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Salesforce と AWS、エージェンティック エンタープライズの実現に向け AI トランスフォーメーションを加速

Salesforce, AWS Collaboration Accelerates AI Transformation

※本記事は2025年10月15日に米国で公開されたSalesforce and AWS Accelerate AI Transformation for Agentic Enterprisesの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


インターネット誕生以来、最も革新的な技術変革がAIエージェントによって進行しています。Salesforceの「エージェンティック エンタープライズ インデックス」によると、2025年上半期だけで企業によるAIエージェントの作成・導入数は119%増加しました。従業員によるAIエージェントとのインタラクションは月次で65%増加し、会話時間も35%長くなっており、エージェンティック システムが企業活動に不可欠な存在となりつつあることを示しています。

Salesforceとアマゾン ウェブ サービス(AWS)は約10年にわたるパートナーシップを通じて、Deel、Expedia Group、Toyota Motor North America、1-800Accountantなどの共通の顧客が、セキュリティと信頼を損なうことなく強力なAIテクノロジーを「より簡単に、安全に、迅速に」活用できるようイノベーションの創出に注力し続けています。両社は現在、データの統合、セキュアで相互運用可能なAIエージェント、次世代コンタクトセンターの実現、AWS Marketplaceを通じたAIソリューションの調達プロセス効率化という4つの柱を軸に、エージェンティック エンタープライズ(英語)(エージェント型企業)実現の基盤を築いています。

AWSのグローバルスペシャリスト&パートナー担当バイスプレジデント、ルバ・ボルノ(Ruba Borno)氏は次のように述べています。「クラウドは企業の在り方を変革しましたが、今、エージェンティックAIが次の進化を牽引しています。AWSとSalesforceはこれまで10年近くにわたり、お客様が複雑な技術変革を乗り越えることを支援してきました。Amazon ConnectやAWS Clean Roomsとの統合、Amazon Bedrockでの基盤モデルのセキュアなホスティング、AWS Marketplaceでの簡易な調達を通じて、私たちは先進的なAIを安全かつ成果志向で利用できるよう支援しています。その結果、SalesforceのAWS Marketplaceにおける累計売上は20億ドルを突破しました」

Salesforceのグローバルパートナーシップ&AppExchange CEO、ブライアン・ランズマン(Brian Landsman)は次のように述べています。「AWSとのパートナーシップの次なる章は、人の持つ専門知識とAIエージェントの力を組み合わせ、あらゆる企業が制限のない能力・精度・スピードを備えたエージェンティック エンタープライズへ進化することを支援するものです。SalesforceとAWSの多様なサービスを横断した統合により、私たちはデータアクセスの保護、相互運用可能なエージェンティック ワークフローの推進、そしてスケーラブルで革新的な顧客体験の提供を通じて、お客様のAI活用価値を最大化しています」

信頼できるデータへの安全でシンプルなアクセス

AI導入を成功に導く鍵は、信頼できるデータへの容易なアクセスにあります。Salesforceの「Data 360(英語)(旧 Data Cloud)」に搭載された「Zero Copy」機能により、データの複製や移動をすることなく、企業はAmazon Redshiftなどのシステムに分散して保存されたデータにアクセス・分析することができます。これにより、データ統合の複雑性を排除しながら、迅速なインサイトの獲得が可能になります。

Data 360とAWSを活用することで、1-800Accountantのようなお客様はデータを統合し、リアルタイムでのアクセスと管理を実現しています。Zero Copy統合(英語)を通じてRedshiftと直接連携し、顧客ごとの360度ビューを構築しました。この統合基盤により、複雑な税務相談を含む幅広い問い合わせに対して、予約不要でAgentforceを通じた24時間365日の即時対応を可能にしています。その結果、税務シーズン中の定型的な問い合わせの70%をAIエージェントが自律的に処理し、公認会計士(CPA)はより付加価値の高い対応に集中できるようになりました。これにより効率性が大幅に向上し、顧客体験が向上しています。

1-800AccountantのCTO、ライアン・ティープルズ(Ryan Teeples)氏は次のように述べています。「Zero Copyの価値は非常に大きいです。数億件規模のトランザクションをすべて複製する必要がないのです。Data 360とAWSを組み合わせることで、AIエージェントがよりパーソナライズされた顧客体験と有意義な回答を提供できるようになりました」
Salesforceはこの成果を基盤に、新たに「Data 360 クリーンルーム」を発表しました。AWS Clean Roomsとネイティブに連携し、複数の企業が生データを共有することなく、安全でプライバシーを強化した環境で情報の共同分析を可能にします。Zero Copy接続により、データの所在を問わず、厳格なプライバシーとコンプライアンスを維持したまま分析を実施できるので、企業は安心して共同インサイトを得て戦略を推進できます。Expedia Group Advertising(英語)では、ホテルブランドや航空会社などの広告主が、Expedia Group経由の予約実績や直接予約とキャンペーン成果を照合することで、真の広告費用対効果(ROAS)を測定し、広告投資の最適化を実現しています。

モデル選択の拡張とAIエージェント間の連携・相互運用性

SalesforceとAWSは、企業が信頼できる形でAIを導入・運用するための堅牢なセキュリティ基盤を共同で提供しています。AWS Marketplace上の「AIエージェントとツール」カテゴリーに掲載されたAgentforceプラットフォームを通じて、企業は複数ベンダーのAIエージェントを相互運用可能な形で容易に導入し、ワークフローや業務システムを横断してシームレスに連携させることができます。

Model Context Protocol(MCP)やAgent2Agent(A2A)といったオープンスタンダードにより、AIエージェント同士が透明性と制御性を保ちながら連携・協調し、システムを横断したワークフローを推進できるようになります。例えば、現在パイロット中のAgentforce MCPクライアントサポートにより、AgentforceのAIエージェントがAmazon Bedrock AgentCore上に構築されたAIエージェントと通信し、ホテル客室のIoT情報を取得して特定のアクションを実行することが可能になります。さらに近日中には、SlackのMCPサーバーとの強化連携も予定されています。これによりチームはSlackのコンテキストと統合されたQuick Suiteのリサーチ、ビジネスインサイト、オートメーションツール群に安全にアクセスでき、ワークフローを一段と強化できます。Quick Suiteエージェントは、Slackの使い慣れた会話型インターフェースの上で、文章校正、メッセージ要約、コンテンツ生成、情報検索などを実行できます。

AgentforceのAtlas推論エンジンにより、企業はSalesforceの信頼境界(Trust Boundary)でAmazon Bedrock上にホストされたAnthropicのモデルを活用し、高いコンプライアンスが求められる業界の顧客ニーズに対応できます。Amazon Bedrockのセキュリティコントロールは、すべてのLLMトラフィックをSalesforceの仮想プライベートクラウド(VPC)内で処理するため厳格なセキュリティおよびコンプライアンス基準を満たしながら、堅牢なデータ保護と管理を実現します。さらに、Amazon Bedrock上のAmazon Novaモデルが、Agentforce プロンプトビルダー向けのSalesforceマネージドモデルとして利用可能になりました。これにより、ケース対応の自動化など、特定のユースケースに合わせて再利用可能な生成AIプロンプトを容易に展開できるようになります。

Toyota Motor North Americaは、Agentforceを活用し、予約の日時調整や代車管理といったカスタマーサービスのワークフロー自動化を計画しています。Salesforceの信頼境界内でAmazon Bedrock上にホストされたAnthropic Claudeモデルを活用することで、エンタープライズレベルのセキュリティを確保します。

AIエージェント時代に対応したコンタクトセンターの刷新

SalesforceとAWSは、これまでに1,000社以上、10万人を超えるサービス担当者がAgentforce Voice(英語)(旧Service Cloud Voice)を活用し、パーソナライズされた顧客体験を提供できるよう支援してきました。

企業は、Salesforce Contact Center with Amazon Connect(英語)(SCC-AC)を利用することで、サービス担当者が顧客対応を統合的に管理できる環境を提供できます。この包括的ソリューションにより、企業はAgentforceのAI機能を音声セルフサービスに拡張でき、Amazon Connectのリアルタイム文字起こしや感情分析とのシームレスな統合も維持可能です。複雑な課題に人の専門知識が必要な場合は、すべての会話履歴や顧客データとともに、Agentforce Serviceの統合エージェント体験を通じて担当者にスムーズに引き継がれます。

AWS のAmazon Connect担当バイスプレジデント パスカーレ・デマイオ(Pasquale DeMaio)氏は次のように述べています。「お客様は、オープンでインテリジェント、かつ導入が容易なコンタクトセンターを求めています。Agentforce VoiceとAmazon Connect SCC-ACの統合により、企業は定型的な問い合わせをAIで処理しつつ、人の担当者への円滑な引き継ぎを実現できます。これはSalesforceとの長年にわたる協業の成果であり、カスタマーサービス体験の向上をさらに推進します」

今後は、MCPのサポートにより、Amazon Connect内のAmazon QとAgentforceエージェント間の相互運用が可能になり、企業は課題解決の効率をさらに高められるようになります。

グローバルでの利用拡大とシームレスな導入を推進

SalesforceがAWS Marketplaceで提供されるようになったことで、顧客はAIソリューションの発見から調達・管理までを、よりスムーズかつ効率的に行えるようになりました。購入手続きの簡素化、請求の一元化、調達プロセスの効率化が実現し、AI導入へのハードルが大幅に低減されています。2023年末のAWS Marketplace参加以来、Salesforceは最も急成長している販売者となり、2025年半ばには累計売上が20億ドルを突破しました。現在はチリ、メキシコ、コロンビアなどラテンアメリカ市場への拡大(英語)を含む30カ国で提供されており、世界中の企業がセキュリティ、コンプライアンス、スケーラビリティを備えたエージェント型AIソリューションを安心して導入できるようになっています。

Deel社 調達部門ディレクター オール・ジルチャ(Orr Zilcha)は次のように述べています。「AWS Marketplaceを通じてSalesforceを導入することで、迅速に成果を上げることができ、チームに必要なツールを提供できました。調達プロセスを一元化し、単一の請求書で管理できるようになったことで、最先端の技術スタック構築をよりシンプルに進めることができました」

この急速なグローバル成長とAWS Marketplaceでの提供拡大により、エージェンティックAIおよび生成AIの導入を加速させています。標準化された契約、柔軟な価格設定、統合請求などにより、導入時の複雑さとリスクを軽減しています。また、事前構築済みでカスタマイズ可能なAIエージェントやワークフローを提供するAgentforceのマーケットプレイス「AgentExchange」には、すでに30以上のソリューションが掲載されています。これにより顧客は、業務の最適化、自動化、そして大規模にパーソナライズされた顧客体験の提供を実現するエージェンティック エンタープライズへの変革を加速できます。

両社が協力し、エージェンティック エンタープライズをより身近なものに

SalesforceとAWSは、エンタープライズAIをより身近で、安全かつ拡張性の高いものとするための統合的なイノベーション(英語)を継続的に推進しています。10年以上にわたる両社の協業は進化を続けており、今後もAI導入をより簡素化し、企業がエージェント型システムの可能性を最大限に引き出してお客様に新たな価値を提供できるよう支援していきます。

詳細情報:

  • SalesforceとAWSのパートナーシップの詳細は、こちら(英語)。
  • 両社が共通のお客様のエージェンティック エンタープライズへの進化をどのように支援しているかはこちら(英語)

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