2025年10月、セールスフォース・ジャパンは、非営利団体を対象とした「生成AI活用入門ワークショップ」をオンラインで開催しました。本ワークショップは、Salesforceの社会貢献モデル「1-1-1モデル」の一環として実施され、特定非営利活動法人みんなのコードの協力のもと、生成AIの基本から実践までを体験的に学ぶプログラムです。
社会課題の解決に向けた“AIアクセスギャップ”の解消
Salesforceは、AIを通じてより公平で持続可能な未来の実現を目指しています。米国本社では、非営利団体によるAI活用を支援する「Salesforce Accelerator – Agent for Impact」を展開し、教育やサステナビリティ分野で活動する団体を資金、プロボノ、テクノロジーの3つの側面から支援しています。
一方で、世界的にはAI活用におけるアクセスギャップが依然として存在します。Salesforceの「Nonprofit Trends Report 6th Edition」によると、65%の非営利団体がAI活用に前向きでありながら、実際に導入できている団体はわずか12%にとどまっています。このギャップの最大の原因は、恒常的なIT人材の不足です。少人数で多岐にわたる業務を担うNPOにとって、AI人材の確保や活用方法の検討は容易ではありません。
こうした状況を受け、セールスフォース・ジャパンのソーシャルインパクトチームは、非営利団体が生成AIを安全かつ効果的に取り入れるための第一歩として本ワークショップを企画しました。
ワークショップでの学びと体験
当日は、プロボノ支援プログラムを利用するNPOを中心に、登録者数約50名の参加者がオンラインで集まりました。ワークショップは、生成AIの基本的な仕組みの説明から、実際に手を動かすハンズオンまで、体験型のプログラムで構成されました。
最初のセッションでは、「AIにやらせたいこと/やらせたくないこと」を書き出すアイスブレイクを実施。参加者は「データ集計・分析」「日報作成」などの業務でAIを活用したい一方、「個人情報を扱う業務」などは避けたいという意見を共有しました。この作業は、どの団体でもすぐに実践できる、生成AI導入の第一歩となります。
続いて、生成AIの中核技術である大規模言語モデル(LLM)の仕組みや、対話形式での活用のポイントを学びました。プロンプトの質によって結果が変わること、検索のような一問一答ではなく対話形式で前提条件を伝えること、個人情報や会社データを学習させないことなどが重要です。
ハンズオンでは、ChatGPTを使った「1週間分の献立作成」や「日報作成補助プロンプトの開発」を通じて、AIに条件や希望を伝えながらアウトプットを整える体験を行いました。さらに、実際に日報を入力し、生成AIにフィードバックを求めるワークを実施。参加者はAIとの対話を通じて、自分だけでは思いつかないアイデアを引き出すことができ、生成AIが単なる効率化ツールではなく、内省や考えの整理を促し、共に考え支援してくれるパートナーであることを実感しました。
ワークショップ後のアンケートでは、多くの参加者が「いろんな活用方法があることを知った」「抵抗感がなくなった」「もっと業務で生成AIを活用できるように考えていきたい」と回答しました。
パートナーの視点:みんなのコード
今回のワークショップに協力した特定非営利活動法人みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」というビジョンを掲げ、すべての子どもが情報教育を受けられる社会の実現を目指しています。代表理事の杉之原明子氏は、「教育現場や非営利の分野では人手や時間の制約が常につきまといます。生成AIは、誰もが使い手になれるという利点があります。団体の皆さんがAIを“使いこなす側”“新たな価値を生み出す側”に立つ一助となれば嬉しいです」と述べました。
Salesforceの今後の取り組み
セールスフォース・ジャパンのソーシャルインパクトチーム フィランソロピーマネージャーの丸野遥香は次のように述べています。「AIを正しく理解し活用する力は、これからの社会課題解決に不可欠です。Salesforceは、非営利団体がAI活用の第一歩を踏み出す支援を行い、今後も1-1-1モデルを通じてAIへのアクセスギャップを解消する取り組みを継続してまいります」
Salesforceは、非営利団体が生成AIを安全かつ効果的に活用できるよう、学びと支援の機会を提供し続けます。
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