を通じて提供されます。具体的には、「Agentforce Commerce Guided Shopping」や「コンテキスト対応検索」、SMS、WhatsApp、メールを横断した双方向メッセージングなどが、すべて同一の統合基盤上で稼働します。
小売企業がコンテキストに基づいた一貫した対話体験を提供するため、次のような機能が提供されます。
- 双方向メール、SMS、WhatsApp:従来の一方通行の通知を、会話型コマースのための「生きたチャネル」へと進化させる機能です。小売企業のウェブサイトと同じ「頭脳」を統合することで、受信トレイは単なる集客のための導線ではなく、実際に購買が完結するタッチポイントになります。「一斉配信型マーケティング」から、まるでパーソナルショッパーとテキストでやり取りしているかのような、よりパーソナライズされた体験へと移行します。
- コンテキスト対応検索:検索バーとショッピングエージェントのロジックの両方を支えるエンジンで、固定的なキーワードマッチングにとどまらず、自然言語や顧客の意図を理解します。
- Agentforce Guided Shopping のアップデート:プロンプトを待つのではなく、Agentforce Guided Shoppingで構築された小売企業のECサイト上のAIエージェントが、購買ジャーニーの重要なタイミングで、ナビゲーションや検索のガイダンスを能動的に提供します。在庫確認や配送料の算出、商品に関する質問への回答といったコンテキストを即座に把握・反映し、顧客は一つの会話の中で購入を完了できる、よりスムーズな体験を得ることができます。
Agentforce 360によって実現するコマースでは、次のような体験が可能になります。
- キャンペーンの意図が、ガイド付きショッピングやサービス対応へと直接つながる
- ストアフロントとメッセージングチャネルを横断して、会話が途切れることなく継続する
- 信頼、権限、ガバナンスが、すべてのインタラクションにおいて一貫して保たれる
Agentforce 360によって、エージェント型コマースは、もはや分断された体験の積み重ねではなくなります。
顧客がメールで質問すれば、同じAIエージェントのインテリジェンスがストアフロントで応答します。サービス対応においても、リセットや繰り返しを必要とせず、そのまま会話が継続されます。
裏側では複数のAIエージェントが稼働していますが、推論し、判断し、行動する上では「ひとつ」として機能します。
エージェント型コマースの未来
エージェント型コマースは避けて通れない流れです。一方で、DIY型の統合によって構築されたエージェント型コマースは、変化に弱く、導入までに時間を要し、コストもかさみがちです。
Agentforce 360は、これまでエージェント型コマースに欠けていたものを提供します。AIエージェントが初めからコンテキストを共有し、協調して推論しながら、一貫したアクションを取れる統合プラットフォームであり、企業がその「つなぎ役」を自ら設計・運用する必要はありません。
顧客は本来、企業の裏側にあるシステム統合を意識するべきではありません。Agentforce 360によって、企業の裏側にある複雑さが表に出ることなく、顧客にとって自然で一貫した体験が実現します。
詳細情報:
2025年 Salesforce ホリデーインサイトおよび予測の調査手法
Salesforceは、Agentforce 360、Agentforce Commerce、Agentforce Marketing、Agentforce Serviceを基盤として、89カ国以上・15億人超の世界の消費者による行動データを集計・分析し、ホリデーシーズンに関するインサイトを導き出しました。分析にあたっては、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、日本、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く)、スイス、ラテンアメリカ(LAM)、中東・アフリカ(MEA)、東欧、ベルギー、北欧の18の主要市場に重点を置いています。
これらのベンチマークは、直近9四半期の動向と現在のデジタルコマースの状況を多角的に把握するためのものです。さらに、小売業界全体のマクロ経済指標を推計するために、複数の要素を加味しています。なお、これらを含む本調査結果は、Salesforce自身の業績を示すものではありません。
本資料で提示している予測データは、Salesforce独自の調査に基づくものです。算出にあたっては、ファーストパーティデータとサードパーティデータを組み合わせ、いくつかの市場に関する前提条件を用いています。
本記事、または公式に言及されている未提供のサービスや機能は現在利用できないものであり、予定通りに、または全く提供されない可能性があります。お客様は、現在利用可能な機能に基づいて購入をご判断くださいますようお願いいたします。






