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保守的から積極的なAI戦略への転換 – SalesforceによるCFO調査

New Salesforce Research: CFOs Invest in AI for Growth 2025
AIエージェントが企業で戦略的な役割を果たすにつれCFOがROIを再定義していることが明らかに

※本記事は2025年8月11日に米国で公開されたFrom Caution to Core Strategy: New Study Shows CFOs Going All In on AIを抄訳、編集しました。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


Salesforceが実施した新たな調査によると、最高財務責任者(CFO)は人工知能(AI)へのアプローチを根本的に転換し、従来のコスト削減を目的とした慎重な姿勢から、長期的な収益拡大を目指す戦略的な投資へ移行していることが明らかになりました。

調査対象となった世界中のCFO261人のうち、70%が2020年には保守的なAI戦略(英語)を取っていると回答していました。しかし現在では、その割合はわずか4%にまで急落しています。この急速な変化は、AIがもはや単なる新興的テクノロジーではなく、効率性の向上、業務の最適化、そして重要な長期的成長の推進に不可欠なツールであるという認識が、CFOの間で広まっていることを浮き彫りにしています。

データによると、この変化の背景にはCFOによるテクノロジー投資のROIに関する根本的な見直しが挙げられます。 CFOの半数以上(61%)はAIエージェント(自律的にタスクを実行できるデジタル労働力)によってROIの評価方法が変わりつつあると述べています。従来指標を超え、より幅広いビジネス成果を網羅するかたちで、テクノロジー投資の成功度を測るようになっているのです。

Salesforceのプレジデント兼最高執行・財務責任者(COFO)であるロビン・ワシントン(Robin Washington)は次のように述べています。「デジタル労働力の導入は単なる技術的なアップグレードではなく、CFOにとって決定的かつ戦略的な転換を意味します。AIエージェントによって、私たちはビジネスモデルを変革するだけでなく、CFOという職務の全体像を根本的に再構築します。財務管理者という枠を超え、AIエージェントによる企業価値の設計者へと役割が拡大していくなかで、新たなマインドセットが必要とされています」

デジタル労働力の導入は単なる技術的なアップグレードではなく、CFOにとって決定的かつ戦略的な転換を意味します

Salesforce プレジデント兼最高執行・財務責任者(COFO)、ロビン・ワシントン (Robin Washington)

実際、昨年はCFOの65%(英語)がテクノロジー投資のROI向上を加速させる重圧に直面していました。今日、AIの価値は短期的なコスト削減だけでなく、収益の創出、生産性の向上、意思決定の改善といった長期的なビジネス成果にも及ぶことが認識されています。そして、このような領域はAIエージェントが特に得意とする分野です。

あるCFO調査の回答者は、次のように述べています。「従来のテクノロジーのROIは、多くの場合、即座に測定可能な結果に依存していました。一方、AIのリターンは、継続的なプロセスと新しいビジネスモデルを通じて長期的に蓄積される可能性があります」

クイックデータ:

CFOの多くが保守的なAI戦略から、積極的なAI戦略へ移行しています。

  • 5年前はCFOの70%が保守的なAI戦略を堅持していました。わずか2年前までは、その割合は34%でした。
  • 現在、保守的なAI戦略を維持しているCFOはわずか4%で、3分の1が正式に積極的なアプローチを採用しています。

CFOはAI予算の4分の1をエージェント型AIに充てており、支出に対する考え方を根本的に変えつつあります。

  • 2025年1月まで、CFOはAIのコストとリスクについては判断を見定めており(英語)、中程度の投資やリスクに焦点を当てていました。しかし、現在では状況が変わっています。
  • CFOは平均して、現在のAI予算全体の25%をAIエージェントに充てていると回答しています。
  • CFOの61%は、AIエージェント/デジタル労働力が現在の経済環境において競合を勝ち抜くために不可欠であり、今後もその重要性は変わらないと述べています。
  • CFOの64%は、AIエージェント/デジタル労働力によって、自社の投資に対する考え方が変わってきていると述べています。
    • 3分の1以上(35%)は、AIによってテクノロジー投資に関してよりリスクを許容する姿勢が必要になると述べています。

CFOは、AIエージェントが定型業務と戦略業務を引き受けることで、コスト削減と収益向上の両方を実現していると報告しています。

  • CFOの74%は、AIエージェントはコスト削減だけでなく収益向上にも貢献すると考えています。
  • AIエージェントを導入しているCFOは、AIエージェントによって会社の収益が約20%増加すると予想しています。
  • CFOの72%はAIエージェントによりビジネスモデルが変革されると述べています。
  • CFOの55%は、AIエージェントが定型業務よりも戦略的な業務を担うようになると考えています。

エージェント型AIは、CFOによるROI評価方法を変えつつあります。従来の指標を超え、より幅広いビジネス成果を網羅するようになっています。

  • CFOの61%が、AIエージェントによってROIの評価方法が変わると回答しています。
    • CFO調査の回答者は次のように述べています。「従来のテクノロジー投資は、目に見える形ですぐに得られる財務リターンに主眼を当てていましたが、AIのメリットは長期と短期の両方に及びます。KPIはビジネス成果に基づいて算出されます」
  • AIエージェントの導入により、AIのROIを評価するための主な要素はより広範囲になり、直接的なコスト削減や短期的なメリットなどが含まれます。
    • コスト削減、リスクとコンプライアンスの改善、収益増加(同率1位)
    • 生産性または効率性の向上(2位)
    • 意思決定の改善(3位)
  • CFOはまた、AIを財務管理の改善を通じてROIを確保するための貴重な手段と捉えています。
    • CFO調査の回答者は次のように述べています。「AIはリアルタイムの予算追跡を提供し、予測精度を向上させ、財務管理の改善を通じて過剰支出からROIを守ります」 
  • CFOにとって、ROIの再定義には、短期的な成功を重視する考え方から長期的な成功を重視する考え方への転換が必要です。
    • AI戦略でCFOが強く懸念している2つの主な点は、セキュリティまたはプライバシーの脅威(66%)とROI達成までの期間の長さ(56%)です。
      • CFO調査の回答者は次のように述べています。「他のテクノロジーでは、AIのような倫理的リスクを伴わないのが一般的です。AIに不具合が生じた場合、風評コストは通常のツールでは起こりえないほどROIに影響を及ぼします」 
      •  CFO調査の回答者は次のように述べています。「AIモデルの再トレーニング、監視、改善には継続的な投資が必要となるため、固定機能ツールよりもROIは流動的に捉えています」

詳細情報:

  • Salesforce Stat libraryで、より多くのインサイトを知るにはこちら(英語)。
  • デジタル労働力が人員配置に与える影響について、最高人事責任者(CHRO)による経営幹部レベルのインサイトはこちら

調査方法:SalesforceはMorning Consultと提携し、AMER、EMEA、APACの24カ国261名のグローバル最高財務責任者(CFO)を対象に、二重盲検法によるオンライン調査を実施しました。

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