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Salesforce、「Agentforce for Net Zero Cloud」を発表 統合データでサステナビリティ対応・コスト削減・業務効率化を支援

Salesforce Launches Agentforce for Net Zero Cloud
Agentforceは、インテリジェントなデジタルアシスタントとして
自然言語によるクエリに対応し、サステナビリティに関する
重要なインサイトを抽出し、情報開示で求められる回答を生成
Data Cloudと統合されたNet Zero Cloudは、サイロ化されたデータを統合的なインサイトへ変換し、排出量削減の機会を可視化すると同時に、収益性の向上を実現
Green Impact社では、タスクの自動化と重要データへの即時アクセスを実現し、
環境への配慮とビジネス成果の向上を両立する高インパクトな戦略への注力が可能に

※本記事は2025年6月24日に米国で公開されたSalesforce Launches Agentforce for Net Zero Cloud with Unified Data to Help Teams Meet Sustainability Compliance, Cut Costs, and Drive Efficiencyの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


米国Salesforce(以下、Salesforce)は本日、「Agentforce for Net Zero Cloud」を発表しました。

企業のサステナビリティ担当チームは現在、複雑化する情報開示業務、厳格化する規制スケジュール、そして投資家からの高まる要請という重圧に直面しています。AIの導入が急速に進んでいるにもかかわらず、排出量データの取得には依然として手作業やスプレッドシートへの依存が多く、分断されたシステムからの情報収集には数カ月を要するケースもあります。その結果、情報開示の不完全性や、排出削減の機会を逃すリスクが生じています。実際、企業の75%が、この複雑さに対応できる準備が整っておらず(英語)、サステナビリティデータを業務効率化につながる有効なインサイトに変換できていないと感じています。

こうした課題に対応するため、Salesforceは「Agentforce for Net Zero Cloud」の提供を開始しました。本ソリューションは、あらかじめ作成されたエージェントトピックとアクションを通じて、サステナビリティ担当チームの報告業務を効率化し、運用コストを削減すると同時に、生産性を向上させることを目的としています。Agentforceは、Salesforce Trust Layer上で自社データを活用しAIエージェントによるデジタル労働力を実現します。これにより、人間のチームと連携しながら、時間のかかるタスクを、より迅速かつ高い精度で遂行することが可能になります。

従来のようにスプレッドシートを一つひとつ確認する必要はありません。サステナビリティ担当者は「エネルギー効率が最も低い建物を特定してください」や「不動産部門の前年比エネルギー消費量は?」といった自然言語での質問をAgentforceに投げかけるだけで、数秒で排出量削減の機会やデータのギャップを特定し、ステークホルダー、投資家、規制当局に対して信頼性の高い監査対応可能な回答を提供できます。これにより、サステナビリティ担当チームは、排出量のホットスポットへの対処、リソースの最適化、そしてサステナビリティを競争優位性へと転換する取り組みといったより戦略的でインパクトの大きい業務に集中できるようになります。

Agentforce for Net Zero Cloudが提供する新しいAIエージェント機能は以下です:

  • インサイトの収集:顧客は自然言語での対話を通じて、正確かつリアルタイムなサステナビリティに関するデータやインサイトにアクセスできます。これにより、カーボンフットプリントのモニタリングと分析が容易になり、排出量の削減や、投資家・顧客・規制当局からの要求への対応が迅速に行えます。
  • 情報開示支援:Net Zero Cloudの機能である「情報ライブラリ」や別に保存された関連文書をもとに、CSRD(英語)、SASB(英語)、CDPなど主要な開示基準への対応を自動化します。これにより、第三者保証にも耐えうる法定開示報告書を短時間で作成することができます。

Data Cloudとの統合により、Net Zero Cloudはサステナビリティ、エネルギー消費、サプライヤーに関する大容量かつ高精度なデータにアクセスできる、単一のアーキテクチャ上に統合されたプラットフォームを提供します。財務、調達、業務部門などの各システムと連携し、データの移行や再フォーマットを行うことなく、誤差を最小限に抑えた迅速なインサイトの獲得を可能にします。たとえば Net Zero Cloud を使えば、サステナビリティ担当者は、スマートメーターからのエネルギー使用量、経費精算システムに記録された社員の移動に伴う排出量、さらにはサプライヤーの購買情報を元に算定したスコープ3排出量といった多様なデータにアクセスし、自社の状況を360度全方位から把握することができます。この柔軟性により、単なる反応的な報告業務を脱し、戦略的なアクションへと変革できます。迅速な意思決定、よりスマートな投資判断、そしてサステナビリティ目標に対する測定可能な進捗が、企業の財務パフォーマンスの向上につながります。

重要な理由:報告の負担を戦略的優位性へ

もはや「情報開示」だけでは不十分です。サステナビリティリーダーは、限られたリソースの中で、透明性が高く監査にも耐えうるインサイトを提供し、それが明確なビジネス価値を生み出していることを証明しなければならないという、極めて重要な課題に直面しています。投資家の約85%が、グリーンウォッシュの問題が深刻化していると回答しているなか、信頼の基盤は正確なデータにあると言えます。企業は自社の取り組みの信頼性と実効性をデータで示すことで、信頼を築き、投資を呼び込み、企業のレジリエンス(回復力)を強化することができるのです。


さらに詳しく知る

AgentforceとData Cloudの機能をNet Zero Cloudに統合することで、ユーザーはもはや、視認性の限られた分散型システムに依存する必要がなくなります。

インサイトの収集:効率向上とコスト削減を推進

  • Agentforce for Net Zero Cloudは、単なる数値処理にとどまらず、高度な推論と分析を実行します。これにより、これまで時間を要していた手作業によるデータ分析が不要となり、リアルタイムかつ即座にインサイトを得ることが可能になります。
  • たとえば、スプレッドシートを一つひとつ確認する代わりに、サステナビリティマネージャーはAgentforceに次のように尋ねることができます:「過去四半期で、生産単位あたりのエネルギー消費量が最も高かった上位3施設と、それに関連する調達コストを教えてください」
  • このように即時に提供されるインサイトにより、非効率な設備の特定や、より有利なエネルギー契約の交渉といった、的確な対策を講じることが可能になります。結果として、運用コストの削減とカーボンフットプリントの低減が実現できます。これは従来の情報開示ツールにはなかった高度な機能です。

情報開示支援:法定開示対応の効率化と信頼構築

  • Agentforceは、CSRD(英語)、SASB(英語)、CDPといった主要な開示基準に対応し、複雑な開示要件への回答を自動化します。従来の単独で動作するタイプの情報開示ツールとは異なり、AgentforceはData Cloudを活用することで、Net Zero Cloud内の情報ライブラリや関連文書に直接アクセスできます。
  • たとえば、投資家向け報告書の作成時に、サステナビリティ担当チームは次のように問いかけることができます:「調達品およびサービスに関連するScope 3排出量削減の進捗状況と、サプライヤーとの取り組みによって得られたコスト削減効果を含めたサマリーを作成してください」
  • このようなプロセスにより、正確かつ第三者保証にも耐えうる、文脈に沿った充実した内容の報告書を短時間で作成することができ、不完全・不正確な情報開示によるリスクを軽減するとともに、投資家からの信頼獲得にもつながります。

サステナビリティ情報の集中管理ライブラリ:正確性の確保とリスクの低減

  • Net Zero Cloudに搭載されたインテリジェントな「情報ライブラリ」は、あらゆるサステナビリティ関連コンテンツを一元的かつ第三者保証にも耐えうる形で管理できるハブを提供します。
  • 従来の分散型ドキュメント管理システムとは異なり、情報の一貫性と正確性を担保しながら、複数の報告基準に対応したデータ管理が可能です。
  • これにより、情報開示における誤りや情報の不整合といったリスクを最小限に抑え、レポートの信頼性を高めるとともに、規制当局や投資家からの問い合わせへの対応も迅速かつスムーズに行うことができます。

カスタムエージェントによるスマートなサステナビリティ:価値創出のプロアクティブなアプローチ

  • Agent Builderを活用することで、企業は自社特有のサステナビリティ課題に合わせて、ノーコードでカスタムエージェントを柔軟に構築できます。これは、一般的なサステナビリティプラットフォームにはない、先進的かつ柔軟なAI活用のかたちです。
  • たとえば、企業はAgentforceを用いて、水資源に制約のある施設の水使用状況を常時モニタリングし、異常があれば即座にアラートを出すことができます。これにより、業務の中断や規制違反による罰則リスクを未然に防ぐことができます。
  • また、リアルタイムのコモディティ価格とエネルギー消費データを分析し、再生可能エネルギー調達の最適なタイミングを特定することで、コスト削減を最大化し、データに基づいた新たな価値創出にも貢献します。

Agentforceはサステナビリティを前提に設計

Agentforceは、サステナビリティを考慮して設計されており、顧客自身がAIモデルをトレーニングしたり、チューニングしたりする必要がありません。SalesforceのAIリサーチチームは、コンパクトで効率的なAIモデルを開発しており、最先端の大規模言語モデル(LLM)と比較して、はるかに少ないリソースで動作します。さらにSalesforceは、クリーンエネルギーへの移行を積極的に推進し、政策提言や業界連携、主要なコンソーシアムへの参加を通じて、責任ある持続可能なAIの実現に向けた取り組みを進めています。

Salesforceの視点

「Net Zero Cloudは、AgentforceとData Cloudの機能を活用することで、企業のサステナビリティの取り組みに変革をもたらしています。手作業の報告業務に代わって、AIによるプロアクティブなインサイトと統合されたデータを提供することで、企業は時間を節約し、より戦略的なアクションに注力できるようになります。その結果、サステナビリティが効率性、イノベーション、そしてインパクトを生み出す原動力となるのです」— Salesforce Net Zero Cloud製品責任者 プラシャンティ・スダカール(Prashanthi Sudhakar)

顧客の視点

「Agentforce for Net Zero Cloudにより、私たちは顧客のサステナビリティ担当チームが“ビジネスのスピード”で動けるように支援しています。これまで数時間かけて手作業で処理していたデータも、いまではリアルタイムかつデータに基づく意思決定によって、即座にアクションへとつなげられるようになりました。この変革により、非効率な部分を迅速に特定して運用コストを削減できるだけでなく、サステナビリティ目標への到達スピードも加速すると期待しています」— Green Impact CEO、ダン・コナーズ(Dan Connors)氏

Agentforce for Net Zero Cloudにより、私たちは顧客のサステナビリティ担当チームが“ビジネスのスピード”で動けるように支援しています。これまで数時間かけて手作業で処理していたデータも、いまではリアルタイムかつデータに基づく意思決定によって、即座にアクションへとつなげられるようになりました

Green Impact CEO、ダン・コナーズ(Dan Connors)氏

Net Zero Cloudについて

Net Zero Cloudは、No.1 AI CRM上に構築された包括的なサステナビリティ管理プラットフォームです。企業は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組みを一元管理し、さまざまな報告基準や規制に準拠した、正確かつ第三者保証にも耐えうる情報開示レポートを作成することができます。さらに、AgentforceおよびData Cloudとの連携により、AIによるインサイトと統合データを活用した戦略的なサステナビリティアクションを、バリューチェーン全体(サプライヤーやパートナーを含む)にわたって推進することが可能になります。

提供時期:

  • Agentforce for Net Zero Cloud、the custom Agent Builder for Net Zero Cloud、Data Cloud integration with Net Zero Cloudは、いずれも現在利用可能です。

詳細情報:

  • サステナビリティデータ、プログラム、報告の管理方法を含むNet Zero Cloud製品ページはこちら(英語)。
  • Net Zero Cloudのデモはこちら(英語)。
  • SalesforceがAgentforceを活用して、手動によるサステナビリティデータ収集をどのように自動化しているかについて、Salesforceの活用事例はこちら(英語)。

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