日本の消費財業界のリーダーの94%がAIエージェント活用による売上拡大を期待
※本記事は2025年9月9日に米国で公開されたConsumer Goods Leaders: AI Top Priority as 57% Expect Increased Instabilityを日本のデータをもとに編集しています。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
Salesforceが発表した最新レポート「消費財業界のインサイトレポート 第3版」によると、2025年は消費財企業にとってかつてない厳しさに直面する年となっています。消費者心理の冷え込み、市場投入までのルートの複雑化、従来型の売上施策の効果鈍化、そしてマクロ経済の変化などが、利益率を圧迫する要因として浮上しています。実際に、日本の消費財業界リーダーの45%が、2025年は利益を伴った売上成長を達成するのが困難になると回答しています。
こうした状況を受け、業界リーダーたちはAIへの投資を加速させています。中でも、人の介入なしに自律的に行動できるタイプのAI(英語)であるAIエージェントは、今後2年以内に競争に不可欠になると約9割が回答し、94%がAIエージェントの活用により自社の売上が拡大すると考えています。
PepsiCoテクノロジー戦略&エンタープライズソリューション担当SVP、デイブ・ドーナリック(Dave Dohnalik)氏は次のように述べています。「消費者の金銭的な負担は大きくなっています。だからこそ、オペレーションをいかに効率化できるかが鍵となります。Salesforceと連携することで、複雑な市場展開の中でもデジタルチャネルの活用と小売体験の実現を期待しています」
経済政策の変化が消費財業界リーダーに与える影響
- 利益率を圧迫するさまざまな要因の中でも、ほぼすべての消費財業界リーダー(99%)が、関税の導入や拡大といった経済政策の変化によって調達や業務、マージンに影響が出ていると回答しています。
- それに対応して、企業は調達戦略の見直し、製品のパッケージの見直し、事業拠点の移転などを進めています。
- Salesforce RCG Insights ディレクターのミシェル・グラント(Michelle Grant)は次のように述べています。 「大きな変化の渦中にある今、AIの力は、企業の取り組みを加速し、さらなる成長へと導く原動力です。調達戦略の見直しやサプライヤーとの交渉、コスト吸収の過程において、AIは需要パターンを分析し、優先すべき製品の選定や店舗での実行戦略を支援するとともに、より精度の高い需要予測を実現します。Salesforceは、こうしたすべての施策において、企業がより賢明な意思決定を行えるよう支援します」
成長・効率・イノベーションの実現へ – 消費財業界リーダーがAIとAIエージェントに注目
- 外部からのプレッシャーがある中でも、消費財業界のリーダーたちはAIを最も重要な課題であり最大の機会でもあると位置づけています。
- 業界リーダーは、AIエージェントが2027年までに不可欠な存在になると考えています:
- 93%のリーダーが、今後2年以内にAIエージェントが競争に不可欠になると回答。
- 90%が、AIエージェントへの投資を今後拡大すると回答。
- 94%が、AIエージェントが自社の売上増加に貢献すると考えています。
- 収益成長にとどまらず、リーダーたちはクリエイティブ業務でのAIエージェント活用にも期待しています。たとえば、販促施策の立案・最適化(英語)から新製品開発に至るまで、AIを利益とイノベーションを生み出すエンジンとして位置づけています。
従来型のトレードプロモーションは収益性に限界、AIによる最適化された販促オファーが最も高い成果を発揮
- トレードプロモーション(流通業者・小売店向け販促活動)は消費財業界で最も大きなコスト要因のひとつですが、実際にプラスのROI(投資対効果)を出しているのはわずか40%にとどまり、この数字は長年改善していません。
- 店舗内での競争や売上向上には重要な施策である一方で、費用がかさみ、成果が安定しないことから、従来の手法(英語)には限界が見え始めています。
- 一方、AIを利用したデータにもとづく最適化されたオファーは、トレードプロモーション施策の中でも最も高い成果を上げており、ロイヤルティプログラムを20ポイント上回る効果を出しています。
Direct to Consumer(D2C)とロイヤルティ施策の成長が鈍化する中、パーソナライズ施策とソーシャルメディアへの投資が加速
- D2Cチャネルやロイヤルティプログラムを通じた成長を追求してきた消費財企業ですが、そうした施策も限界を迎えつつあります。
- 43%の消費財業界リーダーが「消費者のロイヤルティの維持がこの上なく難しい」と回答しており、過去1年で74%の消費者がブランドを乗り換えた経験があることが明らかになっています。
- 顧客の購買行動がこれまで以上に多様化・分散する中で、企業はパーソナライゼーション、ソーシャルメディア、AIを活用し、あらゆる接点で顧客とつながることを目指しています。
- 企業は、ソーシャル(65%)およびデジタル広告(74%)への投資を拡大しており、成長を促すために顧客のいる場所で接点を持とうとする姿勢が明確に見られます。
- 70%のリーダーがパーソナライズ施策への投資を拡大していると回答しています。
Salesforce RCG Insightsディレクターのミシェル・グラント(Michelle Grant)は次のように述べています。「2025年の市場では、値上げや一律プロモーション、標準的な品揃えだけでは成長は望めません。いま求められるのは精度です。データ、戦略的な販促活動、そしてAIエージェントを活用して、製造から購買までのあらゆる接点を収益機会に変えていくことが大切です」
詳細情報:
- 消費財業界のインサイトレポートの全文は、こちら 。
- Salesforce Consumer Goods Cloudの詳細は、こちら。
- Salesforce Stat Libraryにおける業界インサイトは、こちら(英語)。
調査概要:
本レポートは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、メキシコ、スペイン、イギリス、アメリカにおける消費財業界の意思決定者2,400人(日本200名を含む)を対象に実施された二重盲検法に基づいています。なお、調査は2025年5月1日から6月12日に実施され、すべての回答者は第三者調査パネルを通じて選定されました。詳細はレポートをご覧ください。
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