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Salesforce、営業担当者の手作業を大幅に削減するAIエージェント「Agentforce for Revenue」を発表

Salesforce Launches Agentforce for Revenue

※本記事は2025年7月16日に米国で公開されたAgentforce Cuts Sales Quoting Time by 75%, Dramatically Reduces Manual Work for Repsを抄訳、編集しました。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


米国Salesforce(以下、Salesforce)は本日、営業の業務効率化を実現するAIエージェント「Agentforce for Revenue」を発表しました。本製品は、Revenue Cloudに組み込まれており、見積作成やフォローアップ、データ入力といったルーティン業務をAIエージェント(英語)が担うことで、営業活動の効率化を支援します。人とAIの力を融合することで、見積作成から契約、受注、請求に至るまでの一連の商取引プロセスを、より迅速かつ正確に、そして安心して遂行することが可能になります。

こうした背景には、見積作成業務が依然として煩雑で、多くの営業担当者の負担となっている現状があります。適切なSKUの選定、複雑な価格設定ルールの解釈、法的条項の確認、承認プロセスなど、多くのステップをスピーディにこなす必要がある中で、ひとつのミスが遅延や手戻り、誤った見積送付といったリスクにつながります。これらの非効率は、商談のスピードや収益機会の損失に直結しています。

Agentforce for Revenue が実現する即時の見積作成

Agentforceは、営業担当者が正確かつカスタマイズされた見積を数秒で作成できるよう支援するAIエージェントです。担当者は「電力の使用量課金パック付きの新しい発電機の見積を作成して」などと要望を伝えるだけで、Agentforceが適切な商品、価格、契約条件を自動的に反映した見積を即座に生成します。

Salesforceではすでに自社の営業チーム向けにAgentforceを活用しており、見積作成にかかる時間を75%短縮、作業にかかるクリック数を87%削減する効果が確認されています。この効果はSalesforceだけにとどまりません。Agentforceは製造業から医療業界まで、あらゆる業種の顧客に対してスピーディで正確な見積作成を支援するよう設計されています。製薬・バイオテクノロジー分野のトレーニングを手がけるリーディングカンパニーであるAdMed, Inc.も、Revenue Cloudを活用して営業プロセスの改善を進めています。

AdMed, Inc.のクライアントサービス部門プレジデントであるビル・フランシー(Bill Francy)氏は、次のように述べています。「Revenue Cloudは、私たちのビジネスの在り方そのものを変えつつあります。現在、新しい見積エージェントを試験運用中ですが、手作業を削減し、商談サイクルを加速させ、これまで以上に迅速にクライアントへ見積を提示できると期待しています。これにより、効率化だけでなく、より多くの成約機会の創出と、賢くスケールする仕組みを手に入れることができるのです」

Revenue Cloudは、私たちのビジネスの在り方そのものを変えつつあります。現在、新しい見積エージェントを試験運用中ですが、手作業を削減し、商談サイクルを加速させ、これまで以上に迅速にクライアントへ見積を提示できると期待しています。これにより、効率化だけでなく、より多くの成約機会の創出と、賢くスケールする仕組みを手に入れることができるのです

AdMed, Inc. クライアントサービス部門プレジデント、ビル・フランシー(Bill Francy)氏

より迅速でスマートな商品構成

見積作成はあくまで最初のステップに過ぎません。見積プロセス全体においてスピードと精度を実現するには、営業担当者が商品をよりスマートに構成できる手段も必要です。Agentforceが見積の作成を開始した後、営業担当者はRevenue Cloudの強化された「商品コンフィグレーター」を使用して、1,000行を超えるような複雑な見積も迅速にカスタマイズできます。

従来のCPQ(Configure, Price, Quote)ツールは、多くが硬直的で複雑なルールに依存していましたが、Salesforceの新しい「制約ベースのロジックエンジン」はそれらを補完し、より柔軟に複雑なビジネスに対応できるように設計されています。双方向ルールやクリック操作だけで設定可能なテンプレートを活用することで、ルールの保守や作成にかかる時間を大幅に削減します。例えるなら見積作成における GPS のような存在で、営業担当者をリアルタイムで有効な商品構成へと導き、見積作成までの時間を短縮します。

重要な理由

現在の収益管理業務は、これまでになく複雑化しています。Deloitteの調査によると、B2B企業の経営層の71%が手作業による断片化された営業プロセスに課題を感じており、13%の商談が業務システムの分断により失われているとされています。サブスクリプション、従量課金、サービス提供などを組み合わせたハイブリッド型の収益モデルが一般化する一方で、営業担当者がそれらを手作業で組み合わせる余裕はありません。Agentforce for Revenueは、すべての取引タイプを1つの見積に統合し、取引データを契約から請求処理までシームレスに引き継ぐことで、業務全体の複雑さを解消し、効率性と正確性を高めます。

注目ポイント

この仕組みを実現するために、SalesforceはCPQソリューションを一から再構築し、新たに「Revenue Cloud」として提供を開始しました。これは、業界初となるコンポーザブルかつAIエージェント対応の収益プラットフォームです。APIファーストのアーキテクチャにより、すべての収益業務プロセスがAPIとして公開され、AIエージェントがそれらのプロセスと柔軟に連携・操作できるようになっています。

「Salesforce CPQは、スケーラブルなサブスクリプション型収益モデルを実現し、収益管理の第2の波を牽引してきました。今、Revenue Cloudによって、我々は第3の波――APIファースト、コンポーザブル、AIエージェント対応のプラットフォームによる収益管理を実現します。これにより、営業担当者、パートナーポータル、セルフサービス、フィールドサービスなど、あらゆるチャネルで収益の流れがシームレスになります」と、Salesforce Revenue Cloud担当EVP兼GMのメレディス・シュミット(Meredith Schmidt)は述べています。

AgentforceとRevenue Cloudは、構造化データと非構造化データ(購入履歴、商品カタログ、接続された利用中商品のインサイトなど)を統合し、タイムリーかつ正確なアクションを実行します。これらのデータはData Cloud上で統合・整備され、Agentforceの“エージェンティックAI”(自律的で目的志向型のAI)を支える基盤となります。従来のAIアシスタントが次のステップを提案するだけだったのに対し、Agentforceはタスクをエンドツーエンドで実行し、営業担当者がより高付加価値な業務に集中できるよう支援します。すべてのプロセスは、SalesforceのEinstein Trust Layerによって保護されています。AIエージェントは社員ごとのアクセス権限の範囲内で安全に動作し、許可されたデータやアクションのみにアクセスします。これにより、すべての見積が企業のポリシー、価格ルール、顧客データに準拠した形で作成され、見積作成にかかる時間が大幅に短縮されます。

詳細情報/さらに詳しく:

これらのイノベーションは、Salesforceの「Summer ’25」リリースの一環として提供されるもので、Revenue Cloudにとって過去最大規模のアップデートとなります。これらすべての機能は本日より利用可能です。今回のリリースにより、Revenue Cloudはこれまでにないほどのパワー、柔軟性、スピードをチームにもたらします。追加された主な機能は以下の通りです:

  • SlackおよびCRMとのシームレスなワークフロー:Agentforceは、Salesforce内の商談、見積、取引先レコードからだけでなく、API経由でSlack上でも利用可能です。これにより、営業担当者はどこにいても、同じ業務フローの中で見積の作成・編集・確定を行うことができます。見積は取引とともに連動して追跡されるため、再入力や重複作業は不要です。
  • Revenue Cloud Billing:Revenue Cloudは、完全な収益プラットフォームとして、APIファーストのアーキテクチャを活かし、請求業務を含む一連の商取引プロセス(英語)全体のプロセスを支援するカスタムエージェントの構築を可能にします。見積から請求書までのすべてのデータが単一のプラットフォーム上にあることで、正確で透明性の高い請求処理が実現します。
  • Revenue Management Intelligence:営業、ファイナンス、オペレーション部門は、収益ライフサイクル全体をリアルタイムで可視化することで、より迅速な意思決定が可能になります。Revenue Cloudに組み込まれた「Tableau Next」は、価格動向、受注フロー、収益パフォーマンスなどの主要指標を明確に可視化し、チームがインサイトに基づいて即座にアクションを起こせるよう支援します。

提供時期:

  • Agentforce for Revenueは、10月に日本での一般提供を開始する予定です。

詳細情報:

  • AIエージェント対応の収益プラットフォームに関するブログは、こちら(英語)

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